No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

海宝直人氏とディズニーミュージカルの話。

**初ソロアル(という名のメンケンアルバム)発売を祝しまして、

書いてから放置してたこの記事も少し加筆しておきます**18/11/22

 

 

ヤングシンバが大人シンバを演じた初めての俳優!

として語られることの多いように思う海宝くん。

ディズニーだけでも色々やってるんだよー!という話をしたかったんです。

自分用に情報のまとめも兼ねて。

 

でももはや何を書きたかったのかよく分からない笑

愛だけ伝われば良いや。。 

 

 

①『美女と野獣』チップ役(1996〜1998年)

海宝くんの初舞台、四季デビュー。

 

現在では劇団員の小柄な女性が演じるようになったチップですが、

軽く調べたところ1999年まで子役が演じていたそうです。

(法律が変わって子どもが21時以降出演できない例のアレのせいだとかなんとか)

2000年にCDが発売されていますが、収録キャストのチップは豊永利行さん。

とても可愛い良い声の少年voiceですが、現在は声優をメインでやられている模様。

 

というわけで海宝チップは公式に残っているものがありません。

(どこかでオーデ映像と思われる動画をちらっと見かけたことがあるけど…見失いました。笑)

でも!人間に戻ったときの衣装写真はいろんなところで披露されてます。

いやー天使。ただの天使。こんな可愛いチップが「ママー!」って走ってくるところを見たかった。。(動機が不純) 

 

追記:チップのオーディションに向かう車の中で岡本真夜さんのTOMORROWを歌っていたというエピソードがわりと出てくる。

18年3月に岡本真夜さん出演のライブでシアノタイプとしてオープニングアクトも務めました。

 

②『ライオンキング』初代ヤングシンバ役(1999〜2001年)

CD収録キャストではあるものの、初日出演メンバーとイコールではありません。

(現劇団四季団員の伊藤綾祐さんが初日ヤングシンバだったらしい。

http://community.pia.jp/stage_pia/2015/07/LK10000.html)

 

残念ながら海宝ヤングシンバも拝見したことはなく。

そもそも出演時期には私はまだミュージカルデビューすらしていない子供だったわけですが…

 

それにしても少年時代の歌声が比較的音質良く、しかも手軽に入手できるCDとして劇団から販売されているなんて奇跡に近い。

それも3曲もあるわけです。もはや大人ナラよりも多い。笑

歌、台詞、うなり声も収録されています。ほらお得!

盲目的なファンなのでもう絶賛しか出来ないけど、めっちゃ上手い。

CD発売も1999年なので、デビュー年の収録ですね。

まだ子役ならではの声の高さが存分に発揮されていますが、やっぱり声が良い。滑舌も良い。

スパーンとした心地の良い歌声はエンドレスで聴き続けられます。

「を」が「WO」っぽい発声なのも特徴的。

(種類は違えど今も比較的"O"母音に癖がありますよね〜)

 

個人的には、ミュージカル好きになってすぐ近くのCDショップで四季のCDを借り尽くして聞いていたんですが、その中に旧LKもあり。

子どもだったのもあって特に子役の、つまりヤングシンバの歌はずーっと聴いてたんです。

昔から歌には割とシビアでしたがwwこの子上手いな!って思って、収録キャストを見ていたので結構初期から「海宝直人」の名前は知っていたんですよね。

 

ところで、たくさんいたヤングシンバの中で初日出演でもなかった海宝くんが収録キャストに選ばれているわけで。

やはり歌が強かったんだろうなぁと勝手に思っていましたが、当時の子役担当りえさんのブログにはっきりと書いてありました。

 

「驚くほど音感が良い子で、CD製作の時は真っ先に直人を選んだくらい。」

 

…すげえ。

真っ先に選ばれるんだからずば抜けてたんでしょうなぁ。生で観たかった。

いつもポケーッと口が開いてたとか、ヤングシンバではダンスが大変で頑張っていたとか、可愛いエピソードも!

ameblo.jp

今年もLK初演元子役集まりがあったようです。

小学生だった子どもたちが成長して各々才能を開花させる姿を見届けるのは幸せだろうなぁ。

 

③『アラジン』アラジン役(2015年〜)

大人になってカムバック!!第1弾。

浅利さんが劇団四季の演出から手を引いて1発目の新作。

公開オーディションの実施が話題になりました。

もはや懐かしいですが、芋洗坂係長ジーニーのオーディションを受けていて話題になっていましたね。

www.shiki.jp

島村さんはアグラバーっぽいパンツ、厂原さんはベストとアラジンっぽい見た目を意識するなか、白シャツでプリンス感を強調する海宝くん。(多分その意図はない)

 

結果アラジン役を勝ち取った海宝くんですが、レミゼで初マリウス出演の年でもあったため、2015年12月頭からの出演となりました。

(アラジン自体は5月末に開幕。)

稽古がわざわざ記事にされる手厚さ。この時にしれっと3人目のジャスミンとなった斎藤舞さんの稽古写真も出ています。

開幕キャスト以外はなかなか稽古場写真が出ない四季としてはとてもありがたい記事でした。

www.shiki.jp

海宝くんが3人目のアラジン。(開幕年にオーディション合格者の3名がデビュー)

そして2016年9月に笠松哲朗さん、2017年1月に北村優さんがデビューし、現在5人のアラジンがいます。

この2名も海宝くんと同じくヤングシンバ出身者です。

 

ラッキーなことに5人のアラジンはみなさん拝見できているので、前つぶやいたざっくり分類。

もちろん各々役作りは違うけど、大きく分けるとこの3種類かな。

①ミュージカル版王道アラジン(誰もが納得、高値安定)→島村くん

②芝居重視の新たなアラジン(亡き母の姿が目に浮かぶ繊細な芝居)→厂原さん、笠松くん

③ディズニーアニメ寄りのプリンスアラジン(自然体な愛されリア充)→海宝くん、北村くん

 

追記:2017年9月に6人目のアラジン小林唯くんがデビューしました。現在四季最年少のアラジン。一和洋輔さんに似ているとの声がありますが、似てます(笑)

 

<感想>

海宝アラジンはディズニーらしいアラジン。ダイヤの原石というかまんまダイヤ。

島村さん、厂原さんがジーニーとの友情を強めに描くなか、友情軸と同等に「ジャスミンとの恋愛軸」を描いてきたなという印象でした。

「僕を信じて!」で少し首をコテっと傾けるという殺傷能力の高い技を持つアラジンなのでお気をつけください。。

間違いなくイケメンですがアラジンパーマは不思議とあまり似合わない。謎。

主人公としての存在感があり、爽やかで笑顔がキラキラ、バラードもがっつり聴かせる歌唱力。

 

タイプが違うので比べるのは難しいですが、、5アラジンで言えば、

観劇時点での歌唱力は間違いなく開幕キャストの島村さんと海宝くんが2トップです。

次いで北村くん、厂原さん、笠松くんの順かなぁ。

 

なんの話をしたかったのか分からなくなりましたが、

まあ海宝くんはアラジンで(外部契約)カムバックを果たしたよ!っていうのと、

海宝アラジンはええぞ!って話です。

 

追記:2018年3月、まさかの(?)海宝アラジン復活。

約1ヶ月弱、合間にシアノタイプの活動や事務所のコンサートを挟みつつアラジンに出演。

やーばかったです。(語彙力)

ゆるめのパーマでビジュアルもバッチリだったのと、前回出演時と比べて格段に磨き上げられた歌唱力で圧倒的な完成度のアラジンだったと思います。

顔立ちやよく動く眉、ディズニーにぴったりの夢のあるきらめきを含んだ歌声、揺らぎのない安定感、ハマり役というのはこういうことを言うんでしょうね。歌や芝居以前のスタート時点で本人の持ち合わせているものがとても有利に働く役。さらにそこにプラスαで乗ってくるんだからそりゃ凄いわけだ。

