No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterに生息→@musicalamnos

2017レミゼを語る ②ジャベール、アンジョルラス編

もう東京楽から1週間が経とうとしているというのにまだこれしか進んでいない(^◇^;)

マイペースに書き進めていきたいと思います。。

第2弾はジャベとアンジョ。熱い男2トップを。

 

関連記事

2017レミゼを語る ①バルジャン編 - No day but today(観劇的な意味で)

 

ジャベールは過去公演特にあまり注目していなかった、というか歌が心地良いなぁくらいは思っても心情の考察をしようとしたこともなかったので。。

今回超初心者です…

しかも今回もマリウスバイトシーンとジャベ登場シーンがよく被っていたせいでそこまで見られていない(^◇^;)

ジャベール

吉原光夫さん(1)

唯一の光夫ジャベが初回で終わってしまったのでこれまた記憶はあまりないのです。。

パワー全開で若々しい印象の光夫ジャベ。

張りのある少し特徴的で聞き取りやすい歌声。

福井バルとの対決、笑っちゃうくらい聞き取りやすかったです。それでいて大迫力。

自殺も怒涛の勢いで、もうこの自殺を止めることは誰にもできなかったんじゃないかと思います。

飛び降りる直前、気が触れたような笑いが漏れていた。

さすがに1回、しかも初回だけでは細かい芝居や心情まで把握できませんでした。

悔しい。いつかリベンジを。。

岸祐二さん(3)

私の中ではなんだか次男イメージのある岸ジャベ。

歌は高音&ロングトーンが強いので、Starsも自殺もラストをがっつり聴かせてくれます。良い。

仕事に関しての信念はしっかりあるけど、人生までもガッチガチに縛り付けたような生き方をしていた人ではないように思う。

基本的に足蹴りもソフト。

ある意味、他の2人より柔軟というか(緩いと言えるかもしれない笑)、裁きでバルジャンが名乗り出て逃亡することがなければ、そのまま比較的穏やかに生きていけたんじゃないかと。

馬車のあとのやりとりも、疑っているという訳ではなく、ただふと思い出したので話してしまった感じ。(緩い)

普段から割と市長とフランクに話していたんじゃないかなと思わせる雰囲気です。

でも対決では絶対的にバルジャン(特に光夫さん)の方が強いけど、それでも怪我するんじゃ…と思うくらいの迫力で掴み掛かります。

 

乞食たち以降、10年の月日の流れを1番感じさせるジャベでした。それでも川口ジャベよりだいぶ若々しいイメージ。

2幕頭、1度海宝マリウスにしれっとボディタッチしていたときもあり笑、

割と上手く学生に溶け込めていたような感じもします。やはり次男感。

♪また対決だ〜「殺せ!」とバルジャンに摑みかかる。

ジャベとしては暴動の阻止が目的での潜入でしょうから、バルジャンがバリケードに現れることは予想外だったはずで。

追い詰めるはずだったはずのバルジャンに逆に追い詰められた「なんてことだこれは逆だぞ!」の動揺が大きい。

でもそこまで行ったらもう殺されるつもりだったと思います。(ここから下は川口ジャベも共通していることですが、、)

対決であれだけ本気で向かって来ていたんだから当然殺すだろうと思っていたし、むしろそこで自分を殺した方がジャベとしては受け入れられる出来事だったはず。

そこであの対応を(ヤンバルだと穏やかさすら感じさせて)されたので、自分の見ていたもの、考えていたもの、信じていたもの、それら全てがぐらついてしまった。

まさに「俺にこの命与えて殺した」のです。

 

個人的にはバリケードの一件で、岸ジャベは"迷い"に突き落とされたように感じています。

俺はなにを見てきたのか、俺の考えは間違っていたのか。

だからこそ岸ジャベはそれをはっきりさせるために再びバルジャンに対峙したのではないかと。

でもやはりバルジャンは変わらなかった。

そこでいよいよ自分の生き方に迷いが生じたんだと。

そしてこれは楽で初めて感じた解釈なのでそれまでどうだったかは分からないけど…

「死ぬはずの俺が地獄で生きている」のところで辺りを見回し、そこから一気におかしくなってしまったジャベ。

今、自分がいるこの場所は地獄だと認識したのかなと思います。

そして天を仰ぎ星を見る、でもたぶんその星たちはジャベの目にはかつてのようには映らない。

ここはもう自分が生きていた世界ではないと。岸ジャベは迷っていたからこそそこから逃れようとしたのかなと思います。

命を絶つという意識はあまりなかったのではないかとさえ思う。

 

細かいところだと、

ガブの亡骸を前に膝をついて十字を切るとこが好き。

あとバリケード陥落後に痕跡を見つけた岸ジャベの「ジャン…バル…ジャン!」の押し殺した感じとフルネームなのが良いなぁと。

それと岸ジャベはマリウスの話を聞かない度高い笑

 

岸ジャベはカテコも格好良いですよね!

