No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterに生息→@musicalamnos

海宝カジモドin京都 総括

京都に海宝カジモドが舞い降りたよ!!

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ということで彼は本当にレミゼ大阪公演と名古屋公演のたった2週間の隙間に現れました。

稽古場写真にドーン!と出て各所を騒然とさせたあのときからはや2ヶ月。

個人的には久しぶりに吐き気がするようなキャス変待ちの時間を過ごし…

出たら出たで、「5、5日連続!?化け物か!?」と動揺し…

まあ実際は6日連続。休演日をはさんでさらに3日。

こんなにタフな人っているんだなとあまりの仕事人ぷりに恐れ慄いている今日この頃です。

 

まあそんなことはどうでも良いんだ!

この度、京都に遠征して海宝カジin京都を観てきまして、

あまりのパワーアップぶりに打ち震えたのでこれはしっかり書いておきたい…ということで久しぶりの細かいレポです。

 

前回東京の記録を書いたときは観劇自体からは時間が経っていて抽象的なものが多くなってしまったので。

a-syamu.hatenablog.com

 

と思ったんですけど実際書いたらあまりに細かくなってしまったので、、

じゃあ全体的にどうだったの?どう変わったの?というところの総括をこの記事で。

超細かいのは別でアップするのでご興味があれば読んでみてください!

 

私が観劇したのは9月15日夜、16日夜、17日昼、18日昼の4公演です。

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休演日明けはまた少し変わっているようなレポを見かけたので、あくまでこの期間観て私が感じたものだよーという点をご理解ください。

 

ポイントとしては以下5点。

1.全体的に顔の歪み、声の潰しは緩和

2.万寿夫フロローが優しくなったことによりフロローとの関係が変化

3.石になろうの感情のベクトルが変化

4.ラストの語りに感情が入るようになった

5.全体的に歌唱力が上がった

 

 

少し詳しく。

1.全体的に顔の歪み、声の潰しは緩和

右目はだいたいつぶっていますが、口元の歪みは少なくなりました。

歌っているときは特に。

それでも顔がまったく海宝くんに見えないのは変わらず。

顔の歪みに加え、障がいの度合いというか方向性も変わったような印象を受けます。

それは多少2のフロローの変化にも関係する気はするんですけど、話すときの不自由さはだいぶなくなったかと。

耳があまり聞こえない、唇を読んで会話を理解している様子は変わらず。

 

話し声も歌声も潰さずに声を変えているので、海宝くんの声には聞こえないけど東京の頃の声とも多少違っている。

これは前後でマリウスがびっちりなのを含めの連投仕様というか、喉に負担をかけないことを優先しての作り方かなと思ったり。

見た目も声も体勢も、東京の頃の方が激しかったけど、京都仕様で海宝くん本人がちらついたかと言えばまったくそんなことはなくカジモドとして何の問題なく成立していたのが実際のところかなと感じています。

