No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

アナスタシア日本初演の覚え書き〜2幕

 

引き続き第2幕。

(1幕、たくさん読んでいただきありがとうございます…!)

段々何を書きたいのかわからなくなってきたというかほぼあらすじ。 

2幕はさらにあらすじ度が増した。。

a-syamu.hatenablog.com

⚠️ネタバレしかしてません

 

Paris Holds the Key (To Your Heart)

2幕頭は華やかでショーアップされたナンバーから。

パリっぽい衣装(とは)で見てて楽しい〜女性アンサンブルの衣装が特にそれぞれ可愛いです。

たぶん今回のアンサンブル選びってある程度のスタイルとか頭身のバランスも見て取っている気がするのよね。。衣装やカツラが映える人が多いなという印象でした。

アーニャは白、ディミトリは紺ベースの衣装だけどこの写真とはちょっと違った。はず。舞台写真ください…

チャールストンとか、両手足パタパタさせる動き(人間になった後のはしゃぐアリエルみたいな。伝われ)かわいい。

スーツにセットした髪、最近よく見る海宝くんです。

たくさん踊るのでかわいい。安定の海宝くんダンスなのでこれ他2人のディミトリだとどんな感じなのか気になるところ。

コーラスなのに歌声めっちゃくちゃしっかり聴こえてくるのがさすが。

途中で曲調が変わり、上手でディミトリが歌うときの少しの憂いを含んだ表情が好きなやつ〜 ついに彼女の運命を握ってる場所に来てしまった。ここからどうなる…という。

そのままアーニャ、ヴラドと歌い継ぎ、またセンターに戻るときには楽しげな眉上げ笑顔に戻っています。

曲の最後がエッフェル塔?のエレベーターに乗って急上昇する感じで、到着したときに♪チーン って鳴るベルの音が好きw 一瞬くらっとするけど。

ラストのコーラス女声最高音が2回とも結構危ういというかバランス悪いのはちょっと気になってました。全体的にコーラス悪くないので余計に気になる。

曲終わりでディミトリが一瞬アーニャに話しかけようと?するんだけど、彼女の意識が違うところに向いてるのに気づいて何事もなかったように「俺はホテルに戻るよ!」みたいなことを笑いながら言って走り去っていくの、ちょっぴり切なくて好き〜〜

 

ヴラドはかつて親しかった皇太后の側近リリーに会いに向かう。


Close the Door

すっかり気難しくなった(というか初めからそうらしい感じですが)皇太后マリアと変わらず彼女に仕える側近のリリー。

財産をなんとか自分のものにしようとする伯爵?(確かこれも村井さん)もいる。キャラが濃いw

太后の元には毎日アナスタシアを名乗る女性からの手紙や面会の依頼が続いている。

初めは期待をしたけどもううんざりしつつ諦めきれない皇太后

リリーが読み上げる手紙に色々と文句をつけますw

「私はナナと呼ばれていたの!それをおばあさまですって!?」みたいな台詞もあり、初見の時はここでやっと冒頭の「ナナ」呼びを理解した。

少しコメディっぽい感じもありつつも、突然自分の世界に閉じこもってしまう皇太后にはリリーの言葉も聞こえない。「もう聞こえていらっしゃらないわ…」

何がきっかけになったか忘れてしまったけど、もう探すのをやめる。これから面会に来た女性たちにも、もう遅すぎたと伝えなさい。みたいな台詞で心クローズするのよね。

そしてまあまあ尺のある皇太后ソロナンバーなんですが、これが破滅的に歌詞が聴き取れない。というかそもそも歌がやばい。完全に芝居と存在感の方なんだけどそれにしてもあれ。逆にすごい。

ちょっと歌詞がまったく記憶にないです。。

途中で少女アナスタシアが後ろのセットの窓越しに姿を現して皇太后を見つめるんですが、彼女はそれに気づかずアナスタシアは肩を落として立ち去ります。

でもなんせ歌詞が聴き取れないからその演出がなにかに連動してるのかさえ分からない。

 

Land of Yesterday

コムさんはまだしも堀内リリーは皇太后の前では比較的それらしいけど、実際の彼女は飲まなきゃやってらんないわあ!!(でも皇太后に仕えることには誇り持ってるし彼女のことが好き)という酒豪。

リリー始め貴族たちが集うネヴァ・クラブ。グレブがスーツで訪ねてくるも、あそこの店で求人が出てるだの、裏に回ればなにか食べ物が貰えるだの言われて入れてもらえないグレブ。

(これは結局なんのためにこの店に来たのだろうか。リリーとの接触?情報収拾?

