No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

海宝カジモドin京都 1幕詳細

さてさて、昨日の総括↓

a-syamu.hatenablog.com 

に続きまして、こちらはとにかく細いレポ。

というか覚え書きですね。

未来の私が読み返して楽しむことを想定して書き殴っています。笑

ひたすらカジモドに特化したマニアックな感想ですが、よろしければお付き合いください!

観劇日:9月15日S、16日S、17日M、18日M

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それにしても出演が半年以上空いているとは思えない熱量でした。

作品やカンパニー自体もその間続いて成長し続けているのに、遅れをとるどころかむしろ牽引するくらいの素晴らしいパワー。

出ていない間も色々考察して、研究して、海宝くんのカジモドを深め続けていて、やっと舞台の上で表現できたんだな。この役が大好きなんだろうなとひしひしと感じました。

そんなカジモドを客席で見つめ、歌声を浴び、その想いをぶつけられる幸せたるや!

 

ノートルダムの鐘

18日やっとマント脱ぎ捨てるのが見える席だったけど結構手間取ってあまり軽やかに脱げず。笑

周囲を見回しながら前方に歩いてくる表情は少し硬く、口もクッと結んでいる。

そして本当に一瞬の変身。

人が存在を変えるのを目の当たりにすることってなかなかないですが、

何度観てもこの作品のこの演出(最後も合わせて)は秀逸。

まさに生の舞台、その時間と空間を共有する舞台ならではの醍醐味だなと思います。

個人的には海宝くんの姿が見えた瞬間、凄い勢いでバクバクしていた心臓が、

カジモドになって振り向いた途端しずかになるのでほんとびっくりします。

頭で理解してるのに本能レベルで別人と認識するみたい。色々怖い。

 

髪が短めなこともあり、ボサボサ度が高い。たまに不思議な方向にヒョコッとなっててそこもまた可愛い。

鐘を鳴らすためのロープ引っ張りは目に見えて高くまで上がるように。

これは別に海宝くんの力じゃなくてスタッフさんの力加減かと思いますが←

決めポーズの時の迫力というか存在感がすごい。

プロローグで下地が作られ、引き込まれた観客の気持ちが1度ぐわっと高まる。

そこに恐ろしいまでの存在感を放つカジモド。

あぁこの男の話が始まるんだと肌に感じる空気で思い知らされます。

個人的にはレミゼのバルジャンが歌い上げ、仮出獄許可書を破り捨てるプロローグのラストと少し似たものを感じる。

陽ざしの中へ

鐘たちへの呼びかけ。

18日はセリフをちょいミス。「いいよ続けてガブリエル」→「いいよガブリエル、続けて」

聞き慣れているので一瞬あれっと思ったけど当然本人は普段通りに続けるのでこちらも特に集中が途切れることはなく。

ガーゴイルたちとの会話もこの時点で東京の頃よりも明るい気がする。

いつもの朝、鳥と戯れて、鐘を綺麗にして、床を綺麗にして。

むしろガーゴイルに囲まれて楽しそうに笑っている姿が印象的でした。

「抜け出す!」も一緒にはっきりと声を出して楽しそうに。

 

フロローに声をかけられたとき、以前は一気に空気が暗く冷たく凍るような感覚でしたが、

ただ驚いて口をつぐんでいるくらいの感じ。

この変化は万寿夫フロローが大きく変わったことが要因の1つかなと思います。

どちらが先なのかは分からないけど厳しく冷たい面の強かったフロローから明らかに愛情を見せる芝フロロー方向に近くなった。

カジも答えながら(これ否定される…)って思っている様子がある。

何度そのやりとりをしても実際カジはガーゴイルたちと会話をしているから、問い詰められると事実を答えるしか選択肢がないんだろうなと。

それこそ2幕のエスメを守るときに初めて彼は「嘘をついた」わけだし。

それにしてもこんなに普通に会話していたかなと思うくらい自然。

口元を見ていればほぼ問題なく読み取って通常のテンポでやりとりが出来るんだろうなと思います。

石像の話も、カジが目を輝かせて近寄っていて、この時間を望み、楽しんでいる様子が見られる。

「逃げた!」で指をトコトコさせるのがむっちゃ可愛い。

フロローもカジがきちんと話を覚えてることに良い子だというように満足気な様子だし、「アフロディージアス」も途中まで言えていてハラハラしている感じが伝わります。

これは以前からだけど万寿夫フロローは手で口の動きを示す(?)ことで理論的に教えようとしているのが印象的。

 

