No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

フランケンシュタイン日本初演の覚え書き 1幕その2

フランケンシュタイン

♪孤独な少年の物語

ビクターの亡霊(悪い過去)は狂気。

あの亡霊=悪い過去ってのがイマイチよくわからんというか、特にその後何かそのワードが使われるわけでもなく、謎でした。

今を見てもらえず、いつまでも過去につきまとわれるってことなのかな?

 

医者の父もペストから母を救えなかった。

母を生き返らせようと死体を家まで持ち帰るビクター。

父のカラスのお面、死体が歩き回っているという噂(しかも発端はメイド)で魔女の仕業だと騒ぎになり町の人たちは城に火をつける。

(このシーンで駆け回る町の人から逃げるようにエレンとアンリはハケます)

城に取り残されたビクターを助け、死んでしまった父。(ビクターによる犠牲者1人目)

散々騒ぎたて城に火をつけて主人を殺した上に残された子どもたちに唾を吐きかけて去る町の人たち。酷すぎでは…

マントを広げてビクターを守ろうとするエレンが印象的。「あれは魔女だ」でばっと広げるし若干エルファバ味を感じます。

(お父さんもパーマなところ、ちょっとツボですwお父さんの遺伝かw)

 

そしてジュリアとの出会い。

無邪気なジュリアはビクター生命創造への執念も否定することなくお互い良い関係になります。

ここで生命創造への執念の発端は母の死であることが明らかに。

轢かれた仔犬を生き返らせることに成功するもジュリアは犬に噛まれてしまう。

ここでまた話を大きくするメイド。

ビクターは命を創造したんです!とまったく悪びれることなく、ジュリアもそこに関してはそうよ凄いのよ!ってスタンス。

ステファン、エレン、ルンゲだけが凍りつく。

(2/18追記)特にルンゲの芝居絶妙だなと思います。話を聞くうちに目を見開いて硬直する。

表に出すまいという執事の思いを感じるけど、それでも隠しきれない目に浮かぶ怯え。

それをすっと押し殺して、ビクターの肩を優しく抱いて連れて行くルンゲ、素敵。

 

ステファンはビクターを今すぐ留学させろ、生き返った犬を殺せと命令。

留学前のビクターに、行かないで大好きなの!と言うジュリア。

僕と一緒にいちゃ呪われるよと言われても首をふるふるして否定、戻ってきたら私と結婚して!と約束させます。

これが舞踏会の後にジュリアが歌っていた「あの日の約束」。

それにしても20年以上その口約束だけでジュリアは待っていたのか…ちょっと怖い…

 

四季以外の子役が久しぶり(たぶん) だったので舌ったらずだなぁと思うことはあったけど総じてハイレベルな子役さんたちでした。

子ビクター

石橋陽彩くん…むちゃくちゃ歌うまさん。子どもの声で上手いというんじゃなくもう普通に発声がしっかりしてる。

声も太くて高音まで安定してる子ども離れした発声はビクターの常人離れした所に合っていると思う。ちょっと葉加瀬太郎ぽい←

難波拓臣くん…一方こちらは完全に子どもの声。セリフも歌も声が高く仔犬みたい。

僕はビクターフランケンシュタイン!もわりとジュリアと同じくらいのテンション。

子ジュリア

斎藤さくらちゃん…歌も上手いけど、何より演技が素敵!細やかで自分の台詞がないときの居方もしっかり周りの動きを受けて演じています。

言葉もはっきりしていて聡明なジュリア。

寺田光ちゃん…声が細く高いからかさくらちゃんより幼い印象のジュリア。天真爛漫でさらっとビクターの心をほぐしちゃうのもわかる。

行かないで大好きなの!ってど直球な言葉が自然で可愛い。

 

<韓国版>

韓国で観たとき、演出も違ったとは思うけど、カラスのお面とかビクターが何をしたのかとかよく分からなかったので日本語で理解できてよかった!

ただ、そこまでのことか?…って思っちゃうのも本音。

 

回想が終わり爆発音がして扉からビクターが出てくる。

エレンを気にしつつ大丈夫だからと目配せしてビクターに声をかけるアンリ。

「ビクター!おいビクター!」この呼びかけにどこまで親密さを出せるかがかなりポイントだと思う。

座り込むビクターにエレンがいることをそれとなく伝えるアンリ。

エレンを見て去るビクターの表情は様々で。

関わりたくないとばかりにすぐ顔を背けるようなときもあれば、ほんの一瞬泣きそうな子どものような顔をするときもあり。

 

ビクターが去った後、ゲホゲホしながら出てくるルンゲ。和みタイムその2。

「私の身が持ちません〜!!」ってじたんだ踏んでエレンに気づく笑

 

ルンゲが護身のための銃を取りに行っている間、自分がなぜこうやってビクターの実験を手伝っているのかをエレンに話すアンリ。

アンリがこんなに自分のことを話すのはここだけです。

エレンを力づけたいという思いもあったのだろうけど、いかにアンリがビクターに魅了されているかが分かります。

特に小西アンリは激重!笑顔を浮かべて語るその一言一言が重くて素晴らしいです。

アンリの言葉を聞いて、今のビクターにはとてもありがたく必要な存在だと感じたエレン。

「アンリさん、ビクターのことどうか…どうかよろしくお願いいたします。」 とアンリの手を取り、拝むように頼み込むエレン。

(自分の子どもを結婚相手に託す母親みたい←) 

かきこに前楽は特にアンリの語りが重い回だったので、それを受けためぐさんは泣き声で「どうか…」を3回繰り返していた。

エレンの手の甲にキスをして、猛ダッシュでビクターを探しに行くアンリ。ほんとは気になって仕方なかったんだろうなぁ。。

この手の甲へのキスと、城の中が気になって覗こうとするエレンを柔らかくもはっきりと止めるところ、好きです。

 

アンリが去って、 エレンに自分もアンリと同じ気持ちだと伝えるルンゲ。

ルンゲは執事としてビクターの望みにはなんとしても応えたい、というスタンス。過去を全て近くで見てきた上でこの言葉を言えるルンゲの忠誠心よ。。

(2/18追記)「でもルンゲ!」と呼びかけるエレン。エレンはビクターの人類創造の夢には反対、というか倫理に反することをすべきではないと思っているよね。 

酒場

上手から男たちに囲まれ、殴る蹴るされながら登場する酔っ払いビクター。

酔ってもうすぐ人類は滅びる!とか言って男たちの怒りを買ってしまったらしい。

タイミング良く酒場に現れたアンリは人混みの中で殴られているのがビクターだと気づき救出。

「お前も殴られたいのか!」 と殴りかかられるもさらっとかわし撃退するアンリ。

格好良い。穏やかそうに見えて実は強いキャラ。美味しいです。

(2/18追記)小西アンリは必要最低限で技を使って動きを封じる感じ、和樹アンリはパワーで撃退ww

「こうしましょう!私が皆さんの気分を変えてみせます!」と今日は自分が奢ると宣言するアンリ。

ちょっと楽日の印象強すぎて小西アンリしか覚えていないんだけど、、

大喜びで一緒に飲もうと誘う男たちに「あとで行くんで!先飲んでてください!」ってビクターの元に向かうアンリ。

舞踏会ではまるで人と関わろうとしなかったのに、、泣

(2/18追記)福岡楽では喜んだ男たちにキスを迫られ「ちょっそれはやめてください!ほんと!」と断固逃げるアンリw

 

