No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

「イリュージョニスト」覚書〜前半

幻影のような、、

でもまさしく人間の執念と団結力と努力とが結集した凄まじい舞台でした。

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どう書いていくか迷ったけど、なるべく記憶を呼び起せそうな形で、、

全身全霊のネタバレ。何から何までネタバレ。

そして死ぬほど長い。なんせ書き始めたら止まらなくて超久々の徹夜をした。アホか。。

休憩入れるとしたらなんとなくこの辺かなと言うあたりで前半後半に分けました。

そしてこのスタイルだとまとめづらかった、全体の解釈?的なことはさらに別記事で書いてます。誰か読んでくれるんだろうかこれ。まあいいや未来の私が読んでくれるだろう。

⚠︎台詞も歌詞もニュアンス!動きや順序も記憶違いが5000箇所くらいある前提でお願いします。。人名敬称略。

青小文字は私の心の声。赤字は伏線だったりキーワードになる(と私が思ってる)部分。

 

〜基本スタイル〜

後方にオケ、センターに少し(全方面に2段階段差)高いステージでそこがメインのアクティングスペース、ステージの両サイドには椅子が並びアンサンブルは基本そこに。

プリンシプルの椅子基本位置はオケとセンターステージの間、客席と向かい合うような形です。

自分の椅子は基本自分で動かすスタイル。たとえ皇太子であっても自分の椅子は自分で運ぶ!笑

 

 

〜開演〜

ジーガ(濱田めぐみ)とウール警部(栗原英雄)が両サイドから登場し、舞台上でジーガからウール警部に大きな本?が手渡される。

真実

ジーガに頷かれ、本を開いて読みながらウール警部が歌うソロ。

真実など陽炎。人は手にしたものを信じる。でもすべては幻だ。みたいな。

なんとも言えない複雑な表情が後に効いてきます。

現れたアイゼンハイム(海宝直人)とセンターステージ上両端でひととき見つめ合い、降りていく。

 

嘘の世界で

ジーガ率いる一座。

「チケットを買うとき私を信用してくださった?…そこからが大間違い!」

パフォーマーたち、舞台スタッフのアンサンブルたちも舞台前に出てきて嘘の世界へと誘う。

すべて嘘、偽りの世界と繰り返される。

赤ベースな一座の衣装がそれぞれ素敵!特に准さんの似合いっぷりがすごい。。本職でしょ…次もバーナムだもんな…

みんな大好き格好良い&ガンガン歌うめぐさん。

 

その後ろではアイゼンハイムがステージ真ん中に椅子を置き、出番のための準備を。片足を椅子に乗せて丁寧に靴拭いてる。

↓この衣装。あとはじめにウールに手渡された大きい本みたいなのもこれ。

 

@舞台裏(たぶん)

勝手に大きな本を手に取ったウールに「それを置け!」と咎めるアイゼンハイム。

騒ぎに気づいたジーガもやってくる。

マジックのタネを盗もうとするコソ泥だ!と責められ、自分は警部で、警備を固めに来ただけだと弁明するウール。

ステージ後ろの椅子に皇太子(成河)とソフィ(愛希れいか)が座っているのが控えめにライトアップされることで彼らの来場が示されてる。

皇族が来るとは聞いていたけど。まさか今夜だったとは。

アイゼンハイム「前もって知っておきたかった!」

自分の出番のキューを聞いてジーガは「あんたの出番は次よ!」と立ち去る。

 

残された2人。

アイゼンハイムのパフォーマンスを以前にも観ていてファンであるらしいウール。

自分も素人だけど手品を嗜んでいる、ぜひ何か教えてほしいみたいな話をするもののツンツン気味なアイゼンハイム。

緊張なさるのでは?という言葉に、

「緊張などあり得ません。特別な薬を飲んでいますから。」

「この世にはありとあらゆる目的のための薬があるのです。」

「特別な薬、などという戯言を簡単に信じ込む。大抵の人は騙されやすい。」 

「私の仕事は人を欺くことです。」

ウールが手に取ったアイゼンハイムの本(というかノート)に、犯罪者の影があるだとか、マジックを愛する者はそのタネを知りたがるものだだとか、そんなことは信じない。(→これ思い出しながら?って思ったんだけど、少なくともこの時点でウールが本を手に取ったのはマジックのタネとかの秘密があるかなワクワク!くらいの動機しかないだろうし、まだソフィと再会してないこの時に自ら犯罪者の影が〜みたいなの言うの不思議な気が。職業柄そういう疑いもかけられやすいというくらいの話だろうか。この部分すごく言いにくそうなのにさすがの滑舌。)