下をご覧と言われたカジは笑みを浮かべながら街を覗き込む。色々見てはニコニコして。

日々こうやって楽しそうだなぁ良いなぁって笑顔で見下ろしているんだろうなぁと思う表情が、「今年で最後」と言われて一変する。

とてもショックを受けて、それまで以上に深く乗り出して、悲しそうな困惑した様子でじっと見つめて。

外の世界を望みながらも同時にそれを諦めていたというか、実際に出るつもりはなかったであろうカジの中に大きな変化がここで起こったことがその表情から伝わる。

もう行けなくなってしまう、なんとかしなくちゃと思ってのお供の提案で、

フロローも「アフロディージアス?」とそんなことを言い出したことに笑ってる。

言葉を覚えられないことじゃなく。

その後の言い聞かせ、万寿夫フロローも愛情が見えるというか本当に無駄に傷ついて欲しくないという思いがあってはっきり理解させているだけでそこに悪意は感じられない。

カジもじっと耳を傾け、「醜い」「気持ち悪い」と動きを繰り返しながらつぶやく。

フロローが自分を保護してくれる存在だと認識して一定の信頼を置いているからの反応だなと思います。

ここがすでに東京のときとは大きく印象の変わる部分。

カジモドとフロローの間にある程度の信頼関係、好意が見える。

 

でもフロローは「言う通りにここにいろ」と残して下へ。

1人になったカジがまとう寂しげな孤独なオーラに、これこれ…!となる孤独なカジ好きオタです。

歌い出しまでの間に自分に言い聞かせるかのように、理解させるかのように小さく周囲を見渡してうなずいて「僕の、サンクチュアリー」とつぶやく。

そこに明るい響きはない。

安全な聖域、でも実際石の壁に囲まれてたった1人街を見下ろしている。

この曲に限らずあまりセリフ調にせず楽曲として歌いながら言葉を乗せて伝えてくる印象です。

自分を囲む石の壁から、外の世界に目をやり、心を踊らせ、やっぱり自分は外に行きたいと楽曲に合わせて広がって行く気持ち。

憧れや望みを歌いながら、その一方にカジモドがいる現実、孤独があって、それが反対方向にある分深みを感じるのが好き。

やっぱり海宝カジの陽ざしの中へ は、決して明るく希望に満ち溢れただけの曲にならない。

曲中なんども光に手を伸ばしては、もう少しでまっすぐ伸びるというところで眩しさに耐えきれないように手を引っ込めてしまう、って流れがある。

個人的にはやっぱりこれが1番端的にカジモドを表現しているように感じるので、ここがとても好きだし、京都でも変わらなかったことにホッとしました。

それにしてもこの曲ラストのロングトーンを初日に聴いた瞬間に、あ、これ凄いかも…と思った。

いや東京の頃やコンサートでも聴いていてロングトーン凄かったけど、なんというか圧?

カジモドの決意の力強さ、重さが乗っているかのような圧が押し寄せてきて、涙ぐみながらうなずきたくなるような感覚。

歌唱もだけど役の想いがダイレクトに胸に突っ込んでくるような重さがありました。

 

15日のみ拍手がおさまりかけの後ろにはけて行くタイミングで「ヒャッハー!」とマリオばりの声をあげたのでどうした!?って思ったけど1日だけでした。笑

なんだったんだあれはww 

トプシーターヴィー

たぶん東京の頃このシーンのカジモドあまり見ていなかったようで、

は?可愛い。え?こんな可愛いのここ。は?と新鮮な感動に包まれました。

今回は全回下手寄りからの観劇だったこともあって近いのよ。。

すっごく楽しそうで、目を輝かせて周りを見ては、顔を出していることに気づいてダメだダメだってフードに隠れるを繰り返してるんだけど、何度でも言いたい。可愛い。

エスメ登場で一瞬驚きで身を後ろに引いて、でもすぐ乗り出して少し前方に進み出て、夢中で見てるの死ぬほど可愛いし、

たまにフードから顔がのぞいてキラキラの目が見えるのがたまらない。

そのあともエスメが近くにくると顔隠して身を引いちゃうけど、

それまでカジモドの目に映っていた初めて近くで見る街よりも、

エスメラルダの存在がはるかに魅力的だったことがその反応からもはっきりと分かる。

「目が奪われる」ってまさにこういうことなんだなって。

三重唱ではもう歌声がビリビリ。高めの音が続きますが、まさにカジモドの高揚した想いが反映されたようなメロディだよなぁ。

ため息をつくような「天使だ」、

最終日は目の前だったので「誰な⤴︎んだーーー!!」がビリビリ来て幸せでした。。

 