「なんで付いてくるんだ!」と突っかかったり、「ほら見ろよ見てくださーい」って大声出してみたり、笑ってたかと思うと「壮大な理想の堕落〜」って泣いてそのままオケピにリバースww

「アイムソーリー…」って謝ってたけどあそこ英語圏じゃないよね←

(2/18追記)福岡はオケピまでちょっと距離あるのにわざわざ機材を乗り越えて行ってリバース。「大変申し訳ありませんでした。。」

個人的には「諦めじゃないっ!…じゃないっ!」ってとこが可愛くて好きだった。

 

もう今日はとことん飲み明かそうとアンリが誘います。

すかさずアンリに酒瓶を渡すパーマの女性はアンリを気に入ってて好きあらば触ろうとするww

床に座ってアンリに注がれた酒を飲み始めるビクター。

ビクターの「もう一杯に怒りを〜」に掛け合いを入れる小西アンリ好きでした。

2人で「今夜は酔っちまおうぜ」と歌い上げると他の客たちも一斉の杯をあげて一気に盛り上がる酒場。

途中、アンリが「僕には親がいない、でも君がいるから十分さ」という告白をシレッとします笑

かっきービクター絶妙な表情!後半はアンリもビクターにどんどん飲ませながら言っているので困ったように笑いながら。

 

正直、楽日までこのシーン半端だなあと感じていました。

唯一狂気も悪意もなく純粋に明るめで盛り上がるシーンなのに、ショーアップをしていないので見た目が地味。

客がウェーイって杯あげてるの見てもたいして面白くないし、日替わり?公演ごとのソロダンスも短い。

(ちなみにここ、やたら新井くんのソロダンスに当たりました。あとは男女ペア、男3人ラインダンスが1回ずつ。福岡楽は女性のエンドレス側転!

この場面で1番大切なのは「ビクターとアンリの関係性をしっかり見せること」だと思うんですね。このシーンまでに2人の関係性を描き切らないとこの後がぼやけてしまうから。

そのために周りが控えめならそれはわかる。

でもそれもイマイチ出来ていないのでとにかくパッとしないシーンになってしまっているように思いました。。

 

楽日はね!アンサンブルも盛り上がりがすごくて、小西アンリも「ビクター!」って呼びかけを入れたりで割と楽しかったんだけど。。

それでもやっぱりそもそもの作りに限界がある気がするので、ちゃんとどちらかに振り切ってほしいなあとおもいます。

(2/18追記)「いいぞビクター!」って呼びかけが入ったり、接触も遠慮なく、仲の良さが伺えて良かったです。世話焼きアンリ可愛かった。

 

<韓国版>

観たときの記憶があまりないので、、映像になってしまいますが、アンサンブルのダンスもしっかりあってショーアップされている印象。

そしてアンリがビクターを励ますために率先してテーブルに乗って踊って見せたりする。可愛いの天国じゃないか。。

 

歌が終わり、床にひっくり返ってじゃれ合うビクターとアンリ(可愛い)。

楽日は、アンリにビクターがのしかかっていたようで「ビクター!重い〜笑 あははは!」って。

死ぬほど可愛かったし私はなんて惚気を見せられてるんだ…ってなりましたw

そしてルンゲの登場に2人で「でた!ルンゲ〜!あははは!」楽しそうすぎかよ。

つられて一緒に笑うルンゲ。なんだお前も可愛いなあ!!

 

脳が見つかったという報告に喜び、「お前は本当に良いやつだ!」とキスして出て行くかっきービクター。

フレンチキスしまくったりディープだったり、

楽にいたっては1回胸をトンと叩いて通り過ぎ、振り向いて「これが欲しいんだろ?」としっかりキス。

スリルミーの彼の降臨にひっそり沸き立つ客席のオタクたちww

*和樹アンリ

コートの内側をゴソゴソ探ってお金がないことに気づき、「お前は本当に良いやつだ!」とルンゲに会計押し付けて出て行く

*小西アンリ

初めから払う気ゼロ。「ルンゲちょっと!」と呼びつけて、「お前は本当に良いやつだ…」でキス。

あれだけ殻に閉じこもったようだった小西アンリはすっかりルンゲに心を許しています。

毎回ご満悦のルンゲが可愛かった。

 

法廷

♪殺人者

それまでのほのぼのした雰囲気から一転。殺伐とした空気の中、連行されるアンリ。

ウォルターと葬儀屋殺害の容疑で逮捕されてしまった。のですが、思いっきり民衆の中に混じっているウォルター新井くん。

帽子くらい衣装増やせばよかったのに、、と思うくらいにはすぐ分かります←

ウォルターの母福田えりさんが激ウマです。

(あの悪魔を)「死刑にしてっ!」の叫びと「♪息子を返してー」の歌い上げが素晴らしい。

(2/18追記)舞踏会でウォルターと組んでた谷口さんが泣き崩れてた。恋人設定だった模様。

 

怒り狂った民衆が去って、ルンゲ、エレン、ジュリアが登場。

結果→何があったのか解説というスタイルですね。

お金目当てでウォルターを殺した葬儀屋にキレたビクターが石で殴り殺しちゃったという話。

韓国版では影絵で再現されていたと思うんですが、、日本版はルンゲの語りと回想アンリの登場。

このままではアンリが処刑されてしまうと、3人でビクターの元に向かいます。

椅子の上に体育座りになって動かないビクターにエレンがなぜ黙っているの!と話しかけます。

私が見た印象では、エレンに「まさかアンリの首が欲しいの?」と言われての反応は、

考えなかったわけはないけどそこまでそれしか見えていなかったわけではないんじゃないかと思うんだよね。(表現がまわりくどい)

エレンの「ギロチンで首を切られてしまうわ」という歌詞で、よりアンリが死ねば首が手に入るという事実が浮き彫りになる感じ。

(2/18追記)福岡楽では上の印象がガラッと変わり。明らかに首欲しそうでした。絶対このまま時が過ぎてアンリの首を実験に使えることを考えてた。

 

「ビクターもう時間がないの!よく考えなさい!」とエレンが出て行った後、ルンゲとジュリアは何があってもビクターの味方だと告げて去っていきます。

ここで♪僕のそばにいちゃ呪われるよ、僕のそばで君が傷つくこと、それが今でも怖い(大意)と初めてジュリアとビクターが言葉を交わし(?)ます。

ただ、触れようとするジュリアを避けて目も合わせないビクター。 

 

♪僕はなぜ?