 

④『ライオンキング』シンバ役(2016年〜)

これがやたら話題になった(と私が思っている)ヤングシンバがシンバへ!です。

異例だったのが、事前に「シンバ役への挑戦」が発表されたこと。

しかも自身のイベントの中で発表があり、その後取材会が行われたという流れだったはず。

元ヤングシンバ海宝直人が『ライオンキング』シンバ役へ! - げきぴあ

 

タイミングがアラジンデビュー直後だったこともあり、内心なんだかなぁと思ったのを覚えています。

もちろん海宝くんがシンバを演じることが、ではなくて劇団の動き方が。

浅利さんの引退後、それまで作品主義を掲げてきた四季が色々模索する中である種のスター主義に傾こうとしているのかなと正直感じた流れだったのです。

「ヤングシンバがシンバを演じるんです!」ってまあそりゃ美味しいですよね。

話題にもなるでしょうし。

でもあのタイミングはあまりに出来過ぎで、しかも四季ファンに四季の舞台での海宝くんの実力が知られるにはまだまだアラジンデビューから間もなかった。

インタビューやライブでの話から、アラジン稽古の流れでシンバのオーディションも受けないかと提案されたようです。

なんかこう、あのチケット発売直前の発表にはもやっとを隠しきれなかった。商売の匂いがしすぎて。

海宝シンバ自体はとてもおめでたいなと思ったし、実力があるのは分かっていたからハイクオリティなシンバなら文句はないぞ!という気持ちでした。

 

とまあ長くなりましたが、、 

いざ、翌年シンバデビューを果たしてみれば案の定これは誰も文句言わないでしょうwwというクオリティでした。

海宝くんの凄いところはデビュー時や初日から相当完成されているところだと思います。

(いや当たり前のことかもしれないけど、、特に四季は手探りデビューでだんだん安定していくタイプを割と目にするので。)

キャスボの写真がブレまくりだったのでこちらで代用。

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四季団員のお姉様、海宝あかねさんとの共演です。

海宝くんがミュージカルに足を踏み入れるきっかけにもなったお姉さん。

元ヤングナラで、兄弟共演をしたこともあったそうで、、

純粋に凄いことですよね。長年ロングランを続けてきたからこそ実現したことでもあるし。

個人的には海宝あかねさんはだいたいLKに出演されている印象です。総出演回数とかすごそうだな。。

 

こうしてついにヤングシンバからシンバへと成長した初の俳優さんとなった海宝直人さん。

ちなみにヤングナラからナラへの成長はすでに実現していて、2011年に当時四季団員の池松日佳瑠さんが演じています。

余談ですが、すでに退団されてTwitterもされてます。弟さんは俳優の池松壮亮さん。

旦那様は元シンバの宇都宮さん。リアルライオンキングか!

twitter.com

 

<感想>

爽やか。とにかく爽やか。

汗を撒き散らす筋肉万歳マッチョシンバが苦手な私には天国のような清涼感。

どのシンバでもスポットが当たって♪心配ないさー を聞くまでが1番緊張しますが、

第一声でこれは安心だとホッとした。高音が伸びる伸びる!

今までのシンバと比べるとだいぶ細身ですが、ティモンたちと同じもの食べていたならある意味納得。

流れてる!あなた王族の血が流れてるよ!って思います。

LKに何を求めるかですが、野性味はあまりなく、ロイヤル感強いタイプのシンバ。

もちろん笑顔も素敵なんだけど不安、悩み、決意、、そんな表情が目をひきます。

志音ナラとのペアということもあって、極上の歌うまカップルでした。

 

allabout.co.jp

↑海宝シンバレポ&お写真もあるよ。

 

ちなみにアラジンデビュー済の笠松哲朗さん、北村優さんもシンバ役にキャスティングされています。(2017年9月現在未デビュー。)

このお二人がシンバデビューとなれば第2、第3のヤングシンバ→シンバ成長コースとなります。劇団員としては初。

アラジン不足とソンダンしわ寄せでしばらくは難しいかもしれないですが。。

追記:笠松くんは載っていますが、北村くんはパンフから名前がなくなっています。

この記事を書いて1年以上、やはり笠松くんはソンダン祭り、北村くんは新役マンカストラップデビューもあってデビューならず。

 

ただ2017年に春劇場から夏劇場へと上演会場が移動するにあたり、割と大きな演出変更があったようです。(新演出未見)

となると…同演出でのヤングシンバ→シンバは海宝直人さんただ1人ということになりそうですね。

追記:2018年、ライオンキングのパンフレットから海宝くんの名前がなくなりました。

掲載期間はわりと長かったけど実際出演したのは3週間ちょっと。演出も変わったのでもう登板はないと思われる。

 

⑤『ノートルダムの鐘』カジモド役(2016年〜)

再び公開オーディションが開催されたこの作品。

ついに海宝くんが四季のディズニーミュージカルでファーストキャストに選ばれます。

同時にカジモド候補として選ばれたのは、劇団員の飯田達郎さん、田中彰孝さん。

 

これはあくまで私の周りの小さな世界での体感に過ぎませんが、、

海宝くんが四季の出演候補キャストとして選ばれることにもう疑問を抱く人はいなかったように思う。

アラジン、シンバと続いたことで四季内でも主役を張れるだけの力量があることが四季ファンに知られ、

東宝でもマリウス、ボブとプリンシパルを務めたことでその実力はミュージカルファンに広く認識されるようになったのではないでしょうか。

 

 

制作発表ではファーストキャスト海宝くんの♪陽ざしの中へ、

セカンドキャスト飯田さんの♪石になろう、の歌唱披露がありました。

曲の難易度は明らかに、陽ざしの中へ<石になろうですが、

代表曲としては前者なのでファーストの海宝くんが担当したのでしょう。

正直劇団鬼かよって思いましたけどね。

飯田さんは後のテレビ出演の際もオーディション時には最高音が出なかったと話しており、実際開幕後かなりの時期苦戦されていました。

東京中盤くらいから見事克服されて今ではパワフルで魂のこもった歌唱ですが、制作発表の時点ではまだまだ音域としてコントロール範囲外なのがわかります。

海宝くん(とおそらく田中さんも)はオーディション時から音域的にはクリアしていたそうなので、

ますます劇団鬼かよって思いました。(2度目)

 

今思うと、どの曲もこの時点から本番までに歌詞がだいぶ変更されています。

特にカジモドのお2人はまだ役としてではなく、純粋に新作楽曲の歌唱としての側面が強い貴重な音源ですね。

 

とまあ明らかにファースト扱いでの制作発表、そして歌唱力も歌唱披露を聞く限りは差が出ており、順当に行けば初日キャストだよな。。

とは思うもののここは劇団四季

そもそも新作公開オーディションもアラジンがそれなりに久々だったと思いますが、

初演の開幕に外部俳優がプリンシパルで入ることは近年(どこまでが近年か分かりませんが…)あまりなく、

サウンド・オブ・ミュージック初演開幕時にトラップ大佐を鈴木綜馬さんが演じられたことがだいぶ話題になっていたという認識です。

とはいえ鈴木綜馬(現:鈴木壮麻)さんは元々四季で長く活躍されていた方。

美女と野獣のCDのビーストもそうまさん(当時は芥川英司さん)です。

 

正直本当に初日明けてみるまでどうなるか分からなかったです。私は。

前日まで行われていたゲネも海宝くんと飯田さんの交互で、どちらも出演できる状況でした。

というかそもそも開幕してみるまで、カジモド交互出演というパターンを想定していなかったです。

今まではファントムだろうがアイーダだろうがエルファバだろうが容赦無くシングルで連投させる環境でしたからね!

