No day but today

ミュージカル関連をディープかつマニアックに語りたいがために作ったブログです。普段はTwitterでわっしょいしてます→@musicalamnos

2017上半期観劇録 ①劇団四季

7月1日。下半期の始まりですねー!あっという間だ。。

せっかくのお休みなので、今日は上半期観劇の軽いまとめを。

こんな作品だったな〜こんな観劇だったな〜レベルです。

 

四季の部(6作品19公演)

ノートルダムの鐘(9)

この作品に関しては、別で記事も書いているし多分今後も書くので過去記事を貼るだけで割愛。

何度観ても、素晴らしい作品でした。

初演が秋劇場で良かった。秋劇場最後の作品がノートルダムの鐘で良かった。

2017年に入ってからは、海宝カジ2たつろーカジ4たなカジ3でした。足りぬ!

ノートルダムの鐘を語ってみるvol.5 飯田達郎カジモド千秋楽 - マニアックに語る場所

ノートルダムの鐘を語ってみるvol.4 個性真逆なWキャスト② - マニアックに語る場所

ノートルダムの鐘を語ってみるvol.3 個性真逆なWキャスト① - マニアックに語る場所

ノートルダムの鐘を語ってみるvol.2 海宝カジモド備忘録 - マニアックに語る場所

ノートルダムの鐘を語ってみるvol.1最高の演出 - マニアックに語る場所

アラジン(5)

基本的に開幕から3ヶ月に1度くらいのペースで観ていましたが一気に増えてしまった。。

今年のハイライトは何と言っても北村アラジンとの出会いでしょう。

輝く若さと人間らしさを感じる等身大の役作り。ディズニーアニメのイメージに近いタイプ。

長身で程よく美しい筋肉のついた綺麗な体に、(横顔海宝くん似の)あの整った濃いめのお顔立ちですよ。

アラジンを演じるために生まれてきたような俳優さんとすら思います。むちゃくちゃ好み。

話し声は高めなのに、低音もよく響き、何よりデュエットが魅力的。

まだまだ伸び代のある方だと思うので、今後も注目していきたいです北村優くん。

そして1年ぶりくらいに拝見した瑞恵ジャスミン、エルファバを経たからなのか、

歌がー!さらに伸びやかに!声の抜け方がもう1段階進化を遂げたように感じました。

北村アラジン×瑞恵ジャスミンの歌の相性が良く、AWNWなんかもう絶品。

開幕から2年をすぎても少しもダレることなく、エネルギー溢れるアラジンを観ることができて嬉しい限りです。 

キャッツ(2)

大阪CATS遠征!ダンスが大好きな祖母と一緒に行きました。

観たかったし期待通り大好きだったのが、三平ランペ、塚田スキンブル。

予想外に目を奪われたのが、すすマン、上川タガー、押田コリコ。

三平ランぺは声もダンスも絶品で、まさにコロリコロコロ!なランぺ。洋マンゴとのカップルにニマニマしてしまう笑

塚田スキンブルは噂には聞いていたけど、超絶美猫でした。ソングでロックオンされてあっさり陥落。ダンスが少しのったりしてるのもまた可愛い。

キラキラ美猫過ぎて、決して誰のものにもならなそうな感じまさにアイドル。 彼をものにするのはタガーより難易度高そう。

すすマンは身長もあるしメイクも美しく低音から高音、セリフまで良い声!ダンスもガシガシ。

真面目リーダーだけど彼の内面はただ真面目じゃなくて色々熱いものがあるように感じて楽しい。

上川タガーはデビュー間もなかったんだけど、、キレッキレでガシガシ踊ってて、

最高に格好良くて可愛くてエロくて挑発的なくせに握手が神対応&甘すぎる笑顔で惚れざるを得なかった。

そして一際小柄で細ーい押田コリコ。 ふとした表情や動き、ダンス、全部がまぎれもなく猫!

