続き。まだの方は前半記事からお読みくださいね〜
⑶エポニーヌの死を目の当たりにしたマリウス 詳細
・恵みの雨
「伏せろ!」と言われて一瞬反応が遅れる海宝マリウス。
えっ?とバリケードの外に目をやった瞬間に突き飛ばされる印象です。
(自ら覗きに行くみりマリとは違う。笑)
「大丈夫か!?」と問われ、こくんと頷く姿が可愛いのでここもぜひ見てください。
エポニーヌが自分を庇って撃たれたことには最初から最後まで気づいていない。
2003年版CDで「なぜ戻って来た!」だけど「いつ戻って来た!」に歌詞が変わってますよね。新演出版からかな?(またまた記憶なし)
「いつ」に変わったことで、ずっといたのか?(コゼットに手紙を渡してないのか?)という想いが入るようになったのかなと思います。
でも勝手な印象では海宝マリウスはそこを責めるというよりもやはり危ないからエポにバリケードを離れて欲しいのもあったのになんで戻って来たんだ!という想いがあったんじゃないかと思っているんだけど、、これはただの願望かも。
慌ただしいシーンであまりしっかり想いを汲めていなかった(私が)。反省。
ここから先はエポ役者の違いでもちろん変わってくるけど、大きな芝居の違いはなかったかな。
倒れ込んだエポに「エポニーヌどうした髪が濡れてるようだ」から急に心配そうな声色に。
海宝マリウスはあまり周りに助けを求めようとしないです。軽く周りを見渡す程度。
それはエポ自身が強く止めていての時もあったし、そこまですぐ死に直結するという感覚がなかったんだろうという時も、もう助けを呼んでも仕方がないと思ったような時もあった。
(前楽昆エポの日は衰弱が明らかで、もう早い段階でマリウスもその死を予感していたような芝居でした。
恵みの雨〜最後の戦いまでその軸が通っていて、通常よりもエポ死へのショックは軽く、その後の呆然度も低かった印象。)
エポが手に触れれば手を握り、ぎゅっとマリウスの腕にしがみつけば強くさすり、ただ身体を抱きしめ続ける。
(この辺綺麗な手がとてもよく見えてたまらない。。この点においては中央から下手寄りの席だとバッチリ見えるのでおすすめ!笑)
救おうというよりはもう、側にいよう、寄り添っていようとただそれだけを考えていたように思う。
「辛くないか」と声をかけ、エポの言葉を繰り返すようにマリウスの口からは言葉がこぼれる、そんなデュエットでした。
何もできなくて、抱きしめることしかできなくて。でも撃たれたエポが望んだ最期は多分それで全てだった。
最後に触れたのは「その髪好きだわ」と冗談の中に本音を隠して告げていた、マリウスの髪。拒まれることもなく。
エポの命が終わったことを悟ったマリウスはそのまま亡骸を胸に強く抱いて、赤子をあやすようにゆらゆらと揺れていた。
亡骸から離され、運ばれて行く姿を呆然と見上げる角度と表情、本当に美しい。。
(学生メンバーによっては、ここでエポをマリウスから離させる手がとても優しかったり、運んで行く姿が哀しみに満ちていたり。。年長メンバーは特にその芝居がはっきりと感じられた。)
エポを見送るとあふれ出る感情に崩れるかのように座ったまま上半身を折って地に伏せるマリウス。
そこにガブがそっと触れて、顔を上げたマリウスにエポの帽子を手渡す。(この角度もすごく良い。。)
帽子を受け取ると再び地に伏せるけど、感情が行き場をなくして、手を地面に叩きつけるような動きを見せる。
・最初の攻撃
鎌田コンブが気遣ってくれても反応なし。グランの声がけにも。
やはり個人的には座らせてくれる菊地グランの芝居が好きです。
あれだけの状態から自分で椅子に座りに行くのは少し不自然なものがあると思うので。
自分で行くパターン、前楽は「攻撃始まるぞー!」の声で体を起こしていたようでした。
いつもこのタイミングだったかは曖昧。前楽はいつもよりも意識がある(周りの声が聞こえる)状態に感じたので学生の言葉に反応したのかも。
