No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

2017レミゼを語る ④エポニーヌ、テナ夫妻、ガブローシュ、アンサンブル

さて、また1週間ぶりの更新。

ついに博多座が開幕してしまいました!

エポのみ長め。それ以外の方々はわりとさらっとした記録です。

関連記事

2017レミゼを語る ①バルジャン編 - No day but today(観劇的な意味で)

2017レミゼを語る ②ジャベール、アンジョルラス編 - No day but today(観劇的な意味で)

2017レミゼを語る ③ファンティーヌ、コゼット編 - No day but today(観劇的な意味で)

 

 

f:id:a-syamu:20170806183218j:plain

 

エポニーヌ

3人3様だったエポ。今期どの役よりも個性が割れていた様な印象です。

3人とも好きだった!とっても素敵なエポでした。

唯月ふうかさん(1

アリス・イン・ワンダーランドのクロエ、デスノートミサミサに続き3役目。確か。

最後の最後にやっと1回観られたんだけど、とても好きなエポで、もっと観たかったなぁ。。

実年齢の若さもあってか、容姿は妹感強め。

海宝マリウスは完全に妹扱いというか、女性として見ていない感じ。

ふうかエポの魅力は声に感情を乗せるのがとても上手なところ。

台詞もだし、歌もまるで話すように歌うので、On My Ownもエポの溢れる想いを聴いていたら曲が終わってしまっていた。

逆に曲をドラマチックに歌い上げて欲しい!という人には向かないかもしれません。歌唱として対照的なのは凛子エポかな。

表情も素敵だけど、声を聴いているだけでも感情がしっかり伝わってくるのが素晴らしい。

マリウスは妹扱いですが、ふうかエポはしっかり1人で立っているし、立派に大人の女性なのです。強盗団での仕事っぷりも1番レベル高そうなエポ。

マリウスの本を取り上げて、♪なんでも知ってるわ〜(ふんふん…わかんない(´・ω・`))ってなるふうかエポがとても可愛かった…

思わず声が出るようなタイミングで結構「あっ!」とか「うっ!」とかの声が漏れるんだけど、その声がまたあどけなくてね。

なんだか可愛らしいところが多くて、健気で、私はベタ惚れだったんですけど、

マリウスはなー妹としか見てないんだよなぁ。

エピローグのデュエット、和音ファンテふうかエポだと、どちらもしっかり聞こえながら綺麗に交わって、

母の慈愛と女の一途な愛とがとがふわっと空間を満たすような感覚でこれまた幸せでした。

とにかくもっと観たかった。。デスノートと被っているせいで出演日が偏っているのよね。。 

昆夏美さん(3

プレビュー初日と楽を飾ってくれたのは昆ちゃんエポでした。

うーん。ここ数年で実力がぐぐっと上がった感じがする。

美女と野獣の露出で歌を聴いて上手くなったなぁと思ったけど、改めて帝劇でその姿を見ると成長が明らかでした。(何目線w)

 

すごく自然体で、無理なく力が抜けていて、良かった!シンプルゆえにまっすぐ伝わるというか。

特に素晴らしかったのがOn My Own。楽曲としての聴きごたえ、役としての言葉の伝わり方、そのバランスが抜群でした。

今回のエポ3人みんな好きだったけど、1番聴いていて心地良かったのは昆エポのOn My Ownだなぁ。(心地良いという表現が適切かはともかく…)

あとはOne Day Moreでの♪今日も1人よ〜 の響き方が素晴らしかった。スコーンと抜ける。

 

海マリとの組み合わせが大好きでした。

エポがちょっかいかけてはマリウスが気づかず怒ったりスルーしたりという「分かってくれない」くだり、

昆エポだともうこんなやり取りが何度となくあったんだろうなって感じがします。

本人ももういちいち一喜一憂はしないというか諦めきっているような。

楽では♪なんでも知ってるわ〜 でなんとか理解できないかと眉をひそめてじっと本を見ていた。可愛い。

とはいえ♪心配してくれたっ はすごく嬉しそうだったりもして。

バルジャンに「俺に渡せ坊や」と言われて帽子を取るところ、

マリウスに女として見られないもどかしさの蓄積もあってのことだったのかなと感じました。

そんなエポが再び髪を帽子にしまって、(少年のふりをして)バリケードに向かうシーンが余計に心に響く。。

On My Own、他2人は歌終わりで下がって舞台中央あたりでセットの転換をバックに帽子をかぶるけど、楽の昆エポはそのまま舞台前ですぐに帽子をかぶっていた。

他の日は普通に下がっていた気がしたけど、、どうだったかなぁ。

 

撃たれてからは3人の中で1番辛そう。

♪届けに行くと父親が出たの のところもコートの前をぎゅっと押さえて、怪我を見せまいとしています。

倒れ込んでからも明らかに弱っていて、もう死までの時間がそう長くないことが明らか。

笑顔を浮かべはするけど辛さは隠しきれていないような印象で、温もりを感じたいというようにぎゅっとマリウスが自分を抱える腕を掴んでいる。。

マリウスももうエポが死んでしまうことを早い段階で感じ取っていたように思います。。

 

強盗団ではあんまりやる気ないけどサボりつつほどほどにやっている感じ笑

昆エポもぜひ続投して欲しいエポ!好き!  

松原凛子さん(4

ラミンコンのコーラスにいらっしゃった記憶があるけど、なんせコーラスでソロもなかったので歌声は分からずでした。

芸大出身のソプラノさんという印象があったので、エポ!?ってなっていましたが、結局最多となった凛子エポ。

これまた他2人とは違ったエポで個人的には結構新鮮でした。

大人っぽくて、斜に構えたようなひねくれ感のあるエポ。

年齢は1番年上っぽく見えます。海宝マリウスだとあまり思わなかったけど、内藤マリウス相手だと完全にお姉さん。

組み合わせだと彩花コゼ海マリ松原エポが好き。とてつもない相乗効果を生む3人でした。。

コゼエポともにリアルな人間味が強く、それゆえ2人の対比がくっきり浮き彫りになる感じ。

 

マリウスに対して可愛げがなくて、マリウスが振り向きもしないの分かる。

でもそれって意識しすぎてぶっきらぼうに荒っぽくなっちゃうだけで、たまに見せる笑顔が可愛いのがまたね… 不器用なのが分かって辛い。

「ムッシュ金など〜」も憮然としていて、マリウスもなんでエポがそんな反応したのか分かっていない感じ。

ところがどっこい!(死語ですか…)

