No day but today

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2017レミゼを語る ③ファンティーヌ、コゼット編

第3弾は女性陣!

エポまで行きたかったんですけど、なんだかんだ伸びたのでファンテコゼ母娘のみとなってしまいました。

割と辛辣な部分もあったりしますのでご注意を。

 

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ファンティーヌ

前期そこまで思わなかった気がするんだけど、、

カツラがとても綺麗で艶やかで豊かな髪になっていて。

ファンテの女性としての魅力やカツラ屋が目の色を変えて近づいてくるのに説得力が出たなーと思いました。 

二宮愛さん(2)

6月上旬のときは正直そこまで印象の残らなかった愛ファンテ。1番普通の女性だなとは思ったんだけど。

1ヶ月後に観たらむちゃくちゃ良くなっていて驚きでした。

レミゼ前に出ていた歌番組や、制作発表での歌唱とはもう別物。良くしっかりシフトできたなと思います。いや良かった〜ぜひ続投して欲しいくらい。

自己メイクだと結構がっつり濃くてキツめの印象だけど、レミメイクだと一気に気弱そうな雰囲気になるのも大きかった気がします。

 

他の2人とまた違う、ごく普通の、若く立場の弱い女性。戦う術もない。

ただタイミングと相手が悪かった、それだけであの状況にまで追い込まれてしまった愛ファンテ。

ある意味一番現実的で、現代でも通じる不幸な女性像が描かれている気がします。

 

「待ち続けてるわあの人の帰りを」の言葉が、本心なんだろうと感じました。

この歌詞を歌う前の間で、大切そうにペンダントに口づけし、一瞬じっと見つめる。

たったこれだけでも、ファンテが相手のことをずっと想い続け、支えにしているのがわかります。ラブリィでペンダントを売る前にも一瞬名残惜しそうに口づけを。

でも売ると心を決めたらさっとお金を受け取ってその場を離れていた。娘へのお金工面のために大切な思い出もさっと切り捨てる母の姿。辛いわ。。

逮捕の時点でだいぶ弱っていて、バルジャンに掴みかかるシーンも、ほぼそのままバルジャンにところに倒れこむだけです。力がない。

病院でもあんなにボロボロになりながらもコゼットを呼び続け。

はじめは幻覚を見ているけど、途中で現実を思い出し、コゼットはどうなるのかと不安で泣きそうになる。

そこで自分が守ると言ってくれたバルジャンの手を強く握って必死で感謝を伝える姿が泣ける。

でもそうなったら今度は急に孤独と死が近いことへの恐怖を覚えてバルジャンにすがりつく。全然強くなんかない。。

 

エピローグでも少し泣きそうな表情を浮かべることがあり。他2人のファンテとの違いが出るなぁと思いました。 

新たなファンテ像を見せてもらいました。

知念里奈さん(2)

圧倒的に顔が可愛い。The 可憐。

ので工場長に言い寄られ、女性たちに妬まれってのが非常に説得力あります。

見た目か弱そうだし、女に嫌われるタイプですよね。。

役として歌う声質があんまり好きではないので、歌は消化不良気味ですが少女のような表情は◯

ラブリーでは、比較的強気というか、お金のためとガンガン持ち物売っていたら気づくと取り返しのつかないところまで行ってしまっていた感じがします。

少なくとも楽では、♪あぁコゼット〜のところもまだコゼットの幻を見ていたようでした。

息絶える時は微笑みを浮かべ。

 

唯一2幕のバリケードでも(あ、いる)と思うファンテです。顔の造形が違うんだよなぁ。。

エピローグでの笑みは母親のもの。あの場には、コゼットの母として迎えに来た感じがあります。

和音美桜さん(4)

たっちんは宝塚在団中にとある動画を見たのが知ったきっかけで、(宝塚とは思えないむちゃくちゃ歌が上手い人がいる…!)と衝撃を受けたのでした。

生で観られたのは卒業後でしたが、その歌唱力には絶大の信頼をおいています。

シシィやってくれたら良いのにと思い続けているんですけどね。。

 

私の中のスタンダードファンテ。 

安定しすぎていて逆に書くことがあまりない。。

他の2人と比べると比較的落ち着きがあって知的なイメージがあります。聡明なのに薄幸。。

工場で市長が仲裁に入ったときも、ごく冷静に順序立ててバルに説明しようとしている様子が見られる。

♪夢やぶれて も1番現実が分かっていそうというか。もうあの時点で夢を見る気は無さそうです。

工場長を見た瞬間の息の飲み方は1番ぐさっとくる。。衝撃と嫌悪と絶望。

病院で「この手…冷たくなるわ」から急に幼い子どものような印象になります。

やっとコゼットのことで安心できて、ようやく自分自身に向き合えた。

そこにあったの寂しさと死への恐れだったけど、せめて最後バルジャンの温もりの中で最後を迎えることができて穏やかな最期だったんじゃないかと思うのです。。

 

何より好きなのはエピローグ。

ここでのたっちんファンテの慈愛の笑みが本当に本当に素敵!!