 

完璧なトリック

ウールが立ち去ると一気に落ち着きをなくし、「落ち着くんだ、吸って、吐いて」とうろうろするアイゼンハイム。緊張しないための薬はやっぱりないのね←

「10年追い続けたその面影を、ソフィ」「10年待ち続けた、腕を磨いた」

とセンターステージ上で歌うアイゼンハイムの周り(ステージ下)をソフィがゆったり回る。面影ですね。(?)

ジーガになぜウールにそんなキツくあたるのかと聞かれ、「あんたが決めたルールだろ?仲間じゃないやつをマジックのタネに近づけるな。」

「準備する時間がないな…」

「あんたが言ったんじゃない、どうしてもウィーンへ行きたいって。」

→ソフィに会う時のために10年腕を磨き、ウィーンへ来たものの今夜再会することになるとは思っていなかったから「準備が間に合わない」

 「君の心導こう 真実へと」「愛しい君に捧げよう 何もかも」

動画の部分はわりと素直な曲進行だけど、リズムもメロディーもおおそう展開するか!みたいな面白さがあるし歌う方は大変なんだろうな。

この作品全体的にそういう曲が多いけど、素直なメロディーの部分は結構覚えられるし歌えるけど変則的な動きをするところはなかなか覚えられない。

途中、♪明日へとーーーーーーー で高めのロングトーンがあって、その終わりにジーガの「紳士淑女の皆様!」とめぐさんのパンッとした呼びかけが入ってくるあの瞬間がたまらない。

ダイナミックな歌唱で物語が一気に動き出すことを予感させてくれます。

続く「君が満たす世界(全力ボリューム)→をーーーーーーー(ファルセット)」の移行がお見事。

(このファルセットで毎回ウィキッドのAs long As〜のフィエロのファルセットを思い出してた)

後ろからアイゼンハイムを挟むように皇太子とソフィが前に出て来て、ちょうど横並び1列になったくらいの時にアイゼンハイムとソフィが見つめ合い→アイゼンハイムがソフィに手を伸ばし→ソフィは階段下から手を差し伸べた皇太子の手を取る という流れが照明も相まってとても絵になる。そして関係性が一気に分かる。

 

いつものはやらない。新しいのをやる。とスタッフに告げて、パフォーマンスに入るアイゼンハイム。

「みなさんと魂について議論するところから始めたいと思います」

「この世の宗教はどれも魂の話をしている。死とは肉体と魂が離れる瞬間のことを言う。でも固く結びついたこの2つを引き離すことなど出来るのでしょうか?ではもしこの恐ろしい分離を無理やり起こしたとしたら?」などの前置きから、観客にマジックの手伝いを募集する。

→固く結びついた2つ、無理やり起こされた分離というのはアイゼンハイムとソフィのことも意味しての話かなと。

「死をも恐れない勇敢な魂を持った方が必要です。ウィーンには勇敢な魂を持った方はいらっしゃらないのでしょうか〜(煽り)」に、

「大勢おりますわ!彼らを代表してわたくしが。」と立ち上がるソフィ。

ここで、良いかしら?と言うように皇太子に確認をとるソフィに、めちゃくちゃどっしりと座ってた真顔の皇太子が一瞬間をおいて、「は!まったく面白いね君は。構わんよ」みたいな表情と仕草(別に言ってはいない)で許すところすごく好き。ソフィ大好きマン。

「それでは皆さんにお名前を。」(客席は笑笑)「皆様もうご存知かと。」

「ではわたくしめにお聞かせください。」「テッシェン(?)公爵令嬢です。」

「私をご存知ですか?」「いいえ」

で、子供時代の回想。

それぞれ衣装にコートをまとった2人が上下の自分の椅子に立ち、

(ヤングアイゼンハイム→工藤広夢、ヤングソフィ→當真一嘉)

アイゼンハイムが自分の写真入りの手作りロケットをソフィにプレゼント、「写真の僕、少し変だね」「絶対に離さないわ。あなたと一緒に居られるように。」でソフィを探す人々の声がする。

お願い!あなたの力で私たちを消して!」→上手くいかず2人は見つかり、引き離される。

(良い仲だったにしても自分の写真入り手作りロケットプレゼントしてくるアイゼンハイム…ちょっと怖くない?…当時はそんなもんなのか…?