身体のラインがすごく綺麗だし柔軟性と跳躍力の高い動きが素晴らしかった。

ライオンキング

1年ぶり、海宝シンバ以来のLKでした。

春劇場クローズの前にもう1度観ておくかと思って。

これまたデビュー間もない鈴木シンバでした。爆発的な声量でパワフルなシンバ。

役を深めていくのはまだまだこれからという印象でした。

実は10年前のLKアンサンブルで拝見していたようです。(もちろん覚えていない)

メインの多くが初見だったのでなんだか新鮮な観劇でした。

初ミュージカルはLKでした。ありがとう春劇場!

ブラック・コメディ

キャスト発表にまんまと釣られた素人です。

同時期に別のアドリブ爆発もはやほぼコントな超コメディをよく観ていたので、爆笑という点ではそこまででした。

が、もうそれは脚本の限界かと。抱腹絶倒よりはクスッとするタイプの笑い。

キャストの実力は素晴らしく、四季節は気にならないけどはっきりと言葉が伝わる。

なかでも初ストプレの三平さん、歌やダンスの実力はよーく分かっていたけど、今回は完全に芝居だけの勝負。

セリフの音域も広く、活き活きとした台詞回しはさすがでした。もう何でも出来るね。。

最高の勅使瓦さんの無駄遣いでした笑

本編よりカテコで舞台にいる時間の方がはるかに長いでしょ。笑

オペラ座の怪人

初のKAAT劇場。久しぶりに母と2人の最前観劇でした。

メイン3人は全員初めて。

紗衣さんはWSSのマリアやソンダンのThink of meで好みのソプラノだったのでとても楽しみにしていたのですが、最高!心地よく美しく軽やかな歌声。

演出変更もあって感情もビシビシ伝わるし、力強く歌う箇所も増えていて聞き応えがあった。

墓場が3重唱になったのも嬉しかったなぁ。

神永ラウルは長身で衣装映えるし歌も今までの役で1番力を発揮できてるんじゃないかなという印象。

ただ高慢さを感じるけどロイヤル感はあまりないかな。 今の演出だとそういうラウルもありだなと思います。

佐野ファントムは激昂型に感じた。安定の良い声です。

でも演出変更でクリスやラウルが激しさを見せるようになった分、ファントムもこの作品の一つの役として溶け込んでしまうという部分もあるのかなと。

旧演出はファントムの存在が圧倒的だったように思うので、、どっちが良いかはお好みですかね。

個人的にはオペラ座は音楽を堪能できれば良し!派なのでどちらも楽しめた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

下期はすっかり関東での公演が減ってしまいますね。。寂しい。

個人的にはちらほら確保しているアラジンと 秋のソンダンが楽しみです。

ノートルダムの鐘を語ってみるvol.5 飯田達郎カジモド千秋楽

 

東京楽にあたり最後に書くのは、、もうこの方しかいないでしょう。

飯田達郎さん。

海宝くんがノートルダムを離れたときに私も一緒にこの作品から離れなかったのは、

完全にたつろーカジの存在があったから。

 

ブログだから基本的に全部本音で書きます。

 

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ノートルダムの鐘 アンサンブル - マニアックに語る場所

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開幕から半年間、定期的に同じ役の進化を見届けたのは私にとって初めての経験でした。

正直ここまでの変化があるものなのか…!?と驚いた。

こればかりは観ている側の感じ方と記憶がすべてなので実際そうだったのか断言はできないけど、、

目指したいものやカジモドを演じることで描く世界観の大枠は変わらないけど、役へのアプローチというか役作りはだいぶ変化したように思う。

そしてその変化の境は、今思うと海宝カジとW→田中カジとWになってからのあたりだったような。

前半では比較的「男」が強く、ごく普通の人間方向だったけど、

後半はとにかく純粋で屈託のない幼い子どものような状態から短期間で多くの経験をし成長する方向へ。

(たなカジが前半のたつろーカジの男感をさらに極めた方向性のように感じるので、あえてそこから離したのかなという気も。

結果、海宝カジとは別方向の純粋さにたつろーカジなりの明確な答えが出たように思います。

まあこればかりは本人のみぞ知る、ですね。)