王様選びの時もほんと可愛くて、口元を手で隠して笑ったり、手を叩いて喜んだり、めっちゃ楽しんでいる。 

顔を見て一瞬悲鳴をあげられてすぐに顔を隠しているのになんで出ちゃったかなと思ったりしたけど。。

たぶんエスメに手を差し出されて何も考えられなかったのもあるとはいえ、

顔を見て悲鳴をあげたけどそれで危害を加えるわけでなく、すぐに普通に声をかけて手を差し伸べてくれたことで、自分の醜さに人がどう反応するかということは分からなかったんだよねきっと。

顔を入れてどよめきが起こってやんや言われた後も不安げな顔はしているものの恐れはあまり感じられないし、女1枠3枠にキスされてからは笑顔でむしろ楽しそう。

ステップを真似して、エスメにステッキみたいなのもらって無邪気に。

だからトマトを投げつけられて、群衆が豹変したところで、カジモドは一気にショックと恐怖に突き落とされる。

彼からしたらまさに地獄へ突き落とされたような感覚だったんだろうなと思う。

みんな笑っていたのにいきなり人が変わったように嘲り敵意を向けて暴力を振るわれて。

エスメにさえ怯える姿も、差し出された水を器を持つこともできず口をつけて飲む姿も、そんな状況でさえフロローに教えられたお礼をいうことは守る姿も、心に突き刺さる。

舞台前で小さくなっているところに男1枠に脅されてもう横に転がっちゃってるのもキツイし、何よりフロローに抱きつこうとして避けられるところですよね。。

避けられることを全く想定せず、やっと安心できる人、守ってくれる人と思っていた人に思いっきり向かっていった結果、ビターンと大きな音が出るほどの勢いで地面に倒れる。

地面に伏せたまましばらく動けず、背中を震わせて泣いている姿は忘れられません…

フィーバスに対しても顔を見ることもなく触るな!と言わんばかりに王冠を押し付けて戻っていく。

世界の頂上で

God Helpの最後の方でエスメの姿を見つけ、ずっと眺めているカジ。

フィーバスとのやりとりにハラハラあわあわしているのが可愛い。

身を乗り出しすぎた結果、手をかけていたところからつんのめっちゃって音を立てる、という流れになってました。

 

手をかけられてビクッと焦りはするけどカジとしても見つかることは多少予想していたわけで、

話しかけられてすぐに言葉は出るんですよね。

以前はもうちょっと始めたどたどしかった気がするけど、声の出し方や潰し具合もだいぶ変わっているのでその辺は結構違うかなぁ。

ガーゴイルの話あたりからはもうだいぶスムーズに会話を出来ているし嬉しそう。

エスメの顔をしっかり見ているので「怖いとこダメなの」って言葉にもすぐ対応できるんだね。

そのあとのエスメソロで、手すりの低い段に乗ったり降りたりしながらちょっとずつ距離を縮める海宝カジ可愛い。

結構しっかりエスメの顔見ていて、エスメと目があっても(えへへ良いでしょ?)って感じでちょっと照れたように笑いつつもしっかり見てくるww

バランス崩したフリで驚かせるところ、声をあげたエスメの方を見てとっても可笑しそうに笑って、落ちないよ〜というかのように手を横に振ってみせる。

ここの悪戯っぽい表情ほんと可愛かったな。。

そのあとの手の差し出し方が、一瞬止まって自分の服で手をゴシゴシしてからとても体勢を低くして下から覗き込むように手を出すんですよ。

あの瞬間はほんとまるでごく普通の無邪気な男の子のように見えて。とても可愛かった。

話しかけろ!とけしかけてくるガーゴイルたちにやめろって!っていうように左手をぶんぶん振ってるのも好き。

下手前方の弊害としてはやっぱり「冬は寒い」のあたりとかラストの話しかける様子が全然見えないというところなんですよね。。うーん上手も座りたかったなぁ(>_<)

 