最後の方なくなってしまったけど、挨拶時に劇場の床にキスするところロマンチストなジャベっぽくて好きだった笑

後半はマントを颯爽と翻すようになってそれまた格好良かった。

カテコでジャベが笑顔だとなんだかホッとします。

川口竜也さん(4)

個人的には定番型だと思っている川口ジャベ。

歌声も深く声量もあり聴き取りやすく、演技も渋みがあって安定のジャベです。

あと足蹴りの鋭さが好き!厳しさと同時にどこか潔癖な感じもして。

彼が持っているのは揺るぎない絶対的な、人生をかけた信念。

牢獄で生まれたジャベール、というのが1番理解できるのが川口ジャベです。

彼は牢獄の看守だろうと街の警部だろうと、生まれながらの境遇から定まった仕事に対しての強い信念を持っていて、

その信念に基づいて行動していたのに、バルジャンに崩され、揺らぐ。

馬車のあとの「そいつは仮出獄で逃げたが(腕がしっ)」は絶対確信犯だろうと思います。

バルジャンの出方によってはどうなったか分からないというか。

対決で首を絞められた時、苦しくなって離せというようにトントンと叩くところがいつも少し意外だったりする。

意地でもそれをしない岸ジャベとはどっちかといえば逆なんじゃないかと。

 

ヤンバルが少し躊躇してから決心して住所を告げるところ、川口ジャベは結構動揺していたように思う。

バルジャンの迷いや覚悟を目の当たりにして、ずっと犯罪者、悪者としか見ていなかった相手が血の通った人間で、さらに自分を救おうとしている(=良心を持っている)ことにはっとしたような。

だけど、岸ジャベがそこで迷い始めるのと違い、川口ジャベは己の信念を疑う気はあまりない気がする。

バルジャンに救われた自分、そしてバルジャンを見逃してしまった自分、そこに動揺して苦しみ、

自分の信念が崩れる歪んだこの世界から逃れるのが唯一自分を保てる道だと判断して死を選んだ気がしてならない。

 

でもそれでいて川口ジャベは、バリケードのバルジャベシーンで殺せと迫るとき「おい!ジャン!」と呼んだり、陥落後のバリケードで「バルジャン!」と叫んだり 、どこか繋がりの深さを感じさせるところがある。

川口ジャベはずっと1人で生きてきたような感じなので、逃亡者と追跡者という関係でありながらもこんな長く関わった人間はバルジャンだけなんじゃないかと思ったりします。

誰よりも寂しい人間だったのはジャベだったんじゃないかと思わされる川口ジャベでした。

 

アンジョルラス

相葉裕樹さん(1)

楽にして滑り込みで観ることができたばっちアンジョ!

相葉くん自体は去年のGAコンサート以来2度目でした。たぶん。

その時はOne Day Moreでマリウスパート歌ったり焦らされ笑

やっぱりマリウス向きなのでは?と思ったけど、ちゃんとアンジョになっていましたすごい。(当たり前)

まず頭身バランスが少女漫画みたい。背も高く腰の位置も高く首も長く…

他2人は芝居の方向性というか印象がまったく違うアンジョでした。

勝手なイメージよりもはるかに歌えていて嬉しい驚きでした。

個人的にはアンジョは圧倒的な歌唱力があればあるほど良しと思っていますが、、

歌で聴かせる!というレベルではないけど、役をこなすには十分かと。

(まだ地に足着いてない上山アンジョレベルの歌唱という認識です)

しっかり支えられるようになって声の揺らぎが減ると良いな〜と思います。

 

ばっちアンジョはとても危なっかしいです。(実力的な意味ではなく役的にね)

端正な容姿を持ち、意志を持った目力の強い瞳で人を惹きつける。

でもどこか余裕がない、まだ若く未熟な青年。

客席から見ればその危うさは明らかだけど、あの場にいる学生たちは誰も気づけない。

観てるとき、他2人だと割と客席も学生たちと同じように気持ちが盛り上がる感じなんだけど、ばっちアンジョだとここで抱く感情が全然違ってびっくり。

「マリウス!分かるけれど!」も完全にセリフ。しかもこれまた全然分かってないww

やはり余裕がないんだよなぁ。マリウスに声をかけて革命の方を向かせるというよりは、「ダメじゃないか!僕らは革命をやるんだろ!!」って感じ。

他2人のアンジョは学生たちの中で頭1つ2つ抜け出て引っ張る存在に思えるけど、ばっちアンジョは比較的他の学生たちと横並び。みんなの力を合わせてこそ成し遂げられる、そんな印象です。