この時点でヴラドがここに来ると思っての先回りとは思えないしそこちょっと分からん。)

ここに出入りしているような貴族はグレブがもっとも嫌うタイプの人間なのかなと。彼曰く「与えられるだけ享受して何も返さなかった」人たち。

これまたショーアップされたシーン。1幕がわりとメインキャストばかりで進んでいく感じなので2幕で結構方向性が変わったような印象を受ける流れ。

この作品っぽい。って思う作品がガラッと変わるような。

このシーンは堀内リリーの圧勝でした。目を離せず。飽きる間もなく。さじ加減が絶妙。上手いったらない。

→2幕になって、1幕のまとまりというかぎゅっと上手く展開してる感じが急にバラッとした印象を受けていたんだけど、

今思うと1幕では主にアーニャディミトリグレブ目線くらいでしか描かれてない世界が「ロシアから逃れた貴族たちの暇を持て余した贅沢」という角度から展開されてるのかもなと。

日々を生き延びることや職務に追われ必死で生きる彼らと、彼らが振り回される存在の実情というかお気楽さというか。と言いつつ、曲名は"Land of Yesterday"なんだけども。。

でもヴラドはその両側に足を置く存在。

 

曲終わりでリリーの前に現れるヴラド。2人はかつて宮廷で良い仲だった。模様。

The Countess and the Common Man

コメディ感も強い、でも絶妙なバランスの2人。

リリーからヴラドへのアピールもコムさんと堀内さんで全然違ったので人によってそこは自由っぽい。

2人だけのシーン、歌ありダンスありでテンポ良く展開していかなきゃいけないので地味にハイレベルなパフォーマンスを求められる、中堅どころが活きる場面だなぁと。

この作品、主要キャストの年齢性別バランスが王道だけど上手く散ってるんだなぁと改めて。

再び熱く燃え上がった2人。ヴラドは次のバレエ公演で皇太后にアーニャを会わせてもらえるよう頼む。

Land of Yesterday (Reprise)

そんな2人を物陰から見ていたグレブ、ヴラドが落としていったバレエのチケット(たぶん)を拾う。

(多分このチケットでグレブは劇場入ったと思うんだけどヴラドたちの分は別で手配したのかなとかどうでもいいことを気にしてしまう)

A Nightmare

アーニャはホテルの部屋で悪夢を見る。両親や姉妹、皇太子が出てきて周りを取り囲む。

冒頭での皇后の台詞「お祈りはしたの?」とかもあり。ただここは冒頭では「お祈りはしたの?アナスタシア。」だったはずが名前は呼ばない。

皇太子がベッドの横でブランコのように揺らされながら「秘密を教えてあげる!僕はもうすぐ死ぬんだ!家族もみんな!」とか「変なの。自分のことは誰だって知ってるのに。」とかなんか色々笑顔で言ってくる。怖い。


In a Crowd of Thousands

悪夢にうなされる声が聞こえたのか(って冷静にどこにいたんだ…)、寝巻きのまま駆け込んでくるディミトリ。

パジャマみたいなズボンに、白のタンクトップなんだけど、どうもタンクトップが謎な海トリ。

(あれかな、普通お腹あたりがもうちょっと皺入りそうなのに腰までまっすぐだからか…?なんか不思議…でも胸板がすごい。顔に似合わぬ胸板。え、これ本当に自前?とまじまじ見てしまうけど自前らしい。さすが次がサイゴンだけあって鍛え途中らしい。でも顔がほっそりしてるし幼めな感じだからすごい不思議な感じなんだこのタンクトップ。)ってのが登場から2秒くらいで脳内を巡りました。