バルジャンがコゼットに「お前が愛した母が」と歌うとき、その笑みが一層深くなる。

凛子エポとだとハモリが美しすぎて天国の調べかな、、と思うしふうかエポだと個性が違うのに綺麗に交わるし。

個ではもちろん、デュエットしても綺麗な歌声なのよねえ。

うーん、好き!全編を通し文句のつけようがないです。 

 

コゼット

小南満佑子さん(1)

my前楽にして唯一の観劇でした。小南コゼ。

ご本人のツイッターのお写真やTLのレポから勝手に抱いていたイメージとだいぶ違っていた。

キャラとしては彩花コゼと生田コゼの中間くらいでしょうか。

声質がコゼットのイメージ通り。歌はある意味王道かもしれない。

そして良い意味で芝居が分かりやすいです。(あーいま折れたなってはっきり分かる)

3コゼの中で咳払いは1番可愛くなくて好き笑

あーコゼットも余裕なんてないんだなと思って微笑ましかった。

マリウスの「エポニーヌ!この子が案内してくれた」に反応してはっきりと動揺を見せています。

若々しさや可愛らしさ、声質などTheコゼットな感じ。

全体的にレベルは高かったと思うけど、これぞ!って強く記憶に残ったこともなかったのは少し残念。

回数重ねて観たらまた彼女独自の魅力が見えてきたんだろうなぁ。。

生田絵梨花さん(4)

ロミジュリは稽古場の動画を見てこれは晴香ちゃん一択…と思って避けたので、今回が生で観る初めてでした。

コゼットに関しては適役だったと思う!

声の細さ、癖のなさはぴったり役に合っているし、高音部のあの楽器のような声の質感は彼女特有だったかなと。

プレビュー初日も楽も観て、歌唱に関しては本当に良くなった!と思いました。

ただA Heart Full~もEverydayもラストの高音が当たりきらないことが多く。。楽もダメで惜しかったなぁ。

とはいえそれ以外の部分は開幕時からずっこけるようなこともなく、

今までのコゼットにはビジュアルも歌も???な方も多々いましたから、その辺と比べたらよほど

レミゼの世界に馴染んでいたし、そつなくこなしていたと思います。

見た目の良さ以外にここが生田コゼの強み!ってものが見つけられなかったのが残念。

 

プリュメ街、エポとの対面シーンはプレビュー初日ほぼ反応がなく、その芝居無しになったのかなーと思ったんだけど、楽では多少ハッとしている様子が見られた。

うん、ここでリアクション無しは寂しいのでエポへの反応が出て来て良かった!

 

頑張ってある程度のところまでは持っていっていたと思うからこそ、、

岩谷時子賞とかそういう賞を取らせちゃうのは違うでしょと思わずにはいられない。。

せっかく本人の生み出した役を見ていたのに、一気に色眼鏡で見てしまう。しかもマイナスの方向に。

コゼットは適役だったと思うけど、この声の細さでは役は限られるだろうし、正直コンスタンツェって…

そこで変われるかどうかが大きなポイントになってくるでしょうね。

 

清水彩花さん(3) 

基本回数順で書いているのですが、コゼットばかりはどうしても彩花さんにトリを飾ってもらわずにはいられませんでした。

小南さんも生田さんも割とそつなくレベル高めのコゼだったはずなのに、

彩花コゼがあまりにぶっちぎっているせいで物足りなく感じてしまうという不運。笑

前期に引き続きですが、さらに深化し、とんでもないコゼットになっておりました。。

本当に、、いるんですねこういうすごい役者さんが。。

何が凄いかと一言で言うならば「レミゼにおいてコゼットが愛の象徴である」という説得力が尋常ではない。

この軸が見えるかどうかで作品自体の印象すら変わってくる。

というか私、彩花コゼに出会うまでコゼットがこんなに重要な役だなんて気づいてすらいなかったのです。

てなわけで大絶賛の彩花コゼ。詳細はこちら↓笑

 

表情がくるっくる変わってアクションも大きい。

けど決してオーバーにならない絶妙なライン。

心の動きが大きくてそれがダイレクトに表面に反映されるので、コゼットの想いが手に取るように感じられる。

短い出演時間ながら、In my lifeからA heart full of loveでコゼットとバルジャンの親子関係、コゼットとマリウスの恋人関係を濃密に描き出します。

ここでいかに印象に残せるかでその後のバルジャン、マリウスの芝居の深みも変わってくると思うのよね。

 

歌唱に関しては結構地声を使うことも多い。声質自体が超美声というタイプではありませんが、前期と比べ声の透明度も増し、ラストの高音は相変わらずバッチリ決めてくるので安定感がありました。

 