他マリウスだとどうなのか分からないけど、海宝マリウスだとかなりその力を頼られている感じがします。

だからこそよそ見をされては困る!という意思がある。(ここでマリウスの心情など考えられる余裕はばっちマリウスにはなし。)

 

その余裕のなさは実際の戦いが始まるとさらにはっきりしてくる。

こんな命令口調の「マリウス!少し休め!」は初めて聞いたよ。。

休ませた方が良いという判断は働くけど声の掛け方の配慮はもう出来ないんだなぁ。

そんな高圧的な言葉なので、海マリも力みが取れるというよりは割と好戦的。

「分かったよ!聞けばいいんだろ!」というような吹っ切り方で銃を渡し、下に降りて行きました。

「どうした!報告しろ!」も怒鳴り声に近く、冷静さはまるでない。

だからこそマリウスが「ここにいても同じだ!」と一度止められて爆発するのも分かるし、それを止めるヤンバルの包容力が凄かったです。

でもそんなばっちアンジョも、グランの「死など無駄じゃないのか、偽りじゃないか」には首を横に振る。

余裕もなく心配りもあまり出来ない男だけど、彼にはいざ失敗すると分かっても、そこで自分の命を守って信念を曲げようとは思わないだけの覚悟はあったのだなと思う。

比較的生まれ的に余裕ある学生たちが信念を持って立ち上がった小さな暴動。

たった一晩で陥落してしまうのだし、実際のところはばっちアンジョくらいの力が妥当だったのかもしれないなと思わされました。

世界に自由をー!は上げるタイプ。

歌唱のギリギリさがより効果的に緊迫感を高めていました。

美しい顔を歪め信念を叫ぶばっちアンジョ。まさに命の限り、という感じ。

バリケードから落ちるときも、上手すぎて綺麗とかじゃなく怖い。

美しき最期、ではなくあぁ死んでしまった…と感じます。

 

そんなわけで「あまりに危うく、余裕のないアンジョルラス」という私としては新鮮なタイプに楽にして出会ったのはなかなか衝撃的でした。

相葉くん自身の初帝劇プレッシャーや重責が反映されていただろうし、今後続投するとしても経験を経て変わっていくだろうから、今期のばっちアンジョを観られて良かったです。ギリギリながら笑

せっかくならみりんマリとの絶対革命失敗しそうコンビも観てみたかったなーという心残り。

 

あとは楽だったのもあってか、結婚式の給仕が超ノリノリ笑

後ろでハイテンションで謎ダンスを繰り広げる姿が可愛かったです。ほっこり。

 

上山竜治さん(2)

またの名を海宝くんのお友だち。笑

初見かと思いきや花男ミュージカルで拝見していました。

あまり記憶がありませんが、、がっつり歌要員&並び的におじさんポジだったような気がしています。。

竜治アンジョは立ち姿やシルエットの美しさ、魅せ方に惚れました。

もともとスタイルも良いのだろうけど、さらに綺麗に見せる術を知っている感じ。

スタイリッシュで目がいくアンジョです。

余裕ある歌唱!とはいかないけど、声のブレはあまりなく安定感がある。

役作りもとても好感が持てるし、もし自分があの中にいたら、カリスマ性というより人間性についていこうという気になるかなという感じ。

懐が深く優しい印象です。

「マリウス!少し休め。」の声の掛け方が1番好き。

マリウスを案じているのがひしひしと伝わるし、 その優しさと心配が、余裕なく固まったマリウスの心にすーっと入っていってふっと力が抜ける感じがとても良くて。

竜治アンジョと海宝マリウスは気も合って、仲の良い同志だったんだろうと思う。

(大丈夫です、インスタ補正はかかっていません!←)

だからこそ恋や革命の実戦でおかしくなってしまっているマリウスに気が気でない感じ。

対マリウスの態度はその気持ちが常にあるのを感じると非常に説得力がありました。

あとは撃たれたマリウスに駆け寄ってグランに声をかけられたとき、竜治アンジョはグランを強く抱きしめる。

それは(今までありがとう)だったのか(お前のことだって俺はちゃんと分かってたよ)だったのか(さようなら)だったのか、、

ラストの♪世界に自由をーは上げるタイプ。ここはだいぶキツそうで、ばっちアンジョほどの絶叫まじりでもないので、竜治さんは無理に上げなくても良いんじゃないかなぁと思う。

 

3人の中で1番終始熱さの中にも冷静さを保ち続けたアンジョという印象です。

自分たちの革命がこうして暴動で終わる可能性もどこかで認識はしていて、もしそうなったとしても自分はそこに命をかけてバリケードで散ろうという覚悟があったんじゃないかと。

芝居面でとても好きなアンジョでした。海マリとのコンビもっと観たい!

