今年の観劇納めとなった作品。 『ポストマン』
シンプルに言うと、むちゃくちゃ好きだったんですよ。
最後の最後にこんなの出会えちゃう!?12月も下旬に入って?!という気持ち。
もう2017年も穏やかに終われるかなぁと思っていたところに巨大隕石が降って来ました。
どれくらいガツンと来たかというと生まれて初めて同じ作品の同じパンフを2冊買いました。
何か残したい!!と思ったものの、どう書いていいのかまとまらなかったのでひとまずどんな流れだったかの覚え書きをガツガツと。
出演者
(役者…1,3幕…2幕)
海宝直人…合瀬眞人…マルコ
小南満佑子…日高美月…ソフィア
+少女…井出柚花、宮島瑠南(Wキャスト)
奥には渡り階段っぽいセット、手前には道のようなものが斜めに横断しているような。
文面で説明できなくて図を描いたものの私は美術センスが破滅的なことをうっかり忘れていました。辛い。
ニュアンス伝われ…点々のあたりが舞台中央、カーテンのような紗幕があります。
※歌詞や台詞はニュアンスが多いです。
ほぼ確実な自信がある歌詞に関しては「赤字カギカッコ」で書いています。
第1幕
波の音。
少女が現れてオルゴールを手に呟くように歌う。
M1 いにしえの恋歌
「遠い記憶の愛しい人 忘るるな めぐり逢うまで」
そこに現れるのはパオロ、ソフィア、そして眞人。
声を発することも目を合わせることもなく消えていく。
ところ変わって眞人の家。
眠そう&寒そうに上着を羽織ってフラフラ部屋に現れる。
髪もボサボサで半目の寝起き感。カジモドっぽい。尊い。
ぼんやり座って絵を描き始めるとiPhoneに担当者(?)から電話が。
気だるげに出て、「おつかれさまでぇす」「2時間くらいですかね〜(遅いよ!)うそ!あと30分。」「りょうかいでーす」とゆるい若者感。
「あ?」とか「なんすか(ちょっとイラッ)」とかなんともリアルな若者のやりとり。
M2 自分が分からない
ずっと絵を描いてきて、先の見えない仕事だけどなんとか絵を仕事にしてる。
でもこれはなんのため?何かを探している気がする。
完成した絵をスキャナーでスキャンしてPCで送る、っていうのが現代っぽいっすね。
作業をしている時にスマホが鳴って、目をやるんだけど小さくため息ついてマグカップ(きっと前夜に飲み切らなかった飲み物が入ってる。コーヒーと推測w)を1口飲んで軽く顔をしかめてからスマホの元へ。
メールで担当者から新しい仕事の詳細が来ていた模様。
鹿児島県の離島で絵を描いてくれる画家を探しているから受けるなら早く行って、詳しい話はそっちで聞け。的な。
ここで話の時期がクリスマスちょっと前というのが分かります。
「マジかっ!」と声を漏らして慌てて準備をしていると、ふと木のオルゴールが目に留まる。
失くしたと思っていたオルゴール。
母の誕生日にあげようと買ったもの。知らない曲だったけど悲しくて優しい母のようなメロディーに惹きつけられて。
「痛みと同じに情熱も薄まるのか」という歌詞が印象的でした。
ちょっと迷って結局オルゴールも一緒に持っていくことに。
部屋を出る時に右手で右の柱にある電気を消して、そのまま右肩越しに部屋を軽く確認するところ、ツボです。
M3 ポストマン
ところ変わって英二姿の竜治さん。
ですが、曲名にあるようにここは「ポストマン」としての登場かなという感じ。
途中から鹿児島に向かって来て到着したような眞人も同じ曲を、一部デュエットで。
この曲に関しては、現代の、リアル、ではないと個人的には感じています。
出会っていないはずの英二が眞人を見ていることもあって。
「そんな記憶を何度も繰り返して この海で君に出会った」
この歌詞もこの時点での眞人や英二には当てはまらない。
でもここで、M2に引き続き眞人が何かを忘れてしまっている、思い出したいのに掴めない…というような想いを抱えていることが分かる。
曲調が変わって(M4のメロディーですね)、明らかに「現代」になり、眞人がすれ違った少女にスマホを見せて道を教えてもらう。
道を教えてもらって別れて、ふと振り向いた時に少女に向けるニコっとした優しい笑顔が良い。。