恵みの雨で初めて、めちゃくちゃ可愛く、健気な笑顔をずーっとマリウスに向ける。

心配させないように、このまま彼の腕の中で死んで行けるように。

助けを呼ばれるよりも、2人だけで、彼の腕の中で過ごせる時間を少しでも伸ばせる方が良いとそれだけを願う想いが手に取るように伝わる。

たぶんマリウスもあんなエポを見たのは初めてで、本当にどうして良いのか分からなかったんだろうなって思った。松原エポだと。

そんなわけで恵みの雨が好きだったなぁ。

 

あとはIn my Lfe、マリウスに「君のおかげだよ」と両手で右手を握られて、残る左手を添えようか一瞬迷うけどぱっと背中に回すところに松原エポが集約されている気がした。

On My Own、少し喉に負荷かかってるかなと思いきや、♪縁などなーい は綺麗に当たる音域なのね。

3人の中では1番歌唱に重きを置いたOn My Ownかなぁと感じました。

全体的に地声に無理はないんだけど、、個人的にはもっと声が合う役があるんじゃないかなぁと思ったり。

ソプラノ活かした役も観てみたいなぁ。

エピローグ、光夫バルを迎えにきた和音ファンテの穏やかな微笑みからの手繋ぎと、生きていた頃は割とツン気味だった松原エポの満開の笑顔ではしゃいだような手繋ぎが実に対照的で。

この2人の声が合わさると本当に美しい。天国の調べのような、優しく溶けていきそうな歌声です。

切なさの強い松原エポ。個人的にはあの幼少期から成長したのが1番理解できる気がしました。

幼い頃から貧しさの底にいたわけでないから余計にプライドを捨てきれない部分があるというか。

マダム・テナルディエ

谷口さんの回も取っていたのですが後半だったので残念ながら観られず。。

2013,15と拝見していて好きなテナ妻でした。博多座から復帰されたようで何より。

観たかったなぁ。。

鈴木ほのかさん(3)

客演アムネリスを拝見していたようですが通常運転で記憶はありません汗

今まで観ていたテナ妻とはフォルムが違う…細い!(◎_◎;)

声もハスキーにしてるし、ドスも効かせていて下品!(褒め言葉)

服の上から下半身をボリッボリ掻いています。

モリクミさんもやってることだけど、ほのかテナ妻だと汚らしさや品のなさが強調される感じ。

体格的にもKENTAROテナとバランスが良いように思います。

コメディ要素よりも(嫌な意味での)人間らしさが強く感じられる。シビアな夫妻。

声を潰してがなるように歌うので、喉を痛めないかハラハラしました…

あまりに声つぶしていると聞いてて苦しくなっちゃうのでちょっとそこがなぁ(・_・; 

森公美子さん(5)

安定と信頼のモリクミさん。 

素晴らしきキャラの濃さですよね笑

パワフルさとコミカルさの塊。だいぶ濃いし個性強いけどもはやもりくみさん=テナ妻のイメージがついているので何をしてもあーテナ妻って思ってしまうのよね。

それが良いのかどうかはさておき。

じゅんテナとの組み合わせだと完全にコメディ方向にベクトルが合うし、お顔のサイズや目の大きさも似ていてとてもしっくりくる。

楽のご挨拶なんかを聞くと、本当にこの作品を愛していてかつ涙もろい人なんだなぁと思います笑

10周年、20周年、そして30周年も出ているという…凄いことですよね…

テナルディエ

感想を書きながら自分がいかにこの役をあまりしっかり見られていないかを痛感。。

次回からはもうちょっとちゃんと見ます。。

橋本じゅんさん(2)

個人的には新感線イメージしかないじゅんさん。

豪快で愉快で面白い役をされている印象が強いです。

以前、スタッフサイドで遠目にお見かけしたりしたこともありますが、全然直接関わるスタッフじゃないのにチャーミングに絡んでくださる素敵な方で勝手に大好き笑

そんなじゅんさんがレミゼとはなんだか不思議な感じでしたが、、

なるほど面白かった!

酒場でも1番コメディ要素が強いテナな印象。

このころはまだただの強欲でキャラの強い明るめな宿の主人。という感じ。

でも全編通して、KENTAROさんとは属性が違うというか、あまり死んだ地の底のような目をしないテナ。

どちらかといえばどんな状況でも目をギラつかせている。恐ろしいまでの生命力を感じます。死ななそう。

 下水道で最後天に唾を吐きかけるところ、そのまま自分にかかってわたわたする小芝居を入れてくるあたりじゅんさんだなーと思いました笑 

KENTAROさん(2)

ジャベをされていたこともありスラっとした印象のKENTAROテナ。

歌唱や歌詞の聞き取りやすさはさすがです。

中身は1番冷静な感じ。宿屋のときはおどけ者、ひょうきん者を演じているんだろうなと思わせる。

One Day Moreでも「あっちでほい」を指先だけで軽くやっていて誰よりも投げやりというか、革命や使命に燃える人々を冷めた目つきで見ています。

下水道や結婚式でもその印象はあまり変わらず。

ある意味、この作品に登場する人たちの「人間らしさ」と一線が引かれているように思いました。

駒田一さん(4)

調べたらなんだかんだ今までの観劇もだいたい駒田テナルディエだったみたいです。

あまりこの役にこだわりを持って観ていたわけではなかったのでいまいち覚えていなかった。。

個人的には去年初恋探しでマルチマンを拝見してからこの方凄いなぁと思って、今期は意識的に駒田テナルディエを多めにしてみました。

やはり私の中でのスタンダードテナルディエかなぁ。

モリクミマダムとの息ぴったり加減が見事でした。

おどけて見せたりしても、常に目はギラついているような、そんな印象。

KENTAROテナが少し引いて見ているのに対し、駒田テナはあの世界の、貧しい人々の中にいて、その中でしたたかに動き、立ち回り、生き抜いている。

下水道のラストも到底拍手ができるような空気じゃない。なんなんでしょうね、、あの圧は。。

ガブローシュ

今期は無事全員観ることができました!