私は誰だと思う?と尋ねるアーニャに、

自分が皇太后だったら、君のように賢くて強くて美しい女性がアナスタシアであってほしいよ。というようなことを優しく答えるディミトリ。

突然のイケメンやめろ。。

(賢くて強くて美しい、かは怪しいです。たぶんアラジンの台詞に引っ張られてる)

「私のことをそう思ってるの…?」と返すアーニャにも優しいディミトリ。

だからイケメンやめろ。。

「俺は信じたいんだよ。君が昔1度だけ会った女の子だって。」

 

この曲とEverything to Winの歌の入りが秀逸すぎて、泣きそうに好きでした。いやこんなに入りが好きな曲ないわ。。

台詞の延長でありながら柔らかく優しい声色で歌声がぶわあって空気に溶けて広がる。

入りが結構高めの音なのもまた良い。海宝くんの優しくて柔らかい歌声って同時にどこか切なさや哀愁を漂わせると思ってて、そこがとてつもなく好きなんですけど、それが存分に発揮されてて最高すぎる。

 

ここで初めてディミトリがかつてアナスタシア皇女の姿を見たことがあったことが明かされる。

賞金目当てというところから始まりながらも、彼の中にはその日の想い出がずっと大切にあったのだという時点でたまらんよな。。

初めはまさか本当にアーニャがアナスタシアだなんて思っていなかったのが、徐々に本当に実は彼女なのではないかという想いが膨らみ、同時に1人の女性としても魅力を感じ始めて…のここに至る。

 

何年も前、馬車でのパレードで見かけた女の子。

気高く女王のような姿、

幾千万もの群衆の1人だったディミトリはその姿に魅入られて、彼女の名前を叫びながら走って追いかけた。

手を伸ばすと、彼女は微笑んだ。

(英語だとディミトリ10歳、アナスタシア8歳とか歌詞にあるんだけどその辺は訳詞にはなし)

 

アーニャが自分もそこにいたような気持ちになると呟くと、これも君の物語にしてしまえばいいとディミトリは答える。

(1幕の列車での、教え込まれたことがまるで自分自身のことのように思えてしまう!というやりとりと多少リンクする、のかも。)

アーニャはディミトリが歌った「少年」の出来事を、「少女」目線から歌い出す。

ディミトリも力づけるように歌を重ねる。

 

光を浴びて進むパレード

痩せて汚れて、でも真っ直ぐな瞳

その姿を見て微笑むと…

 

彼はお辞儀を…

 

「…!それは話してないよ…!」

「ええ…でも私覚えてる!!」

 

この瞬間の痺れるような感覚がたまらなくて。。

思わず無駄に改行使ってしまうくらいには好きすぎて。。

 

ディミトリは目の前の少女がもしかして…ではなく、本当にアナスタシアであること、「信じたかった」一度だけ会ったことのある少女がアーニャであることを確信し、

アーニャはそれまでの思わず口をつく言葉や出てくる動作、不思議な記憶に不確かなもしやを積み重ねていたのが、最も身近な人と、過去を己のはっきりとした記憶として共有し、確信を持つ。

その後のことを考えたら彼女は「すべてを思い出した」のかもしれない。

 

そのまま2人のデュエットに。

「幾千万の群衆の中 見つけ出す もう一度」

歌い終わりとともに吸い寄せられるようにアーニャに顔を近づけて。

はっと身を引き、静かに跪き、「皇女様」と呼びかけて頭を垂れる。

 

なにこのロマンチックエモ!!!!!(台なし)

1幕のLearn to Do itの「昔一度だけある人にお辞儀をした。それが最初で最後」という伏線が、

その相手がアナスタシアであったこと、互いの記憶が繋がることでアーニャが確かにアナスタシアであったこと、これまでに惹かれた相手がただの女の子ではなく「皇女」という立場であること、それでもあの昔の日に心を奪われた人であること、とすべてこの瞬間に完成するんですよね。

いやーここまでロマンチックエモなシーンはなかなか。。なかなかお目にかかれませんよ。。

 