隣に座ったグランの反応も色々でしたが、丹宗グランはマリウスの腕を掴むように触れ、菊地グランは軽く覗き込むように様子を見て、どっちも大体酒瓶を差し出す。
不器用なグランなりの慰めだけど、マリウスには届かない。
(下を向いたままふるふる首を横に振って断る姿、これまたかわいい。)
しつこくしてたら結構激しくはたくように突っ返されていたこともあり。
自分の目の前であまりにあっけなく命が終わったことにショックを受けてはいたけど、受け止め切ることはできていないというか。
ショック状態だけどまだ「死」に向き合ったわけじゃない気がしたなぁ。
そんな中、アンジョが現れてマリウスの前に銃をどんと音を立てて差し出す。
顔を上げて銃を見たマリウスは奪い取るように銃を持ってバリケードへ駆け上る。
ここはエポの仇とかそんなんじゃなくただただ衝動のように感じた。がむしゃらに取り憑かれたように。
そんなマリウスを見送るグランのなんとも言えない複雑な表情も目が離せない。
ジャベを始末した(ことになっている)バルジャン、杖ドンドンの賞賛をマリウスはやらない。
それが何故なのかは推測できずにいますが、ここも他の多くの学生たちとマリウスの死や戦いについての考えの違いとして出ている1つなのかなとも思う。
戦いが終わり、徐々に興奮状態が落ち着いてきたところに「戦いの準備せよ」というアンジョの言葉で乱暴に銃を構えて外に向けるマリウス。
そして来ました名台詞!(?)「マリウス、少し休め!」
ばっちアンジョはなぜそんなに高圧的&命令口調…?と思う言いぶりでした。
前楽観劇でこれだったのでデフォなのか?余裕のなさの表れでしょうか。
そんな声色なので、マリウスも結構挑戦的な感じ。キッとなって、でも(分かったよ!)というように銃を渡して下に降りて行く。
竜治アンジョは優しい。心から案じているのが伝わって、マリウスも力が抜けていくような感じ。
理生アンジョは言葉は強めだけど、とても心配している。目力と差し出す手にリーダーの強さを感じます。
きっちりマリウスの様子を見ていてくれて、興奮しているときはちゃんと言葉を聞くまでしっかり待っててくれる。
海宝マリウスはあまり呼びかけが耳に入らなかったり、休めという指示に躊躇したりというときもあるけど、様子に合わせて間をとったり、覗き込んだりしてくれるので安心と信頼のコンビです。
・共に飲もう
地面まで降り立って、バリケードに持たれて立っているマリウスのシルエットの美しいったらない。(そのままアクリルキーホルダーにでもしてくれたら買うのに。真顔)
基本的にここではまるでマリウスだけ違う世界に行ってしまっているような、そんな感覚があったんですが、前楽だけは結構違った。
話しかけられたり、飲み物を渡されたり、一応反応はするけど心が遠くにある感じ。
受け取りはするものの、海宝マリウスがこのシーンで飲み物を口にすることは1度もなかった。私が観た限りは。
エポの死がなかったような雰囲気の中、マリウスはそのショックというか悲しみの中に。(実際みんながエポの存在をなかったことにしている訳では全くないと思うけど)
この曲で、グランは死など無駄じゃないのかと問いかける。
その言葉に、学生がオフマイクで「それでも!」と詰め寄り、舞台前方は結構騒然とするわけだけど、
同じ空間に存在するとは思えないくらい、マリウスの意識は遠くに行っているのよね。その目は何も見ていない。
いろんなパターンがあったけど、個人的にはグランが歌いに出る直前に、マリウスの肩をポンと叩いて行くのが好きだった。
ただ元気出せよ、という想いだったのかもしれないし、今から俺が投げる言葉を聞いとけよ、という想いがあったのかもしれない。
少なくともそれをされた時のマリウスはふっと顔を上げて、グランの言葉に耳を傾ける意識を持っていたなと感じている。