In My Lifeで好きなところが、「何も知らず聞いていない〜暗い秘密」から「いつも満たされてたあなたに愛されて」のあのわずかな隙間の折れ。

前半を口にしたことでバルジャンが少し沈んでしまったことに気づいて、慌てて(違うのよ!パパに育てられて私は幸せなのよ!!)って。

真実を知りたいと望みながらも、愛する父親の様子に敏感で、気遣いを忘れない優しさがまた、愛されて育ったんだねええ( ;  ; )ってなります。

バリケード陥落後、マリウスへ告白しにバルジャンがやって来た際も、「パパだわ!」とマリウスに話しかけて、嬉しそうにバルジャンの元へ。

ヤンバルの引き止めに少し驚きながらも、笑いながらお辞儀を返す姿、

そして最後家に入る直前に顔をのぞかせ、マリウスとバルジャンに微笑む清水コゼの姿にまた泣く。

エピローグでの芝居はこれまた。。

ベースの芝居は同じはずなのになぜここまで違うのか不思議で仕方がないのですが、

多分心の距離が近くて、それが反映されているんでしょうね。

物理的にも距離が近い気がします。腕にすがりつき、胸に顔を埋め、頰を合わせ、、

少しでもその体温に触れ、存在を感じ、自分自身の存在も近くに感じてもらおうと必死な感じ。

なんかもうこれはいくら言葉で語ったところであの素晴らしさは伝わらないので、どうぞ観てください!(諦めた)

バルジャンが召されたと知ったときの呆然とした姿、個人的にはここですぐにそのままマリウスに倒れかからないところがまた好きです。

その瞬間、自分を救い出し愛し育ててくれた父との別れしか頭になくて、側にいるマリウスのことが完全に頭から飛んでいるのね。

私としてはそれで良いと思う。このあと書きますが、ここでマリウスが1番辛いときのコゼットを抱き寄せ力づけて支えようとするのがまた前のシーンとの対比となって美しい。

そして手紙を読む表情の素晴らしさと言ったら!ねえ!

微笑みと哀しみとが混じり合い、泣き笑い、読み終わると胸に手紙を抱いて「ありがとう、パパ」と微笑んで。

愛に満たされて大合唱に加わるその笑顔は晴れやかです。

 

対マリウス。

恋にもまっすぐ情熱を向ける清水コゼだとマリウスのはしゃぎっぷりもバランスが取れるというか。

舞台的に短い時間でも確実にマリコゼの間に強い結びつきが出来たのを感じられて、その後のマリウスの揺らぎも説得力が出るんですよね。

そしてカフェソング後、海宝マリウスが目も虚ろで生気がなく心が死んだような状態をはっきりと生き返らせてくれる。

コゼットの声も耳に入らない状態のマリウス、歌いかけても届かないので、どうにか心を溶かそうと寄り添い、手を包み込み、必死で支える。

個人的な解釈では海宝マリウスを生き返らせたポイントはコゼットの手の温もりだったと思っているので、必死でそれを探し当てて感情が溢れ出したマリウスを抱きしめながら心底ホッとしたような表情を浮かべている彩花コゼが大好きです。

こうしてマリウスの1番辛い時を乗り越えさせてくれたコゼットを、エピローグでは逆にマリウスが支える。

1番辛い時を支え合い、立ち直らせるのがお互いだというこの構図がとても美しいと思うし、これがまたコゼットとマリウスの対等さを表しているように感じます。

 

彩花コゼは愛されるのと同じかそれ以上にバルジャンとマリウスを愛している。

愛され、守られる女の子。で終わらないのです。 相手を深く愛し、その愛で相手を救っている。 

バルジャンに愛を注がれて育てられたコゼットは当たり前のように人を愛せる人間に育った。

特にヤンバルだとそれを強く感じます。

 

観劇OLあーしゃむさんが追加

そしてもう1つ、コゼットと関わるのがエポ。

マリウスの「エポニーヌ!この子が案内してくれた!」という歌詞で名前にハッとするコゼット。

転んだエポを助け起すときに確信を持ち、門越しにはっきりと互いに見つめ合う。

その直後の「私の悲鳴よ〜」は少し息も荒く、まだその動揺を引きずっているのがはっきり見えます。

幼少期、同じ場所であれだけの差をつけられて一緒に過ごした子の名前を、存在を忘れるわけがないと思います。

それ以降、エポコゼが絡むことはありませんが、ここで互いの認知が生まれるかどうかで、その後のエポの見え方、作品におけるエポコゼの対比がよりしっかり浮かび上がってくると思う。

 

もはやただの彩花コゼレポ。笑

いやーでも本当に彼女のコゼットは凄かったです。

今期の私的MVPは迷わず彩花さん。

コゼット像としてももちろんですが、何よりエポ、バルジャン、マリウスと関わる役をも新鮮に、魅力的に見せる力は素晴らしいものがあるなと感じました。

何度でも観たかったコゼットです。 

 

このシリーズは終わりまで行けるだろうか。。と思いつつ千秋楽から2週間。

薄れていく記憶とともに頑張りたいと思います。笑

 

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