見た方が良いとは言いつつも気づいたら公演当日になっちゃった!見る時間がない!忘れた!という人に向けた最低限押さえておくと良いかもしれない映画の情報。
「SoMLとの関係」は舞台内容に多少触れてます。
ネタバレ含む部分は注意書きしてるけど、何も知りたくない!!な人はその前の部分も一応ご注意を。
映画「素晴らしき哉、人生!」
アメリカの古いモノクロ映画。クリスマスの鉄板らしい。
ジョージベイリー:主人公の男
絶望の淵で自殺をしようとしているジョージベイリー。
出来損ないの2級天使で翼をもらえずにいるおじいちゃん天使のクラレンスは、彼を救うため天から遣わされることに。
と、その前にジョージベイリーの人生を回想で見せられる。
クラレンスのお気に入りは「トム・ソーヤの冒険」。ジョージを救うことに成功したら翼を与えてやろうと神?から約束される。
ジョージが子供の頃から回想は進んでいく。
彼は子供の頃から周囲の人を助けるために自分の望みや夢をあきらめざるを得ないことが多かった。優しさがあり誠実さがあり仕事もできて、でも不運な男。
(色々な不運↓ 詳細は映画を見てくれ)
・子供のころ池に落ちた弟を助けたがそのために風邪を拗らせ片耳の聴力を失う
・人より苦労して学費を稼ぎ高校を卒業
・世界中を旅してから、建築家になることを夢見た
・念願の旅行に出発する直前、住宅金融の社長だった父親が亡くなり旅行は断念
・父の跡を継いで社長になることになり大学進学を断念、そのお金で弟を大学に行かせる
・弟が大学を卒業して会社を継いでくれることを待ったが、弟は結婚を決め、その結婚の条件は相手の女性の家業を継ぐことだった
・自分の結婚式の日、乗っ取りを企む街の権力者から会社を守るため新婚旅行資金を犠牲にする
・相思相愛で美しい妻と結婚し、4人の子供にも恵まれるが家業に縛られ街を出る友人を見送るばかり
・戦争で弟は名誉勲章を受章する
なんやかんやと不運だったジョージだが最大の危機が。
とある年のクリスマスイブ、叔父が銀行に会社の金を預けに行く際に大金を紛失、何もかも上手くいかず追い詰められたジョージは命を絶とうと川の上の橋へ向かう。
それを見たおじいちゃん天使クラレンスは自ら川へ飛び込み、助けを求める。
ジョージはすぐさま川に飛び込みクラレンスを助ける。
自分はジョージの守護天使だと名乗り、自分は天使の羽が欲しい、君を助けさせてほしいと提案する。(クラレンスは2級天使なのでまだ翼がもらえない)
クラレンスは「天使が翼を得るたびにベルが鳴る」と話す。
自分など助けても意味がない、他のやつでも助けてやれと突っぱねるジョージに、クラレンスは「ジョージがいなかった場合の世界」を与える。
→ジョージがいない世界はだいぶひどいことになり、彼にとって大切な人も命を落としていたり存在していなかったりしていた。(詳細は映画を…rep.)
たった一人ジョージが存在しなかっただけでも世界は大きく変わっており、彼の人生での不幸な出来事も、多くの人を救ったり良い人生を与えたりしていた。
そんな世界に耐えられないジョージはもうどうなってもいいから元の世界に戻してほしいと願う。
願いは叶えられ、ジョージは自殺のためにいた橋の上に戻る。
元の世界に戻れたことに大喜びであらゆる人にメリークリスマス!と叫びながら自分の家へと帰るジョージ。
彼は自分がいかにかけがえのないものに囲まれていたかを知る。
そこに妻と、金を紛失した叔父が良いニュースを運んでくる。
妻が街の人たちに事情を話すと、みんなジョージのためならと事情も聞かずに寄付をしてくれたのだという。
街中の人たちに信頼され、感謝されていたことを、彼の人生の出来事や人との繋がりがいかに素晴らしいものだったかを知る。
人々の寄付の中にトムソーヤの冒険の本が置かれており、表紙の裏には「友はかけがえのないものだ 翼をありがとう」とクラレンスからのメッセージが書かれていた。
クリスマスツリーのベルがなり、ジョージの娘が「天使が翼をもらうとベルが鳴るのよ!」と言う。
(完)
とざっとまあそんなお話です。
・たった一人の人生も世界に大きな変化を与えている→「バタフライ効果」
・得ているものの大きさや素晴らしさに気づくことが出来るかどうか で見える世界は変わる
といったあたりでしょうか。
作品観るのに必要そうな情報拾っただけだと面白い感じはしないと思うんですが、映画自体はちゃんと心温まる良い映画なのでお時間ある時にぜひ!