いやー上手いメンバーが揃っていたなと思います。

廣田礼王恩くん(2)

プレビュー初日と前楽で拝見。

小さいながら1番技術力の高いガブかなぁと思います。

歌舞伎や商業演劇にたくさん出演されているようで。

元の声はとても綺麗だと思われますが、それをがなり気味に作っている。

子どもだけど、あの街で貧しさの中で強く生き抜いてきた感じが凄い。

動きもなんだかメリハリがあって上手いんですよね。

マリウスにエポの帽子を渡すところ、個人的にタイミングのこだわりがあるんですが、

前楽のれおんガブの間が絶妙で内心(っ最高!ありがとーう!!)ってなってました笑 

大西統眞くん(3) 

小柄で可愛らしいお顔から放たれる高めだけど聞きやすくよく飛ぶ声。

特に歌は無理なく伸びやかで聴いていて心地良かった。

私の勝手なガブイメージに近いです。

グランもとても可愛がっていて、危険に晒したくないという思いが強いように感じました。

菊地グランと大西ガブだと親子っぽい雰囲気があったなぁ。  

島田裕仁くん(3)

ちょっと今までのガブ像とは違い、大人びたイメージの島田ガブ。

声変わりはまだ?すでにハスキーな声です。

島田ガブは歌い回しがとっっても上手い。聞き惚れます。

あととても好きだったのが、共に飲もうで揉み合いになったあと、

理生アンジョがグランの様子を見てそちらに向かおうか一瞬悩んでいるときに、

(おれに任せろ。)と言うかのようにアンジョの胸元をトンと叩いてアイコンタクトを取り、グランの元へ向かって抱きつく島田ガブ。

格好良いよー惚れるよー!いやほんとあの瞬間はこのバリケードで誰よりも男前なのはこの子では。。と思いました。 

リトコゼ・リトエポ 

こちらは全然制覇できずでした。。

この人数だとなかなか難しいか。

 

リトコゼで歌が好みだったのは岡田奈々ちゃん。

子ども独自の声でありながら程よく抜けて、良いなぁと思ってました。

あとはリトエポで宮島瑠南ちゃんのお芝居が細かくて、客席にもはっきり伝わってきて素敵だなぁと。

セリフや歌がない分、割と段取り感強い子が多いからね。。

アンサンブル

今期はちらほらアンサンブルも認識できたので分かったよー程度の記録として。

この作品、アンサンブルが見え始めるとさらに深い沼が広がっているのが容易に想像できます。。恐ろしい。。

学生の組み合わせだけでも、ABCやバリケードの雰囲気がだいぶ変わるんだなとうっすら気づき始めました。。

森加織さん

これぞ私の求めていたファクトリーガールだ!!と思いました。

めっちゃ好き。

全部さらっと地声で出るところも気持ちが良いし、あの勝ち誇った顔や敵意むき出しの女の顔が最高だなと!!

「医者が必要」と読み終わって1拍ずらして手紙を掲げるところが良い。絵として映える。

宿屋での妊婦さんも見つけました!

田村雄一さん

すけべな工場長。私がCATSにはまって五反田に通っていた頃、よくマンカスで拝見してました。時を経てこんなすけべなオジさんになって…(違う)

1度認識するとどのシーンでもしっかり目に入るように。

馬車から助けられた人を横で支えていた時の印象がなぜか強いです。

程よい渋さがあって良かった。

菊地まさはるさん

いやーめっちゃ良いグランテールで何度目頭が熱くなったことか!

1番ポイント高いのはエポを亡くしたマリウスをベンチに座らせてくれるとこですね。

特に海宝マリウスのあそこの様子だと、自分で座りに行くより、他人に動かされる方が自然。

その後も気にかけて、酒瓶を差し出して飲むか?と声をかけてあげる不器用な優しさ。断られるけど。

他の学生たちと1段階違う場所にいるような感覚がある。

共に飲もうで歌いだす前には、バリケードにもたれて力無いマリウスの肩をトンと叩いて微笑みかけていた回もあったり。

ガブのこともマリウスのことも、そしてアンジョのことも気遣っている。

1度返したと思ったガブには、「すばしこい奴が良いおれが!」の声で気づいて、ハッとバリケードの方を向いて駆け寄ります。

姿を見て、ではなくて声が聞こえて振り向くのが個人的に菊地アンジョの好きポイントの1つ。

最後の戦いで、バリケードに駆け上がって行くアンジョを見上げて膝から崩れ落ちていたり、追おうとしたのか足がもつれて転んだり。。

ラストもゆっくり静かにバリケードの上まで上がっていって、とてもあっけなく撃たれる。

たくさんドラマがあった。素晴らしいグランテールでした。。

丹宗立峰さん

もう1人のグランテール、丹宗さん。

菊地さんに対し、ドラマチックな印象があります。

エポの死後のマリウス、ベンチへ座らせてはくれないけど、ふらふらと腰掛けたマリウスの腕を掴み、案じてくれる。

ガブローシュの亡骸をアンジョから受け取って、舞台前方まで進み出て「ガブローシュ…」と噛みしめるようにつぶやき、上を向いて悲しみに耐える姿が目にやきついています。

ラストも堂々とバリケードを駆け上り、「ヴィヴ・ラ・フランス!」と激しく叫びながら撃たれる。

観ていて舞台映えする芝居が多いなぁと思いました。

(でもぜひ海宝マリウスを座らせてあげて欲しい…ぜひ…!笑)

鎌田誠樹さん

鎌田さんはですね、前から勝手にとても好きなのです。

まだ東宝系あまり知らなかった頃、福井さんの退団後の初?(だった気がする…)ライブに行ったら鎌田さんがゲストで。

その歌声とお話ししている時の感じの良さに素敵な方だなーと思って、その後もジャベールで出演されたの観に行ったり、キャッチミーの捜査官3人組で拝見したりしてました。

ほぼ思い出になってしまったww

鎌田コンブはうずくまる海宝マリウスに声をかけてくれるから好き。(基準が酷い)

冷静で落ち着きがあって、アンジョとしても頼り甲斐のあるメンバーなんだろうと感じます。

確か実際コンブフェールってそういう立ち位置なんだよね?

エポの亡骸を運ぶときも、何も語らずともその表情や姿から哀しみが感じられて好きだった。

大田翔さん

鎌田さんと同じ枠、というのもあったし、トニーで四季に客演されていた印象も強く、すぐ分かった。

長身で背も高くて格好良い方ですねー

コンブフェールに関しては歌が活かしきれていないのかなぁという印象。

顔立ちが整っているからなのか、表情が割と固定化されている感じだったので、もっと表情豊かになってくると嬉しいなぁ。

宿屋での小芝居なんかは好きだった!机に置いた小銭をテナに取られているんですね(^◇^;)

立崇なおとさん

またの名を海宝くんのお友だち(2人目笑)。

半分冗談ではありますが、しっかり顔を認識して臨めたのは、舞台終わりかなんかでお茶してる2ショットをツイッターで拝見したのがきっかけです。

おかげでしっかりお顔を認識して観られた。プルベールが馬車の下敷きになる枠なんですね。

ちびソロながら良い声なんだろうなっていうのは伝わりました。もっとちゃんと歌を聴いてみたい。

 

 

おしまい

 

と、いうわけで!