※このシーン以降少女は登場時常にブーゲンビリアの花が入ったかごバッグを持っています。
(間に英二はセット転換。ちなみにここるなちゃんの方が長い時間眞人を見送っていた。)
教会にて。
鼻歌を歌いながらオルガンを整理する英二。
そこに訪れる眞人。
「絵描きさん!!」「…はい…絵描きです。」のやりとり。
絵描き、という響きに少し照れるようなくすぐったそうな、自分は絵描きなんだと再度自覚したような眞人の様子が印象的。
英二が眞人の絵を気に入って町長に勧めたこと、
幼馴染が町長の娘(美月)で色々言いやすいことなどなど説明がある。
幼馴染が今の町長の娘で〜と言いながら指を横方向に動かし、色々言いやすくて〜で指を縦方向に上下させる動きが印象的でした。上手い表現だなぁ。
「僕らの街へようこそ!」とやたら握手が長い英二ww
2度くらいチラ見しても離してくれないので半笑いですっと手を引く眞人。
この教会がギリシャの離島にある教会を真似て作られたこと。
でももはやここは結婚式場みたいになっていること。
今その離島に美月が行っていることなどが語られる。
ここでの眞人「彼女さんですか?」の「かの↑じょ↑」のアクセントにまた若者感w
古いオルガンの絵を(自分も一緒に入れて)描いてくれと頼む英二に快諾する眞人。
髪を撫で上げて目力を強くしてポーズを決めるという小ネタありw
何か弾いてと言われて、結婚行進曲(「最近こればっかり弾いてる…飽きたなぁ。。」)のあとに自分の作曲した曲を弾き始める英二。
M4 インスピレーションを掴もう
飼っている犬にしか聞かせたことがないけど英二の自信作。割とアップテンポな曲。
「あと少しで手が届きそうな掴み損ねてばかりの夢を」「追いかけて来た?」
作曲家も絵描きも似てますね!ここなら良い絵がかけそうな気がする。
と一気に心の距離が縮まる2人。
眞人「描いて来た夢こんなもんじゃない もう一度夢を見つけよう」
とぼんやりと仕事で絵を描くことを続けていた眞人が目を輝かせてもう1度夢を見つけようと歌う。
出来上がった絵を褒められても「スケッチは得意なんです」とさらりと答える。
仕事で絵を描いていると分からなくなってくる。自分には本当に描きたいものが他にあるんじゃないかって思う。とこぼす眞人に「綺麗な女の人を描いてみたら筆がのるかもしれませんよ!」と提案する英二。
「興味なくて。」「恋人は?」「いません。」「なんでモテないんだろう?格好良いのに〜」「モテないわけじゃないです。(ちょっとムッ)」
「僕は女の子のためならいくらでも曲作れます!すっごい喜んでくれるんで!」
「いいですねー(爽やかな棒読み)」「ちょっと僕のことバカだと思ってるでしょ!」「…はい。(爽やかな笑顔)」
あたりの掛け合いはご本人たちの仲の良さが上手くテンポの良さに繋がってるんじゃないかなぁと思うような軽やかな笑いどころで良かった。
「眞人さんも恋してくださいよー」と言われて、
自分も英二のように何か凄い作品を世に出したいと思ってるからそれまでは他のことが考えられない。と話す眞人。
個人的に、これすごく「海宝直人のパブリックイメージ」っぽいんじゃないかなと思いました。表現難しいけど。実際に海宝くんがそういう人だと思っているわけじゃなくね。
「僕は運命の人に出会いたいです!…それも夢の一つかな。」ともらす英二。
(これは確実にパオロの運命の人=アンナに英二はこの世界でまだ出会えていないんだなと繋がるし、
そもそも多分先に「手紙を届ける」役割を彼は果たさなければならないんですよね。)
そう言いながらオルガンで弾いた曲はこの島に伝わる作者不明の曲。(いにしえの恋歌)
どこかで知っている…!と気づくもなんなのかは分からないまま、英二を見送ります。
1人教会に残った後も「とおい…記憶の…愛しい人…」とつぶやくように歌う。
気になって仕方がないけど、仕事に集中しないとと切り替えてスケッチに励む。
美月、島に戻っている。
「もう帰って来たの?」「帰って来ちゃいけないのー?(おこ)」「ううん、行けなくない!」のやりとり可愛すぎて、英二を幼馴染にください!!