とりあえずこのソフィの願いを叶えられなかったところから、10年間腕を磨きながら再開できる時を待っていたと。)

回想終わり。

「お会いしたことはないと。」「ございませんわ。」

そしてイリュージョンへ。

魂の話から、「本体と影を切り離し、その片方に起こったことは片割れにも起こるのか」

ソフィとその影(ヤングソフィと同じ人)がシルエットで浮かび、アイゼンハイムに指示された動きをするが途中で本体がした動きを影がしなくなる(分離)剣を持った影が現れ(たしか常川藍里)、影に斬りかかると、驚いたソフィは気絶して倒れる。

という、たぶん本公演ならイリュージョンポイントだったけど今回は分かるような分からないような…な流れ。

 

ソフィはすぐに意識を取り戻す。

立ち位置と衣装はこれ。

婚約者の身の危険に焦ったのでは?と尋ねるも、すべて計算があってのマジックだろうと分かっているからそんなことはないと否定する皇太子。

アイゼンハイムはどのようなトリックだったと思うかを尋ね、皇太子は答えるが、「だいぶ違いますね」「だが惜しいだろう?」(めちゃくちゃ喧嘩売るなお前らw)

ソフィにも意見を聞くが「レオポルドが私の分まで十分考えをお話ししてくれました」

ウールにも尋ねるが「皇太子殿下と同じ意見です」「私が違うと申し上げたのに?」「私は殿下の判断を信じています

今度宮殿で君らの出し物をするようにと招待する皇太子。(この提案はなぜだろう。場を切り上げたかったのか、腹の立つアイゼンハイムに逆襲したい気持ちがあったのか。ソフィが楽しんでいたから呼んであげようという気持ちもあったのかもしれん。だとしたら切ないな。。)

 

舞台前、皇太子・アイゼンハイム・ウール・ジーガの並びで立ってスポットが当たってる。

2組の会話が交差するような作り。

皇太子とアイゼンハイムはお互いいけ好かないジーガは皇太子の招待に喜び、なんて立派なお人!と褒めるけどアイゼンハイムは「崇拝する相手を間違えてるぞ!」(この刺々しい言い方好き。。)

皇太子の思想や計画を危険視するアイゼンハイムと、アイゼンハイムのことはウールに任せると言う皇太子。

嘘の世界で(ウール/ジーガ)

ジーガのパートから一気にテンポアップして格好良いんだこれが。。

腹をすかせてたアイゼンハイムを拾った時からこいつには何かあると思っていた、と関係性が一部明らかに。

 

そして周りを気にしながら走ってきたソフィがアイゼンハイムの楽屋へ。

誰かに聞かれないようにとヒソヒソ声で言い合う度が日に日に上がってて楽しかった…基本声を抑えてるけど口論が激しくなると声が大きくなってしまうなんとも言えぬリアリティ。

あなたの楽屋にいるのを見られたら大変なことになる。と言うソフィに、それでもその危険を冒して来てくれた!僕にすぐに気づくと思ってた!10年間ずっとこの時を待ってた!君も同じ気持ちじゃないなんて言えないはずだ。僕があげたロケットを持っているだろ?肌身離さず持ってると誓った!などと喜ぶアイゼンハイム(やっぱすごいなこの自信…)に、

自分は今皇太子と婚約してる。人は変わる。あの頃のままではいられない。皇太子に近づかないで、刺激しないで。と拒否するソフィ。宮殿への招待も断ってくれと。

あいつは危険な男だ、心配なんだと忠告するも、今あなたに入り込む余地はないのと立ち去ろうとするソフィの腕を掴み、「ならその余地を作ってくれ!」

それでも拒否して楽屋を出て行くソフィ。 

 

サヨナラはもう

おそらく皇太子にもらったのであろう素敵なネックレスの下、ドレスの胸元に潜り込んでいたロケットを取り出して外し見つめるソフィ、ソロ曲。(しっかり持ってるやないかーい)