ポストマン共演が楽しみです♪

 

上原理生さん(5)

私の中では理生アンジョがスタンダード。

個人的にアンジョは圧倒的に歌えて欲しいという願望があるので、豊かな声量で一気に周りを巻き込んでいく理生アンジョの歌唱は理想的なのです。

他の学生たちと明らかに違う自信と闘志(あと目力)、すぐに彼がリーダーなんだ、彼が率いているんだと分かるオーラは素晴らしいなと思います。

(原作では散々「美青年」「天使」と表現されているそうですが、それはちょっと…理生アンジョのイメージとは違うかな…)

まさにカリスマですし、良い加減革命も成功するんじゃないかと思うレベルの貫禄。

海宝マリウスとのコンビは出てきた瞬間、(今日はイケる気がする。)と思わずにはいられません。笑

一方で今の凄まじい存在感とオーラに到達してしまっている分、そろそろ卒業してしまってもおかしくないなと密かに恐れています。まだまだいてね〜

 

ABCの最後、♪今こそ喜びの声で迎えよう〜群となりて! の歌い上げはまさに圧巻。

聴きながら学生たちも、そして客席にいる自分自身も心が沸き立っていくのを感じます。

それを静めての民衆の歌。毎度最高に格好良いなと思います!

あとはやはりOne Day More、センターに走り込んでの♪嵐の日まで〜で空気を打ち破るような歌声は理生アンジョの強みよねえ。

最後も暗転してからも銃を掲げてゆっくりと奥へ進んでいくシルエットが見えて格好良いです。

 

グランの「死など無駄じゃないのか」ではっきりと目を合わせ首を横に振る。

そのあとも下手に向かうグランを気にしていて、声をかけに行こうか少し迷っている感じがあります。

島田ガブだとここで任せておけというようにアンジョの胸をポンと叩いてグランのところに行ってくれます。超絶男前。

「マリウス、少し休め!」も強めながらしっかりと心配が見えるので、マリウスも比較的素直に従う。

楽では、海宝マリウスがだいぶ興奮状態で「マリウス!」の呼びかけにすぐ反応できずだったんですが、ちゃんとマリウスの意識が向くのを待ってから、「少し休め」としっかり目を合わせて伝えていたのが印象的でした。

当たり前なんだけど、ちゃんと相手の心の動きと連動した芝居ができるのって素敵ですよね。

マリウスもその目力と差し出された手に、やっとふっと力が緩んだようで。

これぞ生の醍醐味…!と1人客席で悶えていました笑

ラストの対グランは記憶にある限り、グランの頰にゆっくりと両手を伸ばし触れるパターンが基本だったように思います。

これまたどんな想いだったのかは推測しきれなかったけど、、全体通し距離が近いわけじゃないけど比較的グランのこともしっかり気にかけているタイプのアンジョだと思うんですよね。

 

今回のアンジョの中で唯一♪世界に自由をー のラストを上げないのが理生くん。

音域的には1番余裕だと思うので、これはあえて上げないのだろうと思います。

以前はどうだったっけな。。

 

ふざけたおまけ

海宝マリウスとのイメージ in バリケード

ばっちアンジョ:同志、むしろちょっとお兄ちゃん

竜治アンジョ:親密な同志、目を見れば分かる

理生アンジョ:奥さん、または子犬(主に銃の受け取り方)

 

以上、ジャベ、アンジョ編でした。

a-syamu.hatenablog.com

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2017レミゼを語る ①バルジャン編

レ・ミゼラブル30周年帝劇公演が千秋楽を迎えました。

5月に開幕して2ヶ月間本当にあっという間!

今まで恒例行事程度にしか観ていなかったこの作品ですが、今回は海宝マリウスにホイホイされて8回ほど帝劇へ足を運びました。

いやー楽しかった。素晴らしかった。

想いの冷めないうちに、役別の感想を残しておきたいと思います。

長すぎて最後までたどり着ける自信がないけど!