薄れゆく記憶の中ついにここまで書き終わりました。

残すはマリウスのみ(*^^*)

もうこれは別記事で好きなだけ書くぞ〜♪

2017レミゼを語る ③ファンティーヌ、コゼット編

第3弾は女性陣!

エポまで行きたかったんですけど、なんだかんだ伸びたのでファンテコゼ母娘のみとなってしまいました。

割と辛辣な部分もあったりしますのでご注意を。

 

関連記事

2017レミゼを語る ①バルジャン編 - No day but today(観劇的な意味で)

2017レミゼを語る ②ジャベール、アンジョルラス編 - No day but today(観劇的な意味で)

 

ファンティーヌ

前期そこまで思わなかった気がするんだけど、、

カツラがとても綺麗で艶やかで豊かな髪になっていて。

ファンテの女性としての魅力やカツラ屋が目の色を変えて近づいてくるのに説得力が出たなーと思いました。 

二宮愛さん(2)

6月上旬のときは正直そこまで印象の残らなかった愛ファンテ。1番普通の女性だなとは思ったんだけど。

1ヶ月後に観たらむちゃくちゃ良くなっていて驚きでした。

レミゼ前に出ていた歌番組や、制作発表での歌唱とはもう別物。良くしっかりシフトできたなと思います。いや良かった〜ぜひ続投して欲しいくらい。

自己メイクだと結構がっつり濃くてキツめの印象だけど、レミメイクだと一気に気弱そうな雰囲気になるのも大きかった気がします。

 

他の2人とまた違う、ごく普通の、若く立場の弱い女性。戦う術もない。

ただタイミングと相手が悪かった、それだけであの状況にまで追い込まれてしまった愛ファンテ。

ある意味一番現実的で、現代でも通じる不幸な女性像が描かれている気がします。

 

「待ち続けてるわあの人の帰りを」の言葉が、本心なんだろうと感じました。

この歌詞を歌う前の間で、大切そうにペンダントに口づけし、一瞬じっと見つめる。

たったこれだけでも、ファンテが相手のことをずっと想い続け、支えにしているのがわかります。ラブリィでペンダントを売る前にも一瞬名残惜しそうに口づけを。

でも売ると心を決めたらさっとお金を受け取ってその場を離れていた。娘へのお金工面のために大切な思い出もさっと切り捨てる母の姿。辛いわ。。

逮捕の時点でだいぶ弱っていて、バルジャンに掴みかかるシーンも、ほぼそのままバルジャンにところに倒れこむだけです。力がない。

病院でもあんなにボロボロになりながらもコゼットを呼び続け。

はじめは幻覚を見ているけど、途中で現実を思い出し、コゼットはどうなるのかと不安で泣きそうになる。

そこで自分が守ると言ってくれたバルジャンの手を強く握って必死で感謝を伝える姿が泣ける。

でもそうなったら今度は急に孤独と死が近いことへの恐怖を覚えてバルジャンにすがりつく。全然強くなんかない。。

 

エピローグでも少し泣きそうな表情を浮かべることがあり。他2人のファンテとの違いが出るなぁと思いました。 

新たなファンテ像を見せてもらいました。

知念里奈さん(2)

圧倒的に顔が可愛い。The 可憐。

ので工場長に言い寄られ、女性たちに妬まれってのが非常に説得力あります。

見た目か弱そうだし、女に嫌われるタイプですよね。。

役として歌う声質があんまり好きではないので、歌は消化不良気味ですが少女のような表情は◯

ラブリーでは、比較的強気というか、お金のためとガンガン持ち物売っていたら気づくと取り返しのつかないところまで行ってしまっていた感じがします。

少なくとも楽では、♪あぁコゼット〜のところもまだコゼットの幻を見ていたようでした。

息絶える時は微笑みを浮かべ。

 

唯一2幕のバリケードでも(あ、いる)と思うファンテです。顔の造形が違うんだよなぁ。。

エピローグでの笑みは母親のもの。あの場には、コゼットの母として迎えに来た感じがあります。

和音美桜さん(4)

たっちんは宝塚在団中にとある動画を見たのが知ったきっかけで、(宝塚とは思えないむちゃくちゃ歌が上手い人がいる…!)と衝撃を受けたのでした。

生で観られたのは卒業後でしたが、その歌唱力には絶大の信頼をおいています。

シシィやってくれたら良いのにと思い続けているんですけどね。。

 

私の中のスタンダードファンテ。 

安定しすぎていて逆に書くことがあまりない。。

他の2人と比べると比較的落ち着きがあって知的なイメージがあります。聡明なのに薄幸。。

工場で市長が仲裁に入ったときも、ごく冷静に順序立ててバルに説明しようとしている様子が見られる。

♪夢やぶれて も1番現実が分かっていそうというか。もうあの時点で夢を見る気は無さそうです。

工場長を見た瞬間の息の飲み方は1番ぐさっとくる。。衝撃と嫌悪と絶望。

病院で「この手…冷たくなるわ」から急に幼い子どものような印象になります。

やっとコゼットのことで安心できて、ようやく自分自身に向き合えた。

そこにあったの寂しさと死への恐れだったけど、せめて最後バルジャンの温もりの中で最後を迎えることができて穏やかな最期だったんじゃないかと思うのです。。

 

何より好きなのはエピローグ。

ここでのたっちんファンテの慈愛の笑みが本当に本当に素敵!!

バルジャンがコゼットに「お前が愛した母が」と歌うとき、その笑みが一層深くなる。

凛子エポとだとハモリが美しすぎて天国の調べかな、、と思うしふうかエポだと個性が違うのに綺麗に交わるし。

個ではもちろん、デュエットしても綺麗な歌声なのよねえ。

うーん、好き!全編を通し文句のつけようがないです。 

 

コゼット

小南満佑子さん(1)

my前楽にして唯一の観劇でした。小南コゼ。

ご本人のツイッターのお写真やTLのレポから勝手に抱いていたイメージとだいぶ違っていた。

キャラとしては彩花コゼと生田コゼの中間くらいでしょうか。

声質がコゼットのイメージ通り。歌はある意味王道かもしれない。

そして良い意味で芝居が分かりやすいです。(あーいま折れたなってはっきり分かる)

3コゼの中で咳払いは1番可愛くなくて好き笑

あーコゼットも余裕なんてないんだなと思って微笑ましかった。

マリウスの「エポニーヌ!この子が案内してくれた」に反応してはっきりと動揺を見せています。

若々しさや可愛らしさ、声質などTheコゼットな感じ。

全体的にレベルは高かったと思うけど、これぞ!って強く記憶に残ったこともなかったのは少し残念。

回数重ねて観たらまた彼女独自の魅力が見えてきたんだろうなぁ。。

生田絵梨花さん(4)

ロミジュリは稽古場の動画を見てこれは晴香ちゃん一択…と思って避けたので、今回が生で観る初めてでした。

コゼットに関しては適役だったと思う!