 

とまあ色々長くなりましたが、

ノートルダムの鐘日本初演初日のカジモドは海宝直人さんが演じました。

正直私としてはヤングシンバからシンバへの成長よりも、カジモド初日キャストの方が胸が熱くなったのが事実です。

やっぱり初演の初日、1発目の公演は特別だと思っています。

そこから日本での作品の歴史が始まる、その第一歩。

その公演を務める役者には想像もできないほどの期待と信頼が寄せられているはず。

その役割を託された事実も、実力と努力でそこまでのカジモドを作り上げたことも、なんだかとっても嬉しかった。

 

残念ながら初日抽選には外れてしまったので、私の初日は翌公演日。

忘れもしない2016年12月14日のソワレ公演です。

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あんなにも興奮した観劇は初めてでした。

3階のバルコニー席の2列目という舞台から遠く離れた席だったのに、

ノートルダムの鐘」という素晴らしい作品と、海宝カジモドというあまりに衝撃的な存在に完全に心を持って行かれた。

 

それからです。

私が好きな作品を問われたら「ノートルダムの鐘です!!」と即答し、

好きな俳優を問われたら「海宝直人さんです!!!」と食い気味に答えるようになったのは。

 

この作品がどんなに最高か、海宝カジモドがどんな役作りか、気になった方はこちらをどうぞ。笑

 

a-syamu.hatenablog.com

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そんなわけで12月、海宝カジモドで幕を開け、翌週から達郎カジモドと交互出演で続いたノートルダムの鐘。

1月末に田中カジモドがデビューして、一瞬の3カジモド体制。

海宝カジモドが3月頭で東京公演ラスト。(レ・ミゼラブル稽古開始のため)

3人体制とは言いながら、実質前半を海宝くん・飯田さん、後半を飯田さん・田中さんで回したような形となりました。

半年以上ほぼずっと出演していた飯田さんの負担はとてつもないものだったと思いますが、その分どんどん進化し、実力も上がっていく様子が観ていてはっきりと感じられました。

 

そんな東京公演期間中、この公演のCD発売が決定!

3月に飯田達郎さんカジモドver.の発売がありました。

通常盤に加えて、海宝カジモドの4曲が入った豪華盤も。

劇団から出るCDなので、収録キャストが劇団員になるのはいろんな意味で予想できていたのに、豪華盤を出してくれるのか!とむせび泣くような気持ちだったんですが。

www.shiki.jp

サプライズは終わりませんでした。笑

まさかの発売1週間前に、「海宝直人カジモドの別版も出しまーす」のニュース。

嬉しいとかいうよりもぽかーんとした覚えがあります。まじかよ。

開幕キャストが2人だからCD2バージョン出すよ!なんて四季では異例でしかない。

でもなんでもいい。出してくれるんだもの!!

てな訳で3ヶ月ほど遅れて6月に海宝カジモドバージョンも発売されました。

gdsk.jp

まあこのCDに関しては色々ありまして、、

ライブ収録を謳いながらカジモド部分以外の音源が同じだとかなんとか言われています。

購入者の中でそう言われているだけなので、証拠はないですが、

私も聞く限りは同じものを使っていると思います。

カジモドが出ていない部分はもちろん、カジモドが出ている曲もその箇所以外は。。

これに関しては各自検証してみてください。笑

 

あとは2つのバージョンで大きな違いが1つ。

♪フィナーレ の中で、飯田さんの方には入っていなかった、

男性5枠高舛さんによる「手すりを乗り越えた!」という台詞が海宝くんバージョンには収録されています。

なぜそこだけ?と思いますが、この台詞はとても人気がある(?)のでとりあえず嬉しい。ありがとう四季さん。

 

東京公演後は7〜9月は京都公演。

海宝くんは5〜7月帝劇、8月〜10月まで地方でのレミゼ出演ということで、まあカジモドを演じる暇はないだろうと考えられていました。

が、まさかの京都稽古場レポートにばっちり写っているではないですか。。

ということで一気にざわついた夏。

www.shiki.jp

出演がありうるとしたら、レミゼ大阪公演と名古屋公演の合間になる9月中旬付近のみ。

Xデーは近づいています(笑)

そんなわけで私は今日もCDを聴きつつ、海宝カジモドのノートルダムを帰還そわそわしながら待っています。 

 

追記:ここまで読みつつ追記をして、あぁ京都ノートルにそわそわしすぎてこれ書いたのかって思い出しました(遅い)

出ましたね。。それに関しては長々と書いたのでよろしければ。

a-syamu.hatenablog.com

 

正直京都は分からないけど横浜に出ないことはないだろうと思っていたこの頃。

実際は突然のウエストエンドデビューで横浜公演にはまったく出演せずに終了しました。

10月のグレイテスト・ミュージカル・コンサートではコンサートながら♪石になろう を披露。セトリが明かされていなかった分、イントロが始まった瞬間の興奮たるや息が止まったような感覚で、本当に忘れがたい時間になりました。

どうかまだ、また、カジモドとして舞台上に生きる姿を目にすることが出来ますように。

 

おまけ

ディズニー絡みでは子役時代にこんなお仕事もされていた模様。

公式で映像が残ってるってありがたい。。

女子に手を差し出す姿、既視感があると思ったらアラジン、マリウス、カジモド、、

たくさん差し出してますね!!好き!

 

迷走しましたが以上です。

ありがとうございましたー!

 

関連記事↓

 

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2017レミゼを語る ⑦海宝マリウス後半

 

続き。まだの方は前半記事からお読みくださいね〜

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⑶エポニーヌの死を目の当たりにしたマリウス 詳細

・恵みの雨

「伏せろ!」と言われて一瞬反応が遅れる海宝マリウス。

えっ?とバリケードの外に目をやった瞬間に突き飛ばされる印象です。

(自ら覗きに行くみりマリとは違う。笑)

「大丈夫か!?」と問われ、こくんと頷く姿が可愛いのでここもぜひ見てください。

エポニーヌが自分を庇って撃たれたことには最初から最後まで気づいていない。

2003年版CDで「なぜ戻って来た!」だけど「いつ戻って来た!」に歌詞が変わってますよね。新演出版からかな?(またまた記憶なし)

「いつ」に変わったことで、ずっといたのか?(コゼットに手紙を渡してないのか?)という想いが入るようになったのかなと思います。

でも勝手な印象では海宝マリウスはそこを責めるというよりもやはり危ないからエポにバリケードを離れて欲しいのもあったのになんで戻って来たんだ!という想いがあったんじゃないかと思っているんだけど、、これはただの願望かも。

慌ただしいシーンであまりしっかり想いを汲めていなかった(私が)。反省。

 

ここから先はエポ役者の違いでもちろん変わってくるけど、大きな芝居の違いはなかったかな。

倒れ込んだエポに「エポニーヌどうした髪が濡れてるようだ」から急に心配そうな声色に。

海宝マリウスはあまり周りに助けを求めようとしないです。軽く周りを見渡す程度。

それはエポ自身が強く止めていての時もあったし、そこまですぐ死に直結するという感覚がなかったんだろうという時も、もう助けを呼んでも仕方がないと思ったような時もあった。

(前楽昆エポの日は衰弱が明らかで、もう早い段階でマリウスもその死を予感していたような芝居でした。

恵みの雨〜最後の戦いまでその軸が通っていて、通常よりもエポ死へのショックは軽く、その後の呆然度も低かった印象。)

