前記事でも書いたように私がミュージカルにはまった作品はCATSでした。
当時はそんなに考えなかったけど、
今思うとCATSってとても特殊なミュージカルだと思う。
だって猫よ!?
オール猫!
ただでさえ突然歌ったり踊ったりするのが不自然!と言われるミュージカルなのに、
なぜ猫が歌ったり踊ったりすんねん!って言われかねないなと思います。
(ライオンキングだってライオンとかだけどリトルマーメイドだって人魚とかだけど、
ディズニーってまた違う分類な気がする。)
CATSはT.S.エリオットの詩が原作なのもあってかなかなか哲学的なのよね。
グリザベラの存在とか「天に昇る」ものを選ぶとか。。。
ただ私はそのあたりを一切考えずに観て楽しんできた。
やっぱりまだまだグリザベラのメモリーに何かを感じられるような女ではないんです。
正直言ってしまえば劇中のメモリーに感動したことも涙を流したこともない。
それは無理に感じようとしなくてもいろんな経験をして人生を歩んでいけば
きっといつか自然に響いてくるんだろうと思うのでね。
だけどそれ抜きでもCATSは楽しい!
1.役者の肉体
一発目から変態みたいだけど違うの!聞いて!
この作品といえば男女ともに全身タイツの衣装で有名ですが←
もうねとにかく身体がよく見える。
ダンスの筋肉の使い方から声を発するために身体に息を取り入れた瞬間も、
激しいダンスの後に最高のドヤ顔をしながらも激しく動く胸とお腹も。
鍛えられた役者の肉体はとても美しいし、CATSはそれを堪能するのに最高の衣装!
2.CATSシアターという空間
黄色と黒の外観からしてワクワクしません!?
客席に入った途端そこは夜のゴミ捨て場。
個人的には、夜と雑多にモノが溢れた場所ってテンション上がるポイントなのです。
それがどっちも存在していて、人間がいつも見ているサイズよりずっと大きい。
ゴミ捨て場の中にいる、中から外を覗いているような感覚になれる。
3.息もつかせぬ群舞
ソロナンバーももちろん楽しいけど、
やっぱりジェリクルソングとジェリクル舞踏会が最高。
全猫が現れて踊り狂う。
特に舞踏会はジェリクルムーンに誘われ、取りつかれたかのように
生き生きと鋭く踊る猫たちがとてもとても格好良いのです。
踊りきってポーズを決めた表情の誇らしげな様子と激しく息をしている感じが
何よりも大好き。
4.自由度高めな猫たち
四季というアドリブ出来ない劇団のなかでCATSは唯一の例外と言っても過言ではない。
役者の裁量に任される部分が多くてしかもそれ×24!
しかも同じ街で暮らしている猫なのですよ。
単体だけではなくそれぞれの関係性も楽しめるのがポイント。
たとえばマンカスとタガー。
真逆な性格なのは間違いない。
でも役者によってマンカスの方が年上っぽかったり同い年ぽかったり年は下だけど大人びてる印象だったり
いろいろだし、デュト様ナンバーのデュエットやミストナンバー前後だけでも組み合わせによって
印象は大きく変わってくる。
こんなのがごまんとあるんだもん、楽しいでしょう?
歌やダンス、ちょっとした目線のやりとりからでも関係性は感じられて、
しかもそれは人間同士じゃなくて猫なのにちゃんと分かるの。
まあでもその関係性とかを楽しめるのはあくまで歌やダンスのレベルが
一定水準を上回っていることが絶対条件なわけで。
私が横浜CATSでちょっと遠ざかった理由はやっぱり完成度の低下とだれを感じたから。
北海道CATSに行ったときは別物のように生き生きとしていて嬉しかったです。
大阪では新キャスもどっと増えてまた新しい魅力的な猫たちが生まれているんでしょうね。
関係性の想像(妄想?) の余地が大きいのがCATSをいくらでもリピートできる理由の
かなり大きな部分をしめてるんじゃないかなと思ってるし、
そこにのめりこむのってやっぱりオタク気質なんですよね。
今はこうやって冷静に分析出来るけど、小学5年で無意識にそこに魅力を感じちゃって
ハマった私は根がオタクだったんだろうなあという話。