 

 

たつろーカジモドの千秋楽、ノートルダムの鐘東京公演前楽が、my楽となりました。

あの場にいて、あの空気を感じられて本当に良かった。

あれほどの素晴らしいカジモドに到達したたつろーさん。

彼のカジモドで締めることができて良かったし、心からの賞賛の気持ちを込めて拍手をおくることができて、本当に良かったと思います。

 

初めは正直開幕から支えて来たたつろーカジが楽にでないとは何を考えているんだ…と思ったけど、

劇場が揺れるような拍手を聞いて、カンパニーも客席もたつろーカジを讃える気持ちで包まれているのを感じたら、

これはたった1人千秋楽を迎えるからこそ与えられた素晴らしい時間だったんだなと感じました。

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この記事では千秋楽の感想を。。

実はmy楽にしてたつろーカジの芝居を観たことで急に繋がった解釈がありまして。

♪天国の光 の「愛に満ちたあの光に」でそっと天を仰ぐように両手を遠く前に差し出していたたつろーカジ、

♪奇跡もとめて の「愛に満ちたあの光に」でも同じように、下手階段上から両手をエスメたちの方に差し出していました。

前者は微笑みを浮かべ、幸せそうな憧れの表情、後者では叶わぬ憧れを目の当たりにした悲しみと孤独、同じ歌詞でもあまりにも大きな差。

頭では認識していたはずだけど、初めてここで同じ歌詞を歌っていることにはっきりと気がつきました。

 

そしてさらに、、まったく同じ”両手を差し出す仕草”をしているところがもう1箇所。

フィナーレ、エスメの亡骸を前にフロリカのソロが響くとき、たつろーカジはフロリカに向かって両手を伸ばすのです。

あの包み込むような美しいフロリカの歌声はまさにカジモドが求め続けた「愛に満ちた光」なのだと私は思いました。

それは、カジモドが自らの手でフロローを殺害し、エスメラルダも死に、その魂が離れていくまさにその瞬間。カジモドが全ての愛を失ったとき。

あの美しいソロにはずっと特別なものを感じていたけれど、それが何故なのか、はっきりした答えは出ないままでした。

最後の最後でこんなにも美しい1つの答えに到達させてくれたたつろーカジの演技に心からの感謝を。

でもこう思えたのは、小川フロリカの必死にカジモドに届けようと歌う姿、平木フロリカの微笑みながら子守唄のように歌いかける姿、

「あのフロリカのソロを聴きながらなんとも言葉にできない気持ちになる」という海宝くんの言葉、すべての蓄積があったからだろうなぁ。

東京公演の集大成としてとても素敵な気づきでした。

 

そして話は戻りますが、、たつろーカジ、陽ざしの中への時点であぁ今日は明らかに違うなと思った。

「僕のサンクチュアリー」でそっと床に触れるカジモド。

あの場所が嫌いなわけじゃない。彼が生きる場所。石の友達がいる場所。でもとても狭くて小さい。 そこから「石の壁に隠れたままでと」と歌い出し、その世界はどんどん広がっていく。

まさに想いがそのまま言葉に乗っている、そんな歌唱でした。

「夢が叶うなら〜」からの目のきらめき、心に溢れる憧れ、思い浮かべ口にしているだけで幸せに溢れている様子、

こんなにも心がそのまま歌になったたつろーカジの陽ざしの中へ、初めてでした。

ラストのロングトーンもいつにも増して力強く長かった。

(海宝カジの解釈が大好きですが、ここまで全力で希望と憧れに舵を取られるとこれはこれでグッとくる。)

 

あれだけ希望いっぱいで出て行っただけに辛い。

しかもたつろーカジの場合、「普通の暮らし」を求めていたというより、ただ憧れの外の世界に行きたかったように思うので。。

(個人的にたなカジは普通の人のように普通に暮らすことを夢見ていたように思う。)