どちらにせよ「死など無駄じゃないのか」という言葉に、自分のことを考えた結果が「死んでもいいさ〜」なわけです。
マリウスはあっさりと命を失ったエポを目の当たりにしたことで、命の呆気なさや小ささを感じたんじゃないかと。
だから自分の命にも価値なんてないんじゃないか、些細なものなんじゃないか。 それならもうどうでもいい。愛する人と離れた今、生きて何になるんだ。 自分が死んだらコゼットはせめて泣いてくれるだろうか。そんな価値を持っているだろうか。
私はそんな感情を(勝手に)受け取りました。言葉を紡ぎながらやはり溢れる想いが手に出るマリウス。
同時にこのシーンで学生たちは再度ここで自分たちの行動に対し覚悟を決めたんじゃないかと思っている。(マリウスばっかり見ていたので推測だけど)
本当に死ぬかもしれない。それでも世界を変えるために、自由を掴むために、自分たちはやるのだと。
マリウスが「死んでもいいさ」と歌った後で、バルジャンがコゼットへの愛のために自分の命をかけてもマリウスを救いたいと「彼を帰して」を歌うこの流れ。
これが深い「愛」なのだなと思ったりしました。マリウスのコゼットに対する想いはまだ「恋」。
・第二の攻撃
結局市民が来ることはなく、再び戦いが始まる。
割と冷静に戦っているように見えるマリウス。
学生(名前分からない)とアンジョのやりとりにすぐ気づいて「僕が行きます!」と声をかける。ここまではごく冷静に見える。
でもアンジョに止められて、溢れ出てくる絶叫に近い「ここにいても同じだっ!」の剣幕に、
その冷静さは爆発寸前の内面を覆っていただけなのだと分かる。死にたいわけでも死の覚悟があるわけでもない。もどかしさからの自暴自棄。
前半は比較的「同じだ!」が悲鳴混じりというか、「サンクチュアリー!聖域だ!」の悲鳴を思い出すものがあったけど、後半は低く叩きつけるような言い方になった印象。
どちらも好きで、この作品の中で1番毎回ドキドキしながら聞いていた箇所といっても過言ではなかったです。この台詞。
ばっちアンジョだとこの直前の「どうした報告しろ」からもう余裕0で怒鳴り声に近く、冷静さも皆無だったので、止められたマリウスが逆上したような感じに。
緊迫感がすごかった。そして走り出そうとするマリウスを体でどしっと受け止めるヤンバル。包容力の塊。
そうやって大人たちがぐだぐだしている間にガブローシュが飛び出していってしまった。
海宝マリウスはもうガブが撃たれた1度目の銃声で完全に身をバリケードに沈め身動きをしない。
撃たれたあともう1度声が聞こえて、他の学生たちは生きてる!と希望を持ったり、早く戻れと叫んだりする中、呆然としてもう何も聞こえず見えていないマリウス。
ここの様子はちょっと異様です。
上の学生のキャッチ失敗で海宝マリウスのすぐ前にガブの投げたバッグが落ちてきた時も、さすがに目はぼんやり追っていたけど動いて拾おうとはしない。
そして2度目の銃弾、本当に目の前で1mと離れない場所でガブローシュが撃ち殺される。
その瞬間のマリウスもまた見上げた角度がとても美しく、エポの亡骸を見送る時に見上げていた姿を思い出します。
マリウスはガブの死を目の当たりにしたことで、初めて己と隣合わせの死を本当の意味で感じるんだと思う。
しかもそれは「殺される死」。エポも同じようにマリウスの前で命を終えたけど、撃たれたところを見ていないのでこの2つの死は大きな差があったのではないでしょうか。
敵兵のアナウンスが聞こえて来て、手すりを激しく揺さぶって感情をぶつける姿からはやるせなさと共に自分も殺されるのではという大きな動揺も感じる。
そこにアンジョの「死のう僕らは何も恐れはしない」という呼びかけとそれに応える学生たち。
でもマリウスにはそれは出来ないと思った。たぶんコゼットのために生きようとかそんなのもない。ただ無理だ。って。
だから海宝マリウスは「戦いの場から離れるためにバリケードを降りようとした」のがはっきりと分かる芝居になっていると思います。で、撃たれる。