よろしければお付き合いください(*^^*)

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バルジャン

福井晶一さん(2)

(自分がチケット取ったんですけど)残念なことに初回2回で終わってしまった福井バル。5月でおしまいでした。。

初回でマリウス追うのに必死だったこともあり、細部の記憶があまりない。

福井さんは後半にかけてパワーアップ型と聞いたりするので、もう1回観ていればなぁ。。と心残りです。

印象としてはスタンダードなバルジャン。標準型。

素晴らしい美声かつ言葉もダントツで聞き取りやすいので耳に優しいです。

穏やかな印象があるので、荒れてる時期より市長以降の方がしっくりくる。

13年で不安定に感じた裏声部分も今回は問題なく。彼を帰して もしっかりと歌いこなしていたように感じました。

他2人がエネルギー大爆発で己の軸に振り切ったバルジャンなので、開幕直後にしか観ていない福井バルはどうしても王道な印象がある。

次回チャンスがあれば絶対に後半で1回は観るようにしたい。

 

吉原光夫さん(2)

個人的には光夫さん自身に対してはジャベっぽい印象を抱いていたりするんですが、、

すごく良いバルジャンなんだよね〜役者さんだよね。。(当たり前)

プロローグの勢いとエネルギッシュさは光夫バルがダントツです。

ジェットコースターのような激しさがある。

バルジャンの人生があのわずか10分ほどではっきりと鮮やかに浮かび上がる。

テンポが上がった分、あそこで表現しきるのは相当難しいと思うんですが、光夫バルのプロローグの密度は本当にすごい。

荒々しく、教会で食べ物をもらったときもちゃんと座らず手すりに腰掛けて貪ったり。

かといえば司教に頭に触れられて泣き顔に。

ラストの♪生まれ変わるのだー はオケが終わっても残るほどのロングローン!

圧倒されているうちに終わってしまうんですよね。。

 

全編を通し、光夫バルは戦闘面激強だし荒い(ただし女性子どもには優しい)。

工場でファンテをなだめるときとか、手紙を届けたエポが女の子だと気付いたときとか、女性への優しさは顕著。

その性質はもともと昔から持っていて、囚人時代に色々変わったけどそこは変わらず残っていたように感じました。

精神的にも結構タフな印象。

馬車の件の後のジャベとのやり取りも、毅然としていてもはや高圧的なくらい。

だいぶハッタリ効かせて市長やってたんだろうなと思います笑

対決なんか勢いが凄すぎて、ジャベは絶対殺されると思っているだろうなと思うし。

バリケードでも光夫バルのあまりの気迫に勝てずにあの場を去ったような感じがする。

宿屋でもテナ夫婦への苛立ちを隠そうともしない。

 

でもその一方で情に厚いところも感じられて。

最後の戦い後、意識を取り戻してバリケードの惨状を見た光夫バルは呻き声をあげます。

とてもタフに見えた光夫バルが学生たちの死に一瞬理性を失うこの芝居、心に刺さる。

コゼットに対しても他2人のように優しく包み込むというよりは、深く愛していて危険は排除するけどベタ甘ではなく堂々としたムファサのような父親像。

なんですが、、マリウスへ告白するためにコゼットを行かせて、マリウスに真実を話し、その場を後にする、この一連の流れで驚くほど弱り老け込む光夫バル。

あれほど気丈で堂々としていた光夫バルがコゼットを失うことで一気に弱ってしまうのです。

ここで初めて、力強くコゼットを守っていたように見えた光夫バルジャンが、実は何よりコゼットの存在に支えられて生きていたことに気づかされる。

コゼットには遠く及ばずとも、たとえきっかけは彼女のためだったとしても、いつしか大切に想い愛情を持ち命まで救ったマリウス。

彼に事実を告げ、コゼットを守ってもらう決断をしたことで、バルジャンは本当に1人になる。

 

光夫バルは海宝マリウスとの組み合わせしか観ていないけど、この2人の芝居最高。。

他のペアだとコゼットとバルジャンの結びつきが強く、エピローグマリウスは蚊帳の外気味のこともあるんですが(それも当然でそのパターンも好きなんだけど)、

この2人だとバルジャンとマリウスの軸もしっかりと見えて好きです。

光夫バルは他は比較的淡々と告げているのに「会えば別れが辛いっっ!」は想いが思わず溢れ出てしまった感じで、そこでマリウスもはっきりとバルジャンの意志を理解したように思える。

