No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

「イリュージョニスト」覚書〜後半

 

後半!!!

 

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全身全霊のネタバレ。何から何までネタバレ。

⚠︎台詞も歌詞もニュアンス!動きや順序も記憶違いが5000箇所くらいある前提でお願いします。。人名敬称略。

青小文字は私の心の声。赤字は伏線だったりキーワードになる(と私が思ってる)部分。

前半はこちら↓

a-syamu.hatenablog.com

解釈的な話はこちら↓

 

a-syamu.hatenablog.com

 

 

理性の男

葬儀が終わり、棺のそばで帽子とコートを脱ぐ皇太子(上が紺色衣装に)。

警察は逃げようとした男を逮捕しており、「本当にそいつが犯人なのか?」「もちろん否定しています。でも大抵そういうものです。」

理性に従うべきだと歌っているけど、規則正しいテンポとメロディーが突然変拍子?になったりする、曲調だけでもたまに感情に支配される様子が垣間見える曲。

音楽と芝居で「理性の男」であるべきだと思ってるしそうしようとしているけど、制御が効かない、「ひどい癇癪持ち」が見事に表現されててさすが。。

計画を進めたい皇太子。「死んでからの方がソフィの人気は上がった。今なら彼女の名のもとに行えばなんだって出来る。

途中でひらりとソフィの棺の上に登り、立ち上がって歌う身体能力がとても成河。

ウールがソフィ死亡日のことについてじっくり話を聞いて検証をしたいと呼びかけるが、「覚えていることはすべて話した!あいまいなんだ。あの日は酒を飲みすぎていた。それが犯罪だと?!」

容疑者として捕まえた男(斎藤准一郎)も容疑を認めず、ウールの制止を振り切って皇太子は「直接そいつと話をする」と言って容疑者のもとに訪れ、めちゃくちゃに殴り倒す。(殴るたびに周りの人たちが赤い紙吹雪を撒き散らす演出)

すごい勢いで殴りまくった後に、手袋をはめて押し殺した声で「理性の男」と歌って終わる。

「なりたい、ならなくてはならない、なれない」が詰め込まれた曲。。

真実(リプライズ)

→これ曲名見てもさっぱり思い出せない…殴り倒した後はすぐ次のシーンだった気がするんだけど、、

 

解ったよ

古びたステージ?を掃除するアイゼンハイムと付き添うジーガ。

「20年くらい空気を入れ替えればなんとかなるかも。生き埋めにされるってこんな感じ…?(ここでアイーダ思い出した人たくさんいたでしょ…)納骨堂かなにか?」と文句を言うジーガを横目に片付けをするアイゼンハイム。

「ここはやめてよ。あんたには町一番の劇場がふさわしい。」

「もう隠れるのは終わりだ。ここで新しいショーを始めるんだ。」

どうにも様子がおかしく、取り憑かれたような姿に、ジーガは「彼女はもう死んだの。どうすることもできない。」と語りかける。

「あんたは昔から闇の世界に興味を惹かれていたからね」に対してアイゼンハイムがボソッとぶっきらぼうに言う「観客だって同じだ。」が好き。

(奇術師という存在は観客がいなければ成り立たない。観客は欺く相手だけど、絶対に必要な存在でもある。)

「幽霊は教会にでもいるべきよ」「昔から一番人を楽しませてきた場所だからな」はどこだったか…

終始刺々しいアイゼンハイムだったけど、

「仇を取るんだ」「それで一座のみんなに人々が何をすると思う?!今すぐそこから出て行ってあんたを見捨てた方が良いかも」「ああそうしろよ」から一気に口論に。

序盤で口にしていた「ジーガが決めたルール」とリンクするように、アイゼンハイムはジーガに、「ショーの一員でないなら、信用してそばに置くことはできない」と吐き捨てる。