テンション上がりきって鐘鳴らしちゃうし、知ってることを教えてあげるんだ!って鉛のことを興奮気味に話すカジ。

フロローの「カジモドー!」も聞こえていないようで、エスメに向けて振り返ったつもりがフロローの姿があってびっくりしてる。

ここに限らず、聞こえていない部分はとことん聞いていないのが分かって凄いんだよなぁ。

エスメが去ったあとのやりとりも、今の万寿夫フロローだとそれまでカジに手をあげたことはなかったんじゃないかなと感じる。

突然顔を叩かれて、すごくびっくりしてるし怯えて小さくなってる。

その1回目の怯えがあるからこそ「約束しろ!」の怒鳴り声に条件反射のように「約束します!」と心の伴わない約束をしています。 

天国の光

絢香ガーゴイルがいると、この冒頭の可愛さが増し増しで和みますね。。

難しい顔で街を覗きこんで、カジが行っちゃってることに慌ててトテトテ走っていくのとても可愛いです。。

アダルト風味な酒場と、執念と歪んだ感情で燃え盛る地獄の炎の間にこの曲があるので余計にカジモドやガーゴイルたちの世界というか雰囲気の違いが引き立つ。

特に「天国の光」と「地獄の炎」は言葉もシーンとしても完全に対になっていると思うし、大切な流れですよね。

曲調も全く違うし、カジモドは高い場所で孤独だけど下で優しく見守ってくれる4人の女性ガーゴイルたちがいて、

フロローは一見舞台上に人はたくさんいるし、ある意味その立場で周りに人がいることも(コーラスに包まれていることで)象徴されているのかなと思いますが、彼らは追い詰めてくるだけで実際フロローに味方はいない。

 

とまあ少し脱線してしまった。

今回は女性陣がオール開幕メンバーだったんですが、やっぱりバランスが良いんだよなぁ。

とっても優しい。

「彼女のことは考えちゃいけないんでしょ?」とか「何を考えろとか考えるなとかそんな指図おかしい。」とかこのセリフもカジモドに寄り添った優しさのある言い方なんだよね。

この人?たちがずっと彼を見守ってきたんだなって改めてその愛情を感じる。

海宝カジは上に行って歌い出すともう1人の世界で、天を仰いで街を見下ろして、エスメを想って柔らかい空気を抱きしめるように。

歌は壮大なんだけど、でも柱をぎゅっと抱いて歌うその姿と幸せはとても儚く小さな世界にも見える。不思議。

何だろうな、とても柔らかくて優しくて幸せなんだけど、やっぱりどこか孤独をまとっているというか表現の中になくてもなんとなく逆方面のベクトルも存在の中に感じるのはもう私の思い込みなんだろうか。

でもわりと残りのお2人とかだとまさに幸せいっぱいで幸福な気持ちに満たされてその想いがぶわわああぁって溢れ出てるような感覚があるけど、

海宝カジはなんかそこにどこか残るんだよなぁ孤独が。

ここでも「僕は醜いから」というフレーズがあって、フロローに教えられたあの手の動きとともに一瞬顔を歪めて声も忌々しげになるんですよね。

ある意味、この醜さは一部フロローがかけた呪いでもあるんじゃないかと思ってしまう。

でもこの曲の中ではその雰囲気をさほど乱すことなく続いていくのは、エスメへの想いの力の強さがそれを打ち消しているのかなと感じます。

 

純粋な歌唱の話でいうと、

♪あきらめて⤴︎たんだ のふわっとした抜き方と、♪明るく見えるよーーーーの超絶ロングトーンが最高でした。

やっぱり長く伸ばすときの声の太さと安定感ががっつり上がった気がする。

しかも野太いんじゃなくて声の質はあまり変化なく声量だけぐわーっと上がるので心地良い。

 

最後カジモドがはけていくときに女性クワイヤたちがハンドベルを鳴り響かせていることに最終日ようやく気づいたんですけど、あれとっても素敵だね。

天からの祝福の音色のようなキラキラした降り注ぐような音色。 

エスメラルダ

今回フォロワーさんから伺って初めてフロローと会話した後カジモドが上手バルコニーに残っていることを知りました。(遅い)

だってフィーバスが頑張って「エスメラルダのイバショにアンナイシテクレルモノに金貨2枚!」って叫んでるの気になって目がいっちゃうから。。

(あそこなんか異様に言いづらそうですよねww)

そこでフィーバスの様子を見ていて、なんて事するんだ!って激しく憤っているのね。たまに手すりをバシバシ叩く。(どこかのバリケードで既視感)

柱を抱きしめてるのが可愛い。

 

基本的に舞台奥にいながら歌うことが多いのに埋もれずにはっきりと声が届く。

高音まで声を変えずに力強く響かせられる強みが活かされてるなと思います。

♪何も出来ないのかーーー⤴︎とか。

エスメーラルダーー⤴︎とか。

ラストの♪あぁエスメラルダ 鐘を今打ちならせーーーー⤴︎もコーラスの中でもくっきりと浮き上がる。

フロロー、フィーバスと移っていく焦点がクライマックスにかけて確実にカジモドにシフトして、

カジモドの鐘を今打ちならせ!という絶唱にこたえるように鐘の音が鳴り響いて、

ラストセンター舞台前ギリギリまで飛び出して決めたときの存在感が圧倒的で最高に締まる。。

 

という大興奮状態の中、1幕終了。

休憩です。

 

続き↓

 

a-syamu.hatenablog.com

 

海宝カジモドin京都 総括

京都に海宝カジモドが舞い降りたよ!!