以下個人的な海宝ディミトリの好きすぎたポイント

・ソロの部分で1フレーズおどけた声を出して目をキョロっとさせるのが、アラジンのAMMAを思わせる。

・アーニャの歌を力づけるような輪唱みたいになる流れもすごく美しくて涙出そうになる…

・アーニャの歌詞の「痩せて 汚れて」を聞いてのリアクション。なんだって〜?って反応しながらも優しく笑ってる。1幕ですぐアーニャにムキになってたディミトリとは別人のようで時間の経過と気持ちの変化を感じる。

・「それは…話してないよ!」とアーニャを見たときの表情の秀逸さ。見開いた目も大げさくさくなく、でも目の水分に光が差し込んで美しくも強い瞳で、あの顔忘れられない。

・最後デュエットになってのディミトリパートのメロディの浮かび上がり方。ソロの時とはちょっと違う音の動きだと思うんだけどこれがすごく良い。

かき消しはしないけど圧倒的にリードするような声量とハモリが良い。。

・キスしかけて跪く一連のながれがもはや芸術。絵になるとかそんな次元じゃない。天才。美しすぎる無理。

・横角度はほぼ変わらないのに、「それは話してないよ」と「皇女様」の時の表情というか雰囲気が全然違うのがたまらない。「皇女様」の声色にさっきまでの興奮がまったく感じられない、落ち着いた洗練された美しさがあって永遠に聴きたい。

・頭を垂れた時の顔ラインの美しさが国宝級なので早急にBlu-ray画質で配信してほしい。

・ラスト胸に手を当ててた気がしたけど海外映像やるとやってないので妄想な気もしてきた。わかりません。興奮で記憶は歪む。

 


Learn to Do It (Reprise) / Meant to Be

作品全体的に転換がスピーディーなので慌ただしくはあるけどその中でも明らかに超スピードではけていく2人。
寝巻きから正装への早替えなので相当時間に追われるのだと思われるw


バレエ白鳥の湖が上演される劇場、ヴラドが待つ中。早替えを終えたディミトリが出てくる。
見た目はただただ結婚式のマリウス。髪が茶髪のマリウス。正装似合う。なんせ顔が良いので。落ち着きのないマリウス、あるいはラウルです。

足元について何かしら指摘され(靴ひもか汚れか?)、かがみこむディミトリの前に、美しくドレスアップしたアーニャが姿を現し、顔を上げたディミトリは息をのむ。

初日はわかなアーニャがなかなか出てこなくてなんとも言えぬ間が生まれてましたw
見開きフライヤーにも使われているとても綺麗な場面。
これまた上手前方寄りというポジション。

(なんか重要なシーンかと思ってだけどただのアーニャ正装お披露目シーンなだけな気がするぞ)

動揺を隠しきれずにギクシャクしつつ笑いながら腕を組みパンフレットを受け取って劇場内(幕)へはけていく2人。

 

そんな2人を見送ってのヴラドのソロ。

計算通り上手くいっている。でもこの2人のロマンスだけは予定外だったなぁ…

みたいな曲(雑)

ここで、「始まりはあの日のダンス…」と1幕のLearn to Do itでの2人のダンスに触れる歌詞が出てくる。

印象的だったの大澄ヴラド。

禅ヴラドはずっとあの禅ヴラドのキャラなのである程度ありのままで、そのままの意味なんだけど、

大澄ヴラドはあーこの人2面性というかこの人もまた生き残るために「キャラクターを演じて」生きてきた人なんだなって思うというか。別に騙してたとかでもないんだけど貴族を装って生き残ってた時点でまあある程度ずる賢さはあるよね。

でもディミトリとアーニャに対して素直に上手くいってくれたらなぁと願ってるとは思うし、リリーとのやりとりも楽しくてやってるし悪い人ではない。


Quartet at the Ballet

場面は変わって劇場内。

白鳥の湖をそれぞれバルコニー席?で鑑賞。

下手下段が財産狙いの伯爵、皇太后、リリー。

下手上段にグレゴリー伯爵?と連れ、グレブ。

上手下段にヴラド、アーニャ、ディミトリ。

 

バレエシーンが凄い!みたいなことは出演者もよく言ってたので1シーン丸々くらい見せられるのかなと思ったら、頭と終わり以外はバレエ展開する周囲でみんなめちゃくちゃ歌うクインテットナンバーで、バレエじっくり堪能する余裕は正直なかった。