「いつまで僕に頼って、自分のものみたいな顔してるんだよみっともない!」「あんたがずっと出てきたのはあたしのショーよ!?」「あんたなんかいらない。もう自分で稼げるからな!」等々散々暴言を吐き、噛み付くアイゼンハイムに対して、突然始まるジーガのソロ ♪解ったよ。

状況が状況だから深刻なんだけど曲自体はインパクトが凄いくて忘れられないし、めぐさんじゃなかったらとっ散らかってどうにもならなそうな歌。大好き。笑

「あんたの言い分は分かったよ。あんたに騙されてたと分かったよ。騙す側にいたつもりが騙されてた。本当の馬鹿はあたしだと分かったよ。」

でも本当は…あんたは人間じゃないの?あたしが見ていたただの幻…?

(→これ初見は惑わされたけど、シンプルに、ずっと自分が勝手に理想を見ていただけ、幻を見ていただけで本当のあんたじゃなかったの?ってところかなと。

幕切れ、の後の和解の時の台詞と被ってくる。)

 

やって来た

ジーガと縁を切って1人になったアイゼンハイムは、たぶん前のシーンで掃除してた場所で「幽霊」を呼び出し人を集めている。

呼び出された幽霊(工藤広夢・岡本華奈)たちが「やって来た〜」と歌うのでこのタイトルですね←

(幽霊ぽい歌が本当にお上手、そしてライティング大事、そして呼び出してるアイゼンハイムの方が幽霊みたいなやつれ感。)

次々と人々が集まり、謎の霊的指導者(斎藤准一郎)も「アイゼンハイム氏によって霊魂の存在が確認された!今こそ霊も含めた共和国の実現を!」みたいなことを言い始める。(准さん今回キャラ濃いな〜ww)

 

ジーガはこれはショーなんかじゃないと言うけど、ウールは「これはショーだ。実際に死者を呼び出しているわけじゃない!でもなんのために。どうしてこれがウケるんだ。」

徐々に街中でも幽霊を見た!と主張する人たちが増え、あちらこちらに幽霊が見える!と騒ぎになる。

そんな中、アイゼンハイムはソフィの幽霊も呼び出し始める。

 

ウールから報告を受け、またあの奇術師に振り回されねばならんのか!!とブチギレる皇太子。

詐欺で逮捕しろと怒鳴りつけるけど、「詐欺で逮捕するには詐欺だと証明しなくてはいけない。部下に再現させようとしているがどうしても出来ない。昨日は公爵令嬢その人まで呼び出した。自分は幽霊を信じてはいないけど、人々が信じ始めてる。

(ソフィ殺人容疑は「逃げた男」というだけで特に証拠ないのに捕まえてるのに(まあ認めないから裁判には出来てないみたいな話だけど…)詐欺は詐欺だと証明しなくては逮捕できないの、なんか強引なのかちゃんとしてるんだか、、)

「奇術師を詐欺で捕まえることもできない、百姓を殺人容疑で裁判に引きずり出すこともできない。お前たちは何ができるんだ!私が皇帝になった暁にはお前を側近にと考えていたのに。結局すべて私が自分でやらなくてはいけない!」と血管切れそうな皇太子。

もういい。自分が直接行ってこの目で見破ってやると、下々の者に変装して出向くことを決める。

 

やって来た(コーダ)

(→この曲がここであってるのかは不明、、)

宣言通り劇場に変装してウールとともに潜入した皇太子、ソフィの亡霊が現れると、身を乗り出し、目を見開いて、絶対に見抜いてやると言わんばかりに舞台を見つめる。

 

忘れない

ソフィの亡霊は「愛しいあなた」への愛と引き離された哀しみを歌い、アイゼンハイムはその姿に手を伸ばし、デュエットに。

それを瞬きもせずに見つめる皇太子、前楽では目にあふれた涙を指先で拭き払っててな。。ずるいぞそういうの。。。

 