エポが手に触れれば手を握り、ぎゅっとマリウスの腕にしがみつけば強くさすり、ただ身体を抱きしめ続ける。

(この辺綺麗な手がとてもよく見えてたまらない。。この点においては中央から下手寄りの席だとバッチリ見えるのでおすすめ!笑)

救おうというよりはもう、側にいよう、寄り添っていようとただそれだけを考えていたように思う。

「辛くないか」と声をかけ、エポの言葉を繰り返すようにマリウスの口からは言葉がこぼれる、そんなデュエットでした。

何もできなくて、抱きしめることしかできなくて。でも撃たれたエポが望んだ最期は多分それで全てだった。

最後に触れたのは「その髪好きだわ」と冗談の中に本音を隠して告げていた、マリウスの髪。拒まれることもなく。

 

エポの命が終わったことを悟ったマリウスはそのまま亡骸を胸に強く抱いて、赤子をあやすようにゆらゆらと揺れていた。

亡骸から離され、運ばれて行く姿を呆然と見上げる角度と表情、本当に美しい。。

(学生メンバーによっては、ここでエポをマリウスから離させる手がとても優しかったり、運んで行く姿が哀しみに満ちていたり。。年長メンバーは特にその芝居がはっきりと感じられた。)

エポを見送るとあふれ出る感情に崩れるかのように座ったまま上半身を折って地に伏せるマリウス。

そこにガブがそっと触れて、顔を上げたマリウスにエポの帽子を手渡す。(この角度もすごく良い。。)

帽子を受け取ると再び地に伏せるけど、感情が行き場をなくして、手を地面に叩きつけるような動きを見せる。

・最初の攻撃

鎌田コンブが気遣ってくれても反応なし。グランの声がけにも。

やはり個人的には座らせてくれる菊地グランの芝居が好きです。

あれだけの状態から自分で椅子に座りに行くのは少し不自然なものがあると思うので。

自分で行くパターン、前楽は「攻撃始まるぞー!」の声で体を起こしていたようでした。

いつもこのタイミングだったかは曖昧。前楽はいつもよりも意識がある(周りの声が聞こえる)状態に感じたので学生の言葉に反応したのかも。

隣に座ったグランの反応も色々でしたが、丹宗グランはマリウスの腕を掴むように触れ、菊地グランは軽く覗き込むように様子を見て、どっちも大体酒瓶を差し出す。

不器用なグランなりの慰めだけど、マリウスには届かない。

(下を向いたままふるふる首を横に振って断る姿、これまたかわいい。)

しつこくしてたら結構激しくはたくように突っ返されていたこともあり。

自分の目の前であまりにあっけなく命が終わったことにショックを受けてはいたけど、受け止め切ることはできていないというか。

ショック状態だけどまだ「死」に向き合ったわけじゃない気がしたなぁ。

そんな中、アンジョが現れてマリウスの前に銃をどんと音を立てて差し出す。

顔を上げて銃を見たマリウスは奪い取るように銃を持ってバリケードへ駆け上る。

ここはエポの仇とかそんなんじゃなくただただ衝動のように感じた。がむしゃらに取り憑かれたように。

そんなマリウスを見送るグランのなんとも言えない複雑な表情も目が離せない。

 

ジャベを始末した(ことになっている)バルジャン、杖ドンドンの賞賛をマリウスはやらない。

それが何故なのかは推測できずにいますが、ここも他の多くの学生たちとマリウスの死や戦いについての考えの違いとして出ている1つなのかなとも思う。

戦いが終わり、徐々に興奮状態が落ち着いてきたところに「戦いの準備せよ」というアンジョの言葉で乱暴に銃を構えて外に向けるマリウス。

そして来ました名台詞!(?)「マリウス、少し休め!」

ばっちアンジョはなぜそんなに高圧的&命令口調…?と思う言いぶりでした。

前楽観劇でこれだったのでデフォなのか?余裕のなさの表れでしょうか。

そんな声色なので、マリウスも結構挑戦的な感じ。キッとなって、でも(分かったよ!)というように銃を渡して下に降りて行く。

竜治アンジョは優しい。心から案じているのが伝わって、マリウスも力が抜けていくような感じ。

理生アンジョは言葉は強めだけど、とても心配している。目力と差し出す手にリーダーの強さを感じます。

きっちりマリウスの様子を見ていてくれて、興奮しているときはちゃんと言葉を聞くまでしっかり待っててくれる。

海宝マリウスはあまり呼びかけが耳に入らなかったり、休めという指示に躊躇したりというときもあるけど、様子に合わせて間をとったり、覗き込んだりしてくれるので安心と信頼のコンビです。 

 ・共に飲もう

地面まで降り立って、バリケードに持たれて立っているマリウスのシルエットの美しいったらない。(そのままアクリルキーホルダーにでもしてくれたら買うのに。真顔)

基本的にここではまるでマリウスだけ違う世界に行ってしまっているような、そんな感覚があったんですが、前楽だけは結構違った。

話しかけられたり、飲み物を渡されたり、一応反応はするけど心が遠くにある感じ。

受け取りはするものの、海宝マリウスがこのシーンで飲み物を口にすることは1度もなかった。私が観た限りは。

エポの死がなかったような雰囲気の中、マリウスはそのショックというか悲しみの中に。(実際みんながエポの存在をなかったことにしている訳では全くないと思うけど)

この曲で、グランは死など無駄じゃないのかと問いかける。

その言葉に、学生がオフマイクで「それでも!」と詰め寄り、舞台前方は結構騒然とするわけだけど、

同じ空間に存在するとは思えないくらい、マリウスの意識は遠くに行っているのよね。その目は何も見ていない。

 

いろんなパターンがあったけど、個人的にはグランが歌いに出る直前に、マリウスの肩をポンと叩いて行くのが好きだった。

ただ元気出せよ、という想いだったのかもしれないし、今から俺が投げる言葉を聞いとけよ、という想いがあったのかもしれない。

少なくともそれをされた時のマリウスはふっと顔を上げて、グランの言葉に耳を傾ける意識を持っていたなと感じている。

どちらにせよ「死など無駄じゃないのか」という言葉に、自分のことを考えた結果が「死んでもいいさ〜」なわけです。

マリウスはあっさりと命を失ったエポを目の当たりにしたことで、命の呆気なさや小ささを感じたんじゃないかと。

だから自分の命にも価値なんてないんじゃないか、些細なものなんじゃないか。 それならもうどうでもいい。愛する人と離れた今、生きて何になるんだ。 自分が死んだらコゼットはせめて泣いてくれるだろうか。そんな価値を持っているだろうか。

私はそんな感情を(勝手に)受け取りました。言葉を紡ぎながらやはり溢れる想いが手に出るマリウス。

同時にこのシーンで学生たちは再度ここで自分たちの行動に対し覚悟を決めたんじゃないかと思っている。(マリウスばっかり見ていたので推測だけど)

本当に死ぬかもしれない。それでも世界を変えるために、自由を掴むために、自分たちはやるのだと。

 

マリウスが「死んでもいいさ」と歌った後で、バルジャンがコゼットへの愛のために自分の命をかけてもマリウスを救いたいと「彼を帰して」を歌うこの流れ。

これが深い「愛」なのだなと思ったりしました。マリウスのコゼットに対する想いはまだ「恋」。

・第二の攻撃

結局市民が来ることはなく、再び戦いが始まる。

割と冷静に戦っているように見えるマリウス。

学生(名前分からない)とアンジョのやりとりにすぐ気づいて「僕が行きます!」と声をかける。ここまではごく冷静に見える。

でもアンジョに止められて、溢れ出てくる絶叫に近い「ここにいても同じだっ!」の剣幕に、

その冷静さは爆発寸前の内面を覆っていただけなのだと分かる。死にたいわけでも死の覚悟があるわけでもない。もどかしさからの自暴自棄。

前半は比較的「同じだ!」が悲鳴混じりというか、「サンクチュアリー!聖域だ!」の悲鳴を思い出すものがあったけど、後半は低く叩きつけるような言い方になった印象。

どちらも好きで、この作品の中で1番毎回ドキドキしながら聞いていた箇所といっても過言ではなかったです。この台詞。

ばっちアンジョだとこの直前の「どうした報告しろ」からもう余裕0で怒鳴り声に近く、冷静さも皆無だったので、止められたマリウスが逆上したような感じに。

緊迫感がすごかった。そして走り出そうとするマリウスを体でどしっと受け止めるヤンバル。包容力の塊。

 