おかしいのは分かっている。自分の罪を友がかぶろうとしているのを黙っているなんておかしい。

そんなことちゃんと分かっている。

でも、「沈黙に笑うが響く」「命を創るという強い衝動」そんな言葉にビクターの狂気が垣間見えます。

結局、アンリを見殺しにしない、真実を話すという選択に行き着きますが、、

そこまでの葛藤、理性と衝動の激しい戦いがすごい。観ているだけでも息が切れそう。。

特にかっきーはその手の激動する心、葛藤の表現が絶品だなと思います。

本当に素晴らしい。

(2/18追記)上に書いたように福岡楽は明らかに首を欲しがっていて、生命創造への欲求が今まで以上に強く感じられた。

欲しい欲しい欲しい…そう渦巻く欲望がビクターの周囲を覆い尽くしているのが見えるようで。そこから踏みとどまるためのエネルギー量は凄まじいものでした。。

 

 

とまあ決意を固めたビクターが法廷で証言するも、

叔父の一言で証言は却下。アンリの死刑が決定する。

ビクターの証言、

和樹アンリー動揺を見せる。なんてことするんだと言わんばかりの焦り。証言が却下されてホッとしたような姿。

小西アンリービクターの証言にもあまり反応をしない。判決をくつがえされないよう、なるべく無反応でいる。

 

刑務所

「アンリ・デュプレ、面会だ。」をすごく低音で言おうとしているのが伝わっていつもニヤッとしちゃう←

 

♪君の夢の中で

さてと、この曲に関してはもう言いたいことがたくさんあるよ。。

まず、この曲はフランケンの代表曲と言っても差し支えない名曲だと思っています。

アンリがどのような人間なのかを伝えるのにとても大切で、アンリがこの作品の主役になるのに欠かせない曲。

韓国版を観たとき、カテコで最後に出てくるのがビクターなことに違和感があるくらいアンリ&怪物の存在感、重みが凄まじかったのです。

ビクターは基本振り回される側だと私は思うので、アンリ&怪物には絶対的な作品の軸になってもらわなくては困る。そこが主役になってなんぼ。

この曲に限らず、アンリ&怪物のソロ曲はそれだけの役割を果たすための表現手段として用意されていると思います。

歌いこなせればそれだけでも十分この役が表現できるように作られている。

 

正直な感想として、、

今回のアンリお2人は全く歌いこなせていなかったと思います。

この曲に関わらずだけど特にこれは…

お2人ともビジュアルも素晴らしいし←演技の繊細さ、熱さ、役の作り方は素晴らしかった。

大好きなアンリ&怪物です。

でもこの作品は難曲の数々を歌いこなせて初めて成立するものとして作られている。

歌いこなせていない、楽曲の良さが伝わってこない、これは致命的です。。

ビクターのお2人がこの作品を歌いこなせる歌唱力の持ち主だっただけに余計にアンリとビクターの差を感じてしまった。

辛口で申し訳ないですが、歌唱力不足は明らかでした。

 

さらに、、もう1つ。致命的なのが訳詞の酷さ。この曲に限らずだけどね。。

冒頭から「夢見る君の瞳に僕は恋をした」ってなんやねん。

ジャージー・ボーイズか!?いやジャージーは良いんだよ。

この作品のこの曲においてその歌詞は違くない?

あとは「君に逢っていなけりゃ」、「ゆーめーのーなかでー!」。

もう何度ずっこけたか分からない。。

アンリの熱演に引き込まれかけていても歌詞で冷める。

再演の際は絶対に改善していただきたいです歌詞。。

 

とまあ不満爆発でごめんなさい。

でもこの曲は本当に悔しかったんだ。。

♪僕はなぜ、♪君の夢の中で、♪偉大なる〜、この3曲の流れ素晴らしいのに、、

 

ここからは色々言いながらも良かったことを!

*和樹アンリ

比較的「生」に執着の強そうなアンリ。舞踏会でも普通に社交性あるし、ビクターと出会わなければ(将校にも会わずw)普通に普通の人生を送れたんじゃないかと思うんですよね。

そんなアンリがビクターのために、ビクターの夢のために、自らの犠牲を決意する。

でも生への執着を決してビクターには見せないようにする姿が辛い。

そして何より崩れ落ちたビクターを抱きしめる角度が見事!

日本版は隔てるものがないから抱きしめられるのは良いよね…!!

メロディも韓国版になるべく近づけ、ラストも上げています。

本人比で本当に上手になったよね。。

楽には袖に入ってからも涙が止まらなかったとか。観たかったなぁ。

*小西アンリ

ビクターと出会って人生を楽しみ始めていたけど、もともと生に執着のなさそうだったアンリ。

「運命だったと思って!」も自らがそう思っている感じがしてしっくりきます。

自分がビクターと出会い、救われたのはこの日のためだったのだと。

出る音域はとても心地良いんだけど、使う音域が狭いので盛り上がりに欠けるのが残念です。。

楽日以外は比較的最後まで揺らがずに運命を受け入れるアンリ、という印象。

でも楽日は別人のようでした。

そもそも城や酒場でもやたら心の距離の近さを感じていたので、今日のアンリだったらそうなるか、、という。

基本的に運命だと思っているのは変わりないけど、そこに「もっとビクターと一緒に生きたかった、夢を叶える姿をそばで見たかった」という想いをひしひしと感じた。

そして(新たな世界描く君の)♪夢の中でー の前の一呼吸。

感情が溢れ出し、落ち着けようとしても呼吸が整わないアンリ。

客席も舞台上の民衆も、固唾をのんで見守っていました。

あんなに全員が集中して空気が張り詰める経験久しぶりで鳥肌…

(2/18追記)福岡楽、、東京楽のような感情が溢れ出て呼吸が整わず、、というようなタイプの感情の揺らぎはなかったんだけど、また深かった。。

裁判終わりで叫びながら連れて行かれるビクターを見つめて目に涙をためるアンリ。

ビクターを救えたという若干の安堵とともにもうこれでともに過ごせる時間が終わるのだという事実、想像されるビクターの嘆き悲しみが押し寄せてきたのかなと。。

公演初期より明らかに感情の揺れが大きくなり、ビクターへの愛情、一緒に生きたいという執着が見えるようになった。

ビクターが牢獄に来た時には、もうすでにどうするか何を言うかすべてはっきり決めていてそれをただ実行しようとしているみたいな感じ。

「どうやって!」「どうして君が僕の代わりに死ぬんだ!」と少し怒ったように噛み付くビクターを「決めたんだ」の一言で突き放すアンリ。。

♪自分が恥ずかしく思えたよ を聞いて一気に泣き崩れるビクター。アンリからのここまでの想いを受け取って自分が失おうとしている人の大きさを思い知ったような。

そのあとのアンリの言葉にも違う違うと首を振るビクター。

でもアンリは「泣いちゃダメだ約束しろ」と泣きじゃくるビクターを抱きしめて「君の夢の中で生きられるなら幸せだ」と言い聞かせ、そしてビクターを振り払って背を向けて離れるのです。