本格的に踊られてるのは分かるんだけどなんせ目が足りねえ。

 

アーニャ、皇太后、ディミトリ、グレブの4人が歌うんだけど、声量バランスはまあわりとめちゃくちゃです。

ソロからデュエットになったりソロになったり、間奏で完全に白鳥の湖のメロディになったりと面白い曲。
あまり長くはないけど唯一ディミトリとグレブが声を重ねるところ。
その後半でディミトリが上のわりと音高めのパートになるんだけど、海トリこの瞬間完全にギア入れてすべてをその声量で覆いつくしていくのでちょっと面白いですw

 


Everything to Win

バレエが終わり、皇太后とアーニャを引き合わせるべくリリーのもとに向かう3人。
アーニャの姿を見るなり息をのみ「皇女様!」とお辞儀をするリリーと、それに対し「おやめください」と落ち着いた対応をするアーニャに、いよいよ期待を高めるヴラドと少し複雑そうなディミトリ。
「私はいつでも大丈夫です!」とアーニャはリリーに連れられて皇太后の元(膜の中)へ。


そのまま控え用の広間(?にしては広い)で待つディミトリのソロ曲。
これまためちゃくちゃ良いんだ。。
歌うというよりは話すような。彼の心から言葉がぽろぽろと零れ落ちていくような、でも音楽的な美しさも両立したすごく良いナンバーです。
DLLのチャリティーぽいと言ってる方がいてまさにそれだなと思いました。
下手奥の小さなソファに腰かけての歌いだし。
途中でヴラドが待つことに耐え切れず先に飲みに行ったとリリーに伝えてくれ!と言って出て行く。
(いやそんなわけが…)とか(自分は何をそんなに焦って…)というように笑い交じりで歌っているのが11日は特に印象的だった。
「彼女は家族を 俺たちは金を!」って歌詞の「金を」の力強く歌うも空虚な感じがたまらなくて。

お金よりも大切なものを見つけてしまった、なんてありがちだけどそこに本物の心情と説得力があるととてもドラマチックよね。。

 

戻ってくるアーニャ。

太后は顔も見ず、あなたのような詐欺師のことはよく知っていると突っぱねた。

「俺が本当のことを話してやる!」と憤るディミトリに、「本当のことって!?」と詰め寄るアーニャ。

「あなたと会った時、私は寒くて震えて絶望していたけど嘘つきじゃなかったわ!あなたが大嫌い!」と叫び、出て行ってしまう。

 

彼女は行った?と姿を現した皇太后に「彼女がどんな思いで生きてきたのか、ここまで来たのか分からないのか!」と詰め寄り、言い合うディミトリ。

太后にビンタされるディミトリ。(舞台上で本当にビンタしてるの久々に見た気が)

最終的に「運命はあんたを冷酷に裁くだろうな!ばあさん!」と捨て台詞を吐いて立ち去る。

ビンタと「ばあさん!」が衝撃的すぎて台詞の細かい内容忘れた。

すごい剣幕だし迫力あるんだけどその辺が若干コメディチックにもなるのでどっちの空気が正解なのか見てて分からんwあとかろうじて「ババア!」じゃないんだなとは←


Once Upon a December (Reprise)

別室で、頭に血が上ったままのアーニャと、それをなだめようとするヴラドとディミトリ。

アーニャがもう出て行こうと乱暴に荷物をまとめているところに皇太后が姿を現します。

入って来た皇太后に気づいたディミトリも咄嗟にかしこまって身を低くする。(さっきばあさん呼ばわりしたくせにw)