たぶん真面目なマリウスは頭では散々考えていたし、アンジョにも賛同していたけれど、いかんせん机上の理論に過ぎなかった。
本気で死ぬ覚悟があったわけではなく、いざ「死」を前にすると冷静ではいられなくなった。
エポの死を見届けて、グランの言葉に「死んでもいいさ」と一度は口にして、でもやっぱりガブの死で、自分には無理だというところに行き着くのです。
⑷生き残ったマリウス 詳細
下水道で意識を失った状態で横たわっている顔すら美しいという事実。
あとは指輪を抜き取られるために持ち上げられた手が綺麗。
(そこを見たって仕方がないとは思いながらもオペグラでガン見です。。だって美しいんだもん。)
・カフェソング
舞台奥からよろよろと進み出て来る姿を見てまず驚く。
すごく老け込んで見える…
バリケードまではまあ20代前半から半ばくらいに見えたマリウスが40前くらいに感じるのです。(たぶん個人差はかなりある)
マリウスという役全体でも言えることですが、この曲も技巧や音域的には難易度低めだと思います。特に海宝くんの歌唱力からすればただ歌うなら簡単なくらいでは?
だからこそ役者の力量が試される恐ろしい曲でもある。
他のシーンでは結構細かく書いてきたけど、この曲に関してはあまり書けない。。
どこのどの部分がというんじゃなくて、目を見開いて表情を見て、耳で体でその歌声を浴びて、そうしているうちにいつも終わってしまう曲でした。
個人的にあ、なんか明らかに変わったな。1ステージ上に行ったな。と感じたのが6月24日のマチネ。
それまでも良かったけど、楽曲の良さとかそんなところに全く意識が向かないくらい「マリウスのもがき苦しむ心の声」そのものがダイレクトに伝わって来るようなシーンになった。
歌ではなく叫びのようになったり(あぁ友よ「聞くなっ!」とか)、震える手で杖を床に打ち付けたり、派手な動きができない中でマリウスの体全体から想いがあふれ出ていた。
そして最後の自分のロウソクを高く掲げるあの姿。あそこがあんなにも痛々しく、それでいて美しいと感じたのは初めて。
いやでもここまで自由自在に歌の中で想いを表現できるのは、やっぱり持ち前の高い歌唱力があってこそだと思うんですよ。
音程や技術に全く振り回されずに歌えるレベルだからこそその先の自由がある。
・エブリデイ
カフェソング後のマリウスも凄い。コゼットの声がまったく届かない。
心ここに在らずを超えて、心のシャッター完全に閉まりきっているような感じ。
「不思議だ 僕をここへ誰が運び入れたのか」と歌いながらも会話にならない。
座らせたマリウスの手を握り、さすり、必死で話しかけるコゼット。
個人的にはやはり海宝マリウスは言葉は全く耳に入ってきていなくて、マリウスの心を溶かしたのは”コゼットの手の温もり”だったのかなと思っています。
歌詞のタイミングとしては「誓いは真実」の箇所。
(これをマリウス自身が自覚していたとは思わないけど、恵みの雨で死にゆくエポの手を握り、必死で抱いていた姿を思い出す。
きっとエポのその手が冷えていくのを感じていたと思うのよあのとき。
だからこそマリウスの意識を取り戻すのはコゼットの体温だったんじゃないかと感じました。そこには”生”があったんじゃないかなって。)
感情が溢れ出たマリウスは何度もコゼットの手に触れ確かめるように握り、その胸に頭をうずめる。
膨れ上がって限界だったところに穴を開けて苦しみを絞り出す役割をコゼットがしてくれたんだなと思う。
どこがというと難しいけど、このシーンもマリウスが正気を取り戻すのに1番納得できるのは彩香コゼットです。
なんでなんだろうなぁ。。やっぱり1番彩花コゼがマリウスの悲しみの真髄を理解した上で包み込んでくれるように感じるからでしょうか。
(勝手にそう思っちゃってるのかもしれません。汗)