「君の見せてくれた未来はここで終わるけれど」の悲しみ苦しみの表情と、「どうせ君に会っていなけりゃこの人生なんてなかったのさ」と歌う晴れやかな笑顔の対比に胸が苦しくなる。

それでも最後まで「ビクターのそばでもっと一緒に生きたかった」という想いは消え切らなかったように思う。

特に小西アンリはビクターの最後のストッパーを外してしまった感じがすごい。そりゃこれだけの想いを残されて親友が自ら死に向かってしまったら、ビクターはやらざるを得ないしそれに耐え切れるほど強くもないんだよ。。

 

それにしても「もし君が死刑になったら?」と言われてとっさに何も言えないところがなんというかまあビクターだよね。。

連れて行かれる時に子どものようにアンリの名を呼んで泣き叫ぶ姿がすごく印象的でした。

 

 

 実験室

♪偉大なる生命創造の歴史が始まる

この曲は東京楽が凄かった。。

血に染まった袋に入ったアンリの首に頬ずりするビクター。(狂気…)

そのあと口に何かを加えてくるからまさかこんな状況で煙草吸ってるのか!?と思ったらペンでしたww

もうこの曲はすごいよね。。

ものすごく興奮しているように感じるかっきービクターだけど音程は乱れず。どこか冷静なところを残しているんだろうな。圧巻です。

自分がすべきはアンリを生き返らせることだと確信し迷わず突き進む。

「愛おしい魂 聞け!」が好き。

 

外に出て戻ってきたビクター。

ベットの上で四つん這い状態で体を曲げ「クックックッ」と狂ったような笑いが溢れ出る。

あの瞬間はついに人類創造に成功したという興奮に狂っていると思います。

「アンリ、こっちにおいで!ゆっくりでいいよ!」と赤ちゃんに話しかけるように呼びかけるビクター。でもやっぱりおかしい。

首を絞められても気にしなかったけどルンゲが噛み殺されて初めて冷静に現実が見えてくる。

せめてあと10分様子を見ていれば絶対に結果は違ったと思うのに。。

 

*和樹怪物

赤ちゃん。完全に生まれたて赤ちゃん。殺意悪意ゼロ。

首を締めるのも後ろから抱きついたのが力加減馬鹿だっただけ。

痛いことされたから怒った。反射で身を守るために攻撃した。

鎖で遊ぶ姿もどう見ても害ないのに。

(音がしたー!何これー!また音がしたー!!たのしー!)って感じ。

あのまま危害を加えず教育をすれば間違いなく普通の生活を送らせることができた。

アンリの記憶はないにせよ実験の成功だったと思います。

*小西怪物

 顔つきが怖い←闘技場までずっと口が歪んでいます。カジモドのような歪ませ方。

目つきや表情もゾッとする感じ。誕生直後は凶暴で殺意もありそうだけど、鎖で遊び始めたくらいから穏やかになってきて、

ビクターが首に鎖かける前にはコートの襟ぎゅーって掴んで笑ってて、真後ろにビクターが来た時には幸せそうににこーってしてるのに。。

ちなみに鎖のところは(…!?なんだいまのは…音がしたぞ…これか…楽しい…)って感じ。

(2/18追記)本能で動いてるんですよね小西怪物。ルンゲを噛み殺した後も口の中に残った肉がまずくておえって吐き出す姿とか鎖で遊んでる様子とか。

 

 

ルンゲ、前楽では「坊っちゃん…」と呟いて生き絶えていました。。

エレンは途中でショックで気絶するんだけど、膝ついた状態から真後ろに綺麗に気絶するのがちょっと面白い←

 

怪物が逃げ、創造にも失敗、ルンゲは死に、友はどこにもいない。

「アンリー!」の叫び、途中からラストオクターブ上げるようになりましたね。

楽日には幕が降りきってからも響く叫び。割れんばかりの拍手でした。。

(2/18追記)福岡楽ではさらに伸びが…!!幕が閉まりきっても数秒間歌声が聞こえて来ました。もうちょっとゆっくり幕を閉めてくれても良かったのに…!と思う。

 

長い、、意味がわからないくらい長い。

1幕だけで1万字を余裕で突破している。。

何としてもこれは最後まで行き着きたいので頑張ります。。

 

フランケンシュタイン日本初演の覚え書き 1幕その1

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1月29日、フランケンシュタイン東京公演が千秋楽を迎えましたね。。

おめでとうございます!!

ビクターはかっきーに絞り、柿澤×加藤ペア2回、柿澤×小西ペア3回。

ラスト2回がかきこにだったせいで小西アンリの感想が濃いめです。

 

オーヴァーチュア

久しぶりの生オケミュージカルだったので、オケ演奏のオーヴァーチュアがあることに興奮!!やっぱり生演奏は良いものだ。

指揮者の方は黒い帽子を被られているのね。

 

実験室

1幕ラストとリンクする怪物誕生シーン。

すっごいハアハアして怪物を連れてくるビクター。

もうここで体つきが違う!!

*加藤怪物ーがっしりした体格。かなり強そう。

*小西怪物ーすごい好きな身体〜〜脚が綺麗だよねほんとにね!

どちらも人間離れした動きが見事。気持ち悪いくらい。

ベットに手をかけて立ち上がろうとするところ、足の甲で立っている姿が印象的です。

 

エレンとルンゲの呼びかけは録音?生?あんまり大きな違いは感じなかったけどどっちだろう。

 

ワーテルロー

舞台は一気に戦場へ。

将校の安福さんが良い声!男性陣が銃を持ってダンスしながら歌います。

そこへアンリと看護師2人が荷車に怪我した敵兵を乗せて登場。

(これ、ご本人のツイで見るまで2人が看護師だって全然気づかず←てっきり敵兵の家族かと思っていた)

「静かにしてくれ!これから足を縫い合わせる」と言うけど、将校によって射殺される敵兵。

救えたのに!良心はないのか!と訴えるけどスパイの罪で射殺されそうになるアンリ。

敵兵を救おうとしてスパイ、しかも俺が決めたからって。。戦場はめちゃくちゃだな。。

*和樹アンリー生命力がある。食ってかかる勢いが激しい。「ない、殺せばいい。」も悔しさが滲み出てる。音が上がるところもしっかり出るので心地よい!