そうやって大人たちがぐだぐだしている間にガブローシュが飛び出していってしまった。

海宝マリウスはもうガブが撃たれた1度目の銃声で完全に身をバリケードに沈め身動きをしない。

撃たれたあともう1度声が聞こえて、他の学生たちは生きてる!と希望を持ったり、早く戻れと叫んだりする中、呆然としてもう何も聞こえず見えていないマリウス。

ここの様子はちょっと異様です。

上の学生のキャッチ失敗で海宝マリウスのすぐ前にガブの投げたバッグが落ちてきた時も、さすがに目はぼんやり追っていたけど動いて拾おうとはしない。

そして2度目の銃弾、本当に目の前で1mと離れない場所でガブローシュが撃ち殺される。

その瞬間のマリウスもまた見上げた角度がとても美しく、エポの亡骸を見送る時に見上げていた姿を思い出します。

マリウスはガブの死を目の当たりにしたことで、初めて己と隣合わせの死を本当の意味で感じるんだと思う。

しかもそれは「殺される死」。エポも同じようにマリウスの前で命を終えたけど、撃たれたところを見ていないのでこの2つの死は大きな差があったのではないでしょうか。

敵兵のアナウンスが聞こえて来て、手すりを激しく揺さぶって感情をぶつける姿からはやるせなさと共に自分も殺されるのではという大きな動揺も感じる。

そこにアンジョの「死のう僕らは何も恐れはしない」という呼びかけとそれに応える学生たち。

でもマリウスにはそれは出来ないと思った。たぶんコゼットのために生きようとかそんなのもない。ただ無理だ。って。

だから海宝マリウスは「戦いの場から離れるためにバリケードを降りようとした」のがはっきりと分かる芝居になっていると思います。で、撃たれる。

 

たぶん真面目なマリウスは頭では散々考えていたし、アンジョにも賛同していたけれど、いかんせん机上の理論に過ぎなかった。

本気で死ぬ覚悟があったわけではなく、いざ「死」を前にすると冷静ではいられなくなった。

エポの死を見届けて、グランの言葉に「死んでもいいさ」と一度は口にして、でもやっぱりガブの死で、自分には無理だというところに行き着くのです。

 

 

⑷生き残ったマリウス 詳細

下水道で意識を失った状態で横たわっている顔すら美しいという事実。

あとは指輪を抜き取られるために持ち上げられた手が綺麗。

(そこを見たって仕方がないとは思いながらもオペグラでガン見です。。だって美しいんだもん。) 

・カフェソング

舞台奥からよろよろと進み出て来る姿を見てまず驚く。

すごく老け込んで見える…

バリケードまではまあ20代前半から半ばくらいに見えたマリウスが40前くらいに感じるのです。(たぶん個人差はかなりある)

マリウスという役全体でも言えることですが、この曲も技巧や音域的には難易度低めだと思います。特に海宝くんの歌唱力からすればただ歌うなら簡単なくらいでは?

だからこそ役者の力量が試される恐ろしい曲でもある。

他のシーンでは結構細かく書いてきたけど、この曲に関してはあまり書けない。。

どこのどの部分がというんじゃなくて、目を見開いて表情を見て、耳で体でその歌声を浴びて、そうしているうちにいつも終わってしまう曲でした。

個人的にあ、なんか明らかに変わったな。1ステージ上に行ったな。と感じたのが6月24日のマチネ。

それまでも良かったけど、楽曲の良さとかそんなところに全く意識が向かないくらい「マリウスのもがき苦しむ心の声」そのものがダイレクトに伝わって来るようなシーンになった。

歌ではなく叫びのようになったり(あぁ友よ「聞くなっ!」とか)、震える手で杖を床に打ち付けたり、派手な動きができない中でマリウスの体全体から想いがあふれ出ていた。

そして最後の自分のロウソクを高く掲げるあの姿。あそこがあんなにも痛々しく、それでいて美しいと感じたのは初めて。 

いやでもここまで自由自在に歌の中で想いを表現できるのは、やっぱり持ち前の高い歌唱力があってこそだと思うんですよ。

音程や技術に全く振り回されずに歌えるレベルだからこそその先の自由がある。 

 ・エブリデイ

カフェソング後のマリウスも凄い。コゼットの声がまったく届かない。

心ここに在らずを超えて、心のシャッター完全に閉まりきっているような感じ。

「不思議だ 僕をここへ誰が運び入れたのか」と歌いながらも会話にならない。

座らせたマリウスの手を握り、さすり、必死で話しかけるコゼット。

個人的にはやはり海宝マリウスは言葉は全く耳に入ってきていなくて、マリウスの心を溶かしたのは”コゼットの手の温もり”だったのかなと思っています。

歌詞のタイミングとしては「誓いは真実」の箇所。

 (これをマリウス自身が自覚していたとは思わないけど、恵みの雨で死にゆくエポの手を握り、必死で抱いていた姿を思い出す。

きっとエポのその手が冷えていくのを感じていたと思うのよあのとき。

だからこそマリウスの意識を取り戻すのはコゼットの体温だったんじゃないかと感じました。そこには”生”があったんじゃないかなって。)

感情が溢れ出たマリウスは何度もコゼットの手に触れ確かめるように握り、その胸に頭をうずめる。

膨れ上がって限界だったところに穴を開けて苦しみを絞り出す役割をコゼットがしてくれたんだなと思う。

どこがというと難しいけど、このシーンもマリウスが正気を取り戻すのに1番納得できるのは彩香コゼットです。

なんでなんだろうなぁ。。やっぱり1番彩花コゼがマリウスの悲しみの真髄を理解した上で包み込んでくれるように感じるからでしょうか。

(勝手にそう思っちゃってるのかもしれません。汗)

 

聡明そうな海宝マリウスはバルジャンの話を聞いた後もあまり戸惑いはなく、あなたを救うにはどうすればいい?と問いかける姿も持ち前の生真面目さが垣間見える。

初期はわりとそのままさらっと家の中へと戻っていたような気がしますが、後半は家に戻る途中で一瞬立ち止まり、振り向くか迷って、でもバルジャンの言葉を尊重してそのまま去っていく。という動きに。

泣ける。 

・結婚式

一転明るいムードだし、マリウスも顔つきも若々しくなってるし(勝手に)ホッとするシーンです。

舞台奥で胸ポケット探ってフリーズ、あわあわごそごそしてコゼットを心配させておいて、えへへちゃんとあるよ~!(悪戯っぽい笑顔)で指輪出してくるチャーミングさに死んだプレビュー初日。

マリウスの茶目っ気ある笑顔ってあまり見られないのでもう貴重なありがたやシーンでした。

なかでも彩花コゼは、このごそごそに「え!まさかないの??」って一緒に慌てて、差し出された指輪にちょっと体曲がっちゃうくらいに反応して「もうー!」って破顔してるのが最高に良い空気で幸せそうで、心から結婚を祝う気持ちになれる。