 

世界の頂上で、最初に触れられたときの上手く話せない感じと、テンション上がるにつれてどんどん饒舌になる感じ、カジモドのはしゃぎっぷりが伝わります。

自分の手を取ってくれたエスメラルダの手を、大切そうに包み込むの、好き。

そしてガーゴイルたちが歌い始めたことに驚くたつろーカジ。

今まで他の人(フロロー)がいるときにガーゴイルが話したことはないだろうから初めてだったんだよね。

ガーゴイルたちに応援され、勢いで「エスメラルダ!」と名前を呼んでしまった後、迷い戸惑いからの素直に自分の想いを伝えるのが良い。

楽は涙が浮かんでいました。幸せの涙。

目の前には笑顔のエスメラルダ、周りには暖かい眼差しで祝福するガーゴイルたち、なんて幸せな世界の頂上。

 

たつろーカジの♪天国の光 も大好きでした。

絢香ガーゴイルの「あれは違う。」「そーだね。。(´・ω・`)」のやりとりが本当に可愛くて。

2人とも舞台下に街並みを"見る"演技が上手いので、自然とその場所の高さが感じられるのよね。

「この顔に触れたんだ」と下のガーゴイルたちに歌い掛けるところもたつろーカジの好きポイントでした。これも中盤からやるようになったんだよなぁ。

 

あとはとにかく♪石になろう !!

まずガーゴイルたちの気迫が尋常ではなかった。

そんなガーゴイルに対するたつろーカジはいつも以上に力がこもっていて。

はじめはむしろ淡々と落ち着いているようなトーンで、

でもガーゴイルに話しかけられるうちにどんどん内に渦巻いていた感情が溢れ出し、嘆きと怒りが口からとめどなく出ていく。

以前はもっと子どもが暴れるような怒りに近く感じたけど、少し大人になったような。

外に怒りを溢れさせながらも、同時に自分にもその想いが向いている、そんな感じでした。

そして感情の持って行きかただけでなく、歌が完璧だった。

「1人にしてくれよ」も「こころー」もギリギリで絞り出すような歌唱ではなくばっちり出ていた。 声量も音域も。

たつろーさんの強みである声の太さが生きたまま、どの音域も力強く出せるようになった。本当によくぞここまで。。

 

いつも全力の絶叫だと定評のある「サンクチュアリー!聖域だ!」

凄かった。カジモドのこの叫びは街中に轟いたんだろうな。。と確信しました。

 

あと印象的だった最後の語り。

ずっとたつろーカジは比較的想いを込めて話すなぁという印象だったんだけど、

最後の最後に今までと違って、少し離れて客観性を持つ語りだったように思う。

なぜだろう。12月から2週間と空けることなく演じ続けたカジモドからしばらく離れるからだろうか。

個人的に達郎さんのカジモドの作り方は、

「徹底的にカジモドに寄り添い、その人生を生き抜くことで、その全てをリアリティを持って表現しようとする」タイプだと感じていたので、最後に想いがこもるのも納得だったのよね。

 

本編が終わり、カテコで印象的だったのは、下手に戻るたつろーカジがはけ際に床トン(陽ざしの中へ前にやるやつ)やったこと!

「僕のサンクチュアリー」とつぶやきながら床に触れるのはたつろーカジオリジナル(という認識)だけど、

あの触れかたや微笑みに、たつろーカジ独自のあの場所への想いが込められていてとても好きな仕草だったので嬉しかった!