聡明そうな海宝マリウスはバルジャンの話を聞いた後もあまり戸惑いはなく、あなたを救うにはどうすればいい?と問いかける姿も持ち前の生真面目さが垣間見える。
初期はわりとそのままさらっと家の中へと戻っていたような気がしますが、後半は家に戻る途中で一瞬立ち止まり、振り向くか迷って、でもバルジャンの言葉を尊重してそのまま去っていく。という動きに。
泣ける。
・結婚式
一転明るいムードだし、マリウスも顔つきも若々しくなってるし(勝手に)ホッとするシーンです。
舞台奥で胸ポケット探ってフリーズ、あわあわごそごそしてコゼットを心配させておいて、えへへちゃんとあるよ~!(悪戯っぽい笑顔)で指輪出してくるチャーミングさに死んだプレビュー初日。
マリウスの茶目っ気ある笑顔ってあまり見られないのでもう貴重なありがたやシーンでした。
なかでも彩花コゼは、このごそごそに「え!まさかないの??」って一緒に慌てて、差し出された指輪にちょっと体曲がっちゃうくらいに反応して「もうー!」って破顔してるのが最高に良い空気で幸せそうで、心から結婚を祝う気持ちになれる。
他の2人のコゼットもちゃんと反応はしてくれるんだけどお嬢様度高めなんですよね。笑
あとは結婚式でコゼットと踊り出した時に、海宝くんがよくやるあの眉をくいって上げる笑顔するんだけど、なんか爽やかなインストラクター感が凄い。
ダンスがインストラクターっぽい。
(これに慣れてたのでみりマリ観たときにはマリウスがナチュラルに踊ってる!と驚いたものです。。)
しばらくごく社交的な顔を保っていての、「でてけ!テナルディエ!」の顔と苛立ちが最高に良い…
それこそ平常時のマジギレマリウスって描かれてこないのでここに剣幕と刺々しさにはドキッとしてしまう。
「ゲロかけた〜」でテナにハンカチ頭に被せられた時の半真顔に注目です。
・エピローグ
基本的にはあまり目立つことなく、バルジャンとコゼットを見守っているマリウス。
海宝くんの引くべきときには存在感を消す芝居が好きなので、ここの存在の仕方はとても好み。
はっきりとタイミング込みで確信があったのは、7/11ソワレの光夫バルジャンですが、
「私は父じゃない」後にコゼットがバルジャンの胸に顔を埋めたとき、コゼを抱きしめながら、しっかりとマリウスと目を合わせる。
全ての想いを託されたマリウスはそれをしっかりと受け止める。
ヤンバルもアイコンタクトとるときもありました。なしの日もあり。
マリウスは事前に告白を聞いていたことで事情は分かっていて、その上でバルジャンからコゼットへの告白を聞いている。
改めて言葉を噛みしめるような反応やコゼットの様子を案じる様子が抑えた演技でも感じられて好きでした。
この時間はバルジャンとコゼット親子のものだけど、同時にマリウスも家族としてそこにいる感じがして。
ラストの大合唱、亡くなった人たちやコゼットの笑顔に包まれるなか海宝マリウスはまったく笑わない。
意図あってのこの表情だと思うのよね。(記憶曖昧だけどみりマリは微笑んでいた気が…)
死んだ仲間の中1人生き延びたこと。
悲しみの底からは脱したものの、当然仲間たちが死んで行った事実に変わりはない。
そしてバルジャンからコゼットを守る役目を託されたこと。
マリウスは自分は揺らがずにコゼットを強く受け止めようとしているように感じます。自分を救ってくれたコゼットの1番辛い時を自分が支えるのだと。
この2つの重さがマリウスの肩にのしかかっているのだと思います。
ここで舞台は終わるけど、まだマリウスにとってはその重さを抱えながら笑える時ではない。
でもコゼットと愛を貫いたその先でいつか心から微笑めるときがくると、そう未来を思い描くことができる気がします。
この時点ではとにかく自分がしっかりしようと思っているように感じるけど、きっとコゼットがその重荷を分かち合い軽くして一緒に歩いてくれるだろうから。