他の2人のコゼットもちゃんと反応はしてくれるんだけどお嬢様度高めなんですよね。笑

あとは結婚式でコゼットと踊り出した時に、海宝くんがよくやるあの眉をくいって上げる笑顔するんだけど、なんか爽やかなインストラクター感が凄い。

ダンスがインストラクターっぽい。

(これに慣れてたのでみりマリ観たときにはマリウスがナチュラルに踊ってる!と驚いたものです。。)

しばらくごく社交的な顔を保っていての、「でてけ!テナルディエ!」の顔と苛立ちが最高に良い…

それこそ平常時のマジギレマリウスって描かれてこないのでここに剣幕と刺々しさにはドキッとしてしまう。

「ゲロかけた〜」でテナにハンカチ頭に被せられた時の半真顔に注目です。

・エピローグ

基本的にはあまり目立つことなく、バルジャンとコゼットを見守っているマリウス。

海宝くんの引くべきときには存在感を消す芝居が好きなので、ここの存在の仕方はとても好み。

はっきりとタイミング込みで確信があったのは、7/11ソワレの光夫バルジャンですが、

「私は父じゃない」後にコゼットがバルジャンの胸に顔を埋めたとき、コゼを抱きしめながら、しっかりとマリウスと目を合わせる。

全ての想いを託されたマリウスはそれをしっかりと受け止める。 

ヤンバルもアイコンタクトとるときもありました。なしの日もあり。

マリウスは事前に告白を聞いていたことで事情は分かっていて、その上でバルジャンからコゼットへの告白を聞いている。

改めて言葉を噛みしめるような反応やコゼットの様子を案じる様子が抑えた演技でも感じられて好きでした。

この時間はバルジャンとコゼット親子のものだけど、同時にマリウスも家族としてそこにいる感じがして。

 

ラストの大合唱、亡くなった人たちやコゼットの笑顔に包まれるなか海宝マリウスはまったく笑わない。

意図あってのこの表情だと思うのよね。(記憶曖昧だけどみりマリは微笑んでいた気が…)

死んだ仲間の中1人生き延びたこと。

悲しみの底からは脱したものの、当然仲間たちが死んで行った事実に変わりはない。

そしてバルジャンからコゼットを守る役目を託されたこと。

マリウスは自分は揺らがずにコゼットを強く受け止めようとしているように感じます。自分を救ってくれたコゼットの1番辛い時を自分が支えるのだと。

この2つの重さがマリウスの肩にのしかかっているのだと思います。

ここで舞台は終わるけど、まだマリウスにとってはその重さを抱えながら笑える時ではない。

でもコゼットと愛を貫いたその先でいつか心から微笑めるときがくると、そう未来を思い描くことができる気がします。

この時点ではとにかく自分がしっかりしようと思っているように感じるけど、きっとコゼットがその重荷を分かち合い軽くして一緒に歩いてくれるだろうから。

本人がインタビューでも言う通り、マリウスは確かに「希望の象徴」なのでしょう。

コゼットが「愛の象徴」であるように。

 

 

あれだけすごい役、カジモドを演じた後にマリウスってどうなのかなと正直思っていたところもありました。

曲を歌いこなせることだけでも分かりやすく凄かったカジモドよりも、

技巧や音域的には曲の難易度の低いマリウスの方が役の表現としては難しいんだろうなぁ。

カジモドはきっとあの曲をしっかり歌えればそれだけでもある程度役の表現が可能だったけど、マリウスは自分で膨らませないと埋まらない部分が多い印象。

楽曲自体による補助の大きさの違いがあって、レミゼは曲が最高に美しいけど、それが役の表現と直結かというとそうでもない気がする。

マリウスはそんな役だからこそ、今の海宝直人の俳優としての実力がフルに発揮されていたようにも思いました。

カジモドとはベクトルの違う「凄さ」を見せつけられたような、そんな感じ。

何度でも観たくなる、味わい深いマリウスでした。

 

番外編 マリウスバイトについて

今までプリンシパルのバイトなんて、気にして観たことさえなかったんですけどね。

出てるんだもん。探すしかない。笑

ということで今期はほぼマリウスバイトを見る前半でした。

おかげで本筋をあまり追えていなかった。。まあでも後悔はない!可愛かったから!

プリンシパルをやっていると、やはりその作品中でメイン役以外を演じることってあまりないのでレミゼは楽しいですね。。

 

・プロローグ

向かって左側の先頭列左側の囚人。

舞台は薄暗いけど顔をあげることも多いのでまあ見つけやすい。

というか1度見つけたら動かないからありがたい。笑

苦しそうな顔で必死にオールを漕いでいる。

お隣のバベ枠囚人が痛めつけられてるところは顔を背け、看守が去っていくと少し気にしてあげている模様。

退場は後列の最後尾(のはず)。

 

・農場

下手から出てきて馬車の裏っかわで農作業してます。

朱色のベストに麦わら帽子がむちゃくちゃ可愛い。アニメの登場人物みたい。

バルジャンが暴れると、アワアワしながら鍬をバルジャンに向けます。

(基本口開いてる)

 

・宿屋

農場から麦わら帽子を外したスタイル。

上手の階段最上部で女の子たちと楽しく飲んでいます。

騒動が起こるとやんややんやしながら階段ごと上手の幕へ消えていく。

(ここもだいたい口開いてる)

 

・司教館の外

衣装は宿屋と変わらず。

上手よりの後ろにカップルなのか夫婦なのか分からないけど女性と一緒にいて、話したりしています。

(ここもだいたい…略)

 

・1日の終わりに

失業者はちょっと自信ない。。

上手真ん中あたりの決して顔を見せないカジモドっぽい手が綺麗な気配がするあの人だと思ってるんですけど。笑

顔をちゃんと見たことがないので確信は持てず。

労働者は基本机の後ろ、上手寄り。帽子被っていたはず。

ファクトリーガールとファンテがもみ合ってる時には、テナ妻とコゼの真後ろぐらいにいて面白がってる感じで笑ってます。

 

・治安官

1番わかりやすいのはここ。アンジョと2人で治安官をしてます。

「言い訳はサツで!」の後で後方から上手前に走りこんでくる先の方。

基本客席に近い側にいて、エポ娼婦を羽交い締めにしています。

客席から見やすいし、舞台もそこそこ明るくて表情もしっかり見えるので楽しい。

鋭く息を吐いてたり、頬を膨らませていたり色々楽しい。

後ろからちょっかいかけてくる人たちへの対応もアンジョとの違いが見えたり。

アンジョも人によって結構印象違うのでここの治安官2人組は目を離せない!

 

 

さて…以上です!

あー長かった。もう鬼のように長かった!笑

でもどうしても書き残したかった海宝マリウスのこと、記憶の限り残せたと思うので満足です。楽しかった!

社会人の短い夏休みを犠牲にした甲斐があったよ。。

もしここまでお付き合いくださった方がいらっしゃったら、本当にありがとうございました(*^^*)

 

おしまい

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2017レミゼを語る ⑥海宝マリウス前半

ここに到るまでにレミゼで5回も書いてしまった。大好きかよ!