良いよね、幼馴染って。。
ギリシャの離島での話。
教会の真っ白な壁に絵が隠されていた。女性の肖像画。
落書きにしては油絵の具が使われていて本格的。無名だけど上手な画家がいたのかも。
英二は女性は画家の恋人じゃないかぁとつぶやく。
M5 不思議な絵と歌(たぶん…)
場は違いながら眞人の「何かを描かなきゃ」美月の「この絵を知らなきゃ」が掛け合い「いけない気がする」と重なる。
作品の作りから、どうしても眞人 対 パオロ・ソフィアという印象があるけど、
美月もまたギリシャでこの絵の話を知った時に何かを揺り動かされてここに自分が知らなきゃいけない何かがある、と感じているはずなのよね。
それ以前から何か足りない、喪失感を抱いていたかどうかは本編では触れられていないのでどこまでその想いが潜在的なものだったかは分からないけど。
美月が教会に向かい1人残った英二は、写真の絵を描いた無名の画家と眞人を重ね、
何かを伝えなければ、彼を助けなければいけない気がする…と歌う。
この時点ですでに3人は過去につながる「何か」に触れて無意識の中にもそれを知らなくては、何かしなくては、という気持ちが揃うわけですね。
教会。
集中している眞人を邪魔しないように美月は声をかけずに祭壇の前にひざまづく。
ふっと横を向いて美月の存在に気づいた眞人の、目が大きく開き、吸い込まれるように見つめて震える手でスケッチを始める。
M6 彼女を描こう
なぜだろう、彼女を描きたい、彼女を描かなきゃ
と歌い必死で手を走らせる中聞こえてくる少女の歌声、いにしえの恋歌。
復唱するように「とおい記憶の愛し↑い人」とつぶやき、納得したように(?)筆を進める。なんかその言葉が腑に落ちたように思えた。
初々しいご挨拶。
美月が「私たちの島へようこそ!」という英二と同じ言い回しをするのが面白かった眞人の「はいw」に美月が「なに?」って答えるんだけど。突然のタメ語な!
あの大げささは一切ないのに少し語尾に笑いが混じった「はいw」が本当に上手いなと毎回思ってました。
その笑いを含んでいる様子に、バカにした様子が1ミリでもあったらいけないし、笑顔じゃなくてあの絶妙な半笑いww
この島には綺麗なところたくさんあるんです!全部見て欲しい…(それに答えるはにかんだような笑顔の「はい」はなかなかの攻撃力!)と眞人を外に連れ出す美月。
ここの荷物どうしますか?のくだりはアドリブコーナー。
「お荷物どうします?」「置いておいても大丈夫ですか?(盗られたらどうしますか?)」
「大丈夫…だと思います。」
「この島は安全な島なので。」
「英二がどうにかします。」
「私が戦います。」
「私がやっつけます。」「(眞人)強いんですね…」
とかがあったかなww
毎回頑張るまゆこちゃん可愛かったですw
海宝先生、必ずまゆこちゃんがアドリブ言うように誘導するというか、
自分に向きそうになったら質問返しでボール投げ返すんですよねwwずるいなぁw
連れ出された先は夕日が綺麗に見える場所。(個人的には桟橋のイメージ)
M7 金色の夕陽
「素敵でしょ!」からすぐに「金色に光る夕日〜」って歌い始めるのが大変そうだなと思うんだけど、タイミング合わせてくれる生演奏だから問題なし。
その光景を見た眞人は、どこかで見たことがある気がする。。と記憶の奥で何かが揺れる。
そのまま見つめ合う2人。(BGMがM14本当の恋なのです…!)