海マリが告白を重く受け止め(多分バルの死期が近いことも悟っていたはず)、そのときの話を前提にコゼットへの語りかけを聞いているのも分かるし、

「私は父じゃない」と話し、コゼットがバルジャンの胸に顔を埋めるのを強く抱きしめながら、じっとマリウスと目を合わせ想いを託すのも、海マリがしっかり受け止めるのもはっきりと分かる。

なんかこう、、電流のような痺れをくれる芝居を見せてくれる方です。光夫バル。

 

ヤン・ジュンモさん(4)

大好きなヤンバル。

彼のバルジャンの1番の魅力は「神」と「愛」が軸として徹底されているところ。

そしてそれはジュンモさん自身の生き方や宗教観からも滲み出る説得力なのかなと思います。

母国語でない日本語で演じながら、ここまで言葉にそのまま想いを乗せられるものなのか。。

 

プロローグ、♪失せろという〜 終わりでふと我に帰りコインの持ち主の少年を探そうとする芝居があり、すでに良心が見られる。

そもそも心優しく純粋な人だったんだと思います。

教会から逃亡後捕まったときには、殴りかかられそうになると両手をあげ、抵抗の意思はない、やめてくれと言わんばかりの泣きそうな顔。

彼が一番恐れていたのは「恐怖と絶望が満ちたあの地獄へ連れ戻されること」。

それを強く感じます。独白での「またあの地獄へ送り返さずに」や裁きでの葛藤も。

司教に頭を触れられ、自分が赦しと更生への足がかりを与えられたことを悟ったヤンバルは赤ちゃんのように泣き声をあげる。

そして葛藤の独白。印象的なのは、息も荒く叫ぶように歌い、正面からの光を避けるように腕で顔を覆っていたバルジャンが「神の御心か」でふと落ち着いたトーンになり、光をはっきりと見るところです。

ヤンバルはあそこで神の御心を悟り、その光にしっかり顔を向けて舞台前面まで進みでる。

曲調、照明、芝居がすべてがリンクし、バルジャンの転機のタイミングをしっかりと伝えてくれる。

ここが私がヤンバルから強く神の存在を感じた1つのポイントです。

 

リトコゼとの出会いのシーンもヤンバルの優しさ、愛情深さがにじみ出ます。

驚いて後ろに倒れてしまったコゼットに、微笑みかけ、さらには手をくるくると回してお辞儀をします。(恐らくこれは毎回)

楽には握った手が冷たかったのか、そのままさすって温めていた。

「はい、コゼット」を聞いて表情には大きく出さないけど驚き、(この子が…)と動揺しているのが分かります。間が長い。

そしてつぶやくように「そう、コゼット。」

ヤンバルとしては道で小さな少女が困っていそうだから助けただけで、まさか目的のコゼットがこんな暗い場所でこんなに不憫な姿でいるとは夢にも思っていなかったんだと思います。

宿屋でも手の甲にキスをしたり、頰に触れたり、暇さえあれば愛情を示すヤンバル。

救い出し、人形をあげるときも、目を瞑らせる前にリトコゼの鼻をちょんとつまみます。(恐らくこれも毎回)

コートを着せて、お辞儀をしあうのはどのバルジャンも共通かと思いますが、

ヤンバルは出会ったときにもお辞儀をしたことでこの時点ですでに2回目。(これがマリウスへの告白前に繋がってくる)

 

コゼットが大きくなってからは、彩花コゼだと感動が5倍くらいです。いやもっとか。

とにかくコゼットに深い愛情を持ち、守り育てているのがよく分かるヤンバル。

相手のコゼットがパパ大好きっ子で愛に満ち溢れた気遣いの子だと、ヤンバルの愛情が余計に引き立ちます。

コゼの「何も知らず聞いていない〜」という呼びかけにすっかりしょぼんとしてしまうヤンバル。

彩花コゼだとハッと気づいて、違うの!私はあなたに愛されて幸せなのよ!ってフォローに入る感じが最高に好きです。 

 

対ジャベールも。ヤンバルはジャベに敵意も恨みもないのです。

コゼットを守ることが最優先だから、その障壁となったジャベを押しのけ避けることはあっても、ジャベ本人に恨みなんかない。

だからあそこまでまっすぐにジャベに向き合い、逃すんだと思う。

「プリュメ街55番にいる。」を告げるとき、少しの躊躇があります。

今までの全てが無駄になってしまうかもしれないという想いもあったはず。

でもマリウスがいれば最悪自分がいなくなってもコゼットを守れると思ったのではないかなぁ。

 

彼を帰して、豊かな歌唱はもちろんだけど、まさに神に語りかけるようなあの神聖な感じが大好きです。

個人的にずっと、ヤンバルはコゼット第一で彼女のためにマリウスを助けているような印象があったんですが、楽にして他の学生たちに対しても救いたいという想いを持っているのかなと感じました。