美しいデュエットから一転、突然ソフィが「あの人がここにいる!私にこんなことをした犯人がここにいるわ!」と叫び出す。犯人は逮捕されたとアイゼンハイムが言うと「その人は違う!本当の犯人はこの場所にいる!」と叫び、人々は「誰が犯人なんだ、真相を教えてくれ、何があったんだ!」と口々に騒ぐ。

耐え切れなくなった皇太子は立ち上がり、「すべてトリックだ!その女優はソフィに似てさえいないじゃないか!お前らはこんな者に騙されているのか!」と怒り狂う。ソフィの亡霊は怯えて姿を消し、ウールがその場は解散させる。

すべていんちきだと断言し、あんな愛の密会を見せつけてさぞ楽しいだろうよとコートを叩きつけて怒る(そして自分で拾うw)。次の上演で必ず捕まえろと指示をして立ち去る。

 

疑い

長年仕え「殿下の判断を信じていた」ウールは皇太子を「疑う」。

(とにかく文字数が多いし、1回こけたら挽回しようがなさそうな曲、、そしてこの辺一番集中力が危うくて内容がはっきり覚えられない。多分キーワードもたくさんある。。というか聴きながらあるなと思うんだけど忘れる。

曲の中での変化はあるものの、理性の男とかとは違って、ある程度の統一性のもとに一曲が収まっている印象で、それがウールの性格を表しているように思う。)

 

ウールはアイゼンハイムを事務所に呼び出すが、

アイゼンハイムの信者みたいになってる人々が一緒について来て外を取り囲んでいる、らしい。

本人曰く「別に僕が彼らを操っているわけじゃない」

人々を煽って警察を邪魔して?批難して?、秩序を壊している。みたいなことで、このままじゃ逮捕しなきゃいけなくなると。

警察の信頼が落ちて秩序が乱されるのは「それはあなたの落ち度だろ。」

指摘してるのは「あなたが追求していないところだけ」、ソフィが最後に会ったのは誰だ?ロケットは探したのか?探す理由ならあるだろう?捕まってる男は犯人じゃない。わかってるだろう?

ウールは「私には皇室の財産を捜査する権限はない。詰問することすら出来ない。」

 

外から人々がアイゼンハイムを呼ぶ声が聞こえ(これ途中から演出加わった気がしたけど理解に時間がかかっただけで初めからだったのかな…?)、アイゼンハイムはウールが止めるのを無視して外(センターステージを降りて客席の前)に出ると、

「皆さんにお伝えしたいことがあります。皆さんが見たものはすべてまやかしです。本物ではありません。誤解を招いてしまったようなら申し訳ありません。」と平坦に(1ミリも申し訳なくなさそうに)説明すると、事務所の中に戻る。

「さあちゃんと説明したぞ。これで詐欺にはならない。」

  

そしてちょっと秩序トークになるんだけど詳細は忘れてしまった。

結局、秩序は秩序があると思い込ませてるから成り立つもの(これまた、作品のテーマ?キーワード?の一つでもある「虚構」ですね)なのだと苦しげに言うウールに、「だとしたらあなたは私よりよほど力のある奇術師だ。」と告げて立ち去ろうとするアイゼンハイム。

「もう公爵令嬢の幽霊は呼び出すのはおやめください。あなたを牢獄に入れさせないでください。」

 

幕切れ

これが幕切れ。これまでやってきたことはどうなってしまう?これからどうなってしまう?という絶望寄りから、最後の「一度」にすべてを賭けて、観客にもそして自分自身にもステージの輝きすべてを刻み込もうと強い意志に満ちていく感じ。

一瞬も目が離せません。

(この曲個人的にめちゃくちゃ好きなんですよね、、たぶん作中の意味合いだけじゃなく、広い意味で聴こえてくる歌詞だというのもあるし、海宝アイゼンハイムの想いと意志の強さに圧倒される一曲でした。あと普通にメロディーが良い。。