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ということで彼は本当にレミゼ大阪公演と名古屋公演のたった2週間の隙間に現れました。

稽古場写真にドーン!と出て各所を騒然とさせたあのときからはや2ヶ月。

個人的には久しぶりに吐き気がするようなキャス変待ちの時間を過ごし…

出たら出たで、「5、5日連続!?化け物か!?」と動揺し…

まあ実際は6日連続。休演日をはさんでさらに3日。

こんなにタフな人っているんだなとあまりの仕事人ぷりに恐れ慄いている今日この頃です。

 

まあそんなことはどうでも良いんだ!

この度、京都に遠征して海宝カジin京都を観てきまして、

あまりのパワーアップぶりに打ち震えたのでこれはしっかり書いておきたい…ということで久しぶりの細かいレポです。

 

前回東京の記録を書いたときは観劇自体からは時間が経っていて抽象的なものが多くなってしまったので。

a-syamu.hatenablog.com

 

と思ったんですけど実際書いたらあまりに細かくなってしまったので、、

じゃあ全体的にどうだったの?どう変わったの?というところの総括をこの記事で。

超細かいのは別でアップするのでご興味があれば読んでみてください!

 

私が観劇したのは9月15日夜、16日夜、17日昼、18日昼の4公演です。

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休演日明けはまた少し変わっているようなレポを見かけたので、あくまでこの期間観て私が感じたものだよーという点をご理解ください。

 

ポイントとしては以下5点。

1.全体的に顔の歪み、声の潰しは緩和

2.万寿夫フロローが優しくなったことによりフロローとの関係が変化

3.石になろうの感情のベクトルが変化

4.ラストの語りに感情が入るようになった

5.全体的に歌唱力が上がった

 

 

少し詳しく。

1.全体的に顔の歪み、声の潰しは緩和

右目はだいたいつぶっていますが、口元の歪みは少なくなりました。

歌っているときは特に。

それでも顔がまったく海宝くんに見えないのは変わらず。

顔の歪みに加え、障がいの度合いというか方向性も変わったような印象を受けます。

それは多少2のフロローの変化にも関係する気はするんですけど、話すときの不自由さはだいぶなくなったかと。

耳があまり聞こえない、唇を読んで会話を理解している様子は変わらず。

 

話し声も歌声も潰さずに声を変えているので、海宝くんの声には聞こえないけど東京の頃の声とも多少違っている。

これは前後でマリウスがびっちりなのを含めの連投仕様というか、喉に負担をかけないことを優先しての作り方かなと思ったり。

見た目も声も体勢も、東京の頃の方が激しかったけど、京都仕様で海宝くん本人がちらついたかと言えばまったくそんなことはなくカジモドとして何の問題なく成立していたのが実際のところかなと感じています。