再会してそのまなざしで見つめられて…でももう別れの痛みは嫌よ二度と。

ちゃんとサヨナラをしなくては、あの時のような別れの痛みにはもう耐えられない。

結局1曲、気持ちを捨てなきゃ、ちゃんと拒んで別れを告げなくてはと葛藤した結果、やっぱダメだわ…ともう一度ロケットを首にかけ、胸にしまってしまうのであった。

サビの「ねえ言わなきゃサヨナラを」に入る前の「嫌よ二度と二度と」のメロディーの動きがなんか新鮮でなんとも癖になる。

 

Wahrheit

オケピアノ横でのソロ歌唱(池谷祐子)をバックに、宮殿に招待されたアイゼンハイムたちの楽屋にウールが訪れ、2人が会話を。

ちなみに宮廷の時は後ろが星空みたいな紺にキラキラしたカーテンみたいな幕になるっぽい。

(アイゼンハイムはベストが赤っぽいものから白いものへとチェンジ)

皇太子の指示もあって、ウールがその後ずっと彼らの周りを見回って顔を出しているらしいことがわかる。

「私が新しい手品をした後から、いつもの(見回り)、になったようですが。」

ソフィとアイゼンハイムの関係を尋ねるウール、(「ファンというものはいつも詮索好きなものですな。」)特に話すようなことはないと拒否するが、

・アイゼンハイムの父親はユダヤ人の家具職人

・2人はすぐ近くに住んでいた

・アイゼンハイムの父親はソフィの父親(公爵)に雇われていた

それに対してアイゼンハイムは「ではお聞かせ願えますか。皇太子殿下とあなたのご関係を。」→皇太子は皇位を継ぐお方、私は肉屋の倅。

今は警部でも明日は警察長かもしれませんよ。」

 

全ては解明できる

皇太子とソフィのほか、知識人も集められた宮廷でアイゼンハイムが出し物を披露する。

(皇太子の衣装は上が白、ジーガは燕尾服的なもので上手の袖寄りに)

さあ始めようというところで皇太子のソロ。 

奇術師の出し物を呼んで始めようという時に「全ての謎は解明できる」と歌い出すのほんと喧嘩売ってて通常運転。

ソフィにちょっかいを出す皇太子を後ろからすごい顔して見てるアイゼンハイム敵意丸出しで面白い。前に組んだ指が落ち着きなく動いてる。笑

何もないキャンバスの前で手を動かすと皇帝の顔が浮かび上がるマジック。(これもそれなりに喧嘩売ってる)

確認しても?と近づこうとするのを出来ればすべて終わってからとやんわり拒否するアイゼンハイムに図星のようだとあざ笑う皇太子。(だから喧嘩はやめろ)

そのまま続けさせるようにソフィが言うも「あいつは君を騙そうとしている、私は真実を見せようとしている、どちらが崇高な行いかね?

真実を解き明かしたいのではなくて楽しみたいの。と答えるソフィを馬鹿にして、お前は知的活動を退屈に感じる馬鹿だもんな(そこまでは言ってない)みたいな煽りをし、ソフィは、唯一崇高なお方はあなたの父君皇帝陛下。他の我々は真似事をしてるだけの雑魚(そこまでは言ってない)みたいな煽り返し。

ブチギレた皇太子はソフィの椅子を叩きつけて「なら座るという真似事をなさったらどうだ?」

→皇太子の横暴さ、短気さ、過激さが示される

 

アイゼンハイムは皇太子の剣を見せてくれるように言い、手にとって「これは見事な一級品だ。このような小さな宝石は見たことがない!」とその装飾の見事さを褒める。(→そしてその小さな宝石を盗む

エクスカリバーの剣の話をし、神から与えられる王の素質などというものはあるのでしょうか、と言いながら皇太子の剣を床に突き刺し(ここの手つきがどうにもおっかなびっくりなのはご愛嬌w)、皇太子に引き抜くよう促す。

「どうぞおためしください!」「それができないようでは皇帝になどなれませんぞ!」などと知識人から応援?やヤジが飛ぶのには笑って応えてみせるも上手く抜けない皇太子。

(ここの成河皇太子の周りに笑ってみせる「笑顔」の数々があまりにも秀逸…)