持ってた杖をディミトリに渡し、みんなを下がらせる。

アーニャは気づかずギャンギャン言いながら荷物を詰め込み、「この本は次のアナスタシアのために取っておいたら!?」と振り向きざまに投げつけようとして皇太后に気づく。

やりとりを最後まで続けるようにとアーニャに求める皇太后

「私のお気に入りの侍女は?」「いなかった。あなたは誰のことも気に入らなくてすぐにクビにしていた。」「…ひっかけ問題よ。賢いのね。それは認めます。」

「あなたがこんなに冷酷な方だとは思いませんでした。」「昔はそうでなかったかもしれないけど歳をとって苦しみを重ねて、親切なんていうものは贅沢品になった。」

「私は自分がアナスタシアであると信じているけれどあなたが認めてくださらなかったら彼女になることはできない」

「あなたは一体誰なの?」「分かりません。。あなたは誰なのですか?」

「あなたたちは必ず途中で泣き出す。リハーサルでもしているの?」

序盤で自然と皇太后のことを「ナナ」と呼んだり、香水はオレンジの香りだけどそれはシシリーから取り寄せたもので作った特注品だったと話したり、「アナスタシアしか知らないはずのこと」がアーニャの口から出てくることにハッとするしそれを知っているのは…って思うんだけど、皇太后自身ももはやいつ何をきっかけに認めて良いのか分からないくらいになってしまっているのよねたぶん。

決定打となったのはディミトリから受け取っていたあのオルゴール。

「覚えていらっしゃいますか?私たちが最後に会った日のオルゴール…」みたいにオルゴールを荷物から取り出したアーニャに、皇太后は、

「あの日が最後だなんて思わなかった!どのさよならが最後になるか、どんな最後になるかなんて私たちには誰も分からない…」と漏らします。

(これがまた今の突然公演が出来なくなってしまったり再開しても中止を余儀なくされたりという状況にしみるったらない。。)

「どうしてこんなに時間がかかってしまったの!?もう遅かった…」と言う皇太后に「遅すぎることなんてないわ。今こうして一緒にいるんだもの。おじいさまの橋を一緒に渡りましょう。」と答えるアナスタシア。

やっと2人が抱き合った時、アーニャは「オレンジの香り…」と呟いて微笑む。

ここ、下手したらしらっとなりそうだなと思うんですけどそうならないのがやっぱりわかなアーニャ芝居上手いなぁと。

だがしかしこの曲終わりの展開も超スピードなので感動的なハグからもの凄いスピードで手を取り合って袖にはけて行く皇太后とアーニャww


The Press Conference

皇女アナスタシアが見つかったという情報はあっという間に流れ、皇太后が会見を開く、のに遅れているのでそれを頑張ってつなぐリリーとヴラド、というシーン。

(まあ実際アナスタシアのお着替えタイムだよな)

でも個人的にはわちゃわちゃしてて好きです。あとラストのリリーの音の上げ方、堀内リリーはさすが。


Everything to Win (Reprise)

赤ドレスに着替え、皇太后と写真撮影(?)をこなしたアーニャ。

太后に「あなたの彼はどこ?」と聞かれ、「私の彼じゃない」と答える。

彼は報奨金を断った。あなたは自分の王子様を見つけたと思ったのだけれど…?

驚くアーニャと、あなたが好きなようにすれば良いと伝える皇太后

自分自身と向かい合った時、アーニャは自分に本当に必要な存在はディミトリであると思う。

ありがちなベタ展開だけどここでのアーニャの短いソロがさっきのディミトリのソロのrep.になっているのが良い。


Still/The Neva Flows (Reprise)

心を決めたアーニャが部屋を出て行こうと振り向くとそこには久々のグレブご登場!!

ちなみに、その前のソロの間に外からやって来てアーニャの姿を見つけ、気配を消し音もなく部屋に滑り込み3つある扉をじわじわ閉めて退路を絶っていく姿は地味に面白いので必見です←

というかまあ見逃しようはないと思うw

 

なんというか、難しい役だよなぁグレブ。

作品の中での存在や出番、キャラクターを考えると、役者がある程度の力技を使わないと上手くまとめられないというか、力技という意味での力量が求められる役だと思います。

格好良いけどな。

 

アナスタシア暗殺の命を受けているグレブ、生き残りのアナスタシアとしての自覚をはっきりと持ってしまったアーニャ。

彼女がアナスタシアであると宣言するならばグレブは彼女を殺さなくてはいけない。

グレブが閉じた3つの大きな扉の後ろでは、アーニャとグレブと対応するように、過去のアナスタシアの家族と彼らに銃を向けるグレブの父親たちの姿があります。

 

