No day but today(観劇的な意味で)

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ノートルダムの鐘を語ってみるvol.4 個性真逆なWキャスト②

 

ノートルダムの鐘東京楽まであと2週間となってしまいました。辛すぎる。

ということでノートル語り第4弾。

プリンシパルを語るシリーズ。

フロロー、フィーバス、クロパン編。

 

 

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フロロー

芝清道さん

芝フロローは「人は生まれながらに罪人」という自らの台詞にあるように、元からただの人間なのに理性で誘惑を断ち切って勉強をし、精進してきたんだと思う。

カジモドにも歪ながらある種の愛情を向けていると思うし。

それがエスメラルダとの出会いで一気に崩れ去ってしまった。

トプシーターヴィーのあと、拾い上げたスカーフの匂いをあまりに自然に嗅ぐのでゾワっとします。

粘着質で気持ち悪い。(褒め言葉)

「ミサの後探したんだよ」とか本当に気持ち悪い。(褒め言葉)

以前は感情があふれ出るような印象があったんですが、

最近は押し殺した狂気、というか彼の体の中で感情が濁流のようになっているのが分かって、前より哀れに感じるようになった。

好意的に思っていないおじさんに性的な目を向けられる不快さは女性ならきっと分かるのでは哀しいことだけど

 

ある意味1番人間らしいのが芝フロローだと思う。 

形は歪んでいたとしても愛情も優しさも、邪悪な部分も持ち合わせている。

カジモドとフロローの関係性がこの愛情と優しさによってぐっと複雑になる。

芝フロローと親子度強いのはダントツでたつろーカジです。

♪息子のように思うよ と歌いかけるのも芝フロローは実際にそう思っていたんだろうなと感じさせます。

だから余計にカジモドが「僕の愛した人は2人とも横たわってる」のが辛い。

でもエスメ死後、上にやってきたときにはもう明らかに様子がおかしくて、

焦点も合っていないし、どちらにしても元に戻ることなんて出来なかったんじゃないかと思います。

 

野中万寿夫さん 

芝フロローとはまた全然違う。

そもそもビジュアルからして白髪です。歌も台詞寄り。

若き日のフロロー、デュパン神父が追放を告げた後の「ジェアン!」も叱りつけるような声色。

(芝フロローは自分がしてしまったことに焦って呼びかけているような印象だったけど、)非があるのはジェアンだと責めているような。

絶命後の「ジェアン!」は絶叫気味でした。

 

万寿夫フロローは街の人にも恐れられる厳格な聖職者。なんの迷いもなく生きてきた。

カジモドに対してもまさに教え導く、という感じ。カジモドだからあの態度というわけじゃなくて、もし自分の子どもがいたとしてもああいう態度を取ったんじゃないかなと思う。

ああいう父親もいるよね。厳格な教師のような。芝フロローとは全く違う父親像。

アフロディージアス」も口の動かし方をしっかりと見せているのが印象的。

人は残酷だから、笑われるから、外に出るなというのも真実を教えているだけ。

あとは私は腹を立てているわけでは、ない! が怖過ぎて。。 生まれて初めて嘘をついた、その相手は絶対万寿夫フロローの方が怖かっただろう。

ここで優しさを出してくる芝フロローだと、手を広げられても手を回さずに体を寄せるだけ(たつろーカジ限定)なのは罪悪感だと思うけど、万寿夫フロローだと後ろめたさが強い感じ。

 

エスメラルダと出会ってからは芝さんのような明らかな動揺や変化が見えない分、どんな行動に出るか分からずゾッとする。

万寿夫フロローは「私は正しく徳の高い男」って自分で歌っても許される。というか納得できる気がする。

芝フロローが粘着質で気持ち悪いなら万寿夫フロローは異様な執着で恐ろしい。。

牢屋でも何をされるか分からない気の狂った犯罪者を前にしたような恐怖がある。

世間的な信頼を得ている立場だから、中に恐ろしい欲望を持っていても平然と力を行使して、恐ろしい敵だよほんと。

「私は大助祭だ!法律などどうでも良い!」が絶望的です。。

 

エスメラルダ死後に上にやってきて発した「サンクチュアリー」があまりに空っぽで驚く。

もう彼が言う「サンクチュアリー」には何も中身がなくなってる。。

序盤カジモドに「ここがお前のサンクチュアリーだ」と言っていた時には確かにそこに厳かな何かがあったのに。

聖職者としての軸を失ったフロローの「聖域」はもうどこにもないんですね。。

 

芝居重視の歌唱ですが、声質が特徴的だからコーラスに溶けないのが強い。

特にヘルファイヤーとか。

  

 

フィーバス

清水大星さん

清水フィーバスはやっぱり歌が絶品。

笑っちゃうくらいの素晴らしく良い声と豊かな声量。

「警備隊長」の歌い方が好き(マニアック)

美南エスメラルダとの歌の相性抜群です。

直近では髪色がさらに明るく前髪なし長めの髪で女の子みたいだった。

 