宝塚の退団公演特有の退団者オーラじゃないけど、腹が据わった「最後」って驚くような光を放つもので、それが目の前で展開されていくような。

これを歌えるのって、パフォーマーとして舞台の上に立つ経験を重ねてきた「役者」だからこそなところがあると思わされる歌詞で、あまりにリンクしすぎてこちらが苦しいというか、この人には一生「幕切れ」を迎えてほしくない…と思ってしまう)

途中で4人のアンサンブルが椅子、コート、帽子、大きな本(ノート)を渡して着替えを手伝ってくれます。が、この4人も…

「上げろ!幕を。観客の心に刻みつけよう この姿を」

 

 

「最後の本番」を迎える前、ジーガとの和解。

場所はおそらく劇場の控え室とか楽屋かと。

アイゼンハイムに呼び出されたらしいジーガが、「あたしなんてお呼びじゃないんだって思ってたけど…」と姿を現す。

(このシーンが大人になって初のまともなめぐ海共演として歴史に残るレベルでエモかったので覚えてる限りニュアンス台詞書くんですけど、、)

「来てくれるかと不安だった。。」「まあ…来てやったわ」

「謝りたかったんだ。あんたには言葉にならないくらい申し訳ないことをした」

「言ってみなさいな。」「…」

「あたしはなんでここに来たのかしら?それにあたしへの扱い本当に酷かった。ずっと思ってきたのよ。あんたのこと自分のこっ…」

(自分の言葉に驚き焦って口を手で覆うジーガ。回によって「自分のっ!」「自分のこっ!」だったりしたので「自分の子どもみたいに」だと思われる)

「いつも感謝してきたよ。そう見えないときでもね。」

そして自分がやってきたことをすべてあんたのものにしておいたと胸元から取り出した紙を渡す。(その手の興業の習わしが分からないけど、権利譲渡的なことだろうと勝手に解釈しているw)

そこにはそれまで明かされることなかった、そして反応的にたぶんジーガも彼に教えたことはなかった彼女の本名が書かれていて、驚くジーガ。

「所詮は私たち2人とも幻影に過ぎなかったってわけね。」(2人も本名を偽って違う名前の「誰か」として人を惑わしてきた、そうせざるを得なかった同士というところか。)

いらない、取っておきなさいと返すけど「持っていてほしい。新しい人生を、新しいショーを始めるんだ。」と断り、握手を求めて手を差し出すアイゼンハイム。

少しの躊躇の後グッと両手で差し出された手を握り、「帰っちゃうかも。見てられない。」、「見ていてほしいんだ!」とねだるように答えるアイゼンハイムに、また少し悩んでから微笑んで、握った手を自分の胸にトントンと当て、分かったと伝えるジーガ。

最後にもう一つお願いがあるんだ」「言ってみなさいな。」の空気は、もはやさっきまでとは別物の柔らかいものに戻ってる。

(→ここではこのシーンはアイゼンハイムがジーガに大きな本を手渡して終わるけど、その依頼は「すべてが終わった後にウールにその本を渡すこと」)

 

ご覧よ

(→この曲名がここで合ってるのかは謎)

アイゼンハイムと別れたジーガは「なにか、変よ!」と歌い出す。

ここで怪しい曲調とともに一気に空気を変えられるめぐさんさすが。

あの子はなぜそんなにすべてを投げ出せる?という疑問と、劇場に感じる違和感。

「こんなにたくさんの警官見たことがないわ!」(という完全なる説明台詞)

「あの子を逮捕するつもり!?」という問いかけに「それは彼の行動次第です」と答えるウール。

アイゼンハイムが何もせず、自分が手を出さずに済むことを祈るウール、これが最後だ、決着をつけると構える皇太子。

そしてソフィの亡霊が現れ、人々はあの日何があったのかと真相を知りたがる。

「私のロケットはどこ?!」「あの日私は別れようとした。そうしたら彼が追いかけて来て…」

民衆は「皇太子なんだ!」「皇太子が犯人か!」と大騒ぎに。

収集がつかず、秩序を守るため&皇太子への侮辱?でアイゼンハイムを逮捕するとウールが宣言すると、いつの間にソフィの亡霊とアイゼンハイムは姿を消す(という体、さすがに見えてるのでみんな心の目で見る、というか見えないことにする。ここはなんなら作品最大のイリュージョンポイントだっただろう)