いやでもなんかやっぱりレミゼって偉大な作品だなと思いました。

音楽の美しさもだし、何といっても作品が持つ圧倒的なパワーがある。

やはりレミゼは「人々」の物語だなと。

 

この作品は「愛」がテーマだと言われがちで、まあ実際そうだし、

バルジャン、ファンティーヌ、コゼット、マリウス、エポニーヌと愛のバトンが繋がっていくのも大きな軸でしょう。

でも私はその愛も、憎しみも、醜さも、戦いも、絶望も、死も、希望も、

全てをひっくるめて各々の人生を生き抜く「人」の、「人々」の、物語だと思いました。

 

ついに最終章です。

もうひたすらに海宝マリウスが好きだよって話。

タイトルを見ていただければお分かりかと思いますが、、長すぎて前半後半に分けました。

本命 海宝直人マリウスの話

私のレミゼデビューはもう8年ほど前になるのですが、、この作品でマリウスを理解出来たことはなかったんです。ずっと。

そもそもマリウスを気にしたこともあまりなかったように思います。

鈍くて優柔不断お坊ちゃんで周りを不幸にして運だけは良くてしれっと生き残るしヒロインと結婚するしなんなんだお前はくらいの感じ。

書きながらもうこれは私の感性にも問題があったように思いますが汗、

それでもまるで興味を持てなかったマリウス。

 

今期、海宝マリウスが1つの答えをくれました。

1人の人間としてはっきりと納得のできる道筋をひいてくれた。

やっぱりマリウスという人間に手放しの好感は持てない。

でも、レミゼラブルの世界で生きるマリウス・ポンメルシーという人間が何を考え、どうしてその行動を取ったのか、その部分にモヤモヤを感じることはなくなりました。

筋の通った解釈はもちろん、そこに至るまでの道筋を説得力を持って描き出せる芝居や歌唱がやっぱり海宝くんの素晴しさだなと。(べた褒め)

 

観劇後にインタビュー記事を読んで大いに納得したんですよね。

やはりそれを表現したくてあのマリウスになっていて、ちゃんとそれを受け取ることができたなと。

↓インタビューはこれ

allabout.co.jp

マリウスは「自分の中で持て余しているエネルギーがすごく大きくて、でもその向け先をはっきりと分からないでいる(要約)」。

その他ももうね、このインタビューの中にある程度答えが提示されていると思います。

開幕前のものなので多少は今年度ならではの部分があるにせよ、やはり軸は大きく変わらないかなと。

未読の方はぜひ読んでみてください♪

 

((とはいえ答えが言葉で頭に入ったからといって、観劇の中で体感して腑に落ちるのとはまた別問題ですよね。))

 

要約からの詳細。

マリウスはざっくり大きく分けてこの4パートかなと。

第0段階バイトもあるけど。笑

詳細が引くほど長いです。。

要約

⑴コゼットと出会うまでのマリウス

まさに堅物。彼の持つエネルギーは革命に、アンジョに注がれている。

エポニーヌは友人、あるいは妹ポジ。

⑵コゼットに出会って、でもやっぱり戦うことにしたマリウス

居どころが分かって、連れて行ってもらうまではテンション高い(動きもうるさいw)けど、

いざコゼットを前にすると、目を見開いて言葉も上手く出てこなくてフリーズ型。

「おっ…と…コゼッ…ト…あ…か…可愛い」みたいな。

キスもなんか繊細なガラスにそっと触れるような優しさです。恋愛不器用感、良い。

OneDayMore、迷っていたマリウスが心を決め、後列から順に周りと顔を見合わせながら先頭まで進み出てきての「私は戦おう!」、最高に美しい図でした。

これは1回でも2階席から観られてよかった。

(と同時にここのエポもグッとくるポイントだったりするんですが長くなるので省略) 

⑶エポニーヌの死を目の当たりにしたマリウス

崩れ始めるマリウス。

あれだけ熱心に活動してきたのに、自分は戦おうと決意を決めたのに、

結局彼に真の死のイメージは出来ていなかったのだと思います。

エポの死(目の前で終わった命)に呆然とし、ガブローシュの死(殺された死)を目の当たりにして、

海宝マリウスは、バリケードを離れようとする。

自分には無理だ、戦えない、自分はここにいるべきではない、そう思ってバリケードを降りようとして撃たれた。

⑷生き残ったマリウス

カフェ・ソングは海宝マリウスの歌唱力最大の使いどころでもありました。

心の中から溢れ出るような悲しみ、苦しみ、辛さ。

もがき苦しむマリウスの心の声そのままのような歌唱。

そんなマリウスを救ってくれたのはコゼットの体温だったと私は解釈しています。

エポニーヌの死から壊れてしまったマリウスの心を、その中に渦巻いていたあふれんばかりの感情を、外へ出してくれた。

そして印象的だったのがエピローグ。

後ろの召された人たちは解き放たれ清々しい愛に満ちた笑顔、コゼットももう涙は止まり、バルジャンの愛を感じて幸せそうな笑顔、 そんな中海宝マリウスはまったく笑わない。

やはり死んだ仲間の中1人生き延びたこと、バルジャンからコゼットを守る役目を託されたこと、この大きな2つがマリウスの肩にのしかかっているのだと思います。

舞台はおしまいでも、マリウスはすべてを忘れて笑えるようなそんな時期ではないよね。

でもきっと愛を貫いたその先でいつか心から微笑めるときがくると、そう未来を思い描くことができる気がします。

本人がインタビューでも言う通り、マリウスは確かに「希望の象徴」なのでしょう。

コゼットが「愛の象徴」であるように。

 

 詳細

⑴コゼットと会うまでのマリウス 詳細

海宝マリウス、登場での印象は「硬質」。

生真面目そうで、その大きな瞳はまっすぐ前だけを見ています。

革命活動へ熱心なことが伺えるのと同時に視野の狭さも感じさせる。

ルックスは抜群ですが、あまり表立ってキャーキャー言われてはいなそう。

(影でファンはわさわさいるだろうけど、近づく女の子はあまりいなくて本人も意識なさそう。アラジンとは違いますw)

まさに「堅物」なんだろうなぁと思います。

 

理生アンジョだと一歩アンジョから下がって尊敬の眼差しで見ている、

竜治アンジョだとリーダーはアンジョだけど横で共に歩く、

ばっちアンジョだとマリウスとアンジョが2トップで並んでいる、

ような印象を受けました。

 

一転、エポと顔を合わせたマリウスはふっと肩の力が抜けたようにフランクな空気に。

昆エポ、松原エポは「同じクラスで顔合わせたら笑って、よっ!って挨拶するくらいの友人」、ふうかエポは近所の妹のように思ってる年下の女の子、くらいに見えます。

本を投げ飛ばされたことも少し驚きはするものの怒ってはなくて、同時にあまり気にもしていない。

髪を触れられたことに関しては、照れとか一切なくて戸惑い、むしろやめてくれという拒絶が感じられるあたり堅物。

たぶんこの人ボディタッチとか効かないどころか逆効果なタイプ。

 

⑵コゼットに出会って、でもやっぱり戦うことにしたマリウス 詳細

堅物だけどコゼット絡むとやたらアクションの大きい海宝マリウス。

ぶつかるときも(おっとっとー!!)って感じで手足がバタバタしています。可愛い。

それゆえ見つめあった瞬間の静止ポーズの美しさが際立つんですが。多分計算。

バルジャンにコゼットを連れて行かれてからももうずーっと目を離さない。

目を奪われつつ、周りにあの子誰!?と情報を集めようとしていますが収穫はなし。

モンパルナスにナイフを向けられるコゼットを見つけるやへっぴり腰で間に入って守ろうとするマリウス可愛い。

「オラッ!オラッ!」って脅すモンパルに(いやっあっちょっ!すいません!いや、ちょっ!)みたいな感じでおどおどしつつ頑張って守ってるので見てあげてください。

 

ジャベの「見ていたものは話せ私に」に、駆け寄って(被害者彼らです!)というようにバルコゼの方を示すマリウス。

ここ岸ジャベだとほんと全然マリウスの話聞いてくれないので面白いです。自分で聞いたくせにw

コゼットがいなくなったことに気づいたマリウスは下手バルコニーの女性に向かった方向を聞いて、またもバタバタと去っていきます。(場所違うけどね)