声の細さ、癖のなさはぴったり役に合っているし、高音部のあの楽器のような声の質感は彼女特有だったかなと。

プレビュー初日も楽も観て、歌唱に関しては本当に良くなった!と思いました。

ただA Heart Full~もEverydayもラストの高音が当たりきらないことが多く。。楽もダメで惜しかったなぁ。

とはいえそれ以外の部分は開幕時からずっこけるようなこともなく、

今までのコゼットにはビジュアルも歌も???な方も多々いましたから、その辺と比べたらよほど

レミゼの世界に馴染んでいたし、そつなくこなしていたと思います。

見た目の良さ以外にここが生田コゼの強み!ってものが見つけられなかったのが残念。

 

プリュメ街、エポとの対面シーンはプレビュー初日ほぼ反応がなく、その芝居無しになったのかなーと思ったんだけど、楽では多少ハッとしている様子が見られた。

うん、ここでリアクション無しは寂しいのでエポへの反応が出て来て良かった!

 

頑張ってある程度のところまでは持っていっていたと思うからこそ、、

岩谷時子賞とかそういう賞を取らせちゃうのは違うでしょと思わずにはいられない。。

せっかく本人の生み出した役を見ていたのに、一気に色眼鏡で見てしまう。しかもマイナスの方向に。

コゼットは適役だったと思うけど、この声の細さでは役は限られるだろうし、正直コンスタンツェって…

そこで変われるかどうかが大きなポイントになってくるでしょうね。

 

清水彩花さん(3) 

基本回数順で書いているのですが、コゼットばかりはどうしても彩花さんにトリを飾ってもらわずにはいられませんでした。

小南さんも生田さんも割とそつなくレベル高めのコゼだったはずなのに、

彩花コゼがあまりにぶっちぎっているせいで物足りなく感じてしまうという不運。笑

前期に引き続きですが、さらに深化し、とんでもないコゼットになっておりました。。

本当に、、いるんですねこういうすごい役者さんが。。

何が凄いかと一言で言うならば「レミゼにおいてコゼットが愛の象徴である」という説得力が尋常ではない。

この軸が見えるかどうかで作品自体の印象すら変わってくる。

というか私、彩花コゼに出会うまでコゼットがこんなに重要な役だなんて気づいてすらいなかったのです。

てなわけで大絶賛の彩花コゼ。詳細はこちら↓笑

 

表情がくるっくる変わってアクションも大きい。

けど決してオーバーにならない絶妙なライン。

心の動きが大きくてそれがダイレクトに表面に反映されるので、コゼットの想いが手に取るように感じられる。

短い出演時間ながら、In my lifeからA heart full of loveでコゼットとバルジャンの親子関係、コゼットとマリウスの恋人関係を濃密に描き出します。

ここでいかに印象に残せるかでその後のバルジャン、マリウスの芝居の深みも変わってくると思うのよね。

 

歌唱に関しては結構地声を使うことも多い。声質自体が超美声というタイプではありませんが、前期と比べ声の透明度も増し、ラストの高音は相変わらずバッチリ決めてくるので安定感がありました。

 

In My Lifeで好きなところが、「何も知らず聞いていない〜暗い秘密」から「いつも満たされてたあなたに愛されて」のあのわずかな隙間の折れ。

前半を口にしたことでバルジャンが少し沈んでしまったことに気づいて、慌てて(違うのよ!パパに育てられて私は幸せなのよ!!)って。

真実を知りたいと望みながらも、愛する父親の様子に敏感で、気遣いを忘れない優しさがまた、愛されて育ったんだねええ( ;  ; )ってなります。

バリケード陥落後、マリウスへ告白しにバルジャンがやって来た際も、「パパだわ!」とマリウスに話しかけて、嬉しそうにバルジャンの元へ。

ヤンバルの引き止めに少し驚きながらも、笑いながらお辞儀を返す姿、

そして最後家に入る直前に顔をのぞかせ、マリウスとバルジャンに微笑む清水コゼの姿にまた泣く。

エピローグでの芝居はこれまた。。

ベースの芝居は同じはずなのになぜここまで違うのか不思議で仕方がないのですが、

多分心の距離が近くて、それが反映されているんでしょうね。

物理的にも距離が近い気がします。腕にすがりつき、胸に顔を埋め、頰を合わせ、、

少しでもその体温に触れ、存在を感じ、自分自身の存在も近くに感じてもらおうと必死な感じ。

なんかもうこれはいくら言葉で語ったところであの素晴らしさは伝わらないので、どうぞ観てください!(諦めた)

バルジャンが召されたと知ったときの呆然とした姿、個人的にはここですぐにそのままマリウスに倒れかからないところがまた好きです。

その瞬間、自分を救い出し愛し育ててくれた父との別れしか頭になくて、側にいるマリウスのことが完全に頭から飛んでいるのね。

私としてはそれで良いと思う。このあと書きますが、ここでマリウスが1番辛いときのコゼットを抱き寄せ力づけて支えようとするのがまた前のシーンとの対比となって美しい。

そして手紙を読む表情の素晴らしさと言ったら!ねえ!

微笑みと哀しみとが混じり合い、泣き笑い、読み終わると胸に手紙を抱いて「ありがとう、パパ」と微笑んで。

愛に満たされて大合唱に加わるその笑顔は晴れやかです。

 

対マリウス。

恋にもまっすぐ情熱を向ける清水コゼだとマリウスのはしゃぎっぷりもバランスが取れるというか。

舞台的に短い時間でも確実にマリコゼの間に強い結びつきが出来たのを感じられて、その後のマリウスの揺らぎも説得力が出るんですよね。

そしてカフェソング後、海宝マリウスが目も虚ろで生気がなく心が死んだような状態をはっきりと生き返らせてくれる。

コゼットの声も耳に入らない状態のマリウス、歌いかけても届かないので、どうにか心を溶かそうと寄り添い、手を包み込み、必死で支える。

個人的な解釈では海宝マリウスを生き返らせたポイントはコゼットの手の温もりだったと思っているので、必死でそれを探し当てて感情が溢れ出したマリウスを抱きしめながら心底ホッとしたような表情を浮かべている彩花コゼが大好きです。