彼を帰しての曲中にはっきりと左右に目をやり、他の学生たちのことを見ていたのと、マリウスを抱えた状態でバリケードを見上げ、辛そうに声を漏らしていたのに気づいて。。

 

そしてスーパー泣き所タイム。

マリウスとコゼットを見つめながらゆっくりとやってくるヤンバル。すでに足元がよろついている感じ。

マリウスへの告白前に、コゼットを家に戻すところ、笑顔で見送ろうとするんだけど、1度グッと手に力を込めて引き止めるヤンバル。

これで最後になると思うと離れがたくて思わず引き止めてしまった。

でもコゼットに不自然に思われないように、笑ってくれるように、あのいつもの大仰なお辞儀を。

(最後の数回はもうその時点で泣き顔で、顔を見せないよう下を向いたままお辞儀をしていました。。

楽ではリトコゼにしていたように手をさすったりもしていて。そこ連動させてるのか…と思って泣けた。)

ちゃんとニコッと微笑んでスカートを広げお辞儀を返すコゼットが愛おしいです。

これまたコゼキャストによって、可愛らしかったり、ちょっと気取ったようだったり、個性が出ていてね。。

もうコゼットが去ってからは、ひどく弱々しく前傾姿勢で絞り出すような言葉。

マリウスも明らかにこれはただ事ではないと察している。

細く、弱く、泣きそうな告白。

「頼むよ」にすべてがこもっていて、マリウスもヤンバルを心配しながらもそれを拒むことができない。そんな感じ。

マリウスにすべてを託したバルジャンは、コゼットのいる家に向かってゆっくりと投げキスをして、共に過ごしたプリュメ街55番地をあとにするのです。

すべての目線や動きからコゼットへの愛情と別れの寂しさがビシビシ伝わってきてとにかく辛い。 

 

そしてエピローグ。もう瀕死です。言葉もたどたどしく明らかに死期が近い。

「夢にはコゼット来て死ぬ俺に泣いた」とうわごとのように呟きます。

コゼットが来てくれたとき、正直ヤンバルは自分が生きているか死んでいるか一瞬判断ついていないんじゃないかなと思ったりする。

その存在を、体温を引き止めるようにずっとコゼットの腕をさすり続けるヤンバル。

ようやくこれが現実で、今本物の愛するコゼットが側にいるのだと理解する。

「生きてみよう」から「最後の告白を書いた」の部分は、はっきり自分の現状を理解し、もう間もなく死を迎えることも分かって、最後の告白を自らの手で託そうとしているように思う。

悲しむコゼットをなだめるように、リトコゼにしたように鼻をちょんとつまむヤンバル。ここも過去とのリンクです。

これは完全にただの推測でしかないですが、手紙の探し方や、マリウスへのアクションもほぼないことから、ヤンバルはラストシーンもう目もよく見えていないんじゃないかと思ったりします。

コゼットに対しても顔を見るというよりは、ひたすら触れてその存在を感じようとしているような印象。

とにかく最後の瞬間までコゼットを想い、そして召されてからもずっと司教と対面するまでコゼットから目を離そうとしないヤンバル。

司教との出会いで「神の御心」「神の愛」がはっきりと彼の軸になり、ファンテとのことで自分が守り愛する対象が明確になる。

それからはもうずっとコゼットを幸せにすることだけが彼の人生の意味になる。

そんな、ひたすら愛に満ちたバルジャンでした。

彩花コゼとヤンバルの愛に満ちた親子が大好きでした。

 

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あれ、、これほぼヤンバル語りになってない?なってますね汗

もちろんどのバルジャンも素晴らしく、大好きだったけど、

中でもヤンバルは今までのバルジャン概念を打ち崩してくれたところがあり、

色々語っているうちに長くなってしまったのでした!!仕方ないね!

バルジャンだけで5,000字超えてしまったので今後が怖いですが、、

ある程度は残しておきたいので頑張ろう。

2017上半期観劇録 ②東宝ホリプロ系

四季の部に引き続き。

ブログなので結構はっきり書いてます。辛辣だったりもします。

ご注意を!