流れとしては、後のエポニーヌの使い走りまで探して走り続けていたということになるのだろうか。

「何くれる?」と言われてポケットというポケットをごそごそ探すマリウス。

コインを見つけて(あった!😆)って顔で差し出すのに断られて、怪訝そうにするもすぐにコゼットに思考が向きます。こいつめ。

お金でお願いをする、しかもあの内容、という残酷さにまるで気づいていないあたり、鈍感お坊ちゃんめ!ってなる。

 

ABCのマリウス、学生たちの中心というか好かれてるんだろうなと感じる。

まさに「堅物」だったんだろうし、そんなマリウスが浮かれきってることにグラン始め結構みんな面白がっているように思う。

ほうけた様子のマリウスが、グランにムッとして酒瓶取り返してわちゃついているのもまた可愛いw

(初めはムッとした顔だけど瓶投げたあたりから笑いがもれてて、年相応な学生な感じがして好きです。)

止めるアンジョ、理生くんと竜治くんは割と冷静というか余裕ありつつ(そろそろおやめなさい)って感じだけど、 ばっちは余裕なくて(ちょっと!やめんか!)って感じ。

ばっちアンジョは海宝マリウスにだいぶ頼っているように見えるので、浮かれて心ここに在らずのままいられたらまずいという焦りもあるように思います。

1回表情を引き締めるものの、下手の学生たちにそそのかされて「君が今夜居合わせたら〜」とアンジョに話に行くマリウス。懲りない。笑

♪レッド〜ブラック〜とかけられる言葉にごく真剣に考えて歌いつむぐマリウスにその真面目さを感じます。

そしてアンジョに銃を渡されたマリウスは、そのまま真剣な面持ちで銃を持ち手から銃口までじっと見つめて、決意を固めてアンジョのもとへ向かう。

海宝マリウスはここで完全に革命に頭が切り替わり、アンジョの手を取りに行っていると思う。一度はね。

民衆の歌入りまでも他の学生たちと同じように意気揚々と声を出しているように見えたし(たぶん)。

 

プリュメ街にて。

プレビュー初日にあまりの跳躍に衝撃を受けたマリウスジャンプ。

(と、とんだ…?)って客席で目を疑いました。。笑

まあなんやかんやほぼジャンプ無しの回もあったりしつつ軽めのジャンプに落ち着くようになったかなという印象。

個人的には流れが壊れないレベルなら飛んでも良いかなと思うようにはなった。アホっぽいけどまあ可愛いし。(盲目)

全編を通してあまり歌がぶれることがない海宝マリウスですが「燃える太陽の矢が胸に飛び込んだ」は結構ぶれることが多かったなと思います。あえてなのかな。

テンション上がりすぎてエポにも躊躇なくボディタッチ(どころか一緒にクルクル回る)するマリウス。

海宝マリウス普段あんま必要以上に触れたりしなそうなので余計にたち悪いですね。。

門柱を上がる姿はモタモタしているのに、登りきった数秒間の静止、

横顔、背中の角度、門柱に置かれた手、すべてが完璧な美しさでね!

Stage Photoにもここのシーンの写真が入っていてカメラマンさん並びに写真選定をした方と握手をしたいくらいでした。。笑

 

石の投げ方は優雅なんだけど、そのあとワタワタ身だしなみを整えるマリウス。(遅い)

足元を払ったタイミングでコゼットと目があうのはみりマリも同じですが、

海宝マリウスは「溢れゆく」と歌い出す直前の1拍でパッと直立になり後ろに手を回すポーズになる。

うまく表現できないけどあの一瞬が好きです。パッと空気が変わるような気がする。

前述の通り、コゼットを前にすると言葉も上手く出てこなくて固くなっている感じ。

お辞儀も大仰だけどそこまで滑稽ではないかな。

(ヤンバルだとコゼットに何度か大仰なお辞儀をするので、それと結構被ります。)

「夜さえも」と(おそらく星なんかが瞬いているであろう)夜空をさしたときに、コゼットが乗ってくれたとき、その緊張が溶けます。

自分の感性(きっと今までそんなに共感してくれる人は多くなかったと勝手に推測)が自分の好きな子と合ったわけです。

自分が「眩しいよ」と思っていたまさにそこで「眩しいわ」と同じ言葉を口にしたコゼットにもう一気に想い溢れちゃった感じがあります。

でも曲ラストのキスはとてもそっと。繊細なガラスに触れるような優しさ。

 

エポが襲撃を追い払ってくれたあと、バルジャンとコゼットのやりとりを門柱の影からそわそわのぞいてるのめっっっっちゃ可愛くないですか!?

1回座席と対角線上にのぞくマリウスの顔が位置する時があって、もう気になって前の芝居がまったく目に入らなかった。。ひょこひょこするんだもん。。

コゼットが家の中に入ってからものぞいていて、エポにすごい勢いで走って連れて行かれるところ好きです。

本当にあと数秒遅かったら見つかってたし、エポは出来る子。

 

One Day More、左右バルコニーでマリコゼが歌う構図は前からでしたっけ?(記憶なし)まあそうなんだろうな。。

バルコニーの手すりに軽く腰掛けるような、もたれ掛かるような体勢で歌う姿の美しさよ。

降りて来たときもみりマリほどエポの存在見えてなくはない。 

革命のこともコゼットのこともどちらも知っていてくれる存在としてあのときある意味一番近いところにいるのがエポで、マリウスは自然と来たんだろうなと思います。

余計に残酷だけど。

列の1番後ろにいたマリウスが、順に周りと顔を見合わせながら先頭まで進み出てきてアンジョに「私は戦おう!」と告げる。

ここは本当に1度は2階席から観て欲しいシーンです。

そして同時にエポも後列から先頭へとずっとマリウスを見つめながら対称の位置でついて来ます。

もうエポがいる場所=マリウスがいる所なんですね。。でも位置は対称。隣ではない。

 

2幕頭、もうしっかり戦いモードに入っていて、中心になって動いている感じがある。

ここをあまり考えて観ていなかったけど、コゼットへの手紙を用意していたのはタイミングがあれば自分で渡すなり家に持って行くなりしようと思っていたんだよね。

とはいえ内容を見てもどうしても渡したいものでもなく、ただ抑えきれない想いを手紙にしてお守りのように持っていたのかも。初めからエポにお願いするつもりはなかっただろうから。

アンジョに呼ばれて(じゃあ頼んだよ)って走り去って行く部分も、なんだか学生の年相応感があるなぁと思います。

バリケードでは(どちらを前とするかによるけど)アンジョの右側にいるマリウスという位置関係に何か意味があるのだろうかと思ったり。

キリストの右の座的な。分からないけど。

いろんなタイミングでアンジョから銃を受け取る動きになんというか信頼感が見えます。

竜治アンジョばっちアンジョだと同志な感じだけど、理生アンジョ相手だとどうしても奥さんに見える。。さーせんw

あと、ジャベールの正体が分かったとき、マリウスが目の前の人間に銃を向けることへの戸惑いや躊躇がまだまだ残っていることが分かります。

初期は構えてはみるもののあれじゃ到底撃てないし、すぐにおろしている。

海宝マリウスの場合は恋に浮かれちゃった以外にも、バリケードに来て垣間見える「他の学生とマリウスの違い」があるように感じて。

ここもだけどチラチラと「違い」が見えて、それが最終的に最後の戦いで、「バリケードを離れようとするマリウス」に繋がってくるように思います。

 

ということで前半戦終了。

後半でエポの死〜ラストまで、あとはマリウスバイトに関して書きます。

自分でもあまりの長さにちょっと引いてる。。

お読みいただいた方はありがとうございましたm(_ _)m!

↓後半更新済(8/16)

a-syamu.hatenablog.com

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