こうしてマリウスの1番辛い時を乗り越えさせてくれたコゼットを、エピローグでは逆にマリウスが支える。

1番辛い時を支え合い、立ち直らせるのがお互いだというこの構図がとても美しいと思うし、これがまたコゼットとマリウスの対等さを表しているように感じます。

 

彩花コゼは愛されるのと同じかそれ以上にバルジャンとマリウスを愛している。

愛され、守られる女の子。で終わらないのです。 相手を深く愛し、その愛で相手を救っている。 

バルジャンに愛を注がれて育てられたコゼットは当たり前のように人を愛せる人間に育った。

特にヤンバルだとそれを強く感じます。

 

観劇OLあーしゃむさんが追加

そしてもう1つ、コゼットと関わるのがエポ。

マリウスの「エポニーヌ!この子が案内してくれた!」という歌詞で名前にハッとするコゼット。

転んだエポを助け起すときに確信を持ち、門越しにはっきりと互いに見つめ合う。

その直後の「私の悲鳴よ〜」は少し息も荒く、まだその動揺を引きずっているのがはっきり見えます。

幼少期、同じ場所であれだけの差をつけられて一緒に過ごした子の名前を、存在を忘れるわけがないと思います。

それ以降、エポコゼが絡むことはありませんが、ここで互いの認知が生まれるかどうかで、その後のエポの見え方、作品におけるエポコゼの対比がよりしっかり浮かび上がってくると思う。

 

もはやただの彩花コゼレポ。笑

いやーでも本当に彼女のコゼットは凄かったです。

今期の私的MVPは迷わず彩花さん。

コゼット像としてももちろんですが、何よりエポ、バルジャン、マリウスと関わる役をも新鮮に、魅力的に見せる力は素晴らしいものがあるなと感じました。

何度でも観たかったコゼットです。 

 

このシリーズは終わりまで行けるだろうか。。と思いつつ千秋楽から2週間。

薄れていく記憶とともに頑張りたいと思います。笑

 

a-syamu.hatenablog.com

 

a-syamu.hatenablog.com

f:id:a-syamu:20170717161939j:plain

2017レミゼを語る ②ジャベール、アンジョルラス編

もう東京楽から1週間が経とうとしているというのにまだこれしか進んでいない(^◇^;)

マイペースに書き進めていきたいと思います。。

第2弾はジャベとアンジョ。熱い男2トップを。

 

関連記事

2017レミゼを語る ①バルジャン編 - No day but today(観劇的な意味で)

 

ジャベールは過去公演特にあまり注目していなかった、というか歌が心地良いなぁくらいは思っても心情の考察をしようとしたこともなかったので。。

今回超初心者です…

しかも今回もマリウスバイトシーンとジャベ登場シーンがよく被っていたせいでそこまで見られていない(^◇^;)

ジャベール

吉原光夫さん(1)

唯一の光夫ジャベが初回で終わってしまったのでこれまた記憶はあまりないのです。。

パワー全開で若々しい印象の光夫ジャベ。

張りのある少し特徴的で聞き取りやすい歌声。

福井バルとの対決、笑っちゃうくらい聞き取りやすかったです。それでいて大迫力。

自殺も怒涛の勢いで、もうこの自殺を止めることは誰にもできなかったんじゃないかと思います。

飛び降りる直前、気が触れたような笑いが漏れていた。

さすがに1回、しかも初回だけでは細かい芝居や心情まで把握できませんでした。

悔しい。いつかリベンジを。。

岸祐二さん(3)

私の中ではなんだか次男イメージのある岸ジャベ。

歌は高音&ロングトーンが強いので、Starsも自殺もラストをがっつり聴かせてくれます。良い。

仕事に関しての信念はしっかりあるけど、人生までもガッチガチに縛り付けたような生き方をしていた人ではないように思う。

基本的に足蹴りもソフト。

ある意味、他の2人より柔軟というか(緩いと言えるかもしれない笑)、裁きでバルジャンが名乗り出て逃亡することがなければ、そのまま比較的穏やかに生きていけたんじゃないかと。

馬車のあとのやりとりも、疑っているという訳ではなく、ただふと思い出したので話してしまった感じ。(緩い)

普段から割と市長とフランクに話していたんじゃないかなと思わせる雰囲気です。

でも対決では絶対的にバルジャン(特に光夫さん)の方が強いけど、それでも怪我するんじゃ…と思うくらいの迫力で掴み掛かります。

 

乞食たち以降、10年の月日の流れを1番感じさせるジャベでした。それでも川口ジャベよりだいぶ若々しいイメージ。

2幕頭、1度海宝マリウスにしれっとボディタッチしていたときもあり笑、

割と上手く学生に溶け込めていたような感じもします。やはり次男感。

♪また対決だ〜「殺せ!」とバルジャンに摑みかかる。

ジャベとしては暴動の阻止が目的での潜入でしょうから、バルジャンがバリケードに現れることは予想外だったはずで。

追い詰めるはずだったはずのバルジャンに逆に追い詰められた「なんてことだこれは逆だぞ!」の動揺が大きい。

でもそこまで行ったらもう殺されるつもりだったと思います。(ここから下は川口ジャベも共通していることですが、、)

対決であれだけ本気で向かって来ていたんだから当然殺すだろうと思っていたし、むしろそこで自分を殺した方がジャベとしては受け入れられる出来事だったはず。

そこであの対応を(ヤンバルだと穏やかさすら感じさせて)されたので、自分の見ていたもの、考えていたもの、信じていたもの、それら全てがぐらついてしまった。

まさに「俺にこの命与えて殺した」のです。

 

個人的にはバリケードの一件で、岸ジャベは"迷い"に突き落とされたように感じています。

俺はなにを見てきたのか、俺の考えは間違っていたのか。

だからこそ岸ジャベはそれをはっきりさせるために再びバルジャンに対峙したのではないかと。

でもやはりバルジャンは変わらなかった。

そこでいよいよ自分の生き方に迷いが生じたんだと。

そしてこれは楽で初めて感じた解釈なのでそれまでどうだったかは分からないけど…

「死ぬはずの俺が地獄で生きている」のところで辺りを見回し、そこから一気におかしくなってしまったジャベ。

今、自分がいるこの場所は地獄だと認識したのかなと思います。

そして天を仰ぎ星を見る、でもたぶんその星たちはジャベの目にはかつてのようには映らない。

ここはもう自分が生きていた世界ではないと。岸ジャベは迷っていたからこそそこから逃れようとしたのかなと思います。

命を絶つという意識はあまりなかったのではないかとさえ思う。

 

細かいところだと、

ガブの亡骸を前に膝をついて十字を切るとこが好き。

あとバリケード陥落後に痕跡を見つけた岸ジャベの「ジャン…バル…ジャン!」の押し殺した感じとフルネームなのが良いなぁと。

それと岸ジャベはマリウスの話を聞かない度高い笑

 

岸ジャベはカテコも格好良いですよね!