*小西アンリー縫合をしようとするセリフに感じる冷静さと医療従事者としての雰囲気。でも食ってかかるときの興奮はアンリの信念を感じさせる。(ただ♪戦争だろ♪なぜスパイなんだ の上がるところは出ない。)

「ない、殺せばいい」は一気に冷めた目をします。

 

「アンリ・デュープレ!!」って声とともに♪僕はなぜ のイントロメロディが流れ、ビクター登場(超ドヤ顔)

そのあとキラキラキラ〜みたいな音楽が流れるあたりも少女漫画の登場っぽくて面白い。ルンゲも一緒にやってきます。

 

ビ「君は今日から私の部下になった!」

ア「お言葉ですが〜〜参加したくありません。」

ビ「それではあのバカ(破裂音超強調)に殺されたほうがマシだと?」

とか将校への馬鹿にしたオーラ全開の「祖国に栄光を」とか、

ビクターの高慢キャラを登場から惜しげも無く発揮するかっきー。

 

研究室

韓国と比較してセットがしょぼいのは仕方ない。。

まあ戦争中ですもんね。。

ルンゲの和みtime「口答えするな若造め!坊ちゃんが仰りたいのは…!」「…ルンゲ」

(2/14追記)ここで舌をコッコッと鳴らす柿ビクターうざい〜好き〜

 

「人前で坊ちゃんと呼ぶな、話の途中で口を出すな。そう仰りたいんでございましょう坊ちゃん!」

(睨まれて)「やだ…そんな睨まないでください。鋭い眼差しで恋に(ポーズ)落ちてしまいそうです」

「ちょうど晩御飯の支度をするところでした。」の後はアドリブ。

初めのうちはビクターもコメントしていたけど、「カレーが良かった。。」とかね。

だんだんため息をついてすぐ次に進むようになっていました。

千秋楽はついにルンゲが「カツカレー!」と。

ルンゲが去ってから無言でガッツポーズをして喜ぶビクター。可愛いww

そっから本筋に戻る切り替えがなんだかリアルで好きでした。

(2/14追記)福岡楽はチキンカツ。流すかと思ったら少しおいて、チキンカツ…とつぶやくビクター。

一応嬉しかったのかな?笑

 

アンリの発言もどんどん論破するビクター。ただアンリも納得はしていない。

アンリの「(命を想像するなんて)神は〜」に対しての「神は決してお許しにならない」を被せ方が本当に高慢で上手かった。。

 

♪ただ一つの未来

地上にいた2人→ビクターが1番高い場所へ→アンリが中腹へ→最後には1番高いところに2人、握手をする

って高低差のある構図が良いなぁ。

楽ではビクターがしっかりアンリの手を両手で握っていました。

 

*小西アンリ

しっかりビクターの話を聞いて言葉を返しているのが印象的。

特に「詭弁だ、科学の役目は〜」の前の折れが好き!

そんな小西アンリが気持ちを変えるタイミングは見ていて明らかに分かります。

「大きく目を開け見るんだ〜」からビクターが指し示す手の先。

そこに目をやったアンリは明らかに表情を変えて揺らぐ。

そして一緒に「未来を変えてやる〜」と歌う。

決してビクターの考えに全て同調したわけではないと思うけど、「何もしない偽善者」でいるのはやめようと決意をしたように見える。

(2/14追記)「神は信じている心から」のあとの「では!」と食いかかるのが好きだった。

アンリが揺れたのは「科学が戦争(殺人の道具)に利用されている」という部分だったのかなと思います。

科学が殺人の道具として利用され人類が滅亡に突き進んでいる、そこに絶望していたアンリ。

理想は違えど世界を変えたいという想いは一致したのだなと。

 

 

そこに現れるウェリントン将軍(当銀さん)。

身長もあってお顔立ちもはっきり。あの軍服がめちゃくちゃ似合います。格好良い。

なんだかんだ気が合いそうな2人。

「質問ですか、命令ですか(結構平坦な言い回し)」「だから君が気に入ったんだ!」も本当にそういうとこ面白いやつと思ってるんだろうなーって感じ。

 

*和樹アンリ

圧倒的に和樹アンリが好きなのはここの敬礼!名前を呼ばれて階段を降りてくる姿もだけど軍人感強いんだよな。感情消してる感じ。

紹介されたときも、将軍を見送るときも、靴を鳴らすのがすごく好きです。

*小西アンリ

無難にこなすけど、それ以上の忠誠を決して見せない感じが良いww

「質問ですか、命令ですか?」の返しは小西アンリが好き。言ってちょっと口角緩めるとこも(おいアンリが笑った!アンリが笑ったぞー!)ってなるww

ルンゲに手を引っ張られて「え?」って漏らす声がアンリの素っぽくて可愛い。

 

ついてこないアンリを呼びに来たビクターに、ルンゲの「質問ですか、命令ですか」

この返しはアドリブでしたね。

私が聞いたのは「給料下げられたいんですか、どうなんですか」「しばかれたいんですか、どうなんですか」「殴られたいんですか、どうなんですか」とかww

「愛されたいんです!」が多かったけど、かきこに前楽のときの、「(自分で胸トン)友よ!って言われたいんです!」が可愛かった!

(2/14追記)「どつかれたいんですか、どうなんですか」「少しだけなら…」「…無理っちゃ」方言ネタ可愛い。。

 

去って行くビクターとルンゲの姿をふっと笑って見送るアンリが良いよね!!

あ、2人に心許したなってのが分かって。そのあとのソロが終わって、追いかけて行くのも好き。

 

<韓国版>

このシーンというか「質問ですか、命令ですか」「お願いだ、友よ」のやりとりは、とても重要なポイントだったと感じたのよね。

アンリにはこの呼びかけはかなりグッと来たと思うし。日本版はあっさりしすぎてさらっと流れてしまっていた感じ。もうちょっと重みを持たせてくれても良いのに。。

 

ステファン邸

谷口さんのドレスが可愛かった〜!というかドレス似合うな…スタイル素晴らしいな…

貴族シーンで頻繁に相手に目を合わせて微笑むところ好きでした!

ウォルター(新井くん)とのちっさい元四季ペア可愛かったですw

♪平和の時代

相島ステファンのソロはここくらいなんですが割とずっこけます←

まあでもステファンは割と普通に良い人、というか別に悪い人じゃない。

ビクターの行動に対しては当然の態度かなと思うし必要以上に悪くもしていない。

勲章をもらったから期待したけどあっさり裏切られます。

「挨拶もなしで行くのか?」という叔父に対し、ため息をついて平坦な「ただいま帰りました」。首だけ下げる挨拶だったり、嫌味っぽく深々頭を下げてみたり。

(2/14追記)東京公演ではずっと鍵の束を指で回していたけど、福岡楽ではなし。

正直上手くできてなくて気になってたのでやめてよかった←

 

ウォルターに対しては普通に応じようとしたけど、親が引き離すからまた壁を作ってしまう感じ。

公演初期は「ドイツの女性はおデブちゃんだからやる時は電気消せよ」だったのが「ドイツの女性はおデブちゃんだから脱がせてがっかりするなよ」に変わっていきました。

たまにビール腹とか言ってたけどw

 

*和樹アンリ

社交性あり。話しかけられたら普通ににこやかに談笑。ルンゲに呼ばれて、「失礼します」と挨拶をしてエレンたちの元へ。

*小西アンリ

社交性ゼロ。お客さんたちと交流する気ゼロ。話しかけられるの嫌そうw

ビクターがいれば十分。ビクターに呼ばれれば速やかにそばに行く。忠犬。

(2/14追記)基本ビクターしか見ていないよねww

取り巻く空気が穏やかじゃないこと、ビクターが落ち着かずイラついてることを察してまわりに軽く敵意を抱いているような感じがする。

 