SoMLとの関係
(開幕後ちょっと追加)
・「素晴らしき哉、人生!」はトーマスとアルヴィンの2人もお気に入りの映画。
クリスマスにはスノーエンジェルを作り、この映画を見るのが恒例行事だった。
・2人の出会い、子供の頃のハロウィンパーティーで、トーマスはクラレンスの仮装をしていた。
→アルヴィンの亡くなった母がクラレンス好きだったのでアルヴィンはトーマスの仮装がクラレンスであると分かる。「ママはクラレンスと出会い、僕は出会ったんだ君と」
・トーマスが大好きな本は「トムソーヤの冒険」。この本への想いを歌った曲が「1876年」(この曲個人的にトップクラスに好きなんですよね〜!)この本との出会いがトーマスに作家という夢を抱かせます。
・アルヴィンはベルの音によく「ベルが鳴るのは天使が羽をもらった合図なんだ!」と叫ぶ。作中ではベルの音はほとんどアルヴィンの本屋のドアのベルだった記憶。
・トーマスは街を出て行く側に、アルヴィンはお父さんの本屋を継いで街に残る側に。
(アルヴィン自身が街を出たかったかは微妙ですが、「置いて行く側」「置いて行かれる側」という立場の描写は映画に重なるものがあると思う)
・大学進学前に、トーマスはアルヴィンに「君がジョージベイリーみたいに自分を犠牲にするから」怒ってる。
・アルヴィンを助けるために久々に地元に戻ったトムは本屋に入ってベルが鳴った時に「ベルが鳴るのは!?」と声をかけるがアルヴィンは薄く苦笑いするだけ。
・「バタフライ効果」
****以下ネタバレ含む****
・アルヴィンの死因は橋から川への転落
ただしそれが自殺だったのか、事故だったのかというのは分からないまま。
映画では、クラレンスがジョージを救ってくれたけど、それが自殺であっても事故であっても、アルヴィンにはクラレンスは来なかった。
そう思った時私はめちゃくちゃキツいなと思いました。。
何度も繰り返し見てきたお気に入りの映画、最後の瞬間に彼が映画の展開を思い出さなかったはずがないと思うのです。
「それともジョージベイリーみたいなクラレンスを待ってた?!僕のところには決して来ないのに…」
そしてこれは描写の仕方でもあるけど、アルヴィンにはトーマス以外の人間の存在が周囲にいる気配があまりありません。
人はすべての出来事を覚えているけれど、誰も知る人がいないものは正解を求めても見つからない、そこに何かを探そうとしないで。
分からないけど、生まれ育った街で暮らしながらも父親を失った後のアルヴィン本当に孤独だったんじゃないかと思うんだよな。。何かを知る人が全然いないくらいに。
・別にどっちがジョージベイリーでどっちがクラレンスとかがあるわけではない
出会いのシーンでは、お母さんを亡くしたアルヴィンにとって、仮装したトーマスはまさにクラレンスだっただろうし、
街を出るトーマスを見送る側のアルヴィンはジョージベイリー、
亡くなったアルヴィンはクラレンスが来なかったジョージベイリー、
でもこの作品通してトーマスの元に現れたアルヴィンはクラレンスかもしれない。
※新ペアはアルヴィンの衣装の雰囲気がまた全然違ったのでびっくりですが、初代ペアのアルヴィン衣装は明らかに天使っぽい感じですよね。
とりあえず初演の記憶で書いたので、再演観たらもっと映画と重なる要素も出てくるかなと。そしたら追記します。