「どこだ!消えたぞ!舞台裏だ!(説明台詞)」とざわざわした後、

「私をお探しですか」とハットにマント姿のアイゼンハイムが舞台中央に現れる。

そしてマントを脱ぎ、ハットを合わせて真上に一気に放り投げて目をくらませ姿を消す(という体。さすがにがっつり見えるrep. 心の目で消えたことにする。)

それを見たジーガは高笑いをしながら誇らしげに「エドワード!」と叫ぶ。

(いやこのめぐさんの高笑いによる場の締め方すごい。強制的に「アイゼンハイムは【消失イリュージョン】を成功させ姿を消した」という共通認識でいきますよっていうことになる。少なくとも私はなった。

 

ロケット(アンダースコア)

騒然とした人々がステージから去り、場が静かになると、

ソフィの亡霊?が舞台前の地面(事件現場)にロケットをそっと置き、立ち去る。

ついに「皇族の所有物」であるロケットを証拠として探す決意をしたウール警部は現場でソフィのロケットを見つけ、「疑い」が真実であると確信する。

 

全ては解明できる(リプライズ)

おそらく宮廷の皇太子自室。

あれだけ警察がいてこのザマか!!!!とブチギレる皇太子。(そろそろ血管が心配)

アイゼンハイムがソフィの死を利用して民衆を動かし、自分の何より大事な計画が妨げられている苛立ち。

ウールが剣を見せてくれるよう頼むとブチギレながらも反射のように鞘から抜き、手渡す皇太子。

ウールはソフィのドレスから見つかった小さな宝石がその剣にぴったり合うことを確認すると、次々と皇太子に疑いをぶつけていく。

これはあの日剣に令嬢が触れたということでは?あの日のことは覚えていないのか?

現場で見つけてきたソフィのロケットを見せると皇太子は「皇室のものを盗んだことになるぞ!」と奪い取る。

「わかることはすべてもう話している。記憶があいまいなんだ。彼女に薬を盛られた。私があの女を殺したとでも?」

(理性の男では記憶があいまいとは言っていたけど「ソフィに薬を盛られた」というのはここで初めて口にしている気がする。ので、観客への情報操作というのもあるかもしれないけど、ここまでの間に皇太子が薬を盛られたという考えに至る何かがあったのかな。。とか。)

「あなたはこの国では好きに行動することができるでしょう。あなたを咎められる存在はただ1人。」「それは?」「皇帝陛下です。」

ウールは、皇帝に<小さな宝石、ソフィのロケットという証拠により令嬢殺害の犯人が皇太子であると考えられること、そして彼が皇帝を転覆させその座を手に入れる計画をしていること>を密告する手紙を出したことを伝える。

皇太子は拳銃を取り出すとウールに向け、早くその手紙を取り戻した方が良いと脅す。

「あなたは公爵令嬢を1人、警官を1人殺したことになる。」「私は殺していない!」

「殺していないのか殺したことを覚えていないのかどちらでしょう。」

「現実と幻想の区別くらいつく!これはあいつの企みだ!はめられているんだ!道理がわかっているのは私だけか!」

そこに4人の男がステージの周りに駆け寄り、「お開けください!ご同行願います」と怒鳴る。

(ノックの音をステージの段差を足でガツガツ蹴りつける音で表現)

「陛下の使いでしょう。もう終わりです。」と追い詰めるウール。

皇帝はこの国を崩壊させる。私はそれを出来る限り抑えてきた。人々が好き勝手求める声を抑えなければそれが溢れてもう二度ともう戻れない。混沌とした秩序もない世界、それがお前たちの未来だ!(超ニュアンス)と絶叫し、♪理性の男 を歌う皇太子。