このシーンでエレンとジュリアが初めて登場。

「弟は…もう子どもじゃありません」と話すけど影で色々言われて悲しそうな顔。

醸し出される雰囲気は姉というより母。すごーく苦労して来たんだろうというのがよくわかります。色々酷いことを言われたりしながらも自分を削ってビクターを守って来たのよね。

ジュリアは登場早々、「会いたかった!」をスルーされる辛すぎる展開。

あんまり気にしちゃダメよって、さすがにそれは無理っすよエレンww

 

♪独り言

別名私の思い違いソング(違)

やっと会えたのに、、ずっと会えない寂しさに耐えて来たのに、、約束を信じ続けて、思い続けてたのは私だけだったの?勘違いだったの?って歌ですね。

(2/14追記)福岡楽では歌い始めからラストまで涙を目に浮かべ歌も少し泣きながら。終始泣き虫なジュリアでありました。

<韓国版>

韓国版では再演時にこの曲と2幕頭の結婚式ソングはカットされてるはずです。

なぜ復活させたのか、、私には理解ができませんでした。。

そもそもこの物語の軸にするにはジュリアは半端な存在だと思ってるので、、妙に比重を重くすると作品のバランスが崩れてしまうと思っています。

キムは好演していたと思うけど、やっぱりここでジュリアがこの曲を歌う必要性を私は感じない。

 

フランケンシュタイン

そうか、、あれは城だったのか。

まあ20年以上経ってるんですもんね。廃れているのは仕方ないか。

ビクターの元に訪れるエレン。ところが扉から現れるのはアンリ。
エレンに丁寧に対応するアンリにキュンとするポイントです!(?)

ビクターの様子を聞かれ、

「戻ってくるときから様子が変なのです。何かに取り憑かれたようで。町の人も冷たく、石を投げつけてくる老人もいました。一体どういうことなのですか?」と。

(2/14追記)何かに取り憑かれたよう、と何かに怯えたよう、の2パターンあるっぽいですねここ。

 

事実を伝えるか迷い、ビクターとの関係を聞くエレン。

*和樹アンリー「友だちです!」不自然wwすごく不自然wwなんでそんなムキになってるみたいな言い方するのww

*小西アンリー「友だちです。」重い。その一言ですごく重い。「友だち」の響きに含まれる愛情が凄い。

それぞれ角度は違えどwwビクターが心を許している相手だというのはエレンに伝わったんだと思います。

「ビクターについて知っておいていただいことがあります。悪い噂として耳にする前に事実をお伝えしたいのです。(曖昧)」

「よろしいでしょうか。。」に答えるアンリが優しいです。

 

そして始まるビクターの過去回想。。

⇨1幕その2 に続きます

ノートルダムの鐘 アンサンブル

劇団四季 ノートルダムの鐘

私はいつもアンサンブルが全然判別できないんですが、、

ノートルダムはだいぶ分かりやすい!

 

印象に残りやすかった役や歌詞、セリフなど。。

アンサンブルまとめです。

特に目立つ役は青字にしてみました。

2018年6月25日更新

 

*「」…セリフ

* ♪…歌詞

*『曲名』

 

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男性アンサンブル 

1枠 鈴本務さん、野村数幾さん、寺元健一郎さん、塚田拓也さん

アンサンブルの中で1番目立つ存在といっても過言はないと思います。

フレデリックとして数シーンに渡って出演&ソロも多く心の移り変わりをはっきり出さなくてはいけない、歌・芝居ともに高い実力を求められる枠。

フィーバスとどんな関係性を築いているかにも注目です。

ノートルダムの鐘』

♪街は目覚め(みんな今日も)働くよノートルダム

♪ある日孤児の兄弟2人引き取られた(5枠とユニゾン

→下手でフロローのマントを受け取る

(フロローは位を上げていく)で5枠とフロローに衣装を着せる

ジェアン死のシーン、舞台寄りで手すりにもたれる。

『陽ざしの中へ』

「王様や聖人」

カジモドのベンチを傾ける1人

『トプシーターヴィー』

♪仕事休んで(5枠とユニゾン)→下手後ろからマントを脱ぎ捨て前方へ

副官フレデリック

ジプシー3枠を捕らえる。体を調べて「何もありません!」

クロパン、エスメラルダが消えた後「奴がいる!」

『God Help』

上手階段途中。その後フレデリックになってフィーバスに付き添う。

『世界の頂上で』

上手バルコニーで♪信じれば危険だよ

『酒場の歌』

酒場でフィーバスと同行。

「友人のフレデリックも同じだ。(フィーバス)」の台詞で名前とフィーバスとの関係が分かる。

エスメラルダ』

ルイ11世の右側に控え、そのままエスメラルダ探しに参加。

「中には誰もいません。」

「副官、君が指揮を取れ。(フロロー)」を受け、「聞こえただろう!」と命令。

エスメラルダに剣を奪われる。

『奇跡御殿』

カジモドのダミー役。

ノートルダムの鐘rep.』

♪パリでは見せしめの処刑がよく行われた

『Someday』

「はい、閣下!」×3(牢屋にて)

「金ならいりません隊長!…夜明けにまた来ます。」

『フィナーレ』

「聖域は法律で守られています!」

「見ろあそこだ!あんなところにいる!」

 

鈴本さんー細め。薄めの顔。

後輩体質っぽい。あまり強くはなさそうだが仕事熱心で命令に忠実。高音が伸びやか。

野村さんー兵隊として有能そう。たぶん強い。フィーバスと仲が良い。

フィーバスの反逆後の戸惑いが大きく、牢屋のシーンも熱い。襲撃の際には十字を切る。

寺元さんー丸顔。良い声。

フィーバスの反逆にとても動揺する。2幕頭の嘘も言わされてる感溢れる。

塚田さんー横浜公演で鬼のようなイケメンフレデリック爆誕。

他の人との絡みになんとなく引っ込み思案な感じがしますw高音も安定。声も良い。

2枠 安部三博さん、山田充人さん、日浦眞矩さん、奥田直樹さん

今までのキャスティングはいかにも歌枠!って感じの体格の方が多い2枠。笑

でもその割には歌より台詞の印象が強いです。

クワイヤから(物理的に2階から)降りてきた方が多いのも特徴的。

『トプシーターヴィー』

初めにカジモドにトマト投げる人。

「あんなんで醜いってのか?」

「何やってんだよ!せっかく楽しんでたのによ!」

『世界の頂上で』

♪ここまで

エスメラルダ』

ルイ11世

『奇跡御殿』

「逃げる支度しなきゃ。」

「あんたなんかにゃ捕まんないよ!クロパンはあっという間に街から抜け出すさ!」

 