 

 

だいぶ長くなりそうなので、開幕から千秋楽以前のたつろーカジモドについてのことはまた別の記事で書きたいと思います。

 

ちなみにこれだけ書いておきながら、私が1番好きなカジモドは海宝カジモドです。こればかりは決して揺るがないと思う。

もう優劣とかじゃなくて。とにかくすべての作りと表現手法が好きなので他の人と比較してはいけないと思っている。

 

でもね、たつろーカジに出会えたこともまたとても嬉しいことなのです。

初期から演技の組み立て方には好感を持てたし、特にフロローとの関係、歪んでいてもそこに親子のような情があったという作りは興味深かった。

ただ初期はどうしても歌唱面で歌いこなせていない、不安定な部分が目立ち、演じたいゴールに技術が追いつかない印象がぬぐえませんでした。

でも演じ続けるって凄い。役作りは深まり、どんどん裏付けが出来ていき、ついには技術も追いついた。

海宝くんとはまた違う、でも存在感のあるたつろーカジモドが確立されたのです。

2人のカジモドは全然違います。性格も思考も。

だけど不思議なことにこの2人が根っこにしている世界や作品の空気は共通している。私はそう感じる。

だからこそ私は海宝カジが抜けたあとも、同じ世界で己のカジモドを描き出そうと奮闘するたつろーカジの行く末を見守りたくなったのです。

あのタイミングでこの大好きな作品から距離をおかなくて本当に良かったと今は思います。

そして今後も、達郎さんにはもっと彼のカジモドを極めて欲しいとも。

京都、横浜、さらに進化するたつろーカジを心から楽しみにしています。

12月から半年以上、ノートルダムの鐘を支えてくれて本当にありがとうございました。 

 

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ノートルダムの鐘を語ってみるvol.4 個性真逆なWキャスト②

 

ノートルダムの鐘東京楽まであと2週間となってしまいました。辛すぎる。

ということでノートル語り第4弾。

プリンシパルを語るシリーズ。

フロロー、フィーバス、クロパン編。

 

 

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フロロー

芝清道さん

芝フロローは「人は生まれながらに罪人」という自らの台詞にあるように、元からただの人間なのに理性で誘惑を断ち切って勉強をし、精進してきたんだと思う。

カジモドにも歪ながらある種の愛情を向けていると思うし。

それがエスメラルダとの出会いで一気に崩れ去ってしまった。

トプシーターヴィーのあと、拾い上げたスカーフの匂いをあまりに自然に嗅ぐのでゾワっとします。

粘着質で気持ち悪い。(褒め言葉)

「ミサの後探したんだよ」とか本当に気持ち悪い。(褒め言葉)

以前は感情があふれ出るような印象があったんですが、

最近は押し殺した狂気、というか彼の体の中で感情が濁流のようになっているのが分かって、前より哀れに感じるようになった。

好意的に思っていないおじさんに性的な目を向けられる不快さは女性ならきっと分かるのでは哀しいことだけど

 

ある意味1番人間らしいのが芝フロローだと思う。 

形は歪んでいたとしても愛情も優しさも、邪悪な部分も持ち合わせている。

カジモドとフロローの関係性がこの愛情と優しさによってぐっと複雑になる。

芝フロローと親子度強いのはダントツでたつろーカジです。

♪息子のように思うよ と歌いかけるのも芝フロローは実際にそう思っていたんだろうなと感じさせます。

だから余計にカジモドが「僕の愛した人は2人とも横たわってる」のが辛い。

でもエスメ死後、上にやってきたときにはもう明らかに様子がおかしくて、

焦点も合っていないし、どちらにしても元に戻ることなんて出来なかったんじゃないかと思います。

 

野中万寿夫さん 

芝フロローとはまた全然違う。

そもそもビジュアルからして白髪です。歌も台詞寄り。

若き日のフロロー、デュパン神父が追放を告げた後の「ジェアン!」も叱りつけるような声色。

(芝フロローは自分がしてしまったことに焦って呼びかけているような印象だったけど、)非があるのはジェアンだと責めているような。

絶命後の「ジェアン!」は絶叫気味でした。

 

万寿夫フロローは街の人にも恐れられる厳格な聖職者。なんの迷いもなく生きてきた。

カジモドに対してもまさに教え導く、という感じ。カジモドだからあの態度というわけじゃなくて、もし自分の子どもがいたとしてもああいう態度を取ったんじゃないかなと思う。