「お仕事の邪魔をするつもりはなかったんです!今日は帰りますね!」と明らかに動揺して素早く去ってしまう美月。
前の教会シーンでも英二が「お仕事邪魔してますよね!」と出ていくので、やっぱりこの幼馴染2人似てるなぁと思いますw
M8 なんだろうこの気持ちは
残された眞人のソロ、立ち去った美月のソロ、そして離れた場所だけど少しデュエットという構成。
この気持ちはなに?何か大事なことを忘れて生きていたような気がする、
眞人「なぜか切なくなる」美月「どうしてこんなにも愛おしく思うの」
各ソロの前半は音が縦に並んでリズムを刻んでいるイメージなのに、
「懐かしい風が〜」から急に明るく、まさに風が通り抜けるように横の流れが生まれる感じの曲調の移行がとっても素敵。
理由は分からないけど、でも惹かれる、なにか知っている気がする…と2人が同じように確信するシーンです。
ところ変わって、道。
歩いてきた英二に、少女が突然「郵便屋さん!手紙渡してね!」と声をかける。
なんのことか分からずに少し声をかけるも答えずに走り去ってしまう少女。
??となりつつも、楽譜を教会に忘れたことに気づき、取りに向かいます。
走り去った少女はそのまま後ろの階段道を通りながら♪いにしえの恋歌 を歌う。
そこに美月がすれ違い、そのまま後半を一緒に歌い始めます。
ここで少女はハッと振り返って微笑むけど、美月は前方を見つめてつぶやくように歌うだけで少女の方を向くことはありません。
教会に戻ってきた英二。眞人に絵を見せてください!と頼みます。
おそらくずっと夢中で美月の絵を描いていたんですが、見せてと言われて初めのページを出してスケッチブックを渡す。
(いやー手渡さずに見せるだけにすれば良かったのにwwと毎回思う。)
自分の絵が好きだと言われて「どうも。(にっこり)」とさらっと返すところがなんだかプロだなぁと感じて好き。
勝手にページをめくって美月の絵まで見てしまう英二。瞬時に「っもういいですか!」と奪い返す眞人。
「見せてくださいよ!」「もういいじゃないですか。」「なんで隠すんですか!」「隠してないです。(スケッチブックひらひら)」「じゃあいいじゃないですか!」とテンポ良く面白い掛け合いをする2人。
何としても絵を見たい英二のアドリブコーナー。
「いいじゃないですか。」眞「1日2枚までって決まってるんで。決まりなんで。」
「あっ!」っと他に気をそらさせて奪い取ったり、
「じゃあ絵を見せるのとコチョコチョとどっちがいいですか?」眞「…コチョコチョで。」コチョコチョに負けるパターン、力を入れて我慢するパターン。
「見たいの歌歌うんで見せてください。」眞「見たいの歌…」「はい。」眞「歌ってください。」「見たい〜見たい〜肖像画見たい〜い〜い〜」眞「ダメです。」
とか。合わせ技があったり、いやー面白かったですww
結構遊んでたけど、それに対しての芝居やリアクションでキャラクターがよりはっきり見えた部分もあって、良いアドリブコーナーだったなぁと勝手に思っています。
スケッチブックをゲットして逃げ回る竜治、いや英二の楽しそうなことったらww
ごちそうさまです。
しっかり肖像画を見られて、困ったような気弱な感じの眞人がなんとも可愛い。
英二も、教会のスケッチよりもずっと魅力的に生き生きと描かれていた(であろう)美月の絵に素直に素敵だ!と思ったんだろうし、
大事な美月が眞人にとって特別な存在になりかけていることも嬉しくて仕方ないんだろうなと。
「それにしては気合入ってる…」眞「入ってません。」
「もうすぐあいつ誕生日なので…」眞「いつですか!?(食い気味)」「8月。」眞「随分先じゃないですか〜」とか
若干のからかいが入っているのは否めないけどwwでも嫌味がなくてとても良い。
そしてこう仕掛けられる眞人の間も絶妙で、分かりやすくないけどこれ受ける海宝くんもめちゃくちゃ上手いよなぁと思います。好き。
個人的に好きなのが、