安部さん、山田さん小柄。バブカックぽい。4人ともお顔は似た傾向。 

安部さんは顔芸とオフマイクが激しいですw(横浜)

3枠 大空卓鵬さん、小田春樹さん、村山剛さん

役者さんが変わるとガラッと印象の変わる3枠。

割とダンス枠かなと思いますが目立つ台詞も多めです。

ジプシーメンバーの中では1番目立つ存在かな。

ノートルダムの鐘』

「大聖堂のアーチの下に現れたその男を恐れていた」

『陽ざしの中へ』

1人目のガーゴイル

銅鑼鳴らす係。「飛んで行きたいって思わない?」

「怪物や悪魔の石像」

『トプシーターヴィー』

赤ベストのジプシー。盗みで捕まる。

カジモドに台の上から投げ飛ばされる。その後鞭打ち男。

『酒場の歌』

下手バルコニー、4枠がソロを歌う横で楽器を弾いている。

エスメラルダ』

ルイ11世の左側にひかえる。
♪狂気に満ちた大騒ぎが街を飲み込んだ〜

 

2幕頭、フィーバスを連れてくるひとり。(もう1人は男8枠)

エスメラルダ、急いで!」

 

大空さん ー小柄。銅鑼を鳴らした時の面白い顔は大空さんオリジナル。

ジプシー役の時は前の出来事を引きずっていたり芝居が細かい。

小田さんーひょろっと細身で少し疲れたようなお顔。

村山さんー横浜新キャスト。芝居は割と大空さんを踏襲気味。良い声。

 

4枠 賀山祐介さん、小出敏英さん、川原信弘さん

ジプシーならびに歌重視枠。

アンサンブルの中でも特に浅黒い肌にしているような印象です。

3枠とのジプシーコンビに注目。

ノートルダムの鐘』

「パリの市民は大聖堂に集まった」

『陽ざしの中へ』

「カジモドにとって大聖堂は単なる家ではなく宇宙そのものだった」

『トプシーターヴィー』

ジプシー。エスメラルダを担ぐ1人。

『酒場の歌』

抱いてよ朝まで の冒頭ソロを下手2階で歌う。茶色ベスト。

奇跡御殿でエスメラルダを取り押さえようとする。

 

賀山さんー身長高め。黒髪髭。酒場ソロが絶品。

小出さんー丸顔。安部さんと区別が難しい…

お顔の色がいかにも塗ったんだなぁという感じで少し不自然笑

川原さんー横浜新キャスト。気持ち賀山さん寄り。首が太くてしっかりしてる。酒場ソロの歌い回しが好き。

 

5枠 高舛裕一さん、中橋耕平さん、佐瀬龍城さん

1枠についで目立つと思われる5枠。ほぼソロナンバーの『エジプトへの逃避』があります。

アフロディージアスとその他の時の雰囲気が全く違うので意識しないと同一人物と思わないかも。

がっつり歌枠ですが、リッチマンにはコメディセンスも必須!?

ノートルダムの鐘』

♪みんな今日も働くよノートルダム

♪ある日孤児の兄弟2人引き取られた(1枠とユニゾン

→上手でジェアンのマントを受け取る

♪フロローは位を上げていく誰より早く

『トプシーターヴィー』

♪仕事休んで(1枠とユニゾン)→上手後ろからマントを脱ぎ捨て前方へ

フィーバスに女の子を取られる

ジプシーを捕まえさせたりする青の大きめの帽子をかぶった偉そうな人。

(エスメラルダでも登場)

『God Help』

♪哀れなカジモドすごすごと引き返した

エスメラルダ』

♪でもそこのマダムは何も知らないと

アフロディージアス。

『フィナーレ』

「手すりを乗り越えた!」

 

高舛さんー身長高め。薄顔。偉い人の役作りが絶品。小指に注目。小走りも役がしっかり反映されている。

中橋さんー身長高め。アフロディージアスの首使いが異様に上手。

佐瀬さんー横浜新キャスト。とっても良い声!!この枠はなんとなく雰囲気や顔立ちが似た傾向にある。

6枠 平良交一さん、金本和起さん

重厚な低音担当のザ・歌枠。

ルイ11世のおふれで美声が響きますが、持っている紙が地味に小さいのをぜひ見てください。笑

フィナーレの6枠ソロを聴くと、ノートルの世界と現実世界が少しずつ混じり合ってくるのを感じます。

ノートルダムの鐘』

ジェアンを追い出すデュパン神父。

『陽ざしの中へ』

「その子は正しい。けしかけるんじゃないよ。」

『トプシーターヴィー』

横柄な態度の男。

みんなで回る振りのとき、カジモドを引き込む。

エスメラルダ』

ルイ11世のおふれを下手2階で歌う。♪国王陛下の命令だ〜

『奇跡御殿』

上手から来る怪我の人。

『石になろう』

カジモドに♪もし石になれたら と詰め寄られて上手で石像ポーズになる。

全体的に低音担当。

『フィナーレ』

♪世界は残酷だ


平良さんー白髪年齢高め。デュパン神父は素晴らしい貫禄。怪我が治ったときのはしゃぎっぷりとかかわいい。

金本さんー体格良い、顔大きい、薄めのお顔。市民やジプシーの時、とても楽しそう。

7枠 佐藤圭一さん、宇龍真吾さん、手島章平さん 

冒頭から役名ありソロありのキーパーソン、ジェアンを演じる7枠。

見逃しようのない役ですがあっという間に死んでしまうので目に焼き付けてください。笑

オールマイティー美声枠。

ノートルダムの鐘』

ジェアン。(フィナーレでも登場)

『陽ざしの中へ』

「そこには大理石の石像がたくさんあった。」

『トプシーターヴィー』

タンバリンのリズム、リフト要員。

『世界の頂上で』

♪ためらうな

エスメラルダ』

下手から松明を持って登場する警備隊

♪フロローは命令を下した権力を使い

エスメラルダという女を探している。」

『奇跡御殿』

フィーバスのダミー役。

『フィナーレ』

エスメラルダ火あぶりのとき、上手バルコニーでフィーバスを捕らえている。

 

佐藤さんーフロローを軽々持ち上げる、頰がキューピーちゃんみたい。

宇龍さんー死ぬ直前の発作が明確。動きが割とスマート。格好良い。

手島さんー横浜新キャスト。達郎さんの同期らしい。死ぬ直前の痙攣が激しい。スマートな雰囲気のあるジェアン。

 

8枠 吉田功太郎さん、八百亮輔さん、大木智貴さん

これまた役者さんで印象が変わりますが、東京ではキャストの誰よりも連投しまくった功太郎さんのイメージが強い。

他の役と比べ、代表的なシーン!というものがないのですが、

クロバットに歌ソロに熱い恋人シーンに笑、求められるものの多い大変な枠だと思います。

ちびソロが多い。

ノートルダムの鐘』

「大聖堂のアーチの下に現れた、その男を恐れていた。」

♪ある日手紙が届く

『陽ざしの中へ』

カジモドのベンチを傾ける1人

『トプシーターヴィー』

ラストで下手からアクロバットでセンターへ

『世界の頂上で』

♪孤独な暮らしは

『酒場の歌』

抱いてよ朝までの前のカップル、ダンスシーン上手側でアクロバットしてる

 