ソフィも緊張した面持ちで横に立ち、皇太子が笑ってみせると引きつりながらも笑顔を返し。

顔を赤くして力任せに引っ張っても抜けないところにソフィが「お願いもうやめて!エドワード!」と叫んだ瞬間、勢いよく剣が抜け、皇太子は後ろに転ぶ。

(後ろへのすっ転び方が毎回見事でした。身体能力もすごいよなあ成河さん。。)

「大丈夫でございますか?!」と駆け寄るソフィと、そっと剣を返すアイゼンハイム。

 

すべてを見守っていたジーガは「エドワード?!あの子あんたのこと今エドワードって…」と叫ぶ。

今はやめてくれとアイゼンハイムが止めるけど、

・アイゼンハイムのことをエドワードと呼ぶのはジーガだけ

・かなり昔にアイゼンハイムはその名前を使うのをやめた

・昔引き離された女の子がいたと聞いてたけどまさか彼女なの?

(→ジーガにそのこと話してたんだね…)

・皇太子の婚約者よあんた馬鹿じゃないの?!

 

その腕の中へ

あれだけ刺激しないでって言ったのになんであんな喧嘩売るの!何するの!馬鹿なの!?(そこまでは言ってない)自分の前に現れないでくれた方が良かった!と怒るソフィに、彼から逃げるべきだと忠告するアイゼンハイム。

「愛がないと言うなら僕は去ろう」と、ソフィの本音を求める言葉に、始まるデュエット。

(この曲あまりに美しいんですよ…ほんと好き…)

ここから、それまで抗ってきた本心、エドワードに伝えることを拒んでいた気持ちが溢れ出すけど、音楽も見事にそれを表現してて。せき止めていたものがあふれ出るような、苦しさとキラキラした輝きとが混ざり合ったメロディー。

ステージ上でソフィが本音を歌い出すけど、「もし叶うならすぐにあなたの腕へ行くのに、、でもそれは出来ないこと」と葛藤するのを、ステージ下で愛おしさに溢れた目でじっと見つめ、手を差し伸べ「ほら…!」とささやき、それでも振り向いてくれないソフィに苦しげなアイゼンハイムまじやべえ。

愛しているけど、一緒に行きたいけど、でも出来ない、と言うソフィに、どうにかできるはずだ、一緒に行こう、「君を抱けたら何もいらない(ここにこもる熱っぽさがやばい)」とソロパートで(歌唱的にも覆うように)呼びかけるアイゼンハイム。

なんやかんやで想いを確認し、心が重なったということで(?)

一段階壮大な演奏になった間奏で、アイゼンハイムが2段上がってソフィと同じステージの上に踏み込み、向き合う。あの瞬間の「踏み込んだ感」は視覚的にも見事。。

「逃げるだなんて生きている限り絶対に許されない、逃げ出したって追いかけてきて殺される。」

「でも君は望んでるんだろう?彼を捨てるんだ。」「出来ないわ。」

で、結局この曲の中ではっきりとした結論は示されていないんですよね。

もう一度メインフレーズを歌いながら近く2人、(たぶん公演途中からアイゼンハイムがソフィの胸元のロケットに触れるようになった)頬に触れて暗転。

 

 

2人が後ろに向かって歩いて行き、皇太子が銃を持ってその間を前に向かって出てくる。

皇太子が射撃をしながらウール警部と会話を。

(このシーン皇太子の射撃音が、周りのアンサンブルが椅子を持ち上げて床に落とす音で表現されているのが印象的。)

アイゼンハイムとソフィをウールに追わせているが「それでも報告することがないと?」「宮廷のゴシップを探らせた方が話が早いかもな」

事実だと、…ってなって同意できないけど違ったら否定する分かりやすいウール警部のおかげで、

・ソフィは何度かアイゼンハイムと目撃されている

・触れ合って口づけ、はしている(たぶん)

・盛りあって、はいない(私が見た限りはそのような!)