本人がインタビューでも言う通り、マリウスは確かに「希望の象徴」なのでしょう。
コゼットが「愛の象徴」であるように。
あれだけすごい役、カジモドを演じた後にマリウスってどうなのかなと正直思っていたところもありました。
曲を歌いこなせることだけでも分かりやすく凄かったカジモドよりも、
技巧や音域的には曲の難易度の低いマリウスの方が役の表現としては難しいんだろうなぁ。
カジモドはきっとあの曲をしっかり歌えればそれだけでもある程度役の表現が可能だったけど、マリウスは自分で膨らませないと埋まらない部分が多い印象。
楽曲自体による補助の大きさの違いがあって、レミゼは曲が最高に美しいけど、それが役の表現と直結かというとそうでもない気がする。
マリウスはそんな役だからこそ、今の海宝直人の俳優としての実力がフルに発揮されていたようにも思いました。
カジモドとはベクトルの違う「凄さ」を見せつけられたような、そんな感じ。
何度でも観たくなる、味わい深いマリウスでした。
番外編 マリウスバイトについて
今までプリンシパルのバイトなんて、気にして観たことさえなかったんですけどね。
出てるんだもん。探すしかない。笑
ということで今期はほぼマリウスバイトを見る前半でした。
おかげで本筋をあまり追えていなかった。。まあでも後悔はない!可愛かったから!
プリンシパルをやっていると、やはりその作品中でメイン役以外を演じることってあまりないのでレミゼは楽しいですね。。
・プロローグ
向かって左側の先頭列左側の囚人。
舞台は薄暗いけど顔をあげることも多いのでまあ見つけやすい。
というか1度見つけたら動かないからありがたい。笑
苦しそうな顔で必死にオールを漕いでいる。
お隣のバベ枠囚人が痛めつけられてるところは顔を背け、看守が去っていくと少し気にしてあげている模様。
退場は後列の最後尾(のはず)。
・農場
下手から出てきて馬車の裏っかわで農作業してます。
朱色のベストに麦わら帽子がむちゃくちゃ可愛い。アニメの登場人物みたい。
バルジャンが暴れると、アワアワしながら鍬をバルジャンに向けます。
(基本口開いてる)
・宿屋
農場から麦わら帽子を外したスタイル。
上手の階段最上部で女の子たちと楽しく飲んでいます。
騒動が起こるとやんややんやしながら階段ごと上手の幕へ消えていく。
(ここもだいたい口開いてる)
・司教館の外
衣装は宿屋と変わらず。
上手よりの後ろにカップルなのか夫婦なのか分からないけど女性と一緒にいて、話したりしています。
(ここもだいたい…略)
・1日の終わりに
失業者はちょっと自信ない。。
上手真ん中あたりの決して顔を見せないカジモドっぽい手が綺麗な気配がするあの人だと思ってるんですけど。笑
顔をちゃんと見たことがないので確信は持てず。
労働者は基本机の後ろ、上手寄り。帽子被っていたはず。
ファクトリーガールとファンテがもみ合ってる時には、テナ妻とコゼの真後ろぐらいにいて面白がってる感じで笑ってます。
・治安官
1番わかりやすいのはここ。アンジョと2人で治安官をしてます。
「言い訳はサツで!」の後で後方から上手前に走りこんでくる先の方。
基本客席に近い側にいて、エポ娼婦を羽交い締めにしています。
客席から見やすいし、舞台もそこそこ明るくて表情もしっかり見えるので楽しい。
鋭く息を吐いてたり、頬を膨らませていたり色々楽しい。
後ろからちょっかいかけてくる人たちへの対応もアンジョとの違いが見えたり。
アンジョも人によって結構印象違うのでここの治安官2人組は目を離せない!
さて…以上です!
あー長かった。もう鬼のように長かった!笑
でもどうしても書き残したかった海宝マリウスのこと、記憶の限り残せたと思うので満足です。楽しかった!
社会人の短い夏休みを犠牲にした甲斐があったよ。。
もしここまでお付き合いくださった方がいらっしゃったら、本当にありがとうございました(*^^*)
おしまい