ソフィのロケットを床に放り投げる

「皇帝殿下のご命令です!お開けください!」と男が叫ぶ中、「解明…解明…」と呟いた皇太子は自分のこめかみに銃を突きつけ、引き金を引く。赤い照明。

(このシーン全面的に成河様怪演すぎてヒイイイイってなってると終わるんだけど、最後の引き金引いた瞬間の角度まで見事すぎてほんとすごい、、)

そのままステージをまっすぐ前に降りてきて、下手ルートを辿って自席へと戻っていく皇太子。さっきまでの「生」とは完全に別の状態。そして「亡霊」でもないただ無なんだけど異様な存在感を放ちながら戻っていく。(ほんとすごい)

それと同時に、皇太子の部屋を囲んでいた男の1人(=アイゼンハイム)が部屋に上がり、皇太子が投げたロケットを拾ってち去る。

 

皇太子レオポルドのモデルは皇太子ルドルフとのことで、「銃で自殺」という最後は彼に重ねた描き方になっているのかと。

 

フィナーレ

ウールのもとに(とてもメリポピっぽい衣装の)ジーガが現れ、「新しい警察長さんにご挨拶をしなくちゃね。」と声をかける。ウールは「真実を暴き」警察長になっていた。

友人から預かりものがあると抱えていた大きな本を見せるジーガ。

ウールはその「友人」がアイゼンハイムであると分かるけど、「彼はもう姿を現さないわ。あなたの前にも私の前にも。」

かつて、中を見ようとして咎められた「大きな本」、読みたいなあ!と目を輝かせると、ジーガは焦らし、「本当に?知らない方が良かったことだったとしても?」と尋ねる。

怪訝に思いながらも、頷き、何が書いてあるのかとその本を開くと、そこには(おそらく)「真相」が綴られていた。

ウールの周りを囲む、皇太子、アイゼンハイム、シンプルな服装で髪をおろしたソフィ、そしてジーガ。

 

あいつは君を騙そうとしている、私は真実を見せようとしている、どちらが崇高な行いかね?

「皆さんが見たものはすべてまやかしです。」

まさか、彼女は生きていた?

「なぜ分からないんだ!彼女に薬を盛られたんだ!」

どうして皇太子の言葉が真実だと分からなかった?

「こんな小さな宝石は見たことがない」

奴が盗んだ?私の目の前で?

「これは皇室の問題である。」

だが彼女は確かに冷たかった!

「世の中には色々な目的のための薬があるのです。

私の仕事は人を欺くことです。大抵の人は騙されやすい。」

今すぐ捜査を!

「新しい警察長様にお祝いを申し上げなくちゃね。」

私が…

「真実、を解明したんですもんね」

 

→これまでの劇中でそれぞれの登場人物が実際に発していた言葉が、一気に世界がひっくり返ってしまったウールの疑問に答えるように繰り返され、謎が「解明」されていく。

ソフィは言葉を発することはないけれど、客席に向かってにっこり微笑んでカーテンコールの役者のようにお辞儀をしてみせる。

 

@きっと遠い場所

アイゼンハイムは皇太子の部屋で取り戻したソフィのロケットを手に、腰を下ろしている。

「見えるだろう?真実。謎のまま葬れば勝利だ」と高らかに歌い上げる。

 

ジーガの「紳士淑女の皆さん!」の呼びかけが響き渡る。

エドワードはソフィにロケットの写真を見せ、笑い合い(「この写真の僕、ちょっと変だね」)、彼女の首にロケットをかける。

もう一度♪嘘の世界 が歌われ、センターに1人残されたウールの「真実は?」

で暗転。

 

 

お話は終わった。全キャストが出てきてもう一度繰り返される♪嘘の世界

ソフィ、皇太子、ウールはその歌詞を口ずさまない。

そして最後、悪戯っぽく片眉を上げたアイゼンハイムは「真実は?」と歌う。

 

〜終演〜

 

 

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