ああいう父親もいるよね。厳格な教師のような。芝フロローとは全く違う父親像。

アフロディージアス」も口の動かし方をしっかりと見せているのが印象的。

人は残酷だから、笑われるから、外に出るなというのも真実を教えているだけ。

あとは私は腹を立てているわけでは、ない! が怖過ぎて。。 生まれて初めて嘘をついた、その相手は絶対万寿夫フロローの方が怖かっただろう。

ここで優しさを出してくる芝フロローだと、手を広げられても手を回さずに体を寄せるだけ(たつろーカジ限定)なのは罪悪感だと思うけど、万寿夫フロローだと後ろめたさが強い感じ。

 

エスメラルダと出会ってからは芝さんのような明らかな動揺や変化が見えない分、どんな行動に出るか分からずゾッとする。

万寿夫フロローは「私は正しく徳の高い男」って自分で歌っても許される。というか納得できる気がする。

芝フロローが粘着質で気持ち悪いなら万寿夫フロローは異様な執着で恐ろしい。。

牢屋でも何をされるか分からない気の狂った犯罪者を前にしたような恐怖がある。

世間的な信頼を得ている立場だから、中に恐ろしい欲望を持っていても平然と力を行使して、恐ろしい敵だよほんと。

「私は大助祭だ!法律などどうでも良い!」が絶望的です。。

 

エスメラルダ死後に上にやってきて発した「サンクチュアリー」があまりに空っぽで驚く。

もう彼が言う「サンクチュアリー」には何も中身がなくなってる。。

序盤カジモドに「ここがお前のサンクチュアリーだ」と言っていた時には確かにそこに厳かな何かがあったのに。

聖職者としての軸を失ったフロローの「聖域」はもうどこにもないんですね。。

 

芝居重視の歌唱ですが、声質が特徴的だからコーラスに溶けないのが強い。

特にヘルファイヤーとか。

  

 

フィーバス

清水大星さん

清水フィーバスはやっぱり歌が絶品。

笑っちゃうくらいの素晴らしく良い声と豊かな声量。

「警備隊長」の歌い方が好き(マニアック)

美南エスメラルダとの歌の相性抜群です。

直近では髪色がさらに明るく前髪なし長めの髪で女の子みたいだった。

 

わりと育ちよくてまあまあの地位からスタートしてるから余裕があって優しいけど気配りできないとこがある。 そんなイメージ。

多分まったく軍人には向いていないし、戦場での経験も辛く(佐久間さんほどではないけど)トラウマになってる。

そんな彼が太陽のような魅力を持ち賢く慈悲深くもある美南エスメラルダに惹かれるのは当然かと。

大聖堂でのやりとりはフランクで笑顔も多い。口説きモード感。

カジモドに静かに!って怒られたときの「ごめん」もすごく素直。

Somedayでも♪私が旅立つときに〜 に泣きそうになっていたり、フレデリックへの呼びかけが泣き声入っていたり、なんというか素直さと弱さが見える。

♪パリの人々よ〜 と歌い掛ける力強さと熱意で劇場の空気が変わります。

ラストの墨はくの字のような引き方。

 

個人的は清水さんを初めて認識したのがリトマのシェフデビューを観劇した時で、

あまりの面白さに爆笑した記憶が強かったのでお笑い枠じゃない役って観るまで想像もつかなかったんですが、まるで別人でさすが役者さんだな…と。笑(当たり前)

 

佐久間仁さん

デビュー日をマチソワで拝見したのでなんだか思い入れのある佐久間フィーバス。

1公演目の時は聖堂でのエスメとフィーバスの攻防で初めにナイフ突きつけるタイミングでぶつかっちゃって下手に吹っ飛ぶナイフ。

吹っ飛んだナイフをエスメが拾って再度喉元に突きつけられるという情けない隊長になってしまったのも良い思い出ですね←

 