横浜でしばらくカジモドに専念するとなった場合(仮定)、東京レベルまでの負荷にしてくるか連投に耐えうるであろう京都バージョンで行くのか気になるところです。

2.万寿夫フロローが優しくなったことによりフロローとの関係が変化

京都仕様…!?万寿夫フロローがめちゃくちゃ優しくなっていて驚きました。

優しいというか愛情がしっかり見えるようになった。かな。

以前は冷たく厳しく、海宝カジと万寿夫フロローだと怖いほどの緊張感でしたが、

厳しめながらも愛情を見せるフロローになったのでカジも心を開いていて信頼関係が見えるように。

結果、陽ざしの前のやりとりやトプシー後のビターンの雰囲気もガラッと変わります。

あとはこのフロローだからこんなに閉じこもってどこか違う世界で生きているみたいなんだな…と感じていたカジモドが、割と一般世界と近い位置に存在して見える。

エスメの「彼もあたしたちと人間よ!」って言葉に説得力が出ました。

そして何より序盤からのフロローとの関係性が変化したことで、殺害前後の重みがグッと、、深まった。さらに辛くなった…

3.石になろうの感情のベクトルが変化

東京の頃は、絶望と拒絶。

ガーゴイルたちを拒否して自分自身の内面へ負の感情を向けてどんどん閉じこもっているような感覚でした。

ある意味、絶望と拒絶には変わりないんだけど、、少し抽象的な部分も見えるようになったというか。

ガーゴイルが意味するものを自分にはもういらないと、そこを失くして心を閉ざして石になった方が良いんだって、

怒鳴りつけ、「もう分かっただろう?現実を見ろ!1人にしてくれ!」って傷つける言葉で殴りつけて、自らの中にある一部をずたずたに傷つけて黙らせているように感じた。

そんなベクトルの変化があった分、外に出す(=客席に直接向ける)エネルギー量が増したのかなと思います。

客席にもろに押し寄せる感情と歌声の圧がもう凄まじいです。。

4.ラストの語りに感情が入るようになった

徹底的に淡々とした語りを貫いていた東京。

なんと京都で感情が入るようになりました…!と言っても情感たっぷりとか抑揚があるとかそういうのとは違う。

もう別人なんだけど、でも確かにカジモドを演じきった俳優の言葉で、

どこかカジモドの心に寄り添った静かで穏やかな愛が感じられるそんな感覚でした。

そこに役と俳優との距離はしっかり残しながらも心を感じる今の語り、このパターンも好きだなぁ。。

5.全体的に歌唱力が上がった

あのー東京でもあれだけお上手だったんですけどね。。

え、マリウス演じるとそんな変わる??ってレベルで明らかに歌唱力が上がっておられました。。

特に分かりやすいのはロングトーンや高音で、 タンバリン3重唱やエスメラルダ、奇跡求めてとかの重ねる部分の響き方、声の抜け方が飛び抜けているし、

陽ざしの中へと天国の光のラスト、石になろうの後半とか声の伸びと太さがなんかもう凄かったです。

語彙力を失うくらい凄かったです。

歌唱力もだけど客席に届けるパワーが強くなったというか、ダイレクトに聴き手まで声ががっつり届くレベルが上がったというか。

あとは全体的にビブラートを効果的に効かせてくるようになった。

箇所としても増えてはいるんだけど、決して多用というわけではなくてちゃんと使う場所を計算して作ってるんじゃないかなと思わせる上手さ。

そもそもの話で声をあまり潰さなくなった結果歌いやすいというのもあるかもしれません。

 

 

さて、じゃあ1番変わらなかったところは?と聞かれたら、、

やっぱり「海宝直人とカジモドの徹底した分離」でした。

正直ここが変わってしまってたらどうしようと思っていたよ…

ホッとしました。笑

京都を観終わった今も自信を持って言えます。

カジモドになった瞬間からラストに墨を落とす瞬間まで、そこに海宝直人はまったく存在しない。

だからこそラスト墨を落として振り向いた時の衝撃は凄まじいものがあるし、

あの演出を実に効果的に活かしていると思う。 

カジモドを生き抜いて俳優海宝直人に戻った彼の透明感に満ちた美しさは相変わらず、いやむしろ輝きを増していて、毎度客席で息が止まりそうになっていました。

 

 

カジモド登板は約半年ぶりでしたが、私の観劇はちょうど8ヶ月ぶりくらい。

待ちわびた京都出演でした。

期待値が上がりすぎて勝手にどんどん神格化してしまっているような感じがして、正直不安な部分もあったんですけど、そんな心配はまったく無用でした。

やっぱり私は海宝くんが演じるカジモドと描き出すノートルダムの鐘の世界がとても好き。

彼のこの作品に対する想いの軸がブレない限り、私はどんな海宝カジでも違和感なく受け入れられるんだろうなと思った。

盲目かもしれないけど、この作品、この役はやっぱり特別。大好きです。

きっと横浜でもまた。

 

2017上半期観劇録 ③その他諸々

コンサート系(5作品7公演)

スパークリング・ヴォイスⅡ(3)

このコンサートのコンセプトは男女逆転。

男性陣が前作のベルベッツさんからミュー俳優さん軍団にチェンジ。 

正解だったと思います。

ベルベッツさんも決して悪くはなかったけど、やっぱり1曲1曲で瞬時に世界を作り空間を埋めなくてはいけないミュージカルコンサート。

演技力があるメンバーだとグッと面白くなる。

好きな曲も多く、とても楽しい時間でした!

男女デュエットだと、エンターテインメント性抜群の藤岡くんと香寿さんのYou are the Top、しっとりと美しく歌い上げる泉見くんとゆみこさんのSuddenly。

男性デュエットで、小芝居が楽しすぎる上口くんと理生くんの美しき戦争。好きでした!