最後の方なくなってしまったけど、挨拶時に劇場の床にキスするところロマンチストなジャベっぽくて好きだった笑

後半はマントを颯爽と翻すようになってそれまた格好良かった。

カテコでジャベが笑顔だとなんだかホッとします。

川口竜也さん(4)

個人的には定番型だと思っている川口ジャベ。

歌声も深く声量もあり聴き取りやすく、演技も渋みがあって安定のジャベです。

あと足蹴りの鋭さが好き!厳しさと同時にどこか潔癖な感じもして。

彼が持っているのは揺るぎない絶対的な、人生をかけた信念。

牢獄で生まれたジャベール、というのが1番理解できるのが川口ジャベです。

彼は牢獄の看守だろうと街の警部だろうと、生まれながらの境遇から定まった仕事に対しての強い信念を持っていて、

その信念に基づいて行動していたのに、バルジャンに崩され、揺らぐ。

馬車のあとの「そいつは仮出獄で逃げたが(腕がしっ)」は絶対確信犯だろうと思います。

バルジャンの出方によってはどうなったか分からないというか。

対決で首を絞められた時、苦しくなって離せというようにトントンと叩くところがいつも少し意外だったりする。

意地でもそれをしない岸ジャベとはどっちかといえば逆なんじゃないかと。

 

ヤンバルが少し躊躇してから決心して住所を告げるところ、川口ジャベは結構動揺していたように思う。

バルジャンの迷いや覚悟を目の当たりにして、ずっと犯罪者、悪者としか見ていなかった相手が血の通った人間で、さらに自分を救おうとしている(=良心を持っている)ことにはっとしたような。

だけど、岸ジャベがそこで迷い始めるのと違い、川口ジャベは己の信念を疑う気はあまりない気がする。

バルジャンに救われた自分、そしてバルジャンを見逃してしまった自分、そこに動揺して苦しみ、

自分の信念が崩れる歪んだこの世界から逃れるのが唯一自分を保てる道だと判断して死を選んだ気がしてならない。

 

でもそれでいて川口ジャベは、バリケードのバルジャベシーンで殺せと迫るとき「おい!ジャン!」と呼んだり、陥落後のバリケードで「バルジャン!」と叫んだり 、どこか繋がりの深さを感じさせるところがある。

川口ジャベはずっと1人で生きてきたような感じなので、逃亡者と追跡者という関係でありながらもこんな長く関わった人間はバルジャンだけなんじゃないかと思ったりします。

誰よりも寂しい人間だったのはジャベだったんじゃないかと思わされる川口ジャベでした。

 

アンジョルラス

相葉裕樹さん(1)

楽にして滑り込みで観ることができたばっちアンジョ!

相葉くん自体は去年のGAコンサート以来2度目でした。たぶん。

その時はOne Day Moreでマリウスパート歌ったり焦らされ笑

やっぱりマリウス向きなのでは?と思ったけど、ちゃんとアンジョになっていましたすごい。(当たり前)

まず頭身バランスが少女漫画みたい。背も高く腰の位置も高く首も長く…

他2人は芝居の方向性というか印象がまったく違うアンジョでした。

勝手なイメージよりもはるかに歌えていて嬉しい驚きでした。

個人的にはアンジョは圧倒的な歌唱力があればあるほど良しと思っていますが、、

歌で聴かせる!というレベルではないけど、役をこなすには十分かと。

(まだ地に足着いてない上山アンジョレベルの歌唱という認識です)

しっかり支えられるようになって声の揺らぎが減ると良いな〜と思います。

 

ばっちアンジョはとても危なっかしいです。(実力的な意味ではなく役的にね)

端正な容姿を持ち、意志を持った目力の強い瞳で人を惹きつける。

でもどこか余裕がない、まだ若く未熟な青年。

客席から見ればその危うさは明らかだけど、あの場にいる学生たちは誰も気づけない。

観てるとき、他2人だと割と客席も学生たちと同じように気持ちが盛り上がる感じなんだけど、ばっちアンジョだとここで抱く感情が全然違ってびっくり。

「マリウス!分かるけれど!」も完全にセリフ。しかもこれまた全然分かってないww

やはり余裕がないんだよなぁ。マリウスに声をかけて革命の方を向かせるというよりは、「ダメじゃないか!僕らは革命をやるんだろ!!」って感じ。

他2人のアンジョは学生たちの中で頭1つ2つ抜け出て引っ張る存在に思えるけど、ばっちアンジョは比較的他の学生たちと横並び。みんなの力を合わせてこそ成し遂げられる、そんな印象です。

他マリウスだとどうなのか分からないけど、海宝マリウスだとかなりその力を頼られている感じがします。

だからこそよそ見をされては困る!という意思がある。(ここでマリウスの心情など考えられる余裕はばっちマリウスにはなし。)

 

その余裕のなさは実際の戦いが始まるとさらにはっきりしてくる。

こんな命令口調の「マリウス!少し休め!」は初めて聞いたよ。。

休ませた方が良いという判断は働くけど声の掛け方の配慮はもう出来ないんだなぁ。

そんな高圧的な言葉なので、海マリも力みが取れるというよりは割と好戦的。

「分かったよ!聞けばいいんだろ!」というような吹っ切り方で銃を渡し、下に降りて行きました。

「どうした!報告しろ!」も怒鳴り声に近く、冷静さはまるでない。

だからこそマリウスが「ここにいても同じだ!」と一度止められて爆発するのも分かるし、それを止めるヤンバルの包容力が凄かったです。

でもそんなばっちアンジョも、グランの「死など無駄じゃないのか、偽りじゃないか」には首を横に振る。

余裕もなく心配りもあまり出来ない男だけど、彼にはいざ失敗すると分かっても、そこで自分の命を守って信念を曲げようとは思わないだけの覚悟はあったのだなと思う。

比較的生まれ的に余裕ある学生たちが信念を持って立ち上がった小さな暴動。

たった一晩で陥落してしまうのだし、実際のところはばっちアンジョくらいの力が妥当だったのかもしれないなと思わされました。

世界に自由をー!は上げるタイプ。

歌唱のギリギリさがより効果的に緊迫感を高めていました。

美しい顔を歪め信念を叫ぶばっちアンジョ。まさに命の限り、という感じ。

バリケードから落ちるときも、上手すぎて綺麗とかじゃなく怖い。

美しき最期、ではなくあぁ死んでしまった…と感じます。

 