2幕頭、3枠とフィーバスを連れてくる

「フロローと警備隊がじきに戻ってくる」

ノートルダムの鐘rep.』

♪いま火炙りに使う薪が用意された〜

 

吉田さんー細身で小柄。顔立ち濃いめ。アクロバットが凄い。常に高クオリティ。

八百さんー長身で恰幅が良い。アクロバットはどたどた気味。

大木さんーひょろっとした印象。顔含め全体的に格好良い。歌える動ける。ラストの墨塗りが見事。

女性アンサンブル

1枠 小川晃世さん、平木萌子さん 

ノートルダムの準ヒロインを選ぶなら間違いなく1枠という可愛い枠です←

フロリカもですが、それ以外では唯一明るい髪色なのもあってとても目立つ。

美しいソプラノ枠。最大の見せ場(聴かせ場?)はフィナーレのソプラノソロ。

ノートルダムの鐘』

黒髪ジプシー女フロリカ(カジモドの母)

「お誕生日おめでとうクロード。あなたが欲しがってるのはお見通しよ。目を見れば分かる。ほら、感じる!」

「(ジェアンと)女は出ていった」

 

それ以外のときは明るめの髪色。

『陽ざしの中へ』

フロローが来る前、「カジモド、下に降りて祭りに行ってみたらどう?」

『トプシーターヴィー』

フィーバスに♪お嬢さん聞いて僕の将来は〜と歌いかけられる。

「道化の祭りで人々がこんな真似をしたことはかつてなかった」

『God Help』

♪初めて見る美しさ彼女を満たした

『天国の光』

「カジモド、誰のことを考えたっていいのよ」

『酒場の歌』

抱いてよ朝までの前のカップル。

「暗がりで抱き合う男女の横を通り過ぎると」

 

『エジプトへの逃避』

♪(生まれて初めて)嘘をついた

「どうしたの?怖いの?」

ノートルダムの鐘rep.』

♪物見高い人たちが

『フィナーレ』

ラストの大コーラス下手2階でソロ。フロリカ扮装。

1列になるときは下手2番目。

 

小川さんー可愛い。目がくりっとしてる。ソプラノが美しい。興奮するとセリフが喉に詰まりがち。

ラストのソロ必死にカジモドに歌いかける。悲しそう。

平木さんー可愛い。色白。ラストのソロは微笑んで子守唄のように歌いかける。

 

2枠 大森真理さん、久居史子さん、村木佑衣さん 

少し厳しめというかシビアな面を担当している枠だと思います。強いお母ちゃん感がある。

台詞の印象が強めですが、歌ソロもちょこちょこあります。

黒髪ロング。

ノートルダムの鐘』

「説教を聞きに来たのだ」

「ああ、聞いてるよ」

赤ん坊を抱いてきてフロローに手渡す。

『陽ざしの中へ』

「その気になればいつでも出られるよ」

『トプシーターヴィー』

クロパンに向けて「準備できたわよ!」

『天国の光』

「何を考えろとか考えるなとか、そんな指図おかしい」

『奇跡御殿』

クロパンが姿を消した後、落ちる布幕に駆け寄る。

『石になろう』
1番初めにマントを脱いで「いいよカジモド好きにしなさい」

『フィナーレ』

「彼らは人々に戦うよう呼びかけた!」

鉛が注がれた後、幕の前で逃げ惑う 。

 

3枠 吉田絢香さん、丸山日鶴さん、町島智子さん

これまた役者さんで印象は違うものの、強気でひねくれ者な部分がある、女の子よりな女性かな。

ガーゴイル絢香さんが顕著ですが、他に比べて幼めです。

ラストの演出の先駆けとなる重大な役割。

黒髪三つ編み鬘。

ノートルダムの鐘』

♪時には囁いて

『陽ざしの中へ』

「彼はいつもいつかって言うけど、今日とは絶対に言わない!」

『トプシーターヴィー』

♪今日は(楽しもう)

「あら!あたしたちそういう女じゃないの」

カジモドに石?を投げつけ「召し上がれー!」

去り際にカジモドに唾を吐きかけてフィーバスに腕を掴まれる。

『天国の光』

下手でカジモドとやり取り。
(彼女だ!)「あれは違う」

「それに外なら毎晩眺めてるじゃないの」

『奇跡御殿』

初めにクロパンと現れるジプシー女の1人。

「絞首刑だ!」

下手でクロパンと腕を組んで踊る。

墨を顔に施す初めのアンサンブル。

 

吉田さんー素晴らしきキャラの濃さ。民衆のゲスさとガーゴイルの幼さのギャップが激しい。

丸山さんービーバーっぽいお顔。身長は気持ち高め。ラスト墨を塗るときの泣きそうな表情が素敵。

町島さんーかなり小柄。歌声が素敵で台詞の声も通る。可愛らしい。

 

4枠 原田真理さん、小島由夏さん

他のアンサンブルに比べてはっきりと年齢設定が離れているように思います。

男性6枠と並び、どしっと構えて全体を支えている存在。

明るめ髪色の鬘で1つ結び。

ノートルダムの鐘』

冒頭、「1月6日の朝」

♪一目忍び遠く出かけていく

「フロローはその子に名前をつけた」

『トプシーターヴィー』

「女なら誰でも惚れてしまう、そんな色男」

肉屋さんの彼女?奥さん?

『世界の頂上で』

♪でもこの子は違う

『天国の光』

「彼女のことは考えちゃいけないんでしょう?」

エスメラルダ』

宿屋の女主人。♪怪しい売春宿

『エジプトへの逃避』

「もちろん怖いのよ。当然だわ」

『奇跡御殿』

初めにクロパンと現れるジプシー女の1人。

ノートルダムの鐘rep.』

♪集まり噂をする

『石になろう』

♪どうせ私たち石だものね

『フィナーレ』

♪あなたの心に何かが響いていますように

 

原田さんー貫禄がある。女性アンサンブルを引き締める存在。

小島さんー石像のポーズが綺麗。宿屋の女主人はあまり嫌味っぽくない。

 

 

以上、観劇や思い返しタイムの参考になれば。

追加、間違いなどありましたらそっと教えてください(>人<;)

この作品、アンサンブルさんが分かるとぐっと楽しくなるので

ぜひぜひ注目してみてくださいー♪

 

☆おまけ

ジェアン死亡時のアンサンブル配置。

女2枠はフロローに赤ちゃんカジモドを渡してからこの位置に。

男4枠は正座、男5枠は上を向いてフィーバスにもたれかかっています。

座っているのが男3、4、5枠とフィーバスかな。

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