そしてこのコンサートをきっかけに一気に好きになったのが上口耕平さん。

身のこなしの美しさ、ちょっとしたダンスの異様なまでのキレ、目を奪われます。

王道の美声歌うまというわけじゃないのに、不思議と魅力のある表現豊かな歌声。

好きな俳優さんがまた1人増えました。 

エリザベートガラコンサート

おさ(春野)トート、大鳥シシィの花組アニバーサリーバージョンに。

お目当てはゆみこさんルドルフ。

現役時代のゆみルドを観たことがなかったのでこれはチャンスだ…!と思い。

特にこのメンバーは歌唱力高めだったのもあり、歌も堪能、オーラも堪能!

出来ればコスチュームバージョンも見たかったし、フランツも見たかったし、水トートとなみシシィとの共演も見たかった。。

宝塚エリザベートの歴史を体感した観劇でした。

客層も宝塚をながーく愛しておられるのだろうなぁ。。と思われるような高齢女性がたくさん。

もうエリザも初演から20年以上だもんねえ。

NAOTO at home

「役以外を演じていない海宝くん」を初めて見たコンサート。 

どこを切っても海宝くんだし、ソロライブだから当たり前だけどたくさん歌ってくれるし、幸せすぎる時間でした。。

話し声すらも新鮮で「こんな風に話すんだ!」とか思いましたね。。

ディズニーとの親和性を再確認する一方で、Signや銀河鉄道999など今まで聞いたことない傾向の高音が生かされる歌があったり!

ソロライブならではで最高に楽しかった。

そしてノートルからは「陽ざしの中へ、ではなく、天国の光でもなく、石になろうでもなく、、Somedayを。」と。

正直驚きのチョイスでしたが、カジモドを演じていた海宝くんが歌うSomedayはまた違う響きがあり、、曲の深みを改めて感じられました。

少しだけどカジモドに関しての話もあり。大好きな役だったので本人から直前の役への想いを聞けたのがすごく嬉しかった。

フレンズ・オブ・ディズニー

これまた海宝くんが出ていなかったら足を運ぶことのなかったコンサートです。

何よりの思い出深いのは(海宝カジモドの映像こんなちゃんとあるんかい!!)と思ったこと!ではなく、

海宝くんの♪陽ざしの中へ が終わったときにどよめき混じりの大きな拍手があって、

すぐ斜め後ろの男の2人組が「わぁ…すげえ…」と声を漏らしていたことでした。

振り向いてドヤ顔したかった!笑

完全にプリンスポジを独占していて、、美味しかったです。

モアナ屋比久ちゃんの生歌を聴けたのも良かったなぁ。

とても瑞々しくまっすぐで綺麗な歌声だった。

生山寺ジーニーも凄かったし、こういうコンサートも面白いものだなぁと。

ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2017 

とにかく圧巻だったのがこのコンサート。

以前もこのコンサートシリーズは行ったことがあるんですが、、断然今回の方が良かった。。

まずメンバーが凄まじい。

日本から玲奈ちゃんと海宝くん、海外からベン・フォスターさんとシエラ・ボーゲスさん。

下手な人が誰もいない!!

MMSは2度目でしたが、前回行ったときは日本人メインで来日メンバーはあくまでゲスト立ち位置でした。

でも今回は主役は海外からのお2人だったと思う。 

玲奈ちゃん海宝くんもそれぞれ自分の持ち歌や個性を活かした歌をしっかり聴かせてくれたけど、

ベンとシエラはこれが世界最高峰の実力やぁぁ!って感じでした。笑

がっつりオペラ座の世界を聴かせてくれて、アンコールにはPONR!

(自分含め)客席の熱狂っぷりは忘れられません。テンション上がったなぁ。。

海宝くんの♪Love Changes Everything、♪This is The Moment が音域も合っていて伸びやかでとても良かった。

幹二さん路線もいけるなぁと嬉しくなった公演でした。

玲奈ちゃんは当時未発表でしたが、産休前最後の公演となったはず。

1人スタンドマイク使用なのと、愛おしそうにお腹を撫でながら歌う♪命をあげよう に(あれ、妊娠してたんだっけ?)と思いましたがその後の発表で納得でした。 

 

その他(6作品9公演)

崩壊シリーズ『リメンバーミー』(3)