身長が高く目立つし、長身の美南エスメでもきっちり身長差が出ます。

歌は清水フィーバスの美声歌上手っぷりが普通じゃないので比較しちゃうとあれだけど初期からどんどん進化して、今では歌唱の不安定さもなくなりました。

フィーバスの存在感と説得力は佐久間さんが好きです。

佐久間フィーバスは元から粗野で荒っぽいところがあり、戦闘も強そうで叩き上げの雰囲気がある。

戦場で疲弊して戻ってきたけど過去に縛られてる。戦場を思い出し、青ざめ震えている。

エスメの魅力に惹きつけられるけど、その勇敢さや真っ直ぐさを見てすっかり人として好きになる感じ。

 

Somedayではエスメラルダの強さや信念にすぐ側で共感して、辛さや悲しみに揺らいで崩れ落ちる彼女をしっかり支えて包み込むのが佐久間フィーバス。

ただただ彼女の言葉を聞いて、その通りだと泣きそうに頷いて、でもエスメラルダが崩れ落ちたときは静かに力強く抱き締める。

 

最後エスメの亡骸を抱き上げようとして、その重みに彼女の死を突きつけられたように顔には絶望が浮かび、体は震えていた。

もう佐久間フィーバスは立ち直れないだろう。

彼は戦場での記憶とエスメを失ったこの一連の出来事に押しつぶされてしまうんだと思う。

Somedayでエスメと交わした言葉を思い出し、いつか平和になったそのときにまた2人で世界を眺めたいと願いながら、もうエスメが存在しないあの世界から消えてしまうんじゃないかなって。

歩くこともおぼつかず今にも倒れそうなフラフラとした去り方には1ミリの救いもありませんでした。

 

あとは佐久間フィーバスはとにかくフレデリックと仲良し笑

酒場に来たとき、友人のフレデリックも一緒だって言いながらフレデリックの頭ぽんぽんしたり。(鈴本さん、野村さんのみ)

細々としたアイコンタクトが多い。

 

クロパン

阿部よしつぐさん

ビジュアルはジーザスっぽい。

とにかく目つきが鋭い。目的のためなら躊躇なく人殺しもしそうだし、多分もう何人も殺してきてる。

よしつぐクロパンは冷静で、今までにも散々居場所を追われてきたのがよく分かる。

野生のイノシシどころか、冷酷な野生のオオカミくらいの印象なんだよな。 

この作品の幕開け、そしてカジモドから俳優へ戻ったときの衣装の返却とお辞儀という重要部分をぐっと引き締める重みを持っている方だと思います。

 

吉賀陶馬ワイスさん

彼、メレブのとき歌含めずっこけた記憶があるんですけど記憶違いだったかな⁉︎って思うくらい。

クロパンの歌すごく合ってる!!

顔立ちとか頭部の後退具合とかいかにもああいう世界に出てきそうな風貌で得してるなーと思う笑

人情のある家畜の豚に紛れた野生のイノシシ。っぽいです。

奇跡御殿の「お前はフロローの奴隷!」もワイスさんは振りかぶって脅してるだけでカジモドが勝手に転んじゃう。

割とまだ若めで同じジプシーへの情が厚い。どこかに落ち着いて暮らしていくことを本気で願っているんじゃないかな。

 

 

個人的には歌唱力が武器の美南エスメ&清水フィーバス&芝フロロー、

芝居力が武器の愛エスメ&佐久間フィーバス&万寿夫フロロー、

の組み合わせが好きだったりします。

強みの相乗効果が生まれやすい組み合わせな感じがして。

持ち味が全然違うプリンシパルなので、組み合わせによって相当印象が変わるなと何度観ても思う。

とはいえその個性豊かなプリンシパルの軸になるのはカジモドの存在の仕方だと思うので、カジモドとても大事!という結論。(?)

 

カジモド以外は今のところWで回しているので割と綺麗に2極化している印象。

新たにデビューしていく方々がどう作っていくか、そしてその役作りがどう他に作用していくか、楽しみで仕方がない。

京都は1遠征しかできない予定なので横浜でたくさん楽しめると良いなぁ!

 

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