英二の「いいから描いてー!!」と
眞人の「偶然そこにいたからぁ…(´・ω・`)」って弱り切った勘弁してよぉぉって感じの語尾。
ここで「眞人さんのために何かしたい、何かしなきゃいけない気がするんです。」と英二の気持ちが漏れます。
それを聞いた眞人は「なんで…?」ってなるけど。
M9 あふれ出す想い
本当に描きたいものを見つけたんだから「今」書くべき!チャンスを掴もう!と説得する英二。
英二の想いに押されて、再びペンを手に取ると何かに憑かれたかのように絵を描き始める眞人。
アップテンポでリズミカルな曲調。2人の高揚感がそのままメロディーになっているかのようです。
「こんなこと1度もなかった…」とつぶやきながらも夢中で描き続ける。
完成した絵を英二に見せるも、いや違う!とスケッチブックから紙を切り離してしまう眞人。(ここで紙をビリビリに破いたりしないのが良いなぁ。と思う。)
「こんなんじゃない!僕は彼女の笑顔が描きたいんだ!彼女はもっとこう…」ともどかしさが溢れる眞人に、
英二は「美月は良い子ですよ。彼氏もいません( ̄ー ̄)」と声をかける。
前半の「彼女は良い子」というワードは2幕でも繋がるものですね。
後半のニヤニヤした感じはいかにも男子で可愛いww「カレ↑シ」と言ったり、ポンと背中を叩いたりここの言い方も日によって様々で面白かった。
一方、そう言われた眞人は「いやそういうんじゃ…」って返すんだけど、照れ隠しとかじゃなく本当にそうなんだなと分かる。
付き合いたいとか彼氏彼女とかそういうことじゃなくて、ただここに何か大事なものが、自分の求めている何かがあるという確信だけがあって。
漠然と美月に惹かれているけどそれはいわゆるお付き合いとはかけ離れたところにあるんですよねきっと。
もう1回描いてみます。と1人教会に残る眞人。
描こうとするも上手くいかず、ふと持ってきたオルゴールの蓋を開ける。と流れる♪いにしえの恋歌。
これだったのか!でもどうして…と怪訝に思っているところに。。
M10 届けたいあなたに
もうこれまた名曲ですね…ポストマンは良い曲尽くし(というかとても好み)だと思うけど、やはり代表曲というか主題歌的に扱われるのはこの曲になるのかなと。
1幕、2幕共にラストを飾るメロディー。
紗幕越しに姿を現したソフィアに「君は…?」と声をかける眞人。
現実に対面するはずのない2人、この辺りからは人によって解釈が変わってくるのかと思いますが、
個人的には教会でそのまま寝てしまったか意識がおぼろげになってきた眞人が見た夢、幻のような感じかなと捉えています。
音楽が繋ぎ、揺り動かしたかつての記憶なのか、幻なのか。
眞人(=マルコ)だけが、かつての真実を知らないままだった。
彼は手紙を受け取らなくてはいけなかった。
時代を超えてついに3人の人生が交差し、「何か大切なことがある、何かをしなくてはいけない」という気持ちの方向性が一致し、記憶を、そして真実を知るために眞人の心が時を超える。
ソフィア「あなたへ届けたい 手紙を」
眞人「潮風の匂い 懐かしい記憶が 思い出せるはず 今手を伸ばして」
「記憶が呼んでる 大事な約束 今こそ見つめる勇気をください」
パオロ「彷徨い続けた魂目覚める 今こそ奏でよう」
3人「越えよう時を」
基本的にこの3人でがっつりハモると海宝くんの声量がえげつないのですが、
ここではセンターで(きっと意識的に)ズガーンと響かせることもあって、
眞人に何かが起こる、この人が話の中心だと自然に観客に思わせる。
ゆったりと余韻を残しつつほぼ単音のピアノの旋律で終わっていく1幕。
最後の瞬間、眞人がスケッチブックを胸に少しだけ微笑んでいた。。
暗転して、そっとおしまい。
私が観た回は1幕終わりに拍手が入ることなく、劇場中がじんわりと余韻に包まれたまま休憩に入って、それがまた好きでした。
というわけでやっと1幕終了。。また長いね。。
でもせっかく冬休みなので頑張って最後まで書くぞ…