昨年の第1弾、「九条丸家の殺人事件」に引き続きどコメディシリーズ。

前回はイギリスの作品を日本版に仕立て直したもの、今回は前回の設定を残しつつのオリジナル作品です。

作、演出はオークラさん。

率直に言うと、第1弾が面白すぎたので完全オリジナルの第2弾は少し物足りない部分もあったかなぁ。

時間のさき方やシーンのバランスがうーんと思う部分もあったし、色々詰め込まれすぎてキャラクターの設定が前回よりもあまり活かされていなかった印象です。

前作見てるからかろうじて分かるけどもうちょっと丁寧に描かないと初見の人には伝わらないだろうなと思う部分があったり。

それでもコメディ(というかもはやコント)としては十分笑えたし楽しかったんだけど、、前作で期待値が上がりすぎていたかなと思います。

髑髏城の七人Season花(2)

生で1回、ライブビューイングに1回。

IHIアラウンドシアター。

360°回転劇場は、セット転換を考えずに済む分しっかり作り込めるんだろうなと思います。

回りながらどんどん自分の頭でどこにどのセットがあるのか組み立てていくという謎の一人遊びをしたくなる。

途中まではこれ360°の必要あるだろうかと思ってたけど、カテコでの使い方が最高すぎて泣きそうでした。

あれだけで意味があるな。

花は演劇色強め。小栗捨、耕史蘭、成河天魔、他の方々も魅力的なお芝居でした。

久しぶりに芝居の面白さに魅了された。

それにしても古田贋鉄斎の場のかっさらい方がさすが…笑

不信

母が行けなくなってしまったので代わりに。父と。笑

それこそ、この手のストプレを観ることは少ないので楽しかった。

まず、客席で舞台を挟むサンドイッチ式のステージに驚き。

演劇ってどう感想を書いて良いか難しいんですが、、

どんどん引き込まれて、騙されて、騙されました。

話の繋ぎ方とか伏線の張り方がやっぱりミュージカルと違うのでそこが新鮮。

雨に唄えば

オーブの来日公演。

前回の来日のときは遠めの席で観て、今度の機会があれば絶対水かかるところで観るぞ!と心を決めていたので念願の再来日でした。笑

メインキャストはだいたい前回のまんまだったのかな?

懐かしさもあったし、古典的だけど華やかで楽しくて完成された作品だなぁと改めて思いました。

思いっきり水かけられて、ビニールシートでも防げずがっつり濡れましたが、とても楽しかった。

いたずらっぽい笑顔で生き生きと水を蹴り飛ばすアダムクーパー最高。

I love a PIANO

久しぶりのDDDクロスシアター。

小さな劇場ですが、このキャパではもったいないくらいの芸達者なメンバー。

ストーリーも全く知らずに行きましたが、パフォーマンス重視かと勝手に思いきやこれが1場面1場面ショーアップされながらもしっかりとストーリー性のある良作でした。

主人公の男女が若者→30代くらい→50代くらい(?)と3段階で年齢を重ねるにしたがって役者が入れ替わっていく。

役が引き継がれて、他の役者は違う役で同じ場に存在するという構造です。

これが出来るのは役者の力があってこそだなぁと思いました。

歌に酔いしれたかと思えば、腹筋が痛くなるほど笑い、華麗ダンスに見とれ、芝居に涙する。

小さな劇場、休憩なし、ぎゅっと中身の詰まった濃厚で上質な時間でした。

吉原光夫と黙示録

もはや公演ではないけど。笑

ニコ動で生配信する番組の公開収録、という位置付けで良いのだろうか。

海宝くんがゲストで出るよーというこれ、偶然にも有休をとった日の夜だったのでせっかくだし!と思って行ってきました。

公開収録の場に参加したことも初めてで、なんか面白かったです。

光夫さんのトークも初めて聞いたし、西川大貴さん、みりんぼしさんもお名前は知っていたけどちゃんと認識して言葉を聞いたのは初めて!

こうやっていろんな話をしているのを聞くと、舞台上としての役を演じる姿とは別の役者としての姿というかこういう人なんだなーみたいなのが少しだけど分かって面白い。

途中結構熱い芝居談義みたいな感じになって、その辺が最高に楽しかったです。

そういうのってあまりじっくり聞けないし、インタビューとかでの言葉ってやっぱり大衆向けだったり簡単にしていたりするから、

同じ役者同士でそういうのを語らう時の熱さと言葉ってとても魅力的だなと。

いつまでも聞いていたかったです。

 

海宝くんに関して言えば、「深海宝」というワードが生まれたり、

どこというと難しいんだけど、ミュージカルや発声についてのオタク気質が垣間見えたりとか、

光夫さんがジャベールとか向いてるんじゃないかというような話をしてくれたり、

あんまり積極的によく話すわけじゃないけどとても楽しめました。笑

 

ということで書き途中ですっかり忘れていた上半期の観劇録を仕上げてみました。

下書きに眠っていたので引っ張り出せて良かった!