そんなわけで「あまりに危うく、余裕のないアンジョルラス」という私としては新鮮なタイプに楽にして出会ったのはなかなか衝撃的でした。

相葉くん自身の初帝劇プレッシャーや重責が反映されていただろうし、今後続投するとしても経験を経て変わっていくだろうから、今期のばっちアンジョを観られて良かったです。ギリギリながら笑

せっかくならみりんマリとの絶対革命失敗しそうコンビも観てみたかったなーという心残り。

 

あとは楽だったのもあってか、結婚式の給仕が超ノリノリ笑

後ろでハイテンションで謎ダンスを繰り広げる姿が可愛かったです。ほっこり。

 

上山竜治さん(2)

またの名を海宝くんのお友だち。笑

初見かと思いきや花男ミュージカルで拝見していました。

あまり記憶がありませんが、、がっつり歌要員&並び的におじさんポジだったような気がしています。。

竜治アンジョは立ち姿やシルエットの美しさ、魅せ方に惚れました。

もともとスタイルも良いのだろうけど、さらに綺麗に見せる術を知っている感じ。

スタイリッシュで目がいくアンジョです。

余裕ある歌唱!とはいかないけど、声のブレはあまりなく安定感がある。

役作りもとても好感が持てるし、もし自分があの中にいたら、カリスマ性というより人間性についていこうという気になるかなという感じ。

懐が深く優しい印象です。

「マリウス!少し休め。」の声の掛け方が1番好き。

マリウスを案じているのがひしひしと伝わるし、 その優しさと心配が、余裕なく固まったマリウスの心にすーっと入っていってふっと力が抜ける感じがとても良くて。

竜治アンジョと海宝マリウスは気も合って、仲の良い同志だったんだろうと思う。

(大丈夫です、インスタ補正はかかっていません!←)

だからこそ恋や革命の実戦でおかしくなってしまっているマリウスに気が気でない感じ。

対マリウスの態度はその気持ちが常にあるのを感じると非常に説得力がありました。

あとは撃たれたマリウスに駆け寄ってグランに声をかけられたとき、竜治アンジョはグランを強く抱きしめる。

それは(今までありがとう)だったのか(お前のことだって俺はちゃんと分かってたよ)だったのか(さようなら)だったのか、、

ラストの♪世界に自由をーは上げるタイプ。ここはだいぶキツそうで、ばっちアンジョほどの絶叫まじりでもないので、竜治さんは無理に上げなくても良いんじゃないかなぁと思う。

 

3人の中で1番終始熱さの中にも冷静さを保ち続けたアンジョという印象です。

自分たちの革命がこうして暴動で終わる可能性もどこかで認識はしていて、もしそうなったとしても自分はそこに命をかけてバリケードで散ろうという覚悟があったんじゃないかと。

芝居面でとても好きなアンジョでした。海マリとのコンビもっと観たい!

ポストマン共演が楽しみです♪

 

上原理生さん(5)

私の中では理生アンジョがスタンダード。

個人的にアンジョは圧倒的に歌えて欲しいという願望があるので、豊かな声量で一気に周りを巻き込んでいく理生アンジョの歌唱は理想的なのです。

他の学生たちと明らかに違う自信と闘志(あと目力)、すぐに彼がリーダーなんだ、彼が率いているんだと分かるオーラは素晴らしいなと思います。

(原作では散々「美青年」「天使」と表現されているそうですが、それはちょっと…理生アンジョのイメージとは違うかな…)

まさにカリスマですし、良い加減革命も成功するんじゃないかと思うレベルの貫禄。

海宝マリウスとのコンビは出てきた瞬間、(今日はイケる気がする。)と思わずにはいられません。笑

一方で今の凄まじい存在感とオーラに到達してしまっている分、そろそろ卒業してしまってもおかしくないなと密かに恐れています。まだまだいてね〜

 

ABCの最後、♪今こそ喜びの声で迎えよう〜群となりて! の歌い上げはまさに圧巻。

聴きながら学生たちも、そして客席にいる自分自身も心が沸き立っていくのを感じます。

それを静めての民衆の歌。毎度最高に格好良いなと思います!

あとはやはりOne Day More、センターに走り込んでの♪嵐の日まで〜で空気を打ち破るような歌声は理生アンジョの強みよねえ。

最後も暗転してからも銃を掲げてゆっくりと奥へ進んでいくシルエットが見えて格好良いです。

 

グランの「死など無駄じゃないのか」ではっきりと目を合わせ首を横に振る。

そのあとも下手に向かうグランを気にしていて、声をかけに行こうか少し迷っている感じがあります。

島田ガブだとここで任せておけというようにアンジョの胸をポンと叩いてグランのところに行ってくれます。超絶男前。

「マリウス、少し休め!」も強めながらしっかりと心配が見えるので、マリウスも比較的素直に従う。

楽では、海宝マリウスがだいぶ興奮状態で「マリウス!」の呼びかけにすぐ反応できずだったんですが、ちゃんとマリウスの意識が向くのを待ってから、「少し休め」としっかり目を合わせて伝えていたのが印象的でした。

当たり前なんだけど、ちゃんと相手の心の動きと連動した芝居ができるのって素敵ですよね。

マリウスもその目力と差し出された手に、やっとふっと力が緩んだようで。

これぞ生の醍醐味…!と1人客席で悶えていました笑

ラストの対グランは記憶にある限り、グランの頰にゆっくりと両手を伸ばし触れるパターンが基本だったように思います。

これまたどんな想いだったのかは推測しきれなかったけど、、全体通し距離が近いわけじゃないけど比較的グランのこともしっかり気にかけているタイプのアンジョだと思うんですよね。

 

今回のアンジョの中で唯一♪世界に自由をー のラストを上げないのが理生くん。

音域的には1番余裕だと思うので、これはあえて上げないのだろうと思います。

以前はどうだったっけな。。

 

ふざけたおまけ

海宝マリウスとのイメージ in バリケード

ばっちアンジョ:同志、むしろちょっとお兄ちゃん

竜治アンジョ:親密な同志、目を見れば分かる

理生アンジョ:奥さん、または子犬(主に銃の受け取り方)

 

以上、ジャベ、アンジョ編でした。

a-syamu.hatenablog.com

f:id:a-syamu:20170717161939j:plain