ことが発覚。

「アイゼンハイムのことはお前に任せる。公爵令嬢は私が。(射撃どーん)」

 

ゲームさ

ステージ前に椅子がずらりと並び賭けに興じる人々(こっちはパブ設定)、ステージ上ではソフィと皇太子がいて、2箇所での出来事が同時に展開される。

基本的にはアンサンブルのコーラスと皇太子たちの台詞のやりとりが交互に進むような感じ。 

センターにはジーガ。下手寄りにはウールが座って、上手寄りに座っているアイゼンハイムを見張ってる。ちょっと遠いし椅子は横一列に並んでるから、(見えづらいなぁ…)って感じで頑張って見てる。笑

後ろ2人の台詞の時は基本アンサンブルはフリーズだけど、メイン3人は多少(アイゼンハイムは完全にずっと)動いているような感じ。

アイゼンハイムは険しい顔で落ち着きなく、たまに時計を腰から取り出して時間を気にしている

(→彼が気にしているのは「宮廷で起こる予定のこと」で間違いないかと。)

 

皇太子とソフィのやりとり。

ソフィのロケットに気づいた皇太子は奪い取り、ロケットの写真が誰かを問い詰める。死んだ父の若い時の写真だという答えにお前に似ていないなと返す。

「ロケットを。」と返すように手を差し伸べるソフィに、同じように手を伸ばし「真実を。」と促す。(ここすごく好き…!)

途中、皇太子が「ああ頭痛がする!」と頭を押さえながらも会話は続く。

奪い取ったロケットを床に放るとソフィは慌てて駆け寄って拾う。

アイゼンハイムの写真だろう?と問い詰め、お前らの関係もどうやって別れさせられたのかも知っている。あいつを愛しているのか?「あなたには関係ございませんわ」

→ソフィの頬を叩く(前列の賭けに興じるアンサンブルたちが立てた音で表現される)

「ここは私の帝国だ。私の言うことに従え。」「まだ違います。皇帝陛下のものです。」→再び叩こうとした皇太子の手を片手でバシッと掴み止めるソフィ(めちゃくちゃ強いやんけwww)

そのまま売り言葉に買い言葉で「あなたとは結婚いたしません!出て行きます!」「許さんぞ!これは警告だ!」→剣を片手に追う皇太子、逃げるソフィ

♪後悔するぞーソーーフィー後悔するぞーソーーフィーソーフィーソーフィーソーフィー は観た人は脳に焼き付いているのではなかろうか。

緊迫する空気と、前列の賭けに熱狂していくコーラスの盛り上がりとが見事に混ざり合う。

 

パンッと3人のアンサンブルがステージ上に現れ、酒場の人々に向かって、「伯爵令嬢が行方不明!→令嬢の馬が見つかったが血まみれ。→亡くなったのよ。」

知らせを聞いて、「そんな馬鹿な!彼女が死んだ?ありえない!」と激しく動揺するアイゼンハイム。

 

君がいない世界

君がいない世界に意味はない、という嘆きの歌。

ウール、ジーガ、アイゼンハイムは現場に向かい、ソフィの死体を見つける。

取り乱すアイゼンハイム。

ソフィの死体は馬小屋からすぐのところに、ドレスは5箇所ほど切れていて血も付着、ドレスの中に小さな宝石が見つかり、体は冷たくなっていた

場所を移してしっかり調べようとすると、「遺体に触らないで。警察の捜査範囲ではない。これは皇室の問題である。」と近衛兵(新井海人)が現れて、ソフィの遺体を運んでいった。(実際にはものはないので、アイゼンハイムの「彼女をどこへ連れて行くんだ!」という芝居で表現)

彼女は今日僕のために宮廷を逃げ出すはずだった!と叫ぶアイゼンハイムを必死で宥めるジーガ。

叫び混じりでソフィを失った絶望を歌い上げる。

(ロミジュリの僕は怖いとか、ノートルのMade of Stoneとかその辺を彷彿とさせるような。感情を爆発させて叫びながらもちゃんと音楽を残して歌い上げるバランスがさすが。)

コーラスも入り、最後には皇太子の歌声も重なる。(悲痛な色の「いーーまーーー」だけがすごく抜けて聴こえてくる。)

僕はもうやめる、看板から名前を消してくれ。もう僕は降りる!明かりを消せ!とジーガに訴えるアイゼンハイム。

 

ジーガの励まし

落ち着くのよ、吸ってー吐いてー教えたように。

→完璧なトリックの前の「吸って、吐いて」はおそらくこことリンクする。ジーガに教わってきたこと。

 

葬儀のミサ

ラテン語?の祈り(常川藍里)が響く中、ソフィの棺がステージに運びこまれる。

 

 

 

〜後半に続く〜

 

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