わりと育ちよくてまあまあの地位からスタートしてるから余裕があって優しいけど気配りできないとこがある。 そんなイメージ。

多分まったく軍人には向いていないし、戦場での経験も辛く(佐久間さんほどではないけど)トラウマになってる。

そんな彼が太陽のような魅力を持ち賢く慈悲深くもある美南エスメラルダに惹かれるのは当然かと。

大聖堂でのやりとりはフランクで笑顔も多い。口説きモード感。

カジモドに静かに!って怒られたときの「ごめん」もすごく素直。

Somedayでも♪私が旅立つときに〜 に泣きそうになっていたり、フレデリックへの呼びかけが泣き声入っていたり、なんというか素直さと弱さが見える。

♪パリの人々よ〜 と歌い掛ける力強さと熱意で劇場の空気が変わります。

ラストの墨はくの字のような引き方。

 

個人的は清水さんを初めて認識したのがリトマのシェフデビューを観劇した時で、

あまりの面白さに爆笑した記憶が強かったのでお笑い枠じゃない役って観るまで想像もつかなかったんですが、まるで別人でさすが役者さんだな…と。笑(当たり前)

 

佐久間仁さん

デビュー日をマチソワで拝見したのでなんだか思い入れのある佐久間フィーバス。

1公演目の時は聖堂でのエスメとフィーバスの攻防で初めにナイフ突きつけるタイミングでぶつかっちゃって下手に吹っ飛ぶナイフ。

吹っ飛んだナイフをエスメが拾って再度喉元に突きつけられるという情けない隊長になってしまったのも良い思い出ですね←

 

身長が高く目立つし、長身の美南エスメでもきっちり身長差が出ます。

歌は清水フィーバスの美声歌上手っぷりが普通じゃないので比較しちゃうとあれだけど初期からどんどん進化して、今では歌唱の不安定さもなくなりました。

フィーバスの存在感と説得力は佐久間さんが好きです。

佐久間フィーバスは元から粗野で荒っぽいところがあり、戦闘も強そうで叩き上げの雰囲気がある。

戦場で疲弊して戻ってきたけど過去に縛られてる。戦場を思い出し、青ざめ震えている。

エスメの魅力に惹きつけられるけど、その勇敢さや真っ直ぐさを見てすっかり人として好きになる感じ。

 

Somedayではエスメラルダの強さや信念にすぐ側で共感して、辛さや悲しみに揺らいで崩れ落ちる彼女をしっかり支えて包み込むのが佐久間フィーバス。

ただただ彼女の言葉を聞いて、その通りだと泣きそうに頷いて、でもエスメラルダが崩れ落ちたときは静かに力強く抱き締める。

 

最後エスメの亡骸を抱き上げようとして、その重みに彼女の死を突きつけられたように顔には絶望が浮かび、体は震えていた。

もう佐久間フィーバスは立ち直れないだろう。

彼は戦場での記憶とエスメを失ったこの一連の出来事に押しつぶされてしまうんだと思う。

Somedayでエスメと交わした言葉を思い出し、いつか平和になったそのときにまた2人で世界を眺めたいと願いながら、もうエスメが存在しないあの世界から消えてしまうんじゃないかなって。

歩くこともおぼつかず今にも倒れそうなフラフラとした去り方には1ミリの救いもありませんでした。

 

あとは佐久間フィーバスはとにかくフレデリックと仲良し笑

酒場に来たとき、友人のフレデリックも一緒だって言いながらフレデリックの頭ぽんぽんしたり。(鈴本さん、野村さんのみ)

細々としたアイコンタクトが多い。

 

クロパン

阿部よしつぐさん

ビジュアルはジーザスっぽい。

とにかく目つきが鋭い。目的のためなら躊躇なく人殺しもしそうだし、多分もう何人も殺してきてる。

よしつぐクロパンは冷静で、今までにも散々居場所を追われてきたのがよく分かる。

野生のイノシシどころか、冷酷な野生のオオカミくらいの印象なんだよな。 

この作品の幕開け、そしてカジモドから俳優へ戻ったときの衣装の返却とお辞儀という重要部分をぐっと引き締める重みを持っている方だと思います。

 

吉賀陶馬ワイスさん

彼、メレブのとき歌含めずっこけた記憶があるんですけど記憶違いだったかな⁉︎って思うくらい。

クロパンの歌すごく合ってる!!

顔立ちとか頭部の後退具合とかいかにもああいう世界に出てきそうな風貌で得してるなーと思う笑

人情のある家畜の豚に紛れた野生のイノシシ。っぽいです。

奇跡御殿の「お前はフロローの奴隷!」もワイスさんは振りかぶって脅してるだけでカジモドが勝手に転んじゃう。

割とまだ若めで同じジプシーへの情が厚い。どこかに落ち着いて暮らしていくことを本気で願っているんじゃないかな。

 

 

個人的には歌唱力が武器の美南エスメ&清水フィーバス&芝フロロー、

芝居力が武器の愛エスメ&佐久間フィーバス&万寿夫フロロー、

の組み合わせが好きだったりします。

強みの相乗効果が生まれやすい組み合わせな感じがして。

持ち味が全然違うプリンシパルなので、組み合わせによって相当印象が変わるなと何度観ても思う。

とはいえその個性豊かなプリンシパルの軸になるのはカジモドの存在の仕方だと思うので、カジモドとても大事!という結論。(?)

 

カジモド以外は今のところWで回しているので割と綺麗に2極化している印象。

新たにデビューしていく方々がどう作っていくか、そしてその役作りがどう他に作用していくか、楽しみで仕方がない。

京都は1遠征しかできない予定なので横浜でたくさん楽しめると良いなぁ!

 

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