 

東宝ホリプロ系の部(6作品15公演)

フランケンシュタイン(6)

まだ今年のことなのが信じられない。。

恐ろしいほどの中毒性がある作品でした。

韓国でドンソクビクター、ウンテアンリのフランケンを観て約1年。

待ちわびていた分、演出や訳詩には、は!?😠と思うところも多々ありました。

初期はしっくりこないところもあったけど、徐々に役者が力技で組み立てていってくれた印象です。

あまり良いパターンではないと思うけど、脚本や演出の粗をカバーしようとした役者の熱量と裏付けある芝居を練り上げたところに惹きつけられたんだなと。今思えば。

再演は決まっているようですからブラッシュアップを期待して待ちたいと思います。

韓国の再演も待ってるよ!飛んでいくよ!

卒論を超える文字数の記事を書いたのも今は懐かしい思い出です。

一つ目だけペタリ↓

フランケンシュタイン日本初演の覚え書き 1幕その1 - マニアックに語る場所

レ・ミゼラブル(5)

レミゼ自体は初見から8年くらいでしょうか。

作品自体が大好き!!というわけでもなく恒例行事程度だったので、今までは行っても1シーズンに1、2回程度でした。

今期相当アクセル踏んでます。笑

きっかけはお察しの通り海宝マリウスですが、この作品もやはり回数を重ねると見えてくる楽しさ、気づきがあるんですよねえ。

レミゼは東京公演が落ち着いたらまた改めて(海宝マリウスの役作りがいかに筋が通っているかを中心に)記事を書ければなと思っています。

とりあえずヤンバル×彩花コゼ親子の愛情最強説は強く支持していきたい所存。

ロミオ&ジュリエット

キャストも演出もガラッと変わった3度目の公演。

TV芸能人目当ての従姉妹の付き添いで、大野ロミオ×木下ジュリエットの回を観劇。

新鮮味のあるキャストは結構おっと思う方もいて。

特に木下ジュリエットなんかは本当に良いお声だし初舞台とは思えない堂々とした地に足のついた芝居で今後の活躍に期待したいなーと思いました。

が、演出が酷かった。もうなぜこうなったと…しか言えなかったです。

初演再演も携帯やらメールやらうんざりでしたが、既読スルーのラップだの工事現場の鉄骨みたいなバルコニーだの変な衣装だのアロマだの。。

役者は熱演だけどこの演出では心が冷え切る一方。もう2度とこの演出のロミジュリは観たくありません。

きみはいい人、チャーリー・ブラウン

一方、正直話のネタレベルの気持ちで取ったら良すぎて愕然とした作品がこちら。

村井くん、そしてあっきーが出るなら、と思ってチケットを取りました。

この良さをどう表現したら良いのか難しい、、

一つ一つエピソードは小さなものだけど、そこには日常と少しの幸せとか少しの辛さがあって、積み重なってほわーっとした優しくやわらかいあたたかさが心に残る。そんな感じ。

大人が演じる子どもたち、そして犬。笑

大人として楽しいだけじゃない、必ずしも正義が勝つわけじゃない社会や毎日を過ごす今だからこそ、その姿を見てふっと肩の力を抜いて微笑めるのかなと思ったりしました。

うん、良い作品だったなぁ。また観たいです。

紳士のための愛と殺人の手引き

これまた観てみたら予想外に良かった!という作品。

かっきーが出ずっぱり&万里生っぽい歌を歌うとの情報を得て思わず行ったんですが、

正親さんの貫禄の芸達者っぷりは素晴らしく、エマちゃんの美声も堪能でき。

かっきーモンティはもっとピュアな感じの役かと思いきや、意外にも彼の得意分野の闇属性でした!笑

ウエンツモンティはまた違う役作りでここまでは闇広がってなかったようなのでその違いもみてみたかったなぁ。

アンサンブルの使い方もかなり好みで。

上手く出来た作品だったし、役者もその作品力をしっかり描き出していた。そんな印象でした。

グレート・ギャッツビー

今年2作目の某演出家の作品でしたが、、もしや私この方の演出もう無理なのでは…と思ってしまった。

この作品に関しては一言で言えばどう描きたかったの定まらないなという印象。

宝塚ではない外部(?)で上演する必要があったのだろうかと思ってしまうのよね。

芳雄さんは宝塚のトップスターそのものな描かれ方。背中で語る系。

万里生ニックも可愛かったし、この2人のデュエットを聴けるのも新鮮でした。

上手いんだよ!?このお2人には全く不満はありません。。

でもトータルとしてどうもまとまらないというか。入り込めないまま終わってしまった。残念です。

 

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東宝ホリプロ系は結構好きなものとモヤっとしたものと分かれたので、辛辣なものも多くてすみません。

上半期分は一応全部残せたら良いなぁ。記憶が薄れていく前に少しでも未来の自分に想い出を残したい( ´ ▽ ` )