散々葛藤して結局「私には出来ない…」と銃を手放し崩れ落ちるグレブ。

どう報告するのかと案ずるアーニャに「私は父ではなかったということだ…」と力なく返事をし、この先の長い人生を祈っている、と立ち去るグレブ。

量としてはどうしてもあっけないのでこの辺をどう説得力出してくるかが力技の見せどころ。。

 

アーニャが「私は父の娘です!」と言うのに対し、グレブは「私は父の息子だ!」と返すやりとりがあって。

ここではないけどMy Petersburgのところでは、ディミトリが「自分は(アナーキストで信念を守った、なんでも出来るお前次第と彼から学んだ。)父の息子だ」ということを直接の台詞ではないけど強調している、と思う。

だから、この作品ではこの3人がそれぞれ「父親の子ども」という軸も強調されているのよね。


Once Upon a December (Reprise II) /Finale

場面は変わり、大きなトランクを手に出てくるディミトリ。

ウィキッドウィキッド思い出す。。)

名残惜しそうにいったんトランクを置き、腰掛ける彼のもとに赤ドレス姿のままのアーニャがやってくる。

トランクを手にして別れを告げるディミトリ。

「もし馬車から俺を見つけてももう手を振ったり微笑んだらするなよ。この先の人生を一緒に過ごせない相手に恋なんてしたくないから。」

「私、夢だったの。初めてのキスは、パリで素敵な王子様とするんだって。」

「俺は君の王子様じゃないよ。」

アーニャはトランクを奪いながら「皇女アナスタシアは異議を唱えるでしょう!」と高らかに言い返しながら微笑み、トランクを足元に寝かせてその上に立つ。

そしてディミトリを見下ろしたアーニャは「ディマ!」と呼びかける。

My Petersburg終わりの第2の伏線を完全回収です。。

愛してるわとかそんな言葉が入りそうなのに、ただ愛称を、ここで初めて呼びかけることですべてを含ませるのがとても好き。。

 

ラフな服装と赤いドレスの2人がセンター奥に進んで行き、アーニャはディミトリの腕に頭を傾ける。

シルエットのようになる2人、舞台前では皇太后とグレブがそれぞれ「アナスタシアは存在しなかった。」と人々に向けて伝える。

表情は柔らかく満ち足りた雰囲気の皇太后は、設けていた報奨金を寄付することを宣言し、グレブは少しの寂しさを滲ませつつ自分の仕事へと向き合う決意をする。

(めちゃくちゃウィキッド!!分かるかこのウィキッド感!!)

 

センター奥の2人、そして周りではロマノフ全盛期の扮装の人々が盆や自力で回る。文字で書くとあれだけど素敵です。

初めて観た時はアラジンのフィナーレっぽいなと思ったけど、これよく考えればオルゴールモチーフなのね。。

 

アナスタシア伝説は伝説として終わる。

彼らの真実は真実を知る人たちの心の中だけに。

ロマンチックさと、ほんのりとした苦みと、美しい物語の世界と、血の通った現実と、絶妙なバランスの上で成り立ち、音楽とセットに裏打ちされて見事な世界観を作り出す。

とてもハイレベルで素敵な作品だったと思います。

 

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予定通りに幕が開き、全公演がつつがなく行われ、たくさんの人に観てほしかった。悔しいです。

でもこうして今日全員の初日が明けたこと、苦しい日々の中でもまだそれが嬉しく明るい光を与えてくれる。

また、きっとまた、この作品に、この素晴らしい当たり役のキャストたちで、劇場で出会えることを心待ちにしています。

 

まずは!東京公演、大阪公演と残りの公演がすべて無事に終えられることを祈るのみですね。

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海宝ディミトリはほんと…後世に残したい。。

あまりに素晴らしい文句なしの日本オリキャスでした。

アナスタシアのCDをというのは厳しいと思うので(いや欲しいけども!)、せめて海宝くんのソロアルに収録してほしい。。空前絶後のご要望。。。

ちょっとあまりに好きでした。

 

こちらとしてはまだまだ未練がすごいけど、笑

今日残り2人のディミトリの初日も見届けて、きっとまた先に進んでいかれるのだろう。。

またきっと海宝ディマに出会える日まで。

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