横浜でしばらくカジモドに専念するとなった場合(仮定)、東京レベルまでの負荷にしてくるか連投に耐えうるであろう京都バージョンで行くのか気になるところです。

2.万寿夫フロローが優しくなったことによりフロローとの関係が変化

京都仕様…!?万寿夫フロローがめちゃくちゃ優しくなっていて驚きました。

優しいというか愛情がしっかり見えるようになった。かな。

以前は冷たく厳しく、海宝カジと万寿夫フロローだと怖いほどの緊張感でしたが、

厳しめながらも愛情を見せるフロローになったのでカジも心を開いていて信頼関係が見えるように。

結果、陽ざしの前のやりとりやトプシー後のビターンの雰囲気もガラッと変わります。

あとはこのフロローだからこんなに閉じこもってどこか違う世界で生きているみたいなんだな…と感じていたカジモドが、割と一般世界と近い位置に存在して見える。

エスメの「彼もあたしたちと人間よ!」って言葉に説得力が出ました。

そして何より序盤からのフロローとの関係性が変化したことで、殺害前後の重みがグッと、、深まった。さらに辛くなった…

3.石になろうの感情のベクトルが変化

東京の頃は、絶望と拒絶。

ガーゴイルたちを拒否して自分自身の内面へ負の感情を向けてどんどん閉じこもっているような感覚でした。

ある意味、絶望と拒絶には変わりないんだけど、、少し抽象的な部分も見えるようになったというか。

ガーゴイルが意味するものを自分にはもういらないと、そこを失くして心を閉ざして石になった方が良いんだって、

怒鳴りつけ、「もう分かっただろう?現実を見ろ!1人にしてくれ!」って傷つける言葉で殴りつけて、自らの中にある一部をずたずたに傷つけて黙らせているように感じた。

そんなベクトルの変化があった分、外に出す(=客席に直接向ける)エネルギー量が増したのかなと思います。

客席にもろに押し寄せる感情と歌声の圧がもう凄まじいです。。

4.ラストの語りに感情が入るようになった

徹底的に淡々とした語りを貫いていた東京。

なんと京都で感情が入るようになりました…!と言っても情感たっぷりとか抑揚があるとかそういうのとは違う。

もう別人なんだけど、でも確かにカジモドを演じきった俳優の言葉で、

どこかカジモドの心に寄り添った静かで穏やかな愛が感じられるそんな感覚でした。

そこに役と俳優との距離はしっかり残しながらも心を感じる今の語り、このパターンも好きだなぁ。。

5.全体的に歌唱力が上がった

あのー東京でもあれだけお上手だったんですけどね。。

え、マリウス演じるとそんな変わる??ってレベルで明らかに歌唱力が上がっておられました。。

特に分かりやすいのはロングトーンや高音で、 タンバリン3重唱やエスメラルダ、奇跡求めてとかの重ねる部分の響き方、声の抜け方が飛び抜けているし、

陽ざしの中へと天国の光のラスト、石になろうの後半とか声の伸びと太さがなんかもう凄かったです。

語彙力を失うくらい凄かったです。

歌唱力もだけど客席に届けるパワーが強くなったというか、ダイレクトに聴き手まで声ががっつり届くレベルが上がったというか。

あとは全体的にビブラートを効果的に効かせてくるようになった。

箇所としても増えてはいるんだけど、決して多用というわけではなくてちゃんと使う場所を計算して作ってるんじゃないかなと思わせる上手さ。

そもそもの話で声をあまり潰さなくなった結果歌いやすいというのもあるかもしれません。

 

 

さて、じゃあ1番変わらなかったところは?と聞かれたら、、

やっぱり「海宝直人とカジモドの徹底した分離」でした。

正直ここが変わってしまってたらどうしようと思っていたよ…

ホッとしました。笑

京都を観終わった今も自信を持って言えます。

カジモドになった瞬間からラストに墨を落とす瞬間まで、そこに海宝直人はまったく存在しない。

だからこそラスト墨を落として振り向いた時の衝撃は凄まじいものがあるし、

あの演出を実に効果的に活かしていると思う。 

カジモドを生き抜いて俳優海宝直人に戻った彼の透明感に満ちた美しさは相変わらず、いやむしろ輝きを増していて、毎度客席で息が止まりそうになっていました。

 

 

カジモド登板は約半年ぶりでしたが、私の観劇はちょうど8ヶ月ぶりくらい。

待ちわびた京都出演でした。

期待値が上がりすぎて勝手にどんどん神格化してしまっているような感じがして、正直不安な部分もあったんですけど、そんな心配はまったく無用でした。

やっぱり私は海宝くんが演じるカジモドと描き出すノートルダムの鐘の世界がとても好き。

彼のこの作品に対する想いの軸がブレない限り、私はどんな海宝カジでも違和感なく受け入れられるんだろうなと思った。

盲目かもしれないけど、この作品、この役はやっぱり特別。大好きです。

きっと横浜でもまた。